なぜ日本人は、「在日」を差別するようになったのか?
不純愛トーク 第301夜
前回は、なぜ日本に大量の「在日」と呼ばれる「在日韓国・朝鮮人」が生まれることになったのか、そのいきさつを解説しました。今回は、その「在日」を差別する意識が、どんな理由で醸成されたのか、「日本の恥」と言ってもいい「在日差別」の深層に潜む心理を探ってみます――。
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AKI 前回は、日本に永住することを認められながら、日本国籍を与えられてない「特別永住者」の話をしましたよね。「在日」と呼ばれるのは、主にはこの「特別永住者」のことを指し、日本での韓国・朝鮮系の人たちに対する差別感情も、主として、この「在日」に向けられたものである。前回は、そこまで話したんですよね?
哲雄 ハイ。世界に恥ずべき差別感情である――と申し上げました。
AKI 前回、哲ジイは、この差別には、単に政治的・社会的権利だけではなく、もっと文化的・感情的な何かがあるのではないか――とおっしゃいましたが……。
哲雄 ハイ。世の中には、いまだに、彼らを「チョン」などと呼ぶ、教育レベルの低い人たちがいます。
AKI エッ、教育レベルの低い人たちですか?
哲雄 低いですねェ。低いから、平気でそういう言葉が口にできたりするんだと思いますよ。でもね、AKIクン、実は、アメリカの人種差別でもそうなんだけど、差別に走る人たちっていうのは、差別を受ける人たちと、社会階層的には大して変わらない層の人たちが、中心的な役割を果たすことが多いんだよね。
AKI そ、そうなんですか?
哲雄 それが、世の中を支配する人たちのネライだったりすることも多い。ずっと前に、「シンデレラ物語」の話をしたとき(本シリーズ 第292夜『「灰まみれ」を「シンデレラ」にした政治的理由』 参照)、「シンデレラ」は、「灰まみれ」と呼ばれる庶民以下の階層に属する人物であった、という話をしましたよね。
AKI ハイ、覚えてます。庶民以下の最下層の女を王子の花嫁にすることで、庶民層のガス抜きを図ったとかなんとか……確か、そういう話でしたよね?
哲雄 ガス抜きというより、押さえ込みにかかった――というほうが正確でしょうね。日本でも、かつては、士農工商の下に「非人」という階層を作ることで、庶民層の不満を押さえ込みにかかったりしました。
AKI 「在日」も、そういう層として利用されたんじゃないか――という話ですか?
哲雄 結果的に、そういう役割を果たすことになったことは否めないと思います。戦前、植民地時代の朝鮮半島から日本に働き口を求めてやって来た人たちが従事した職業というのは、いまで言うと、「3K」に属するような仕事が多かった。多くの日本人が、「きつい」「汚い」などと言って敬遠するような仕事が多かったんですが、そういう仕事でも、彼らは、日本人よりも安い賃金で従事しました。そうするとね……。
AKI わかった! そういう仕事をナリワイとしていた日本人との間で、あつれきが生まれてしまう?
哲雄 雇用主側から言うと、どうなりますか?
AKI エーッと……あ、そうか。おまえら、ブーブー言うんなら、働かなくていいゾ。もっと安く働いてくれる連中が、いっぱい、いるんだから――と。そういうことになりますかねェ?
哲雄 ま、そうなりますよねェ、ふつう。アメリカでも、白人労働者と黒人労働者の間に同じような問題が存在しましたが、日本では、それが、日本人労働者と朝鮮人労働者の間に発生したわけです。
AKI そうかぁ。差別する側とされる側が、同じような階層に属する場合が多い――っていうのは、そういう意味なんですね?
哲雄 そういう意味です。全世界的に、差別と被差別の間には、常に、そういう問題が存在する――と思っていいと思います。言い方はわるいけど、そうやって、目クソと鼻クソを争わせて得をするのはだれか?
AKI その上に立つ人間たち? 最終的には、権力者……?
哲雄 そうですね。私の生まれた地方には、世界有数の炭鉱地帯があったんだけど、筑豊の炭鉱地帯とかには、そうして大量の韓国・朝鮮人の労働者が誕生しました。そういう労働力がなかったら、日本の近代化は図れなかったかもしれません。しかし、そのことが、後々、日本国内に「在日問題」という「負の遺産」を残すことになろうとは、当時の指導者たちは、想像すらできなかったでしょうね。なにしろ、日本の指導者たちには、10年後、20年後のことすら見通せる能力がないんですから。
AKI それは、いまでも同じじゃありませんこと?
哲雄 おっしゃるとおりです。もうひとつ、こうして、韓国・朝鮮系の安価な労働力を大量に導入したことで生じた、メンタルな問題もあります。
AKI 利害の衝突だけじゃなくて……ですか?
哲雄 彼らの多くが「廉価な労働力」として従事した仕事は、元々、日本人には敬遠されていた「きつくて汚い労働」が多かった、と申し上げましたよね。炭坑夫もそうだし、清掃夫もそうだし、ゴミとか廃品の回収とかも……。そこには、元々、職業的蔑視が存在しました。その職業的蔑視と人種的偏見とが結びついて、差別感情を醸成したことも想像できます。
AKI 哲ジイの出身地にも、そういう感情があったんですか?
哲雄 ありましたねェ。たとえば、炭鉱地帯からの転校生がいたりすると、「おまえ、チョーセンか?」と、いじめたりするやつらがいました。そういう差別が、いちばんきつかったのは、熊本とか、山口とか……。
AKI エッ、福岡とかじゃなくて……?
哲雄 福岡にもありましたが、福岡は、比較的古くから大陸や半島と交易していた土地なので、外国人に対してわりと寛容な気風があるんですね。しかし、長州すなわち山口は、攘夷を旗印にした毛利藩のおひざ元だし、熊本は、朝鮮征伐で活躍した加藤清正の城下でしたからね。そういうこともあって、「よそ者」に厳しい土地柄なんですよ。
AKI 長州と言えば、あの方のおひざ元ですよね?
哲雄 そう。あの方の地元です。しかも、あの方は、吉田松陰の墓に詣でるほどの、バリバリの攘夷論者でいらっしゃいますから。
AKI でもさ、哲ジイ。朝鮮半島からやって来た人たちの中には、日本で成功して名を挙げた人たちもいるでしょう? 必ずしも、「安い労働力」ばかりでもなかったんじゃないの?
哲雄 そうです。日韓併合以前から日本に住みついている人たちの中には、むしろ、文化的功績などから、日本人に尊敬されている人たちも、たくさんいます。特に、陶芸などの工芸分野では、その基礎を築いたのが、半島からの渡来人――というものが、少なくありません。というか、そもそも、この島国を統治したのは……おっと、その話をすると、長くなっちまうなぁ――。
AKI わかりました。では、その話は次回……ということにしましょうか。
哲雄 フアーイ。ちょっとまだ、正月気分が抜けなくて……。AKIクン、ちょっと肩もんでいただけないでしょうか?
AKI 高いですよ。
哲雄 エッ、金とるの?
AKI 当たり前でしょ! こう見えても、プロですから。
哲雄 ケチ!


2012年11月リリース
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