「義理」の戦士には、聖母の「人情」が必要…?
不純愛トーク 第319夜
「義理」を貫こうとすれば「人情」を犠牲にせざるを得ない場合がある。「人情」に厚くなろうとすると、「義理」を通せなくなるなることもある。「義理」と「人情」のせめぎ合い。その矛盾は、どうすれば解決できるのでしょうか? 今回は、「義理」の世界に「人情」を引きずり込むという解決方法について、話をしてみたいと思います――。
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AKI 道理にしたがって正しい道を歩もうという「義理」の世界と、「安穏」であってほしいと望む親や妻や愛する人間たちの情を大事にする「人情」の世界。人は……というか、特に男は、その2つの世界の狭間で揺れながら、自分の生き方をその都度、決定していく。大雑把に言うと、前回は、そういう話をしたわけですね。
哲雄 ずいぶん大雑把にまとめてくださいましたね。でも、まぁ、だいたいそんなところです。
AKI その「義理」を通そうとすると、「人情」を犠牲にせざるを得ない場合がある。「人情」に厚くなろうとすると、「義理」を通せなくなる――と。そこで、「義理」と「人情」を秤にかけなくちゃならなくなる。特に、男の人生では、そういう場面に直面することが多い。しかし――と、哲ジイはおっしゃいました。
哲雄 ハテ、何を申し上げたやら……。
AKI もう、忘れてるし……。その「義理」と「人情」を秤にかけなくてすむ方法もある。確かに、そうおっしゃいましたよ。
哲雄 ま、ないわけじゃないかなぁ――というようなことは言ったかもしれません。
AKI で、その方法とは?
哲雄 「人情」の世界を、「義理」の世界に引きずり込んじゃえばいいわけです。
AKI 引きずり込む? 穏やかじゃありませんねェ。
哲雄 でも、よくやられる方法ですよ。たとえば、その「義理」の世界を「宗教」と置き換えてみましょうか?
AKI あ、そうか。家族や恋人を勧誘して、入信させてしまうんだ。
哲雄 そういうことを特に熱心にやる新興宗教もありますよね。自分が信じるものについて、相手の理解を求めるというのは、人間としてごく当たり前の行動だと思いますが、その勧誘が、「教勢を拡大するため」の教団の組織的活動だったりすると、管理人はいかがなもの?――と思います。政党の中にも、そういう活動に熱心なところもありますが、こちらも、あんまり感心しませんね。
AKI あの人とつき合うと、入信させられるとか、党員にさせられるとか――っていうのじゃ、「人情」も足踏みしてしまいますわねェ。
哲雄 ま、強引に引きずりこもうとすると、そういうことになってしまいますわなぁ。でもね、AKIクン、その「引きずり込む」が「勧誘」とかではなかったら、どうだろう? たとえば、自分の「義理」の世界をなんとか理解してもらおうと説得し、その結果、理解と共感を深めた相手が、「あなたの義理の世界、私も応援するわ」と「サポート役」を買って出る、あるいはもっと積極的に、「私も一緒に闘うわ」と「同志」に名乗りを挙げる。こうなったら、どうだろう?
AKI 「義理」と「人情」が、矛盾なく、一体化する? もう、秤にかける必要もなくなりますね?
哲雄 ま、そうなると理想的――とも言えますね。しかし、こういう関係には、ある危険も伴います。
AKI エッ!? 危険……? どんな危険ですか?
哲雄 「共倒れ」という危険です。一方が足を踏み入れた「義理」の世界には、常に、「崩壊」の危機が伴います。たとえば、その「義理」が世間に受け入れてもらえずに、挫折するとか、あるいは周囲の非難を浴びてつぶされてしまうとか、対立する「義理」を掲げる勢力に打ち負かされてしまう。その結果、崩壊してしまうという危機です。そのとき、「人情」がその「義理」と完全に一体化してしまっていたら、どうなるか?
AKI 共倒れになってしまう……?
哲雄 最悪の場合は、そうなります。逃げ場がなくなっちゃうんですね。「義理」の世界には、いつだって、そういう「崩壊」や「敗北」の危険が伴うわけですが、そういうときに挫折したり、敗北したりした側が求めるのは、「よし、よし」と迎え入れてくれる「逃げ込める場所」なんですね。
AKI あ、なんか、そういう歌、ありましたよね。「さぁ、眠りなさい……」とかって歌ってた……あの曲。
哲雄 『聖母たちのララバイ』ですね。もうなくなっちゃったけど、日テレの『火曜サスペンス劇場』の主題歌に使われて大ヒットした岩崎宏美の曲。この曲でしょ?
AKI あ、これこれ。
哲雄 こういうことを言うと、勝手だと思われてしまうかもしれないけど、「義理」の世界での闘いが厳しければ厳しいほど、その戦士たちを何も言わずに受け入れて、
「あなたは十分に闘ったわ。いいのよ。
何も言わずにここで眠りなさい」
と言ってくれる聖母のような「人情」を求めてしまうんですね。
AKI ま、確かに勝手ではありますわねェ。でも、あれですね。そのとき受け止めるべき「人情」が、「義理」と一体化して「同志」みたいになっちゃってると、「さぁ、眠りなさい」どころじゃない……?
哲雄 そうですね。ふたりして落ち込んでしまって、ヘタしたら、七輪に火を点けて――なんてことにもなりかねない。つまりね……。
AKI わかった! 「人情」が「セーフティ・ネット」にならないんだ?
哲雄 オッ、AKIクン、珍しくいいことを言う。
AKI 「珍しく」だけ余計です。つまり、こういうことですか、哲ジイ? 「義理」が「人情」を引きずり込んで融合し合うのは、それはそれで素晴らしいことではあるけれど、あんまりガチにスクラムを組んでしまうと、「共倒れ」になってしまう危険もある。だから、もう少し緩い結合がいいのではないか――と。そういうことなんですね?
哲雄 ノリシロが欲しい、ということですね。「同志」というようなガチガチの関係ではなくて、おたがいがおたがいの「義理」の世界を理解して、それを愛情でサポートし合うような関係。「義理」と「人情」は、それくらいの緩い関係であったほうがいいだろう――と、私は思いますね。
AKI わたし、むずかしいことはわからないけど、辛くなったら言ってね。いつでも、この胸に受け止めてあげるから――とか。
哲雄 おお、ありがとう。では、さっそく……。
AKI しっ、しっ! 違うでしょ! それくらいの関係がいいんじゃないでしょうか、という意味で言っただけですから。
哲雄 それは残念。
AKI ところで、哲ジイ。その逆はないのですか?
哲雄 逆――と言うと?
AKI つまり、「義理」が「人情」を引きずり込むのではなくて、「人情」が「義理」を引きずり込む――というパターンですけど。
哲雄 あります……というか、それはむしろ、日常茶飯的に行われているんじゃありませんか、特に日本の家庭の中では。
AKI 日常茶飯……ですか。たとえば、どんなふうに?
哲雄 それについては、話しだすと長くなってしまうし……。
AKI わかりました。では、次回に――ということで。
哲雄 その前に、私としては、AKIクンの「人情」の在り処を知りたいのですがねェ。
AKI まだ言うか、このエロじじい!


2012年11月リリース
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