「結納金」も、「バージンロード」も、「娘売り」の儀式
不純愛トーク 第287夜
ある種の人たちにとっては、「結婚式」は、「娘を売る儀式」と考えられています。それを象徴するのが、「結納金」と「バージンロード」。どちらも、日本独特の風習。「娘」を「家の財産」と考える人たちにとって、これらの習慣は、「娘を売り渡す儀式」に他なりません。外国人が聞いたら、目をむいて驚くこれらの風習は、いつ、どういう理由で生まれたのか? その誕生の秘密を探ってみます――。
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AKI ある種の結婚は、「永久売春」である。前回は、そんな大胆なお話でしたが――。
哲雄 別に、大胆でも何でもない。世の中の強欲な女たちが望んでいる「結婚」とは、そんなものではないのか――と思って申し上げたわけです。
これが「売春」に他ならない、という動かぬ証拠が、「結納金」。
AKI エーッ、結納金が……?
哲雄 一説によると、嫁となる女性の学歴によって相場が異なる――などとも言われています。
AKI 念のために教えてくださいよ。その相場って?
哲雄 あくまで、一説によると――ですからね。それによると、高卒が100万円、短大卒が150万円、4大卒が200万円。
AKI すると私は……エーッ、大学行っとけばよかった。
哲雄 つか、そういう問題じゃないでしょ。元々は、新郎側が新婦側へ、きものとか帯とかを結納品として納めていたものが、いつの頃からか、「御帯料」とか「小袖料」の名で「金納」されるようになったんですが、「金納」ってことになったとたん、その性格が変わっちまったんだね。
AKI わかった。まるで「娘の値段」みたいになっちゃったんだ……? ね、それ、いつ頃の話なんですか?
哲雄 明治になってからだと思います。
AKI エッ、そんなに最近?
哲雄 というかね、そもそも、「結納」なんていう習慣そのものが、庶民の生活には存在しなかった。その原型になったと言われているのは、宮中儀礼として引き継がれている「納采の儀」なんだけどね。
AKI 「納采の儀」って、確か、皇太子と雅子さまの結婚のときにも、行われましたよね。
哲雄 ええ。皇族が結婚するときには、必ず行われるんですよ。仁徳天皇の皇太子が妃を娶るときに、贈り物を贈ったのが最初、とされています。
AKI 仁徳天皇……って、あの、前方後円墳の……?
哲雄 オーッ! 「インテリ・フーゾク軍団」、50ポイント獲得! 正解です。以後、この「納采」の習慣は、宮中に代々、受け継がれ、それが室町時代に武家や公家の間に広まって「結納」という儀式が体系化されていった――と、言われてます。しかしね、その頃のこの儀式は、どちらかと言うと、宗教的な儀式だったんではないかと思うんですよ。
AKI 宗教的……?
哲雄 結納で納められる品にしても、のしアワビ(長寿)とか、昆布(子孫繁栄)とか、言ってみれば、幸せを祈願するための象徴的な品物がほとんどでした。ところがね、この習慣が、江戸末期から明治にかけて庶民の間にも広がっていくと、にわかに、その意味が変わっていきました。
AKI 金目のもの寄越せ――になっちゃったんですね?
哲雄 下品に言うと、そういうことですね。もっと下品に言うと、
「娘、やるから、金くれよ!」

っていう話になっちゃった。
AKI まるで「身売り」じゃないですか!
哲雄 身売りですよ。立派な身売り! 当時の大審院の判例によると、結納とは「他日婚姻ノ成立スヘキコトヲ予想シ授受スル一種ノ贈与」である――とされています。「贈与」ですから、ある金額以上になると、「贈与税」の対象にもなります。
AKI 親としては、高く売れるところに売りたいと思いますわよね?
哲雄 その値を釣り上げるために、「釣り書き」なんてものまで作成するようになりました。
AKI 釣り書き? なんすか、それ?
哲雄 自分たちの家系などを示す書き物なんですが、私に言わせれば「嫁のスペック」みたいなものですわな。うちの子は、こんな立派な家系に育ってるんですから、もっと「いい値」つけてくださいな――てなものでしょう。
AKI それで「釣る」なのかぁ……。娘は、まるで「売り物」ですね。
哲雄 ウン。当時の……っていうか、いまでもある種の家庭では、娘は「親の所有物」である――と考えられてます。男は、娘の親に「お嬢さんをください」って言うでしょ? 親にしてみれば、「おまえにやるから、金寄越せ」となるわけです。
それを象徴するのが、「バージンロード」という、世にも奇妙なしきたり。
AKI エッ、奇妙なんですか、あれ?
哲雄 私のアメリカ人の友人がブッたまげておりました。バージンロード? 何、それ?――ってわけです。
AKI 外国にはないんですか?
哲雄 あるもないも、そもそも「バージンロード」という言葉自体が、世界のどこにも存在しない、完全な「和製英語」ですから。
AKI いったい、だれが作ったんです?
哲雄 結婚産業です。いいですか、AKIクン、覚えておくんですよ。キミにもいつか、そういう日が奇跡のようにやってくるかもしれないけれど、結婚式場とか結婚情報誌などが口にするルールとか常識っていうのは、ほとんどが、式場側が少しでも金をむしり取れるように――と考えついた、デッチ上げですからね。
AKI そう言えば、婚約指輪は給料の何か月分――なんていうのも、結婚式場がブチ上げたガセなんですよね?
哲雄 結納金についても、給料の2か月分とか3か月分――なんて言い出したのは、結婚情報産業です。ケーキ入刀とか、キャンドル・サービスとかも、すべて、金をふんだくるための式場側の仕掛け。こういうの、もういいよ――と、私は思います。
AKI ま、哲ジイには、永久に心配ご無用なことではありますがね。あ、でも、別のセレモニーはあるか、そう遠くないうちに……。
哲雄 超ウルサ――イッ!
AKI それにしても、「バージンロード」が和製英語だった――とはね。あれ、結婚式ではいちばん感動するシーンなのに……。
哲雄 キミは感動するんですか、あの醜悪な儀式に?
AKI 醜悪……ですか?
哲雄 醜悪きわまりないです。あの儀式が意味するのは、「所有権の移転」なんですね。娘は「家の財産」と考える、古~い価値観が根底にあって、その「所有権」を父親から新郎へ移転しますよ、しかも無傷(バージン)で――というわけです。考えようによっちゃ、「売り買いの儀式」とも言える。
AKI そう言われると、そんな気もします。でも、あれって、キリスト教式の結婚式の場合ですよね。キリスト教的な習慣なのかと思ってました。
哲雄 いえ、西欧では、娘も息子も、独立した人格として扱いますから、「ください」「やる」という考え方が、そもそも存在しないんですね。
AKI なのに、神父や牧師がその儀式に立ち会いますよね。
哲雄 堕落してるんですね、結婚キリスト教は。
AKI 「結婚キリスト教」……ですか?
哲雄 仏教が堕落して「葬式仏教」と言われるようになったのと同じです。結婚式場に併設された教会なんて、私は、教会だとは思ってませんから。
AKI 手厳しいですね。
哲雄 ええ、私は、手厳しいんです、金儲けに走る宗教には。
AKI 最後は、教会批判になっちゃいましたけど、結局、本日の話は――。
哲雄 ある種の結婚は「売春」である――の続き。「結納金」も、「バージンロード」も、「身売りの儀式」である。そんな話をお届けしました。
AKI ちなみにみなさま、このジイさまには、バージンロードを歩く相手はおりません。
哲雄 言わせておけば、余計なことを!


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