「汚部屋」の蜘蛛の巣女〈11〉 「ごちそうさま」はエッチで…?

ヴァギナph1

部屋で人と一緒に食卓を囲んだ――という経験が、
女にはほとんどないと言う。「個食」で育ったダメ犬のような女。
諒一は、そんな女が放っておけなくなった――


 妄想力ドリル〈R18版〉   第32講  「汚部屋」の蜘蛛の巣女〈11〉

 R18  このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方は、ご退出ください。

 本シリーズは、筆者が「妄想力」を駆使して書き起こすフィクションです。登場する人物・団体などは、すべて架空のもの。実在する人物・団体・地名などとは、いっさい関係がありません。

 リンク・キーワード   恋愛小説 エッチ 官能小説 不倫 おひとり様 エロ


この話は、連載11回目です。最初から読みたい方は、こちらから、前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。

 ここまでのあらすじ  込み合う終電の中で、諒一はその女に出会った。途中駅から乗り込んできた女の腕が、電車が揺れるたびに諒一の腕に触れた。その腕に、諒一は女の「意思」を感じた。諒一が女の手に手を伸ばすと、女はその指に自分の指を絡ませてきた。やがて、電車は駅に滑り込んだ。「わたし、ここで降りるの」と、女が目で訴えてきた。諒一が降りるS駅はひとつ先だ。しかし、諒一と女は、手を繋ぎ合ったまま、改札を抜けた。どこへ行くか? 迷う諒一の手を引いて女が向かったのは、自分のマンションだった。しかし、そこは、足の踏み場もない「汚部屋」だった。女は諒一をベッドに誘うと、自ら服を脱ぎ捨て、諒一の服を剥ぎ取って、その体にまたがった。諒一のペニスを体の奥深くに迎え入れると、女は、ロデオマシンの女のように腰を動かした。果てた女は、肉の塊となって諒一の体に崩れ落ちた。その体からは、饐えた汗の臭いがした。いつ風呂に入ったのか、覚えてない…と女は言う。この女を何とかしたい。諒一は女の手を引いてバスルームへ向かい、頭からシャワーを浴びせた。ソープをまぶした手で女の全身を洗い、やがてその手を女の腿と腿の間に滑り込ませた。ていねいに、ていねいに、腿の奥を滑らせ、揉み込む諒一の手に、女はたまらず、体を痙攣させた。女をバスルームから出すと、諒一は、汚れた浴室をきれいに掃除してリビングに戻った。ベッドに横たわって手招きする女。諒一は、女が横たわるシーツも取り替えたくなった。シーツはどこ? 女が指差したクローゼットを開けると、そこは衣類の墓場だった。女には、物事を整理する能力も、その意思もないのだった。諒一は、無秩序に放り込まれたままの衣類を整理し、部屋に散らばったゴミを分別して片づけた。終わると、夜が白み始めていた。諒一は、不意に睡魔に襲われた。目を覚ますと、女はベッドの上で、白い尻をさらけ出したまま、寝息を立てていた。諒一は、その白い山に手を当て、2つの山をそっと押し開いた。絞った茶巾のように閉じられた穴があった。諒一は、そこに息を吹きかけ、舌をそこに押し当てた。女の腰が浮いた。浮いた腰の間から手を差しこんで、ヘアの先へと進めると、コリッと固まった陰核が指先に触れた。それを押し揉みながら、舌で菊の門をくすぐる。女は懇願の声をもらした。「入・れ・て」。名前も知らないまま、再び、一体となるふたり。歓喜の余韻に浸る女の耳に、諒一は問いかけた。「キミの名は?」。女は上本則子。TV番組の制作会社でADをしているという。「おなか空かないか?」と訊くと、女は黙って冷蔵庫を指差す。開けて見て、諒一は言葉を失った。中にあったのは、カップ麺とレトルトパックだけ。これは、生活ではない、と諒一は思った――。


 駅前の商店街にスーパーがあったよな――と、諒一は思った。
 もっと近くにコンビニもあったが、コンビニで食糧を買うという気にはなれない。
 どうせなら……と、スーパーに向かった。もう少し、ましな食い物を買おう。そう思ったからだ。
 どうしてそんなことをしたのか――と、いまでも思う。
 諒一は、スーパーに入ると、パンと卵を買った。そうだ、パンにはバターが必要だ。牛乳も飲んだほうがいいな。あと……野菜を何か。晩飯はどうするか……?
 いつの間にか、諒一は、レジ袋いっぱいの食材を買い込んでいた。
 諒一が買って帰った食料の山を見て、女は目を丸くした。
 そんないっぱい買ってきてどうするの?――という驚きの目だった。
 呆気にとられている女を後目に、諒一は、フライパンで卵を焼き、残った油でほうれん草をソテーして、クシ形に切ったトマトを添えた。
 パンは、どうするか?
 見ると、一度も使った形跡がなく、ホコリを被ったままのオーブントースターがある。やれやれと思いながら、諒一は、ダスターでそのトースターをピカピカに磨き上げ、パンを焼いた。
 女は、手伝おうとするでもなく、諒一が食事の支度をするのを、ただ、茫然と眺めているだけだった。
 「ホラ、ごはんだよ。顔を洗ってきな」
 言うと、女は、「エッ!?」と不思議な顔をしている。
 「朝、起きたら、顔を洗う――でしょ。目ヤニだらけの顔で食卓につかないでくれよ」
 いつの間にか、諒一の口調は、命令調になっていた。
 それは、不思議な気分だった。
 自分が、デキのわるい飼い犬の訓練士になったような気分だった。

       

 ダメ犬は、しぶしぶ洗面所に立つと、濡れた顔をタオルで拭きながら部屋に戻ってきて、テーブルの上に並べられた遅い朝食を見て、目を丸くした。
 「おはよう」
 諒一が言うと、女はキョトンとしたまま、黙ってうなずいた。
 「あのさ、おはようって言われたら、おはようでしょ?」
 いまさら、そんなことを言わなければならないのか――と思いながら、諒一は女の頭に手を置いて言った。
 女は、意味がわからないという顔をしている。
 その頭をクシャクシャに撫でながら、諒一が「おはようは?」と言うと、女の口が恐る恐る開かれた。
 「お・は・よ・う……」
 「よくできました」
 今度は、女の髪を撫でながら、その額にチュッと唇をつけた。
 女の顔がちょっとだけ、ニコッ……と緩んだ。

 テーブルの前に座った女は、何からどう食べようか――と迷っているようだった。
 男とふたりだけで食卓を囲むということに慣れていないのかもしれない、と諒一は思った。しかし、どうもそうではないらしい。
 女は、いきなり、パンに手を伸ばして、それをひと口かじろうとする。
 「あっ……」と、諒一は手を上げて、女を制した。
 女は、「何?」という顔をしている。
 「あのさ……どうでもいいけど、こうしてふたりでいるときぐらい、何か言って食べようか」
 「何か……?」
 女は、キョトンとしている。
 「いただきます――とかさ」
 「言うんだ、そういうの……」
 「ふつう、言うでしょ?」
 「知らない……。いつも、ひとりだったから……」
 女によると、物心ついたときから、食事はいつもひとりだった――という。母子家庭だった女の家では、母親は、いつも朝早く家を出て、夜遅く帰ってきた。食事は、母親が朝用・昼用・夜用と用意したものを、電子レンジで温めてひとりで食べた。
 食事は、そうやってひとりで黙々と食べるもの。女の中には、そういう観念ができ上がっているようだった。諒一は、それを、少し悲しいと感じた。
 「いまは、ひとりじゃないよ」
 女は諒一の顔を見て、ウンとうなずいた。
 「い……た・だ・き・ま・す……」
 ぼそっとそれだけ口にすると、女は、目の縁をポッと染めて、それからパンを口に運んだ。
 カリッ……と、焼けたパンが女の口に砕かれる音がした。

       

 犬をしつけているのではない。
 女を調教しているのだ。いや、「調教」という言葉も、正しくはない。彼女が身に着ける機会もないまま育った「他者との関わり方」を、自分と過ごす時間を通して学んでもらえればいい。諒一は、そう思った。
 そうすれば、この女はもっと……という思いもあった。
 「もっと……」の先がどうなるかは、諒一にもわかっていなかった。

 女は、諒一が用意した昼食に近い朝食を、ものも言わずに食べ続けた。
 「おいしい?」
 諒一が訊くと、女は、コクリとうなずいた。
 テーブルの上の食事をたいらげると、女は箸を皿の上に置いて、ペコリと頭を下げた。
 そして、その口から、意外な言葉が飛び出した。
 「ありがとう……」
 言うなり、女は、テーブルを挟んで、顔を諒一に向かって突き出してきた。
 「ちょ……ちょっと……」
 止める間もなく、女の口が諒一の口に吸い着き、いま、食事を味わったばかりの舌が、諒一の口の中へ差し込まれてきた。
 その舌には、まだ、卵やバターや塩やコショウの味が残っていた。
 待てよ、まず、食器を片づけてからにしようよ。
 そう言おうとした諒一だったが、口の中を自在に暴れ回る女の舌の動きに、ペニスが反応した。
 諒一は、そのまま、女の体を床に倒した。
 ほんとうなら、この食事を終えたら、諒一は、家に帰るつもりでいた。
 いつまでも、こんなところに居座ってはいられない――と思ったからだ。
 しかし、その予定は、またも狂った。
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