女は過去恋を「初期化」し、男は「保存」しようとする
不純愛トーク 第265夜
何回か続けてお届けしている、「性体験」をめぐる話。前回、男が「更地=処女」を好むのは、自分の血統を守りたいからだ――という話をしました。それに対して女性は、新しい男と出会うたびに、過去の体験を「初期化」しようとします。それはなぜか、というのが今回のテーマ。男と女の恋愛のあり方にも大きくかかわる話をご紹介します――。
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AKI ねェ、哲ジイ。前回、哲ジイは、女のほうが「初期化」が得意だとおっしゃいましたよね?
哲雄 ハイ、申し上げました。
AKI それって、女のほうが「過去」を消去するのが得意だってことですか?
哲雄 そうじゃありませんか? 自分の胸に手を当てて、よぉく考えてごらん。
AKI 手は当てましたけど、どうも……身に覚えがないというか……。
哲雄 ま、その小さな胸じゃ……いくら当てても、何も浮かび上がっちゃあこないかもしれませんねェ。
AKI どうせ、小さな胸でございますよ。
哲雄 ホッ、自覚はしてるんだ。それで、「初期化」の話なんだけど、女性のほうが得意というのは、実は、「ある条件下では」って話なんだよね。
AKI ある条件……? 何です、それ?
哲雄 「新しい男」の存在です。
AKI エッ!? 新しい男……? それって、新しい恋が始まったら――ってことですか?
哲雄 そう言ってもいいでしょうね。
AKI じゃ、始まらなかったら?
哲雄 その場合は、いつまでも引きずる場合もあるでしょうね。少なくとも、嫌いになって別れたのではない、むしろ、男のほうが心変わりしたのだけれど、自分はまだその男が好き――なんていう場合には、ずーっと、その思いを引きずることになります。ヘタすると、ストーカーになる場合もある。
AKI そうならないためには、いつまでも古い恋にしがみつかないで、新しい恋を始めなさい――ってことですね。
哲雄 そうですね。こういうふうに考えるといいんじゃないですか。人間の中には、恋の素になる成分がある。心理学的には、「リビドー」って言うんだけど、このリビドーにはハケ口が必要である。ところが、そのハケ口となる対象がないと、リビドーはかつてそれが向かった対象にいつまでも固着してしまうことになります。この「固着」が起こってしまうと、始まるはずの新しい恋にも向かえなくなってしまうんですね。
AKI つまり、あれですね。いつまでも昔の男が忘れられなくて、せっかくいい男と出会っているのに、そちらに目が向かない……とか?
哲雄 そういうこともあるでしょうねェ。ま、変わり身の早いあなたには、心配ないことではありますがね。
AKI 言っときますけど、わたくし、そんなに軽くはありませんので。あ……もしかして、『冬ソナ』のヒロインとかも、そうだったりして……。
哲雄 そうですね。心理学的に言うと、『冬ソナ』は、リビドーの固着の物語とも言えるわけです。この「リビドーの固着」は、なにかしら理不尽な理由、たとえば親に反対されてあきらめざるを得なかったとか、周囲の妨害に妨げられたとか、社会的には許されない関係であったとか、そういう場合に起こりやすいんです。ふつうだと、そのエネルギーをぶつける他の対象が見つかると、そちらに振り向けられることになるんですけどね。
AKI 他の対象? 恋愛じゃない場合もあるんですか?
哲雄 そういうケースのほうが多いかもしれません。たとえば、スポーツに熱中するとか、アートに夢中になるとか、金儲けに走る……とか。そういう代償を見つけることによって、固着しそうになるリビドーを解放しようとするんですね。
AKI ハハァ。哲ジイが小説書いたりするのも、それだったりして……。
哲雄 あえて否定はいたしません。もちろん、新しい恋の対象が見つかれば、リビドーはそちらに振り向けられることになります。そのときに、女性は過去の恋を消して、脳の恋愛用ディスクを「初期化」してしまうんですね。
AKI 女だけ? 男は、そうはしないの?
哲雄 男はね、「初期化」なんてもったいないことはしないで、
「保存用のディスク」に保存しておこうとします。

AKI エーッ、どうして?
哲雄 あとで、取り出しては、「オーッ、この女、あのときの声がよかったよなぁ」とか「そうそう、この○子ちゃんは、お口のプレーが大好きだったよなぁ」なんて、思い出しては悦に入るため――だったりして。
AKI そ、そうなの? それ、まるで保存食のおつまみみたいじゃないですか?
哲雄 うまいこと言うねェ。もちろん、もっと大きな目的はありますよ。
AKI それは何? ショージキに吐きたまえ。
哲雄 おお、怖ッ! それは、その……あれですよ。別れはしたけれど、たまに会ってメシを食ったり、昔を思い出して、その……もう一発、いっとく……とか。
AKI エーッ! 男って、そんなこと考えてるの?
哲雄 つかね、AKIクン。一度でもお相手願った女性を自分のテリトリー内に留めておきたい――ってのは、オスの本能でもあるわけですよ。自分の精子は、できるだけ広範囲にバラ撒いておきたい。それ、自分の血統を残すための保険みたいなもんだからね。なので、たとえわずか数パーセントでも、種付けの可能性の残っている相手を「削除」してしまうなんてもったいないことは、したくないわけです。
AKI じゃ、女は? どうして女は、初期化してしまうんです?
哲雄 だって、女は……というか、動物のメスは、異なるオスの種を同時に受精して、同時に育てるなんてことできないでしょ? あるオスの子種を宿して育てるためには、自分の畑は、きれいにしておかなくちゃならないでしょ? 単に肉体的にというだけじゃなくて、精神的にも。でないと、前の男の接近を許してしまうことになるでしょ? それは、胎内に宿った生命に危険を及ぼすことになってしまいますからね。
AKI 女って、損だわ。
哲雄 損とか得とかって問題じゃないでしょ。生命を生み出すことのできるメスならではの、自然の摂理だと思っていただきたい。オスは、どんなにガンバっても、自分で生命を生み出すってことはできないんですから。
AKI なんか、うまく言いくるめられてるような気がする……。
哲雄 まぁ、まぁ、そう言わずに。私などから見ると、きれいさっぱり、「初期化」してしまえる女のほうが、うらやましく見えることもあるんですから。
AKI そうかもしれませんねェ。過去の亡霊に悩まされっぱなしの哲ジイなんぞは、特に。
哲雄 亡霊ですと? おあいにくですがね、AKIクン。私は、いつまでも亡霊を引きずったりはしませんよ。こう見えても、けっこう切り替えの利くタイプですから。
AKI ヘーッ、どうやって?
哲雄 それについては、いつか、然るべき時期がきたら、お話したいと思います。
AKI いまが、その時期ではないんですか、総理。
哲雄 さて……と、古いディスクの整理でもしよう――っと。


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