「ザル女」と「下戸男」の遺伝子的問題について
不純愛トーク 第273夜
生理的な「好き」や「嫌い」を生み出す原因のひとつになっている――と考えられるDNA。前回は、体毛や体臭の問題を取り上げましたが、今回は、アルコール。酒が飲める・飲めないは、男女のマッチングを決定する上で、重要な要素となるのですが、そのアルコール分解能力を決めているのは、DNAです。「飲める女(男)」と「飲めない男(女)」の遺伝子的問題を探ってみます――。
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AKI 新モンゴロイド系である私は、彫りの深い旧モンゴロイド系のイケメンに惹かれはするけど、どうも、体毛とか体臭が濃いのは苦手。こういうのって、DNAに書き込まれてるんですかねェ?
哲雄 新モンゴロイド・AKIのDNAは、旧モンゴロイドの濃さに「NO」を言う? なるほど、そういうこともあるかもしれませんねェ。あるいは、「こいつ、汗腺の数が多いから、非自己だ!」と、免疫系が働くのかもしれませんしね。
AKI ほんとに……?
哲雄 実際に、医学的あるいは分子生物学的に、そういうことを決定するシステムが備わっているのかについては、私にはわかりません。ただ、ここで申し上げているDNAとか免疫系というのは、あくまで「精神的な」という意味での――ですからね。
AKI 「精神的な」ということは、ある意味では、「後天的な」とも言えますよね?
哲雄 わかりません。ヒトのゲノムの解読が完全に終了してみないと、「毛深い男を避けよ」なんていう遺伝子的書き込みがあるのかどうかは、わからないのです。遺伝子が決めているのは、単に、自分の遺伝的形状だけであって、そういう形状が当たり前である世界で育っているから、それと異質な形状を「苦手」と感じる意識が育った――というだけの話かもしれませんしね。
AKI それだと、「後天的」ってことになりますよね?
哲雄 ですね。体験や環境によってある性質が身についていくことを、学問的には「学習」と言います。
ヒトの性質は、遺伝によって決まるのか、学習によって身に着いていくのか?
これはもう、延々と議論されていることなので、ここで軽々に、「それは遺伝だね」とか「いや、それは学習によるものだよ」なんてことは、私の口からは言えません。たぶん、AKIクンだって、生まれたときから毛深い人たちに囲まれて育っていたら、「毛深い」を当たり前と感じる女になっていたかもしれないわけでね。
AKI なるほど。じゃ、いまから学習しようかな……。
哲雄 何をです?
AKI 毛深い男を好きになる方法……とか、ですけど。
哲雄 別に、ムリに学習する必要はないんじゃないですか。「私、毛深い人、苦手」っていうのは、それはそれで、キミの個性でもあるわけですから。私もね、ムリするのは止めたんですよ。
AKI エッ、止めた? もしかして、毛深い女を好きになるのを――とかじゃないですよね?
哲雄 あ、私は、毛深いの、別に苦手じゃないですから。つか、毛深い人のほうが美人だったりするんで……。そういうことじゃなくてですね、止めたのは、ムリに飲むこと。
AKI 飲むこと? お酒を……ってことですか?
哲雄 そう、そのお酒。実はね、日本人が海外に出て、いちばん苦労するのが、この「お酒」だったりするんだよね。
AKI そ、そうなの? エッ、けっこう飲んでるような気がするんですけど……。
哲雄 日本人の「けっこう飲んでる」なんてのは、コーカソイド人種の「ちょっと飲む」にも遠く及びません。
AKI コーカソイド……? なんか、新しいカゼ薬みたい……な名前ですけど。
哲雄 前にもお話しましたけど、現生人類はアフリカで誕生して、それから中近東のほうへ進出し、ひと手は、地中海、ヨーロッパ方面へ向かいました。このグループが「コーカソイド」。もうひと手は、インドを経て東南アジアへ到達します。こちらが「モンゴロイド」。ここからさらに二手に分かれて、ひとつは中国南部からシベリア方面にまで北上していくんですけど、この北に向かったグループが、寒冷地の気候などに適応して変化したのが「新モンゴロイド」と申し上げましたよね。←下の地図参照。

AKI てことは、ヨーロッパの人たちは、コーカソイド?
哲雄 そうです。で、お酒の話なんだけど、酒に強い・弱いを決めているのは、アルコール分解酵素である「アセトアルデヒト脱水素酵素」なんだよね。人は2種類の「アセトアルデヒト脱水素酵素」を持ってるんだけど、この酵素のアミノ酸の性質を決める遺伝子の塩基配列が、あるとき、突然変異を起こしました。突然変異の結果、アルコールを分解する能力を失った遺伝子を「A」としましょうか。そして、分解できるほうの遺伝子を「G」とします。
AKI AとG。なんか、むずかしい話になってきましたけど……。
哲雄 では、できるだけ簡単に。人は、2種類のアルコール分解酵素を持っている――と言いましたよね? その遺伝子が2つとも「A」だと、人は、まったくアルコールが飲めなくなってしまいます。
AKI つまり、「下戸」ってことですか?
哲雄 そうです。私の友人にも、「AA」タイプの男がいたのですが、この男は、弱いというより、まったく飲めない。ビールをグラス一杯飲んだだけでも、救急車を呼ぶハメになったりしました。これが、完全な「下戸」。しかし、この「AA」タイプは、モンゴロイド全体でも、5%程度しかいないんですね。
AKI 「下戸」は、ごく少数しかいないってことですね?
哲雄 「AA」タイプはね。ところが、片方だけが「A」という「AG」タイプとなると、モンゴロイド全体の45%もいる。「AG」タイプというのは、飲めなくはないけど、飲んでも強くはない。ま、こちらも、世界の水準から言うと「下戸」なんでしょうね。つまり、
モンゴロイドは、全体の半数が、まったく飲めないか、
飲んでも弱い「下戸」
ということになるわけです。
AKI じゃ、もうひとつの……エッ……と、コーカソイドのほうは?
哲雄 ほとんどが、「GG」タイプです。
AKI 日本人は、ヨーロッパの人種と飲み比べても、勝てない――ってことですね?
哲雄 別に、勝つ必要もないと思いますけど、ただ、外交の場なんかでは、酒の伴うパーティが付き物ですからね。
AKI それ、困りますよね?
哲雄 困るでしょうねェ。国際会議のレセプションなどで、相手国のペースに合わせて飲んでて、ぶっ倒れちゃう――なんて外交官も、けっこういるそうですから。
AKI 哲ジイは、「AG」なんですか?
哲雄 でしょうね。まったく飲めないってわけじゃありませんから。昔はね、酒なんて、吐くまで飲んで鍛えれば強くなる――なんてムチャクチャなことをおっしゃる先輩がいたりしたものですが、ハッキリ言って、迷惑千万な話。鍛えて強くなるのは、「GG」の遺伝子を持った人だけ、と言っていいかと思います。
AKI モンゴロイドだと「GG」を持ってる人は、全体の半分ぐらいしかいないわけですね?
哲雄 「新モンゴロイド」だとね。この遺伝子の突然変異を起こしたのは、「新」のほうらしいんだよね。同じ「モンゴロイド」でも、「旧」のほうは、けっこう飲めちゃったりします。でね、それが、恋愛とどう関係するか?
AKI エッ、エッ!? そんなことが、恋愛に関係しますかね?
哲雄 するでしょう。一方は、際限もなく飲む大酒飲み、かたや下戸というんじゃ、ライフスタイルを共有できませんもの。
AKI そんなもんすか。
哲雄 ええ、そんなもんす。もし、DNAが恋愛に関係するとしたら、私は、これがいちばん大きいんじゃないか――と思ってます。
AKI てことは、哲ジイは、大酒飲みの女は、「あ、この人、ダメ」になっちゃうわけですね?
哲雄 とほほ……。それで、いったいどれだけ、恋を失ってしまったことか……。土佐のはちきん女も、薩摩の歌姫も、みんな、人の気持ちも知らずに底なしに飲みやがって……。
AKI あらら、それはお気の毒。でも、そうか……。そういうところでは、DNAが恋を支配するってこともあるわけですねェ。ねェ、哲ジイ。もしかして、あいつは草食系とか肉食系とかいうのも、DNAが関係してるんですかねェ?
哲雄 そら、来た! ようがす。その問題については、次回、くわしくお話することにしましょう。


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