「嫉妬」は、はたして、人生のエネルギーになるか?
不純愛トーク 第312夜
恋愛に付き物と言ってもいい「嫉妬」。「嫉妬」は、ときに、人を成長させるエネルギーともなりますが、その苦しみから逃れようとすると、人を幼児期に「退行」させてしまったり、欲望そのものを「抑圧」してしまったりします。今回は、「嫉妬」が、人の成長に影響する心理的メカニズムを解剖してみます――。
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AKI 「嫉妬」は「恋のエネルギー」になる場合もある。前回、哲ジイは、そんなことをおっしゃいましたね?
哲雄 ハァ、言ったような、言わなかったような……。
AKI どっちなの?
哲雄 い、言いました。でもね、AKIクン。だれでもそうかと言うと、そうでもない。「嫉妬」につぶされて、シュン……ってなっちゃう人もいますのでね。
AKI 哲ジイみたいに……?
哲雄 エッ、エッ……!? 私は「シュン」とはなりませんけど……。
AKI でも、言ってたじゃないですか。自分は、熱しやすく、あきらめやすい性質である――って?
哲雄 よくまぁ、そんな古い話を覚えておいでで。しかし、申し上げておきますが、「あきらめる」というのは、「シュン」となるってことじゃありませんよ。「あきらめる」のは、対象に対する「執着」を捨てる――ということで、エネルギーそのものを消すわけじゃありませんから。
AKI そのエネルギーは、どこへ向かうんですか?
哲雄 世直し……とか。
AKI エーッ、世直し!? そんなところに向かっちゃうんですか?
哲雄 知りませんでした? 歴史上の偉大な革命家とか思想家とか芸術家とかの中には、彼女への「嫉妬」をエネルギーにして、偉業を成し遂げた――という人が少なくないんですよ。
AKI でも、哲ジイは、全然、偉業を成し遂げてませんけど……。
哲雄 コホン……。それを言っちゃあ、おしめェよ。偉業は、別に成し遂げなくてもいいのッ! 要は、「嫉妬」というエネルギーを、そうして他の分野に振り向ける。そうして、「嫉妬」という「負のエネルギー」を「正のエネルギー」に昇華させてやる。これができれば、「嫉妬」も、人を成長させるエネルギーになる――という話です。
AKI 哲ジイには、それができた――と?
哲雄 私に限らず、ふつう、人はそうやって「おとなの階段」を上っていくんだと思いますよ。でもね、「シュン」となってしまう人には、それができない。
AKI そういう人は、エネルギーを失っちゃうんですか?
哲雄 単純に失うんじゃありませんよ。もっと、複雑な心理的メカニズムを働かせます。そのひとつが、「退行」と呼ばれる行動です。
AKI 退行……? 昔に戻る、ということですか?
哲雄 たとえば、キミがかなわぬ恋の「嫉妬」に、夜も眠れない日々を過ごしているとしましょうか? もう、こんな苦しい恋なんて忘れてしまいたい――と思っているとします。そうすると、キミは、そんな恋が始まるずっと前の状態に、自分の精神状態を戻そうとします。
AKI ずっと前……? どれくらい前ですか?
哲雄 極端な場合には、幼児期です。つかぬことをお尋ねしますが、キミはぬいぐるみとかをお持ちでしょうか?
AKI そりゃ、ひとつやふたつは持ってますけど、それが何か?
哲雄 「退行」というメカニズムを使う人の特徴のひとつに、ぬいぐるみに話しかける――っていうのがあるんだよね。「ねェ、ムーミン。なんかね、私、フラれちゃったみたいなの。かわいちょうでしょ?」とかってさ。
AKI ドキッ! 私、それ、やってるかもしれない……。ただ、相手はムーミンじゃありませんけど。
哲雄 もしかして、ふなっしー……とか?
AKI ふなっしーでも、クマモンでもありませんッ! テディ・ベアです。
哲雄 やっぱり、クマじゃありませんか。男の場合だと、それが怪獣のフィギュアだったりするんですけどね、ま、ぬいぐるみでもフィギュアでも同じです。ゲームにのめり込むなんていう人も、いるかもしれませんね。要するに、そういうものに象徴される「幼児の世界」に逃げ込んでしまう。これが、「退行」と言われる行動の特徴です。けっこう、日本人には多いんですよ、このタイプ。
AKI 「退行」しちゃったら、「嫉妬」をエネルギーに変える――ってことには、なりませんよね?
哲雄 なりませんねェ。なぜなら、「退行」は、「嫉妬」に向かおうとしたエネルギーそのものを「節電モード」にしてしまうような行動ですから。
AKI 「節電モード」ですか? それぐらいだったら、電源を落としちゃえばいいのに……。
哲雄 いますよ、電源を落としてしまう人も。あまりに、「嫉妬」が苦しいので、その「嫉妬」を生み出してしまう「恋愛」という欲動そのものにフタをしてしまう人たちです。
AKI エッ、フタ……? 「男嫌い」になっちゃうとか……?
哲雄 それもあり――です。心理学的に言うと、「抑圧」という行動ですね。



なんていうふうに、自分の中にある「男を求める欲望」そのものを封じ込めてしまうんですね。
AKI もしかして、「女子会」に走る女たちって、そうなのかなぁ……。
哲雄 「女子会」は、「抑圧」の産物である? ウン、AKIクン、それは、新しい見解かもしれませんねェ。
AKI 男にも、そういう人たち、いるでしょ?
哲雄 いますねェ。「女なんて、面倒臭ェだけだよ」なんて言って、男同士で遊ぼうとしたり、「オレは、金と出世にしか興味ない」なんて言って、女たちから遠ざかったりする男たち。それも、「抑圧」のひとつの現れ、と言えなくはないと思います。
AKI そうして「抑圧」回路が作動しちゃった人たちって、電源を落としちゃったようなものなんですね?
哲雄 ハイ。これでは、「嫉妬」を「エネルギー」にして――という話にはなりませんよね。ま、「危険なエネルギー」に替えてしまうよりは、ましですけど……。
AKI 危険なエネルギー……? 「嫉妬」がそんなエネルギーに替わることもあるんですか?
哲雄 あるんですねェ。ときには、それが「犯罪」につながったりもします。ま、ぬいぐるみに話しかけて「退行」してしまうあなたには、無縁な話ですけど。
AKI でも、後学のために聞いておきたいです。
哲雄 では、その話は次回に。それにしても、AKIクン、ぬいぐるみ相手にウサを晴らすぐらいなら、もっといいものがあると思うんですけどね。ちゃんと、日本語も話せて、ときには、手を伸ばしたりもしてくれる……。
AKI あ、それは、間に合ってますから。


2012年11月リリース
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