「シンデレラ」は、ほんとは、残酷な物語だった…?
不純愛トーク 第290夜
世界の美談の代表と言ってもいい「シンデレラ・ストーリー」。しかし、実は、この「シンデレラ」の話は、17世紀にかなり作り変えられた話で、ほんとは、もっと残酷だったり、もっとおどろおどろしい話だった。「シンデレラ」の物語に隠された、「おそろしい真実」を、今回から数回にわたってお届けします。まずは、その走り。「シンデレラ」が「シンデレラ」になる前の、原話を掘り出してみます――。
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AKI きょうは、「シンデレラ」の秘密を話してくださるんですよね?
哲雄 ええ、実は、シンデレラはレズで……。
AKI エーッ、ウソォ!

哲雄 ええ、ウソです。
AKI もォーッ、まじめに話してくださいよ。
哲雄 では、まじめに。実はね、たぶん、AKIクンが知っている『シンデレラ物語』は、シャルル・ペロー版をベースにしたものだと思うんだけど……。
AKI シャルル・ペロー? だれですか、それ?
哲雄 17世紀のフランスの詩人です。ルイ14世に仕えて、数々の童話を編集したことが知られています。
AKI 私、『シンデレラ』は、グリム童話だと思ってた。
哲雄 グリム童話にもありますよ。ちょっと、ストーリーが違いますけどね。AKIクンが知っている「シンデレラ・ストーリー」には、魔法使いとかカボチャの馬車とか出てきますか?
AKI ええ、出てきますよ。「ガラスの靴」と「カボチャの馬車」と「魔法使い」は、シンデレラには欠かせないアイテムですもの。
哲雄 じゃ、ペロー版ですね。それらはすべて、シャルル・ペローが付け加えたディテールですから。原題は『サンドリヨン』。ディズニー・アニメの『シンデレラ』も、ペロー版をベースにしてます。
AKI じゃ、グリム版のほうは?
哲雄 こちらは『灰かぶり姫』というタイトルで、AKIクンの好きな「ガラスの靴」は登場しません。魔法使いも登場しませんから、12時になると魔法が解けるというトリックも出て来ません。したがって、あわてて階段を駆け下りようとしたシンデレラの靴が脱げるという話にもなってない。
AKI ガラスの靴じゃない? エッ、じゃ……革靴?
哲雄 グリム版では、1晩目では銀の靴、2晩目は金の靴を履く、という設定になってますね。
AKI エッ、それって、だれが用意したの? だって魔法使いは出てこないんでしょ?
哲雄 灰かぶり姫のお母さんはすでに死んでいるのですが、そのお母さんの墓のそばにハシバミの木が生えていてそこにやってくる「白い鳥(たぶん、白鳩)」が、ドレスと靴を持ってくる――という話になってます。
AKI 靴が脱げるのは?
哲雄 王子が階段にヤニを塗っておいたからです。靴が脱げるように仕掛けたんだね。この王子は、最初から「灰かぶり姫」をネラってたのかもしれない。
AKI なんか、だいぶ生々しい話になってきましたね。
哲雄 もっと生々しい話が出てきますよ。後日、王子が、その靴の持ち主を捜しに来ると、姉たちは、靴に足を合わせるために、ナイフでつま先やかかとを切り落とすんだけど、その血がストッキングから滲んだために、ウソがバレてしまいます。
AKI なんか、すごいドロドロした話。
哲雄 でしょ? 最後はね、この姉たちは、灰かぶり姫の婚礼の席に出席するんですが、姫の両肩に留まった白鳩に両目をくり抜かれて失明してしまいます。
AKI ウワーッ、血なまぐさい!
哲雄 そうなんです。でもね、どうもこっちのほうが、原話に近いんじゃないか――と言われてます。
AKI 原話……? その先に、まだ原話があるんですか?
哲雄 あるんですよ。そもそも、こういう童話には、そのベースになった原話があるんだけど、『シンデレラ』の場合は、その原話と思われる民話や伝承が、世界中に散らばってます。ペローやグリムより先にまとめられた、南イタリアのバジーレによる『灰かぶり猫』では、「シンデレラ」は「セゾッラ」という名前なんだけど、実は、このセゾッラは「人殺し」なんだよね。
AKI エーッ、シンデレラが人殺し?

哲雄 ペローの『サンドリヨン』でも、ディズニーの『シンデレラ』でも、グリムの『灰かぶり姫』でも、シンデレラは継母とその連れ子である姉たちにいじめられるという設定になってるんだけど、このバジーレ版では、セゾッラは、自分と折り合いの悪かった最初の継母を、次の継母候補と共謀して、殺してしまうんだよね。
AKI 殺しちゃうのォ? すごい話!
哲雄 ところが、父親である大公と結婚した新しい継母が、自分の実の娘を家に迎え入れると、今度は、セゾッラを冷遇するようになる。でもね、父の大公があるとき、旅行に出かけることになり、娘たちに贅沢なお土産の約束をするんだよね。このとき、ゼゾッラがねだったのは、「妖精の鳩がくれる物」。大公は、妖精から授かったナツメの木の苗を土産としてゼゾッラに与えるんだよね。このナツメの木が、実は魔法の木で、彼女は木の魔法によって国王に見初められ、王妃に迎えられる――という話。
AKI なんか、『シンデレラ』とは似ても似つかない話になっちゃいますね。
哲雄 もっともっと時代をさかのぼりましょうか。古代エジプトの伝説に「ロードビスの靴」というのが出てきます。このロードビスというのは、女奴隷なのですが、これがまた、どえりゃ~美人で……。
AKI あの……もしもし。
哲雄 なにせ、生まれははるか北ギリシャ。そりゃもう、肌なんぞは抜けるように白くて、男ならふるいつきたくなるようなナイスバディ。この女が奴隷商人に買い取られて、高値でエジプトの大富豪に売りつけられました。
AKI もしかして、話、作ってるでしょ、哲ジイ。
哲雄 細部は、多少、脚色を加えてはおりますが、大筋は変わりませんよ。でね、この大富豪は、この美しすぎる女奴隷を豪華な部屋に住まわせて、それはもう下にも置かぬという寵愛ぶり。主人は彼女に、美しいバラの飾りのついたサンダルをプレゼントしたんですね。当然、他の召使たちは、それが面白くない。彼女につらく当たったりしたんですが、そんなある日、ファラオが、民衆を都に招いて、大きなお祭りを催しました。
AKI エジプトのファラオって言うと、あのピラミッドに祀られたりする王様?
哲雄 そう、そのファラオ。ところが、意地悪な召使たちは、ロードビスにたくさん仕事を言いつけて、彼女が祭りに行けないようにしたんですね。仕方なく、ロードビスは川で洗濯をしていたのですが、そのとき、誤ってバラのサンダルを濡らしてしまいます。それを岩の上で乾かしていると、一羽のハヤブサがやって来て、そのサンダルを持っていってしまうんですね。
AKI やっと、靴が出てきましたね。つか、サンダルだけど……。
哲雄 いいじゃないですか、サンダルでも。で、このハヤブサが、都まで飛んで行って、そのサンダルをファラオの足元に落とした。そのハヤブサを神の使いだと考えたファラオは、そのサンダルの持ち主を捜します。そして、宣言するんですね。自分は、そのサンダルがピッタリ合う娘と結婚する――と。
AKI で、見つかったんですね、その娘が。
哲雄 ハイ、見つかりました。大富豪は、悔しがりましたが、なにせ、相手は国王ですから、逆らえません。
AKI でもさぁ、なんか、どの話も、ひとつだけ共通していることがありますね?
哲雄 さすが、AKIクン、よく気がつきました。そうです。
どの話にも、履物を失くすという話が出てきます。
そして、王様や王子さまが、その履物の持ち主を探し、見つかった相手と結婚する――という話になります。
AKI 不思議! なんで履物なんだろう?
哲雄 これは、私の想像なのですが、女が身に着けていたものは、その女の「性」を象徴するものと考えられたのだろうと思います。特に、靴などの履物には、「性的意味」が強かっただろうと思います。もちろん、世界中に散らばる同種の話の中には、髪飾りや衣服が登場するものもあります。共通しているのは、その「失くしたもの」が高貴な身分の人間によって発見され、本人の手に戻って来ると同時に、女が発見した男のものになる――という話の顛末です。
AKI 何か、意味深な感じがしますね。
哲雄 ハイ、意味深です。
AKI どんな意味……?
哲雄 それも含めて、次回、ゆっくり考えてみることにしましょう。


2012年11月リリース
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