恋愛の「過去歴」は、「秘するが花」
不純愛トーク 第310夜
「隠す=秘する」ことから「色気」が生まれる。前回は、そんな話をしました。「秘すれば花」というわけです。「秘したほうがいい」のは、何も、肉体ばかりではありません。実は、恋愛に関する「過去」も、「秘すべきもの」。しかし、全部隠したままでは、「想像力」が働きません。その「想像力」をかき立てる程度には、チラ見せしたほうがいい。今回は、そんな話をしてみます――。
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AKI 秘すれば花。世阿弥は、そう言ったんですよね。
哲雄 言いました。その意味は、「大したことないもの」も、隠すことによって「すごいんじゃないか」と思わせることができる。つまり、隠すことによって生まれる価値がある――と、世阿弥は説いた。だから、キミの胸も、隠したほうがいいんですよ――とね。
AKI ですから、それは余計なお世話です、と申し上げました。でも、前回、哲ジイはおっしゃいましたよね。
秘したほうがいいのは、何も、肉体ばかりではない。
恋愛の過去歴なんぞも、隠したほうがいいんだぞ
――と?
哲雄 ま、恋愛だけじゃないんですけどね。
AKI つまり、「過去」全般ってことですか?
哲雄 何もかもということではありませんが、デリケートな過去については、やっぱり、秘すべきものは秘したほうがいい。「ナゾを感じさせる過去」のほうが、ミステリアスでしょ?
AKI そりゃ、ミステリアスではありますが、不安でもありますわ。
哲雄 別に、犯罪歴を隠しましょうなんて話じゃないですよ。結果的に相手に不利益をもたらすような過去だったら、それは「情報開示」しておくべきです。でもね、それ以外の秘密、たとえば、自分がこれまでどんな相手と恋をしてきたとか、どんな家に育って、どんな教育を受けてきたとか、実は、コンプレックスがあるとか、そういうことは、秘密のヴェールに包んでおいたほうが、魅力的ではありませんか?
AKI 確かに。哲ジイも、もう少し、過去をお隠しになったほうがよろしいのではないだろうか――と思っていたのですよ、私も。
哲雄 いや……私の場合は、過去を切り売りするのがショーバイでございますから――つか、その話は、この際、置いておいて、特に恋愛において「秘すべき過去」とは何か、という話をしようと思うのですがね、AKIクン。
AKI ハイ、ぜひとも、そこを聞きしたいものですわ。まず、どこらへんから秘しましょうか?
哲雄 全部。
AKI エーッ、全部なの?

哲雄 基本的には、全部、秘すべき――であります。しかし、完全に隠したままでは、あなたがどういう人間であるかが、まったく相手に伝わりませんから、チラ……とは見せなくてはなりません。「もしかして、この人、○○○かしら」などと思わせる程度にはね。それは、あくまでヒントを提供する程度であって、自分を「説明する」ではない。
AKI 世の中には、「自分」を全部、説明してしまおう――とする人もいますものね。
哲雄 「説明」の中には、「自己PR」も含まれているようですね。もともと日本人は、「自己PR」が苦手、とされていたはずなのですが、どうも、最近は、「自己PR」することは「善」である――とする考え方が、社会的には優勢となっているようで……。
AKI つか、就職面接などでは、必ずと言っていいくらい、「自己PR」を求められますしね。
哲雄 確かに、あらゆる場面で「プレゼンテーション」を求められるようになりましたねェ。小さな子どもまでが、「ボクは、○○で世界一になるんだ」なんてことを、過剰に言い立てているのを見ると、ちょっと違うんだけどなぁ……と思ってしまうんですがね。
AKI 過剰に……ですか?
哲雄 過剰に――です。これは、私の感じ方ではあるのですが、日本人全体が「ビッグマウス」になっているような気がします。まるで、デキのわるい広告屋にマインド・コントロールされてるような……というのでしょうか。
AKI サッカーの本田圭佑なんかも、そうじゃありませんか?
哲雄 そうですね。個人的には、ああいうビッグマウスは、好きではありません。「オーバー・プレゼンテーション」なんですね。ま、ビジネスの世界では、それでもいいのかもしれませんが、恋愛観とか恋愛歴とかに関して、それをやると……。
AKI わたくし、これまで数えきれないほどの殿方にお股を開いてきましたのよ。お口に含んだアレなんて、1000本じゃきかないくらい――なんて言ったんじゃ、「秘する」どころの話じゃなくなっちゃいますものね。
哲雄 エッ!? AKIクンは、そんなことまで暴露してしまうんですか?
AKI ま、まさか……。でも、世の中には、そういうことを自慢げにお話しになる方がいらっしゃるじゃありませんか? ホラ、例の女優とか……。
哲雄 ああ、五股交際だか六股交際だかを自慢してた、遠野凪子さんとかね。
AKI この指輪は、去年、別れた男からもらったのよ、こっちのネックレスは、3年前の男が――って、もらったものを自慢する女もいますよ。
哲雄 そういうのは、暗に、「もっといいものちょうだいよ」とねだられているような気がしますなぁ。
AKI 気がする――じゃなくて、「おまえも負けずにガンバれ!」って言ってるんです。女は、欲張りなんですよ、哲ジイ。
哲雄 ごめんこうむりたいですね、そういうご婦人は。逆に、どんなひどい裏切りを受けてきたとか、どんなかわいそうな失恋をしてきたか――なんて話を、周りの男たちに聞かせたがる女もいますよ。
AKI それ、きっと、同情を買いたいんですよ。そして、「ボクはキミをそんな目には遭わせない」と言わせたいんですね。
哲雄 でしょうね。昔は、そんな話に同情して、「白馬の騎士」に名乗りを挙げようとしたこともありましたけど、もうだまされません。そういう話は、たとえ「キミの過去の恋の話が聞きたい」と言われても、「ま、いろいろあって……」ぐらいでケムに巻いていただきたい。
AKI あら、ケムに巻かれたいんですか、哲ジイは?
哲雄 ええ、そのほうが、想像力が働くじゃありませんか。これは、私の持論ではありますが、
男女の関係では、「想像力のスイッチ」が働くかどうかは、
きわめて重要なファクターだ

と思っているんですよ。
AKI なるほど。「想像力」ですか? 哲ジイの場合は、「妄想力」のような気もしますが……。
哲雄 妄想力、大いにけっこうではありませんか? 仮に、この私の脳に、AKIクンがどこかのオヤジの前でそのお股をお開きになっている姿が、拭っても拭っても浮かんだとしたら、それはもう、リッパに恋が始まっている――ということの証なんですよ。ま、浮かびませんけどね。
AKI なんだ、浮かばないんだ。
哲雄 で、その「想像力」の話なんですが、すべてを完全に「秘したまま」では、「想像力」が始動しません。それはわかりますよね?
AKI あ、そうか。ヒントが必要――って話でしたよね?
哲雄 ハイ。過去を何もかも説明してしまったのでは、「想像力」の出番はありません。しかし、チラ……とでもその片鱗を見せられたり、匂わされたりすると、たちまち、私の「想像力」はスイッチ・オンするんですね。その匂わせ方がうまい人ほど、想像力をかき立てられます。
AKI そのうまい「匂わせ方」ってやつ、参考までに伺っておきたいものですわ。
哲雄 ようがす。では次回、過去のうまい見せ方・秘し方について、お話することにしましょうか。題して、「過去のドアは、いかに開くべきか?」。
AKI あ、でも、哲ジイの過去はお見せいただかなくてけっこうですからね。
哲雄 それはまた、なぜに……?
AKI もう、十分に存じてますから。


2012年11月リリース
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