「SEX」と「愛」をセットにした 《農業の罪》

「SEX」に「愛の契約」を求めたのは、経済的理由。
人類が農業を始めたことに関係しているらしい…。
性とエッチの《雑学》file.141 R15
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。
【今回のキーワード】 一夫一妻制 財産保全

【リンク・キーワード】 エロ エッチ 官能小説 オーガズム 不倫
この世にコピーを残すために「SEX」というしくみを作った遺伝子は、
オスには、
汝の精子をできるだけ広範にばら撒け!
と命じ、
メスには、
極力、立派なオスの精子を受け入れよ!
と命じる。
しかし、そこには、
SEXするなら、「愛」を示せ!
という書き込みはない。
前回は、そんな話をしました。
そして、「SEX」するには、「愛の契約」が必要――としたのは、《経済的動機》であり、そういう《経済的動機》が存在するのは、「一夫一妻制」の社会だけだ――と申し上げました。
なぜ、一夫一妻制の社会でだけ、「SEXと愛」を結びつける考え方や制度が生まれたのか?
今回は、そんな話をしてみたいと思います。
オスには、
汝の精子をできるだけ広範にばら撒け!

と命じ、
メスには、
極力、立派なオスの精子を受け入れよ!

と命じる。
しかし、そこには、
SEXするなら、「愛」を示せ!

という書き込みはない。
前回は、そんな話をしました。
そして、「SEX」するには、「愛の契約」が必要――としたのは、《経済的動機》であり、そういう《経済的動機》が存在するのは、「一夫一妻制」の社会だけだ――と申し上げました。
なぜ、一夫一妻制の社会でだけ、「SEXと愛」を結びつける考え方や制度が生まれたのか?
今回は、そんな話をしてみたいと思います。

最初に申し上げておきますが、「一夫一妻」という婚姻の形は、人間社会だけの制度ではありません。

実は、これには、エサと子育てのシステムが関係していると言われています。メスが卵を温め、ヒナを育てている間、オスがエサを確保してくるという関係が成立している種の場合、オスの給餌能力では、メス1羽を食わせ、ヒナを育てるだけで精いっぱいという場合が多く、それゆえに一夫一妻にならざるを得ない――と説明されています。
では、人間の場合はどうか?
意外と思われるかもしれませんが、世界の文化領域の中で、「一夫一妻制」をとっているのは、わずか20%前後にすぎません。そのほとんどが、欧米や日本などの先進工業国。その日本も、戦前までは、純粋に「一夫一妻制」をとっていたとは言い難い状態でした。
「一夫一妻」を「制度」として明文化したのは、筆者の知る限り、ユダヤの「律法」ではないかと思います。しかし、この「一夫一妻制」は、男女の相思相愛な「占有」を定めたものなどでは、ありませんでした。
「姦淫」を厳しく戒めてはいるのですが、「姦淫」とされるのは、既婚の女性が他の男性と肉体関係を結ぶことで、既婚の男性が未婚の女性何人と情を交わそうが、それは「姦淫」とはみなされませんでした。ただし、他の男の妻に手を出せば、それは「姦淫」とされ、犯せば厳罰に処せられました。
つまり、ユダヤの律法で保護されているのは、男性の「所有権」だったのです。女性は、「男性の所有物」とされていたのですね。
なぜ、女性を「男性の所有物」としたかと言うと、「財産」を保全するためです。もし、自分の妻が他の男とSEXして、その子を宿してしまうと、男性は、自分の財産を自分の血を引かない子どもに継承させてしまうことになります。
ユダヤの律法は、この財産の継承に関してはことさらに厳しく、「一夫一妻制」を男女間の契約として誓わせたのも、実は、「財産を守るため」であったと考えられます。
しかし、それだけだと、夫婦の関係は、ただの財産上の契約関係ということになってしまいますから、後の西欧社会はそこに「愛の誓約」という要素を絡ませて、精神的束縛を加えようとしました。
つまり、「愛」は、
「財産維持」のための制度としての「一夫一妻制」を、
「倫理」として定着させるための、「後付けの理屈」だった。

筆者は、そう言って差し支えないだろうと思っています。

西欧世界で、「一夫一妻制」が標準となったのは、実は、彼らが「農業」を始めたことと関係があるのではないか――と言われています。
事実、狩猟・採集が主たる生産様式となっている文化地域では、「一夫一妻制」は、ほとんど成立しませんでした。少なくとも、それらの地域が近代国家に組み入れられ、近代思想の洗礼を受けるまでは、たいていは、「一夫多妻」や「一妻多夫」の制度をとっていました。
「一夫多妻」か「一妻多夫」かは、おそらく「食料調達」の方法によるのだろうと思います。
家族の食糧を男の漁や猟に頼る社会では、たくさんの食糧を確保できる男が複数の妻を所有し、主たる食料を木の実や野草などの採集に頼る社会では、家に定住して採集作業に従事する女が、複数の夫を従える。
どんな婚姻形態をとるかは、主には、食料調達という《経済事情》によって決定されていた――と言っていいのではないかと思われます。
では、なぜ、「農業」だと「一夫一妻制」が標準になるのか?
『農業は人類の原罪である』を書いた文化人類学者、コリン・タッジによれば、人類が農業に手を初め、穀物を生産するようになって、人類の社会は、劇的な変化を迎えます。
「穀物」という農業産物の特徴は、何と言っても、「貯蔵が効く食糧」ということにあります。
すると、どうなるか?
力のある人間とそうでない人間との間で、収穫量に差が出るのは当然なのですが、その差を「貯蔵」できるとなると、力の差は、「蓄え」の差となって蓄積されていきます。
そこに「富」というものが生まれます。
貯蔵された「富」に差が生じると、そこから「権力」が誕生します。
そして、その「権力」を生み出す「富の差」には、守る必要が生じます。
守るために、厳重な蔵が必要になったり、それを警護する「武力」が必要になったりします。
当然のことですが、その「富」を子孫に「財産」として受け継がせていくシステムも必要になります。
もし、そこで、妻に別の男が近づいてきて、ひっそり、自分の子種を植え付けたなんてことになると、せっかく蓄えた「富」を、自分の遺伝子を受け継がない子孫に分け与える、あるいは、ごっそり奪われてしまうことになります。
自分が妻以外の女に手を出して、子どもを作ってしまった場合にも、せっかくの財産を分割してしまうことになります。
財産を目減りさせてしまうことは、その権力を低下させることでもある。
そこで、「農業」に手を初めた人類は、「一夫一妻制」という厳密な婚姻システムを誕生させて、「財産の保全」に努めようとしたわけです。
「一夫一妻制」も、「SEXに愛が必要」という倫理則も、こうして《経済的理由》から誕生した。
筆者は、そう断言してもいいと思っています。

それにしても――です。
人類は、なぜそこに、「愛」などという名前を付けたのか?
SEXに愛が必要――などとしたのは、「財産の保全」を合理化するための「後付けの理屈」だと、先ほど申し上げましたが、では、その「後付けの理屈」は、どこから持ってきたのか?
「愛」というその名前を、人類は、どこでどうやって見つけたのか?
敬虔なキリスト教徒であれば、
それは、神が啓示によって、
「愛」というものの形を示されたからだ。

と言うかもしれません。
唯物論者である長住は、その意見に全面的には賛同できません。
半分は当たっているにしても、あとの半分は「違う」と感じています。
その理由は、次回、お話したいと思います。
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