離脱屋「スケルトン」繁盛記〈1〉 彼女の元へ、魂飛ばします

科学的に「臨死状態」を作り出して、魂を離脱させるという商売。
その「離脱屋」にひとりの客がやって来た。別れた彼女が幸せに
暮らしているか、離脱してそれを確かめたい、というのだ――
妄想力ドリル〈R18版〉 第30講 離脱屋「スケルトン」繁盛記〈1〉
R18 このシリーズは、性的表現が中心の官能読み物です。18歳未満の方は、ご退出ください。

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オヤ、いらっしゃい。
お待ち申し上げておりましたよ。
あなたは、きっといらっしゃるだろう――と思っておりました。
確か……そうそう、別れた彼女が、いまはどうしているか、幸せな日々を送っているかどうか、それを見きわめたい。そのために、離脱されたい――と、そういうご要望でしたよね。
ええ、もちろん、ご覧になれますよ。
ボディを離脱した魂は、あなたが気にする場所なら、どこへでも浮遊していくことができます。あなたが、ほんとうにその彼女の「いま」をご覧になりたいと思っていいらっしゃるのであれば、彼女の心が「いま、在るその場所」へと、飛んでいくことができます。
ハイ……?
幽霊になるのか?
いえいえ、そういうオカルト的なことは、てまえどもでは取り扱っておりませんのですよ。
というより、幽霊なんぞというものは、あれは、現実の人間の妄想が作り出す「仮想」にすぎません。てまえどもは、その存在さえも疑っておりますものですからねェ。
最初に申し上げましたが、てまえどもが取り扱う「離脱」は、あくまで科学現象なのでございます。
通常は、人が死の直前に体験する「幽体離脱」という現象を、科学的に作り出してさしあげましょう――というサービスなのでございます。
そのためには、人工的に「臨死状態」を作り出す必要がございます。
そのことについては、最初に、ご説明させていただきましたよね。
ええ、なにしろ、人工的に――ではあれ、「臨死状態」を作り出すわけですから、それなりにリスクを伴います。
「臨死」というのは、なにしろあなた、たいへんに微妙な医学的現象でありましてねぇ、ちょっとでもサジ加減を間違えたりしますと、そのまま、イッちゃったりするんでございますよね。
あ、いや、もちろん、そんな事故が起こらないように、てまえどもも細心の注意を払うのですがね、万が一のことが絶対にない――とは申せません。
なので、どちらさまにも、一応、こちらの「誓約書」に署名・捺印をお願いしておるのでございますよ。
なに、大した内容ではございません。
《わたくし、○○は、この「離脱体験コース」を自らの意思で受ける者であり、
その結果生じる、精神的・身体的な障害及び、
施術中の事故などによる死亡・後遺症などに関しては、
その責任を当店に対して求めることも、その賠償を求めることも致しません。
20××年×月×日
○○○○》
これだけです。
よろしければ、こちらにサインをお願いいたします。
お待ち申し上げておりましたよ。
あなたは、きっといらっしゃるだろう――と思っておりました。
確か……そうそう、別れた彼女が、いまはどうしているか、幸せな日々を送っているかどうか、それを見きわめたい。そのために、離脱されたい――と、そういうご要望でしたよね。
ええ、もちろん、ご覧になれますよ。
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ハイ……?
幽霊になるのか?
いえいえ、そういうオカルト的なことは、てまえどもでは取り扱っておりませんのですよ。
というより、幽霊なんぞというものは、あれは、現実の人間の妄想が作り出す「仮想」にすぎません。てまえどもは、その存在さえも疑っておりますものですからねェ。
最初に申し上げましたが、てまえどもが取り扱う「離脱」は、あくまで科学現象なのでございます。
通常は、人が死の直前に体験する「幽体離脱」という現象を、科学的に作り出してさしあげましょう――というサービスなのでございます。
そのためには、人工的に「臨死状態」を作り出す必要がございます。
そのことについては、最初に、ご説明させていただきましたよね。
ええ、なにしろ、人工的に――ではあれ、「臨死状態」を作り出すわけですから、それなりにリスクを伴います。
「臨死」というのは、なにしろあなた、たいへんに微妙な医学的現象でありましてねぇ、ちょっとでもサジ加減を間違えたりしますと、そのまま、イッちゃったりするんでございますよね。
あ、いや、もちろん、そんな事故が起こらないように、てまえどもも細心の注意を払うのですがね、万が一のことが絶対にない――とは申せません。
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え? そのような事故が、過去、起こったのか――ですか?
ま、こういうサービスでございますから、確かに、何例かはございました。
先日は、60代半ばの高齢者がひとり、不幸にもお亡くなりになりました。
しかし、この方は、心臓に持病があることを隠しておいででした。
そのことを知らされないまま、通常どおりの負荷をおかけしたために、この方は、臨死状態になる前に発作を起こされ、還らぬ身となられてしまいました。
こういう場合、責任は、健康状態に関する告知義務に違反したお客様ご本人にある――と判断されますので、私どもが過失を問われることにはなりません。
ま、しかし、ご自身の健康状態については、ご自分で把握されてない場合も考えられますので、その事故以降、コースをお試しいただくお客様には、どなたにも、事前に厳密なメディカル・チェックを受けていただくことにいたしました。
通常の人間ドックよりも、かなり綿密なチェックですから、その点については、ご安心いただいてよろしいかと思います。
しかし、そうしてチェックさせていただいたにもかかわらず、不幸にして戻れなくなってしまう場合がございます。
実は、それは、離脱中の「違約行為」による場合が多いのです。
「違約行為」ですか?
ひと言で申し上げると、「固着」と呼ばれる行為です。
離脱中の魂が「現実の何か」に取りついてしまって、そこに固着する――という行為です。
これは、大事なことですから、覚えておいてくださいましね。
これをやると、魂はボディに戻れなくなってしまいます。魂が戻れなくなったボディは、ただの肉塊となってしまい、やがて滅びます。つまり、「リアルな死」を迎えてしまうわけですね。
こうなると、てまえどもには、もう、手のほどこしようがなくなります。
先日も、おひとりいらっしゃったのですよ。

ほんとうは、お客様の個人情報はお教えできないのですが、もう、お亡くなりになってますので――ま、いいでしょう。
ええ、まだお若い方でした。23歳でしたかねェ。
この方、ある女性タレントの熱烈なファンでしてねェ。臨死のリスクを冒してでも、魂を離脱させて、そのタレントの心の空間に入り込みたい――とおっしゃるのです。
ホラ、あなたもご存じでしょう?
かつてあるグループに所属していたタレントで、いまは独立して、女優として活動されたり、ニュース番組のアシスタントをしたりしているあの人。そうです、Kです。
この人の魂は、離脱するや、その人の「心のある場所」に飛んでいきました。
楽屋に飛んで行って、彼女が私服を脱ぎ、衣装に着替える様をじっと眺めたり、さらには、スタジオについて行って、彼女がバラエティに出演している間じゅう、彼女の足元に座って、笑うたびに開いたり閉じたりする脚の間をのぞき込んだりしていました。
ええ、いいんですよ、眺めているだけなら――。
もちろん、Kには、そんな魂が自分の体の周りをうろついているなんてことは、見えやしません。何もしなければ、その気配さえ感じ取れません。
それをいいことに――というか、このクライアントはしっかり見ちゃったんですねェ、Kがシャワーを浴びているところとか、トイレで用を足しているところとか、あと……生理用品を着装に及ぶところとか。
エッ、いいなぁ――ですって。
そ、それは、いでしょうなぁ。わたくしだって……あ、それは、言わないでおきましょう。
ついでですから申し上げておきますと、Kは、脱ぐと、けっこうあったのだそうですよ。
何が……? それは、あれでございますよ。お胸のほうでございましょう。
服の上からだとわからないのですが、Kの胸は、釣鐘形のプリンとした形で、先端の乳首も、まるで、アーモンドのようであった――と、あ、わたくしとしたことが、余計なことを口走ってしまいました。
しかしながらですね、たとえ、そのウオッチがどんな野心に導かれたものであろうとも、眺めているだけであれば、問題はありませんでした。
その方は、越えてしまったんですね、一線を。
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2012年11月リリース
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