生涯未婚、少子化の妙薬? 結婚&育児に「シェアの思想」
不純愛トーク 第328夜
「ヨコ型の社会」を作ることが、これからの社会の課題。しかし、都心に次々と建てられるタワーマンションなどの巨大な分譲住宅は、ますます、この国の住民たちから「ヨコの関係」を奪っていきます。それではダメ。これからは、「シェアの思想」が大事。この思想を発展させれば、結婚だって、育児だって、シェアできるのではないか? 今回は、そんな話をしてみます――。
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AKI 前回、哲ジイは、「ヨコ型」の社会を作ることが大事だ、と言いましたよね?
哲雄 確かに、そんな話をしました。
命令と服従で成り立つ「タテ型」の社会よりも、
自立した人間同士が共同し合う「ヨコ型」の社会。
そういう意識で結びつく人間の関係が、もっと必要だ。
そうでないと、この社会は、特に東京のような大都市は、バラバラに切り離されて「時間」と「労力」を切り売りするだけの、奴隷たちの「ゲットー」になってしまう。
AKI ゲットー……? 何ですか、それ?
哲雄 日本語で言うと、「収容所」かな。本来は、かつてのヨーロッパで、ユダヤ人たちを隔離して収容した地域または施設のことを言うんだけど、現代では、一般に、少数民族などが住む「貧民街」という意味で使われたりします。
AKI 哲ジイの目には、東京という街そのものが、「ゲットー」に見えてしまうんですね?
哲雄 ハイ。特に、最近、ニョキニョキと建ち始めたタワーマンションなんぞを見ていると、まさに「ゲットー」以外の何物でもない……と感じます。
AKI でも、人気があるみたいですよ。
哲雄 バカですね、そういうところに住みたがる人間たちは。50年も経てば、そうして建てられた高層マンションは、軒並み、ゴーストタウンになります。処理のしようもない巨大ゴミが、東京のベイエリアやリバーサイドを埋め尽くすことになるわけです。考えただけでも、ゾッ……としますね。
AKI 確かに、先々のことを考えると、怖い話ではありますね。タワーマンションじゃあ、哲ジイの言う「ヨコのコミュニティ」も、作られないだろうし……。
哲雄 そもそも、「分譲マンション」という考え方がおかしい。
分譲マンションは国を滅ぼす

というのが、持論なんですよね、私は。それだったら、「ソーシャル・アパートメント」とか「シェア・ハウス」にしたほうが、数段いい。
AKI 「シェア・ハウス」はわかるけど、「ソーシャル・アパートメント」っていうのは?
哲雄 「ソーシャル・アパートメント」というのは、「シェア・ハウス」がマンション化したもの、と思えばいいと思います。どちらにも共通しているのは、食堂、キッチン、シャワールーム、トイレなどが共有スペースになっている、というところでしょうか。東京都などが推進している「高齢者向け住宅」も、一種の「ソーシャル・アパートメント」と言っていいかと思いますが、こちらの場合、バス・トイレは、各戸に付いているようですね。
AKI でも、キッチンやダイニングは共有なんですね?
哲雄 重要なのは、そこです。アパートでもマンションでも同じなのですが、そこで暮らしている人たちというのは、その建物の敷地を共同で使用しているわけですよね。言ってみれば、ある「地縁」を共有していると言ってもいい。そのときに、たまたま自分は、その土地の何分の1かを使っているだけで、他の住人とは何の縁もない――と考えてしまったら、「地縁社会」としての集合住宅は、「ただの箱」に成り下がってしまいます。
AKI でも、アパートとかマンションとかでは、住んでいる人たちの顔も知らない――というケースが多いみたいですよ。貸主や売主も、「プライバシーに配慮」みたいなことを謳い文句にしてるし、いまは、そういう時代なんですよ。
哲雄 個人情報保護のために、表札も出さないとか、隣人に引っ越しのあいさつもしないとか、そういう人たちが増えているようですね。しかし、私に言わせていただくなら、そんな隣人関係は「病んでいる」としか言いようがない。何が、個人情報だ、何が、プライバシーだ!
AKI 怒ってますね、哲ジイ?
哲雄 というより、憂えております。このままじゃ、この社会は、「地縁」という「ヨコのつながり」を失くしてしまうんじゃないか――ってね。まずは、自分が住んでいる「地域」という社会の中で、「ヨコのつながり」を作る。私が主張する「ヨコ型コミュニティ」の第一歩は、そこから始まるんですから。
AKI 始まる――っていうことは、もっと大きな「ヨコ型」を考えてるんですね、哲ジイは?
哲雄 ま、いろいろと。そうして「ヨコ」のつながりが作れたら、たとえば、
「育児」なんていうことは、地域のコミュニティで
協力してやっていくようにできないだろうか
とかね。もっと大きくは、過疎が進む地方の集落には、「シェア・ハウス」の考え方を取り入れて、住居は、「共有施設」を持つ集合住宅化し、そこに、農業をやってみたいと思う若い人たちを呼び込んで、共同で大規模農業を展開する――なんてことも、考えられるんじゃないかと思っているんです。
AKI 大きいですね、体は小さいのに、考えてることが。
哲雄 「体、小さい」だけ、余計です。でも、そういう動きをすでに始めている人たちもいます。それにね、AKIクン、これはキミが好きな話だと思うけど、こういう「ヨコ型」の仕組みを作っていけば、いま、問題になっている若者の「生涯未婚率」の上昇も防げるんじゃないか――と思うんですよ。
AKI それ、ぜひ、お聞きしたいですわ。「ヨコ型社会」と「生涯未婚率の低下」とが、どこでどうつながるのか、私には、さっぱり見当がつきません。
哲雄 ようがす。ご説明いたしましょう。私は、かねがね考えているのですが、「ヨコ型」の考え方が進化すれば、男ひとりに妻ひとりがくっついて、「核家族」を作る――という考え方にこだわる必要も、なくなるのではないかと思うのですよ。
AKI エッ、それって、《一夫一妻》 じゃなくてもいい――ってことですか?
哲雄 というか、「結婚」である必要もないんじゃないか。現にいま、都市部でも、結婚に拠らずに子どもを生み、育てる 《シングル・マザー》 が増えているでしょう?
AKI それって、離婚したり、配偶者と死別したりした人たちが増えているからじゃないんですか?
哲雄 ノン、ノン。たとえば、フィギュアスケートの安藤美姫さんの場合はどうか?
AKI そうか……。彼女は、結婚してないんですよね。
哲雄 実は、「シングル・マザー」が増えているのは、離婚や死別が増えているからではなくて、未婚のまま、出産する人たちが増えているからだ――と、判断できるのです。総務省が2010年に行った国勢調査の結果は、こうなっていました。

シングル・マザー総数……108万1699人
うち、母子世帯(母と子だけの世帯)……………75万5972人(69.9%)
他の世帯員(祖父母世代など)と同居……32万5727人(30.1%)
シングル・マザーの配偶関係別(シングルである理由)
離別……87万1735人(80.6%)
死別…… 7万7912人(7.2%)
未婚……13万2052人(12.2%)
AKI やっぱり、離婚が大半を占めているじゃありませんか。
哲雄 そうなのですが、前回2005年の調査と比べると、
シングル・マザー全体が前回比0.9%増にとどまっているのに対して、
「未婚のシングル・マザー」は、前回比48.2%も増加しているんですね。
「結婚はしないけど、子どもは産む」という人たちが、この5年間で1・5倍に増えているのです。
AKI つまり、夫は要らない、でも、子どもは欲しい――という人たちですね?
哲雄 総務省によると、合計特殊出生率が、2005年の1.26から2010年の1.39へと、わずかながら回復傾向を見せているのですが、実は、そこには、この「未婚のシングル・マザーの急増」が、寄与しているのではないか――と、総務省は分析しています。
AKI 「シングル・マザー」が「少子化」を防ぐってことかぁ……。
哲雄 そうとも言えますね。最近は、「シングル・マザー専用アパート」なんてのも登場して、育児を助け合いながら暮らす――なんていうライフ・スタイルが、ポツポツと現れているようですよ。
AKI 哲ジイの言う「ヨコ型の社会」という考え方とも、マッチしそうですね。
哲雄 そうですね。ただ、私は、何も「専用」にしなくてもいいんじゃないか――とは思いますけどね。要は、そうして「シェアし合う思想」が、もっと社会全般に広がれば、この国が抱えるいろいろな問題の、解決の糸口になるのではないか……と思うんですよ。
AKI 「シェアの思想」ですか? いいですね、それ。そういう考え方が普及したら、私だって……。
哲雄 私だって、何でしょ?
AKI あ、いや……それはまた、いずれ……。
哲雄 エッ、エッ……?
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