第42夜☆なぜ彼女は、荷物をカレとの間に置くのか?
第40夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。前回は、なぜ日本人が「スキンシップ」が得意でないか、という話をしたところ。今回は、その逆、警戒を示すボディ・サインについて話を進めます――。
AKI ね、哲ジイ、前回の話だと、人間が見せるボディ・サインは、「敵か味方か」を示すためにあるってことになりますよね。
哲雄 ためにあるんじゃなくて、それがいちばん重要ってこと。まず、敵か味方かがわからないと、おたがい、命の奪い合いまでやることになるかもしれないわけでしょ?
AKI ですよね。だから、武器を持ってないぞということを示すために両手を広げ、握手を交わし、ハグし合う。そこまではわかったの。ということは、その逆もあるってことよね?
哲雄 逆って?
AKI つまり、私はあなたの味方じゃないわよ、ということを示すボディ・サイン。そういうときには、どういうことをするのか……と。
哲雄 それを訊いて、どうしようというのですか、AKIクン?
AKI たとえば、無遠慮に近づいてくるおっさんを遠ざけるとか……。
哲雄 それ、特定の個人・団体に関係してる質問ですか?
AKI あ……いや、あくまで一般論としてお尋ねしてるんですよ。やっだぁ、「特定の個人」なんて、関係してるわけないじゃないですかぁ(バシッ)。
哲雄 ならば、お答えいたしましょう。これには、何段階かのレベルがあるのですが、まずは「テリトリー」というものを構築します。日本語で言うと「ナワバリ」ですね。
AKI 前から思ってたんですけど、その「ナワバリ」って、ほんとに縄を張ってたのかなぁ?
哲雄 それ説明すると、300字分ぐらいかかっちゃうよ。
AKI いいです。知識欲旺盛な私としては、知っておきたいもん。
哲雄 エーッと、古代の日本人たちは、神さまというのは、いろんな場所にいろんな形をとって姿を現す、と考えてたんだよね。たとえば、雷がどこかに落ちると、その落ちた場所に神さまが現れたと考えて、そういう場所のことを「拠り代(よりしろ)」として神聖視した。で、そういう場所には縄を張って、「ほら、ここに神さまがいるよ」と示したんだね。この縄が「しめ縄」の起こりで、こうして縄を張ることを「ナワバリ」と呼ぶようになった、と伝えられております。
AKI ヘーッ、「ナワバリ」って、元々は神聖な場所を示すためにあったんだ。じゃ、殺人事件の現場も神聖な場所かぁ。
哲雄 あれは、神聖だからじゃなくて、部外者を「KEEP OUT」するために張ってあるのッ!
AKI そうそう、そのキープ・アウト。それをしたいの、私も……。
哲雄 だんだん、身の危険を感じ始めた。
AKI で? そのナワバリというかテリトリーを作るために、何をするんですか、私たち人類は?
哲雄 動物だと、まずマーキングということをしますわな。自分のおしっことかのニオイを自分のテリトリー内につけて回って、「ここはオレのナワバリだ。近づくな!」とね。さすがに人間はやらないけど、あ、いや、別にやってくれてもいいんですけど……。
AKI しませんッ! でも、その代わりになるようなことってしてませんか?
哲雄 いっぱいしてるじゃありませんか。標識を立てる、有刺鉄線を張る、柵や塀を築く、警報を鳴らす、それに……。
AKI な、何ですか?
哲雄 キミがいつもしてること。
AKI エッ、私、そんなことしてませんよ。
哲雄 こないだ、レストランに行ったとき、端っこに置いてあったナプキン立てとか、ナイフやフォークの入ったトレーとかを、テーブルの中央に移動させたよね。
AKI あれはぁ……そのほうが使いやすいだろうと思って。
哲雄 心理学的には、あれは、ふたりの間にバリアを築く行為で、ナワバリを確保するための行動と解釈されてる。それから……。
AKI まだあるんですか?
哲雄 こないだ、一緒にタクシーに乗ったとき、デパートの巨大な手提げ袋を、キミは私とキミの間にドーンと置いたよね。まるで万里の長城みたいに……。
AKI そうすれば置き忘れを防げるって、何かの本に書いてありましたッ!
哲雄 裁判長ならびに裁判員のみなさま、こうした行動のすべてが、被告の行為が過剰防衛行動であることを、明確に示しているのであります。
AKI だれが被告人やねん。
哲雄 それでもナワバリ内に侵入しようとする相手がいると、今度は、威嚇行動をとります。
AKI うなり声を上げたりするんでしょ?
哲雄 毛を逆立てて自分を大きく見せたりするのもいるし、ゴリラだと、自分の胸を拳でボコボコ叩いて、デモンストレーションしたりね。
AKI 人間は?
哲雄 同じ霊長類だから、わりとゴリラに似てる。拳を握り締め、腕に力コブを作って、それを顔の前で見せびらかしたり、場合によっては、その拳で机とか壁をドスンと殴ったりする。目の前で鉛筆や割り箸を折って見せて、「おまえの体もこうしてやるぞ」という脅しをかける、というのもあるね。あ、それもやってたね、AKIちゃん。こないだ、ボキッと鉛筆を2、3本、私の目の前で折って見せなかったっけ?
AKI あれはポッキーですッ。
哲雄 威嚇が通じないと、今度は防御行動。自分の身をガードする行動だね。これは得意でしょ、AKIちゃん。
AKI いえ、全然、身に覚えがございません。
哲雄 と言いながら、ガッチリ腕組みをしているではないか。
AKI エッ!? これ、防御行動なんですか?
哲雄 腕組みにもいろいろあるんだけど、いまおヌシがやっている、両腕を胸の前でギュッと組み合わせる腕組みは、地上最強の防御行動と言ってもいい。
AKI 他にどんな腕組みがあるって言うんですか?
哲雄 たとえば、おなかの上あたりで、ゆったりと両腕を抱え合わせる腕組み。これも防御行動ではあるけれど、「いいわよ。来るなら来なさい」と、余裕を見せてるポーズ。もっと弱々しい腕組みもある。腕を組み合わせるのではなくて、一方の手で反対側の二の腕を抱くような腕組み。これだと、防御というより、救いを求めてる信号に見える。「私、コワいの。だれか守って」ってね。キミには似合わないけど……。
AKI フーン、哲ジイは、そういうのが好みなんだ……。
哲雄 ていうか、防御行動には2重の意味がある、ということ。ひとつは、「私は自分を守ります。これ以上、近づかないでね」という意味。もうひとつは、「私はこんなに弱いんだから、いじめないでね、守ってね」という意味。キミのは、前者。「それ以上、1センチたりとも接近は許さないわよ」と言ってるように見える。
AKI だって……。
哲雄 何でしょう?
AKI さっきから哲ジイの視線が、私のDカップの胸に、突き刺さってるんだもん。
哲雄 この、ウソつき女!
AKI エッ!?
哲雄 確かキミ、私の胸はBカップしかない……って、何かに書いてなかったっけ?
AKI あら、覚えてました?
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哲雄 ならば、お答えいたしましょう。これには、何段階かのレベルがあるのですが、まずは「テリトリー」というものを構築します。日本語で言うと「ナワバリ」ですね。
AKI 前から思ってたんですけど、その「ナワバリ」って、ほんとに縄を張ってたのかなぁ?
哲雄 それ説明すると、300字分ぐらいかかっちゃうよ。
AKI いいです。知識欲旺盛な私としては、知っておきたいもん。
哲雄 エーッと、古代の日本人たちは、神さまというのは、いろんな場所にいろんな形をとって姿を現す、と考えてたんだよね。たとえば、雷がどこかに落ちると、その落ちた場所に神さまが現れたと考えて、そういう場所のことを「拠り代(よりしろ)」として神聖視した。で、そういう場所には縄を張って、「ほら、ここに神さまがいるよ」と示したんだね。この縄が「しめ縄」の起こりで、こうして縄を張ることを「ナワバリ」と呼ぶようになった、と伝えられております。
AKI ヘーッ、「ナワバリ」って、元々は神聖な場所を示すためにあったんだ。じゃ、殺人事件の現場も神聖な場所かぁ。
哲雄 あれは、神聖だからじゃなくて、部外者を「KEEP OUT」するために張ってあるのッ!
AKI そうそう、そのキープ・アウト。それをしたいの、私も……。
哲雄 だんだん、身の危険を感じ始めた。
AKI で? そのナワバリというかテリトリーを作るために、何をするんですか、私たち人類は?
哲雄 動物だと、まずマーキングということをしますわな。自分のおしっことかのニオイを自分のテリトリー内につけて回って、「ここはオレのナワバリだ。近づくな!」とね。さすがに人間はやらないけど、あ、いや、別にやってくれてもいいんですけど……。
AKI しませんッ! でも、その代わりになるようなことってしてませんか?
哲雄 いっぱいしてるじゃありませんか。標識を立てる、有刺鉄線を張る、柵や塀を築く、警報を鳴らす、それに……。
AKI な、何ですか?
哲雄 キミがいつもしてること。
AKI エッ、私、そんなことしてませんよ。
哲雄 こないだ、レストランに行ったとき、端っこに置いてあったナプキン立てとか、ナイフやフォークの入ったトレーとかを、テーブルの中央に移動させたよね。
AKI あれはぁ……そのほうが使いやすいだろうと思って。
哲雄 心理学的には、あれは、ふたりの間にバリアを築く行為で、ナワバリを確保するための行動と解釈されてる。それから……。
AKI まだあるんですか?
哲雄 こないだ、一緒にタクシーに乗ったとき、デパートの巨大な手提げ袋を、キミは私とキミの間にドーンと置いたよね。まるで万里の長城みたいに……。
AKI そうすれば置き忘れを防げるって、何かの本に書いてありましたッ!
哲雄 裁判長ならびに裁判員のみなさま、こうした行動のすべてが、被告の行為が過剰防衛行動であることを、明確に示しているのであります。
AKI だれが被告人やねん。
哲雄 それでもナワバリ内に侵入しようとする相手がいると、今度は、威嚇行動をとります。
AKI うなり声を上げたりするんでしょ?
哲雄 毛を逆立てて自分を大きく見せたりするのもいるし、ゴリラだと、自分の胸を拳でボコボコ叩いて、デモンストレーションしたりね。
AKI 人間は?
哲雄 同じ霊長類だから、わりとゴリラに似てる。拳を握り締め、腕に力コブを作って、それを顔の前で見せびらかしたり、場合によっては、その拳で机とか壁をドスンと殴ったりする。目の前で鉛筆や割り箸を折って見せて、「おまえの体もこうしてやるぞ」という脅しをかける、というのもあるね。あ、それもやってたね、AKIちゃん。こないだ、ボキッと鉛筆を2、3本、私の目の前で折って見せなかったっけ?
AKI あれはポッキーですッ。
哲雄 威嚇が通じないと、今度は防御行動。自分の身をガードする行動だね。これは得意でしょ、AKIちゃん。
AKI いえ、全然、身に覚えがございません。
哲雄 と言いながら、ガッチリ腕組みをしているではないか。
AKI エッ!? これ、防御行動なんですか?
哲雄 腕組みにもいろいろあるんだけど、いまおヌシがやっている、両腕を胸の前でギュッと組み合わせる腕組みは、地上最強の防御行動と言ってもいい。
AKI 他にどんな腕組みがあるって言うんですか?
哲雄 たとえば、おなかの上あたりで、ゆったりと両腕を抱え合わせる腕組み。これも防御行動ではあるけれど、「いいわよ。来るなら来なさい」と、余裕を見せてるポーズ。もっと弱々しい腕組みもある。腕を組み合わせるのではなくて、一方の手で反対側の二の腕を抱くような腕組み。これだと、防御というより、救いを求めてる信号に見える。「私、コワいの。だれか守って」ってね。キミには似合わないけど……。
AKI フーン、哲ジイは、そういうのが好みなんだ……。
哲雄 ていうか、防御行動には2重の意味がある、ということ。ひとつは、「私は自分を守ります。これ以上、近づかないでね」という意味。もうひとつは、「私はこんなに弱いんだから、いじめないでね、守ってね」という意味。キミのは、前者。「それ以上、1センチたりとも接近は許さないわよ」と言ってるように見える。
AKI だって……。
哲雄 何でしょう?
AKI さっきから哲ジイの視線が、私のDカップの胸に、突き刺さってるんだもん。
哲雄 この、ウソつき女!
AKI エッ!?
哲雄 確かキミ、私の胸はBカップしかない……って、何かに書いてなかったっけ?
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