「性差」を作り出したのは、だれ?
不純愛トーク 第282夜
前々回からお届けしている「フェミニズム」の問題。今回は、「ウーマンリブ」運動が「なくせ!」と主張している「性差」の問題を取り上げてみます。「性差」には、男と女が生得的に持っている「性的差異」も含まれていますが、極端な「フェミニズム」は、それさえも「作られたもの」として退けようとします。「ジェンダー」とも呼ばれる「性差」を作り出したのは、だれなのか?そんな話をまとめてみます――。
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哲雄 AKIクン、キミは「ジェンダー」という言葉を聞いたことがありますか?
AKI ジェンダーですか? もしかして、ハリウッドの女優とか……?
哲雄 それは、ジェーン・フォンダ。
AKI わかった。イタリアのアイスクリームみたいな……。
哲雄 それは、ジェラート!
AKI ウーン……わかんないッ!
哲雄 キミって、ますます「ローラ化」してきましたね。

そこから「性」に関する「自己認識」とか「性同一性」を表す言葉としても使われるようになりました。
ところがね、この言葉を「性差」と訳して、
その性差は、「社会や歴史が作り出したものだ」と主張し始めた人たちがいます。
AKI 哲ジイも、そう主張してたんじゃありませんでしたっけ?
哲雄 いえ、私が「なくせ」と主張していたのは「性差別」です。
AKI 「性差」と「性差別」は、別物なんですか?
哲雄 私は、似て非なるものと思っています。「性差」を取り除け――と主張している人たちの「性差」の中には、男や女が本来、生得的に持っている「男らしさ」や「女らしさ」までが含まれているんですね。
AKI 「生得的に」というのは「生まれつき、持ってる」ってことですよね?
哲雄 ハイ。社会的・文化的に作られたものではなく、遺伝子的にもともと書き込まれている「性的差異」です。男にはチンチンがついているが、女にはそれがなくて、代わりに膣があるとか、女の胸はふくらむが、男の胸はふくらまない……などといった、肉体的差異がその代表。そんな見た目上の違いだけじゃなくて、脳の構造だって、男と女では違います。
AKI エッ!? 脳の構造まで……?
哲雄 たとえば、男は、ハラが減るとエッチしたくなり、満腹するとしたくなくなりますが、女は逆で、ハラが満たされるとエッチしたくなり、空腹だとしたくなくなる――とかね。
AKI それ、脳の構造の問題ですか?
哲雄 ハイ、見事に。男の性欲中枢は空腹中枢のすぐ近くにありますが、女の性欲中枢は満腹中枢のすぐそばにある――という、大脳の構造の問題だと言われてます。ホルモンの分泌バランスも、男と女では違ってます。男性ホルモン(テストステロン)が優位な男は、攻撃的・競争的な性質が強くなり、女性ホルモン(エストロゲン)の優位な女は、融和的・同調的な性質が強くなります。オッパイを吸われると、プロラクチンが分泌されてやさしい気持ちになる――なんていう仕組みも、女の体にはプログラミングされてるけど、男の体には組み込まれていません。
AKI それは、生まれつきの性質なんですね?
哲雄 そうです。生まれつき持っている「性差」です。しかし、ウーマン・リブ運動が登場して以降、
極端な方向に走った「フェミニズム」の主張の中には、
その「性差」さえも「作られたもの」だとして排撃しようとする人たちが現れました。
AKI エッ、エッ!? てことは、生まれつきの「男らしさ」とか「女らしさ」も捨てろ――と? そんなことを主張したんですか?
哲雄 というか、彼らはそれを「生まれつき」とは思っていませんから。社会やその時代の文化的価値観によって押し付けられたものだ――と思ってますから、そういう古い衣装は脱ぎ捨ててしまおうよ、と主張したわけです。ま、「脱ぎ捨てる」ってことに関しちゃ、私も大いに賛成なんですけどね。脱ぎっぱなしにしてくだされば……。
AKI コラ、そこのおっさん!
哲雄 確かにね、彼らが主張するように、世の中で「男なんだから」とか「女なんだから」と語られる内容の中には、明らかに社会の都合や文化的価値観によって押し付けられたに違いない――と思われるものもあります。
AKI たとえば、どのようなものでしょう?
哲雄 女は男に従うものだ――とかね。中には、三歩後ろを歩け、なんてことを教えた文化もありましたし、風呂は男が入った後で入れ、なんて文化もありましたし、女は家を守るもんだ――なんてことを、いまだに声高に主張してる人もいます。女はスカートを穿けというのも、結婚したら夫の姓を名乗るというのも、社会が押し付けた「性差」。でもね、こういうのは、私に言わせれば、「性差」じゃなくて「性差別」。社会が作った大きな「差別」の構造の中の、ほんの一部にすぎません。
AKI もっと大きな「差別」が存在するんですね?
哲雄 この社会は「差別」で出来上がっていると思っていいと思うんですが、そこまで話を広げると収拾がつきません。なので、ここでは「男女間の差別」についてだけ申し上げますが、いちばん大きいと思う「差別」は、前回もお話したとおり、「財産の継承」に関する差別です。いまだに、財産の相続に関しては、「男系の長子」が最優先される――という慣習が貫かれています。もちろん、「法定遺留分」というのがありますから、「お兄さんが総取りなんて、そりゃないわよ」と法定遺留分を主張することもできるんですが、「遺留分」として主張できるのは、「法定相続分」の半分以下です。
AKI そう言えば、哲ジイ。日本ではいまだ「女帝」が認められてないんですよね?
哲雄 ええ。「皇室典範」の皇位継承の項には、「男系の男子」しか継承できない――と記されています。一時期、この典範を書き換えてはどうか、という議論も起こったのですが、結局、先送りされてしまいました。
AKI そうか。やっぱり、男女差別の根本はそこにあり――なんですね。
哲雄 そう言ってもいいでしょうね。そして、次に大きいのが、地位に関する差別。ちょっと下の数字を見てください。

――ILO「LABORSTA」2005年
フィリピン ―――57.8
米国――――― 42.5
オーストラリア― 37.3
ドイツ ―――― 37.3
イギリス――― 34.5
ノルウェー ――30.5
スウェーデン ― 29.9
シンガポール ― 25.9
マレーシア ―― 23.2
日本―――――10.1
韓国 ――――― 7.8
フランス ――――7.2
AKI エッ!? これって……?
哲雄 管理職中、女性が何パーセントを占めているかを表した数字です。こんな表面的な数字にどれほどの意味があるのか、いささか疑問もあるのですが、それにしても、日本の低さ、目立ってますよね。
AKI あ、でも、フランスも低い。で、フィリピンは高い。
哲雄 フィリピンは、伝統的に、女が働いて男は遊んでるようなところがあります。アジアで最初に女性大統領が誕生したのも、この国でしたしね。フランスの低さについては、よくわかりません。しかし、フランスに限らず、ラテン系は低いみたいですよ。あんまり、がんばろうって気がないのかもしれませんね。
AKI でも、これも、「女性差別」の程度を表すデータと考えられてるわけですね。
哲雄 もっと精密な「GEM指数」というデータもあるのですが、これ、言い出すと複雑なんで……。
AKI 複雑なのは、いいです。要するに、哲ジイは、これも、女性の地位が低く押さえられている証拠である――とお考えなわけですね?
哲雄 そうです。ただね、この現象を、単に、男による女の差別である――とだけ言ってしまうと、ちょっと違うっていう気もします。実は、女性自身の中にも、その差別を生み出してしまう原因があるんじゃないか?
AKI エッ、どういうこと?
哲雄 ようがす。その点については、次回、ゆっくり考えてみたいと思います。


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