セレブは「近親婚」がお好き――の理由

血縁同士のエッチや結婚は、どこまで許される?
実は、この基準、世界的にはマチマチなのです。
性とエッチの《雑学》file.95 R15
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。
【今回のキーワード】 近親相姦 近親婚

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世の中には「禁断の」と呼ばれる「愛」があります。
数ある「禁断」の中で、もっとも「禁断」の度合いが強いのが、「近親者間の性愛」でしょう。
「近親者」間のSEXは、通常、「近親相姦」と呼ばれますが、「相姦」と言うと、「双方、合意の上で」という意味合いが強くなるため、最近は、「近親姦」という言葉が用いられることが多くなりました。
世界には、近親者間の性行為そのものを禁止しているところもあります。ドイツでは、直系の血族や兄弟姉妹間の性交は処罰の対象としていますし、アメリカでも、州によっては、処罰の対象とされます。
日本にも、1873年にそれを禁止する法律が制定されましたが、1881年に廃止され、現在は、近親者同士の間で性行為が行われたからと言って、それを罰する規定はありません。それが「強制」によるものであれば、「強姦罪」や「児童虐待防止法」が適用されるだけです。
しかし、「婚姻」は禁止されています。日本の法律によれば、直系の血族と傍系でも三親等以内の血族との婚姻は、禁止です。具体的には、下記の通り(×は婚姻不可、○は婚姻可の関係です)。
結婚できる関係とできない関係
自分の父親・母親(一親等)…………………… ×
自分の息子・娘(一親等)……………………… ×
自分の祖父・祖母(二親等)…………………… ×
自分の孫(二親等) …………………………… ×
自分の兄弟・姉妹(二親等)…………………… ×
自分の姪・甥(三親等)………………………… ×
自分のオジ・オバ(三親等)…………………… ×
自分のいとこ(オジ・オバの子=四親等) …… ○
自分の姪・甥の子ども(四親等)……………… ○
自分の妻・夫の両親…………………………… ×
自分の妻・夫の兄弟姉妹……………………… ○
「近親婚」を禁止するのは、もっぱら、遺伝的理由から――とされてきました。
近親者同士であれば、その遺伝的性質も似通っており、そうした遺伝子同士が結ばれると、本来なら劣性である重大な遺伝性の疾患(ヨーロッパなどでは、「血友病」が懸念されました)が発症する恐れがある――などとされたのですが、これについては、学問的にも意見が分かれています。
劣性遺伝子同士の結合を問題視するのなら、同様の危険性は、非血縁同士の婚姻にも潜んでいるではないか――というものです。
実際、「近親者同士の婚姻の禁止」は、けっして世界的なスタンダードというわけではありません。「禁止」とされる「近親」の範囲についても、世界の基準はまちまちです。
実は、この近親婚の禁止については、遺伝的理由以外に、もっと重大な理由があるのではないか――と、筆者は考えています。
本日は、そんな話をしてみようかと思います。
数ある「禁断」の中で、もっとも「禁断」の度合いが強いのが、「近親者間の性愛」でしょう。
「近親者」間のSEXは、通常、「近親相姦」と呼ばれますが、「相姦」と言うと、「双方、合意の上で」という意味合いが強くなるため、最近は、「近親姦」という言葉が用いられることが多くなりました。
世界には、近親者間の性行為そのものを禁止しているところもあります。ドイツでは、直系の血族や兄弟姉妹間の性交は処罰の対象としていますし、アメリカでも、州によっては、処罰の対象とされます。
日本にも、1873年にそれを禁止する法律が制定されましたが、1881年に廃止され、現在は、近親者同士の間で性行為が行われたからと言って、それを罰する規定はありません。それが「強制」によるものであれば、「強姦罪」や「児童虐待防止法」が適用されるだけです。
しかし、「婚姻」は禁止されています。日本の法律によれば、直系の血族と傍系でも三親等以内の血族との婚姻は、禁止です。具体的には、下記の通り(×は婚姻不可、○は婚姻可の関係です)。

自分の父親・母親(一親等)……………………
自分の息子・娘(一親等)………………………
自分の祖父・祖母(二親等)……………………
自分の孫(二親等) ……………………………
自分の兄弟・姉妹(二親等)……………………
自分の姪・甥(三親等)…………………………
自分のオジ・オバ(三親等)……………………
自分のいとこ(オジ・オバの子=四親等) ……
自分の姪・甥の子ども(四親等)………………
自分の妻・夫の両親……………………………
自分の妻・夫の兄弟姉妹………………………
「近親婚」を禁止するのは、もっぱら、遺伝的理由から――とされてきました。
近親者同士であれば、その遺伝的性質も似通っており、そうした遺伝子同士が結ばれると、本来なら劣性である重大な遺伝性の疾患(ヨーロッパなどでは、「血友病」が懸念されました)が発症する恐れがある――などとされたのですが、これについては、学問的にも意見が分かれています。
劣性遺伝子同士の結合を問題視するのなら、同様の危険性は、非血縁同士の婚姻にも潜んでいるではないか――というものです。
実際、「近親者同士の婚姻の禁止」は、けっして世界的なスタンダードというわけではありません。「禁止」とされる「近親」の範囲についても、世界の基準はまちまちです。
実は、この近親婚の禁止については、遺伝的理由以外に、もっと重大な理由があるのではないか――と、筆者は考えています。
本日は、そんな話をしてみようかと思います。

世界には、近親者間の婚姻を禁止する文化もあれば、逆に推奨する文化もあります。
生物学的理由(遺伝の問題)を除けば、こうした違いを生み出す理由は、ひとつしかありません。それは、「権力の継承」という問題です。
この「権力」には、政治的支配力もあれば、財産もあるのですが、どちらについても、同じ力学が働きます。すでに権力を手中にしている人間は、それを維持しようとし、手にしていない人間は、それを手に入れようとします。
そこへ、「婚姻」という問題が発生します。
「婚姻」と「権力」にどんな関係があるの?――とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、実はこれが、大あり! なんですね。

もし、その婚姻の相手を自分の血縁以外から選ぶと、集中していた「権力」は、自分の血族外に分散=拡大していくことになります。その分散を防ごうとしたら、婚姻相手は、自分の血族の中から選ぶしかありません。
世界の強大な権力者の系譜を見ると、ひとつの事実に気づきます。エジプトの王家でも、インカの王家でも、ヨーロッパの王室でも、そして、日本の天皇家でも、近親者間の婚姻が頻繁に行われています。
兄弟姉妹間の婚姻は、さすがにタブーとされていたところが多いようですが、オジ―姪、オバ―甥の婚姻は、むしろ理想的と考えられていたフシさえ見られます。
そうして、近親者間の婚姻を繰り返すことで、権力の分散を防ぎ、その継承を図る。これは、世界のいたるところで見受けられた権力維持のためのシステムと言っていいかと思います。
その名残が、現代にいたるまで残っているところもあります。
インドネシアのジャワ島には、母と娘の近親相姦は一族に繁栄をもたらす――としている部族がいます。チベット密教のひとつであるタントラ教には、母や娘を愛欲することで悟りが得られる――という教えがあります。ゾロアスター教では、父と娘、母と息子、兄弟姉妹の結婚は、最高の善行である――とする教えが存在しました。

もてる人間=権力者にとっては、「近親婚」は、権力を保持するためのシステムとして働きますが、では、その逆はどうだったのでしょう?

これでは、自分たちの権力や財力を拡大していくことにはなりません。拡大しようと思えば、自分たちの縁戚の範囲を広げたほうが有利――ということになります。
したがって、そういう社会では、近親間の婚姻を避け、できるだけ他部族から伴侶を得て、自分たちの経済活動などの領域を広げよう、とする力学が働きます。
その典型的な例が、アメリカのインディオやオーストラリアのアボリジニなどの世界に見られる「トーテム」の制度です。これらの社会には、自分たちの氏族を象徴する「トーテム」というものが存在します。「トーテム」というのは、「熊族」とか「サケ族」とか「犬族」というふうに、たいていは、自然の動植物などを一族の象徴として記号化したもので、「トーテム・ポール」は、それを表す造形的象徴です。
これらの社会では、近親どころか、同じトーテムに属する男女成員の婚姻を禁止しているところが大半でした。
結婚するなら、他の「トーテム」の女や男を選びなさい――というわけです。
そうすることによって、たとえば一族の交易範囲が拡大する、同盟関係が広がる……などというメリットが生まれるわけですが、その一方で、このシステムは、一氏族に強大な権力が集中することを防ぐ役目も果たしました。
なので、このシステムをとる社会からは、巨大な帝国は生まれませんでした。
同じ南米インディオの世界でも、インカ帝国が近親婚を繰り返して巨大な帝国を維持し続けたのとは、対照的です。

というわけで、こと婚姻関係については、こういう言い方ができるかと思います。
巨大な権益を保持する一族ほど、近親婚に走る傾向が強く、
貧しいけれども上昇志向の強い一族ほど、それを避けようとする傾向が強い。
今回は、婚姻関係についてのみ解説しましたが、実はこの傾向は、婚姻とは関係のない「近親姦」についても言えることなのです。
父と娘、母と息子、兄弟姉妹間での「近親姦」は、貧しい家庭で起こりやすい――とする説もあったのですが、実は、そうでもない。むしろ、資産家の家庭のほうが、その事例は多い、というのが、最近の定説となっています。
次回、そのあたりの話をしてみようかと思います。


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