「花嫁の涙」は、披露宴の「飾り」じゃない!
不純愛トーク 第288夜
前回、結婚式での「バージンロード」に噛みついた哲雄が、今回は、「ケーキ入刀」にも、「両親への花束贈呈」にも噛みつきます。なぜ、日本の結婚式と披露宴は、「花嫁の涙」を売り物にしたがるのか? それがそもそもおかしい、というところへ、話は飛んでいきます。今回は、思いきり、毒舌かましますよ――。
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AKI ところで、哲ジイ。前回の「バージンロード」の続きなんですけど……。
哲雄 まだ、その話? 私の繊細な神経は、その言葉を耳にするだけで、吐き気を催してしまうのですがね。
AKI じゃ、何か、別の名前をつけてくださいよォ~。
哲雄 あえて名前なんかつけなくてよろしいじゃありませんか。
AKI でも、名前がないと……。
哲雄 では、「狐の小路」とか……。
AKI 何すか、それ?
哲雄 「狐の嫁入り」と言うではありませんか。
AKI 全然、ピンときません。
哲雄 では、「ブライド・ウエイ」とか……。
AKI なんか、「ブロード・ウエイ」みたいだし……。
哲雄 じゃ、単純に、「フラワー・ロード」とか……。
AKI ちょっと、マシになったかな。
哲雄 とにかく、「バージン」は止めていただきたい。あまりに露骨で、えげつない。「処女の嫁」は高く売れまっせ――と言ってるみたいでね。バージンじゃないおまえなんて、恥ずかしくて歩けねェだろ――という気もする。
AKI それ、私に言ってます?
哲雄 いいえ。全花嫁に申しております。そう言えば、昔、披露宴の余興で『バージン・ブルース』を歌ったバカな男がいまして……。
AKI 知らない、その曲。だれが歌ってたんです?
哲雄 野坂如之です。「ジンジンジンジン、血がジンジン~」なんていう歌詞なんだけどね、その後に、「あなたもバージン、私もバージン。(チャンチャン=手拍子です)バージン・ブルース」という歌詞が出てくる。
AKI エッ、そんな曲を披露宴で? 引いちゃいますよ、みんな。
哲雄 でしょ? なのに、この男、この「チャンチャン」のところで、客席にこんなお願いをしちゃった。
「チャンチャンのところに来たら、
どうぞ、ご臨席の女性のみなさま、
バージンの方だけ、『チャンチャン』と、二度、
手を打ってくださいね」
どうぞ、ご臨席の女性のみなさま、
バージンの方だけ、『チャンチャン』と、二度、
手を打ってくださいね」
AKI ワッ、最悪! 思いきり引いたでしょ?
哲雄 引くなんてもんじゃない。会場全体が凍りついちまった。ま、そういうわけなのでね、ぜひ、「バージン」はお止めいただきたい――と思っているわけですよ。
AKI どういうわけなのか、全然、わかりませんけど、確かに私も、「バージンロード」っていうのは、少し抵抗があります。
哲雄 そりゃ、あるでしょ、キミの場合は、特に……。
AKI 何ですって? 聞き捨てならないお言葉ですわ。
哲雄 まぁまぁ。それとね、AKIクン、もうひとつ、ふたつ、止めていただきたいものがある。
AKI わかった。ケーキ入刀でしょ?
哲雄 いや、ケーキ入刀自体は、いいんじゃないですか? せっかくのケーキですから、私も食べたいし……。
AKI なんだ、そっち?
哲雄 元々は、あの儀式、「私は、ほれ、このように、ちゃんとケーキも焼けるんですよ。どうぞみなさん、召し上がってみてくださいね」と、新婦が手作りのケーキを祝宴の客にふるまったのが最初――とされてます。だから、本当は、新婦が手作りしなきゃならないんだけど、ま、そこまでは求めません。
AKI じゃ、いいんじゃないですか。何が問題なんです?
哲雄 ケーキカットそのものはいいんです。許せないのは、それを「おふたりの初めての共同作業です」って言う、あの「ウソ」。
AKI エッ、ウソなの?
哲雄 ウソに決まってるでしょ。おまえたち、エッチもしなかったって言うのか、ふたりで布団を敷いたり、重い荷物を一緒に運び上げたりもしなかったのか? ウソつくのもいい加減にしろ――と言いたい。
AKI 単に、ひがんでいるようにしか見えませんけど。もうひとつは何です?
哲雄 両親への花束贈呈と、そのときに新婦が読み上げる「お父さん、お母さんありがとう」的なお手紙の朗読。
AKI エーッ!? あれ、披露宴でいちばん感動するシーンですよォ。
哲雄 私は、気持ちわるくて仕方ありません。そういうことは、何も、人前でやることじゃないだろう。うちでやって来いよ――と言いたいですね。
AKI うちではなかなか言えないから、そういう機会に――って思うんじゃないですか?
哲雄 なかなか言えないんだ? フーン……。
AKI 何か、含みがありそうですね。
哲雄 これはね、私の感じ方ではあるんだが、どうも、こういうときの「感謝の言葉」みたいなのが、なんだか「作り物」のように感じられて仕方ない。強いて言うなら、『聖教新聞』のCMみたいな……。
AKI ああ、あれ? 要するに、わざと泣かせようとしている――みたいな感じがするんですね?
哲雄 そうそう。日本人って、好きなんだよね、そういうのがさ。『世界ウルルン滞在記』とか『こんなところに日本人』みたいな、泣けよ、泣けよ――という演出。
AKI あら。ジジババは好きなんですけどね、そういうの。
哲雄 申し訳ないが、私は、そういうタイプのジジではありませんので。でね、話を元に戻すと、その「お父さん、ありがとう」みたいなあいさつですがね、どうもこれが、おまえ、ふだん、そんなこと思ってないだろう――というのが多すぎる。
AKI 確かに、そう思えるものもある――ってことは、否めませんが……。
哲雄 否めないでしょ? でしょ? 「お父さんのパンツ、汚いから一緒に洗わないで」なんて言ってた娘が、何を言うか?――とね、心あるオヤジたちは思っているわけですよ。もし、ほんとうにそう思っているのであれば、そういう言葉は、家にいるうちに、ちゃんと親の目を見て、言ってほしい。
AKI 披露宴のネタにするな――と。そう言いたいわけですね、哲ジイは?
哲雄 「花嫁の涙」を売りにするような結婚式は、個人的には好きではない、というだけの話です。その涙の中に、「親のもの」を手放す――という要素だけは、どうか含めないでいただきたい。ま、パッと明るくいきましょうよ――という話です。
AKI パッ……といけないジイさまがそう申しております。


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