やがて、地上からオスがいなくなる…!?
不純愛トーク 第275夜
前回は、男の精子数がこの半世紀ほどで半分近くに減っている、というショッキングな話をご紹介しました。しかし、事態はもっと深刻。もしかしたら、この地上からオスがいなくなってしまうかもしれない、というのです。オスの消滅を招くのは、「Y染色体」の劣化。自己修復のシステムを持ってないY染色体は、年を経るごとに劣化していき、やがて生存できなくなる…? 今回は、そんなショッキングな話をご紹介します――。
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哲雄 前回、精子の数が激減している、という話をしたわけですが、実は……。
AKI ど、どうしたんですか? 何か、ほかにも問題が……?
哲雄 それが大ありなんですよ、AKIクン。実はね、AKIクンが大好きなオスそのものが、この地上から消えてしまうかもしれない……。
AKI エッ、ウソでしょ? どうしてェ?
哲雄 AKIクン、遺伝の仕組みって知ってるよね?
AKI エーと、染色体が分裂して、おたがいの染色体の、分裂したどちらか一方と合体して、新しい命が生まれるんですよね。
哲雄 ま、ざっくり言うと、そういうことだよね。そのうち、性を決定するのは、「性染色体」と呼ばれている染色体なんだけど、これには、「X」と「Y」の2種類があります。「X」が「X」と一緒になって「X-X」という組み合わせになれば、メスになるし、「X」と「Y」が結びついて「X-Y」という組み合わせになれば、オスになる。ここまではわかるよね?
AKI 「Y染色体」大好き!
哲雄 だから、そういう話じゃなくて、実はね、いま、この「Y染色体」が危ない――って言われてるんです。
AKI 危ない……? Y染色体を食い荒らすウイルスが登場したとか?
哲雄 オーッ! そんなウイルスがいたら、周りじゅうのオスにバラまいちゃいますけどね。
AKI エッ、そんなこと考えてるんだぁ。
哲雄 ジョーダンですよ。実はね、いま、このY染色体が劣化してると言われてるんですねェ。一部のネズミの仲間や爬虫類の中には、Y染色体が完全に消滅してしまったものもいます。
AKI エッ!? じゃ、繁殖できなくなっちゃったわけ?
哲雄 でもないようですよ。別の性別決定の方法が発達して、ちゃんとオス・メスの別が保たれている種もあるし、メスだけの力で子孫を生む方法を発達させた種もいるそうです。
AKI メスだけで――なんて、つまんない。なんか、オナニーして子どもを作る、みたいな話じゃないですか?
哲雄 オナニーして子ども――ねェ。AKIクンらしい発想ではありますなぁ。ま、昔、子どもは卵で産みたい、なんて言った女優(←秋吉久美子です!

AKI よくないです。ね、哲ジイ、なんでY染色体だけが劣化しちゃったんですか?
哲雄 突然変異とか、代々、コピーを重ねるうちに、コピーミスを犯しちゃったとか、そういうことが積み重なったんでしょうねェ。
AKI それだったら、X染色体も同じはずじゃないですか?
哲雄 でもね、メスの場合は、X染色体を父親と母親から1個ずつもらって、2個持ってますよね。一方が何かの理由でダメージを受けても、もう一方がそれを代替して、修復することができます。
AKI あれですね。バックアップ・ディスクを持ってるPCと持ってないPCみたいな違いですね?
哲雄 うまいこと言いますねェ、AKIクン。そうなんだよね。バックアップできるX染色体はエラーに強いけど、Y染色体にはそれがない。その結果、Y染色体上の遺伝子は、もう78しか残ってない。でも、X染色体上には、1000以上の遺伝子が残ってる。
AKI 紅組、大勝利!――っていう問題じゃないですよね。
哲雄 全然、そういう問題じゃないです。だって、その結果、Y染色体がなくなって困るのは、キミでしょ?
AKI エッ!? そんな近々の話なんですか、それ?
哲雄 完全になくなるのは、ほんの600万年後――などと言われてます。
AKI ろ、600万年……? あの……もしもし。人類の歴史って、いま何年目ぐらいなんでしたっけ?
哲雄 ホモ・サピエンスが誕生して、15~25万年ぐらいと言われてます。
AKI 600万年後……ったら、その40倍ぐらいじゃないですか。そんな頃には、地球は宇宙人に支配されてるかもしれないし、どうでもいいです、私。
哲雄 だよね。でもさ、この劣化の速度は、今後、何かの原因で速まるかもしれません。
AKI 速まるのはまずいッすよ、哲ジイ。
哲雄 そのひとつとして、「一夫一妻制」が劣化の速度を速めるかもしれない――って言われてるんだよね。
AKI 一夫一妻制が……? どうしてェ?
哲雄 精子の競争がないからです。
AKI 精子の……競争?
哲雄 たとえばね、人間がその祖先であるチンパンジーたちのような「乱婚制」をとっていたら、メスの体内に放出された精子同士が闘って、より強い精子が残りますよね。ところが、ある程度、文明化された人類の社会では、婚姻制度が整えられて、乱婚社会のように、精子が競い合うという場面が少なくなった。とくに、一夫一妻制をとった現代の先進地域では、この競争はないに等しい。すると、どうなります?
AKI どんなに弱い精子でも、生き残れますよね。
哲雄 つまり、劣化したY染色体も、淘汰されずに世代交代を続けていくことになるわけですねェ。そういう世代交代が、何十回、何百回、何千回……と繰り返されるうちに、劣化も引き継がれていく。でもね、これは、高度に文明化した社会のジレンマでもあるんだよね。
AKI ジレンマ……?
哲雄 自然界の摂理から言うと、適者生存の原則が貫かれたほうが、種の保存にも都合がよろしい。しかし、高度な文明社会を築いた人類の世界では、どんなに劣化したY染色体にも繁殖の機会を与えようとします。「一夫一妻」という制度は、そういう制度でもあります。
AKI 弱者を救済しようともしますよね。
哲雄 それはそれで、人間が築き上げてきた社会のいいところだと思うんだけど、でも、それは一方では、種としての弱体化を招くことにもなる。そこが、ジレンマだと申し上げているわけです。
AKI どうすればいいんでしょうね、哲ジイ?
哲雄 X染色体だけで生殖できるようにして、人類を全部、メス化してしまうとか。
AKI それ、いやだぁ。
哲雄 じゃ、もっとY染色体を大事になさい。
AKI ウーン……。考えとく。


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