「ユニット型」夫婦と「化合型」夫婦
不純愛トーク 第261夜
夫婦の理想の形は、何も言わなくてもおたがいをわかり合える「聖なる夫婦」だ。昨年末は、そんな話で終わりました。そんな「聖なる夫婦」には、どうすればなれるのか? 今年初のトークは、夫婦には「ユニット型」と「化合型」があるという話をご紹介。「聖なる夫婦」になれるのは、「化合型」である、という話をご紹介します――。
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哲雄 AKI 今年、初めてのトークとなりました。

あけまして、おめでとうございます。
旧年中は、阿呆なジジイとバカな娘の
ヨタ話におつき合いくださり、
ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

AKI ところで、哲ジイは、お正月は、どちらかにお出かけになったのですか?
哲雄 いいえ。静かに、ドメスティックに、新年を迎えさせていただきましたよ。AKIクンは、どこか、いらしたのですか?
AKI いいえ。年末年始は、寂しい思いをしていらっしゃる方も多いので……。
哲雄 あ、そうか。本業のほうがお忙しかったわけですね。
AKI でも、新聞はちゃんとチェックしておりましたよ。
哲雄 ホウ、それは感心な。で、主として、何面あたりを?
AKI そりゃ、あれですよ。地方面のゴミ記事ですよ。
哲雄 また、ずいぶん、コアな趣味をお持ちのことで……。
AKI ええ。どこかのお年寄りが、モチをのどに詰まらせてくたばっちゃいないか――とかね。これでも、心配性なものですから。でも、よろしゅうございましたわ。どうやら、ご無事のようで。
哲雄 え、どこかのお年寄り……って、もしかして私のこと? それはまた、病的なまでに心配性なことで……。ナニ、私は、モチでくたばるような間抜けではありませんので、ご心配なく。
AKI そういう過信が、いちばん危ないんですッ! もう、若くないんですからね。何ですか、そのニヤニヤ顔は?
哲雄 いやね、年末に、スーパーに買い出しに出かけたときにね……。
AKI また、「聖なる夫婦」を発見したんですか?
哲雄 じゃなくて、どこかの聖マドンナがね……。
AKI ピッピッ! 「マドンナ」に「聖」はつけないでしょ! もともと「聖母」って意味なんですから。
哲雄 おっしゃるとおり。よくできました。で、そのマドンナがね、ある野菜の前で首をひねっていらっしゃるのです。
AKI 買うへきか、買わざるべきか――と迷ってとか?
哲雄 じゃなくてですね、「あら、大きな菜っ葉。これ、何に使うのかしら?」ってね、さかんに首をかしげていらっしゃるんです。そういう場面に遭遇すると、黙っていられない……つか、義を見てせざるは勇なきなり!
AKI ま、「小さな義」には、すぐ勇を奮い起こしますものね、このジイさまは。それで、なんていう菜っ葉だったんですか、それ?
哲雄 「かつお菜」と申します。九州特産の菜っ葉なのですが、縮れた大きな緑の葉が特徴で、少し苦味がある。北部九州一帯では、これをブリと一緒に雑煮に使うんですね。ブリの脂っぽさをかつお菜の苦味が抑えて、これがまた、実によく合う。
AKI というようなことを、得々と披露に及んだんですね、鼻の下、伸ばしながら。で、そのマドンナは、何と?
哲雄 「まぁ、おいしそう。うちでもやってみようかしら?」とおっしゃるので、「どうぞ、ぜひ、お試しください」と申し上げ、だしは何がいいとか、他にどんな実を合わせるといいか――てなことをご説明申し上げました。
AKI それだけ?
哲雄 それだけですよ。「もし何かわからないことがあったら、お尋ねください」とは申し上げておきましたけどね。
AKI それだけ?
哲雄 「お尋ね……と言われても、連絡のとりようが……」とおっしゃるので、ま、仕方なく、電話番号をメモしてお渡ししておきましたけどね。
AKI 仕方なく……ですか? ほんとにィ? で、その電話、かかってきたんですか?
哲雄 それがあなた、なんと、かかってきたんですよ。
AKI エッ、ウソォ――ッ! 奇跡ですね、それ。
哲雄 奇跡かどうかは、学問的にも見解の分かれるところだと思いますが、とにかくかかってきたんです。「あの、先日、教えていただいたお雑煮なんですけど、ブリは何か下ごしらえをするんでしょうか?」とか、そんな類の質問でしたねェ。
AKI で、教えてあげたんですね。哲ジイのことだから、「なんなら、私が作ってさしあげましょうか?」とかなんとか言ったんじゃないですか?
哲雄 ま、必要とあらば、そういうサポートもありかな……とは思っておりました。電話の向こうから、その話し声が聞こえてくるまではね。
AKI エッ、話し声? 何ですか、それ?
哲雄 「ねェ、あなた。ブリはさっと霜降りして、あとは煮汁の中で煮ればいいんですって」と、奥に向かって呼びかける声。「あなた」ですと。
AKI あらまぁ、人妻でいらっしゃったんですね、そのマドンナは。
哲雄 どうも、そうらしいですなぁ。ま、感謝はされましたけどね。実は、その方のご主人も、九州の方らしく、「かつお菜」を見て、懐かしがってらっしたようですよ。ま、これも、人助けってことで……。
AKI ハイハイ、そういうことにしておきましょうか。あ~あ、新春早々のずっこけ話で、貴重な字数を使ってしまったじゃないですかぁ。きょうは、どうすれば「聖なる夫婦」になれるのか――って、話をしようかと思ったのにィ。
哲雄 しますよ。目的がハッキリしている夫婦だと、なかなかそうはなれない――と、確か、前回は、そんな話をしたと思うのですが……。
AKI ハイ、そうでした。その目的というのは、たとえば「家を建てるゾ!」とか「1億貯金するゾ!」とか、そういうことでしょうか?
哲雄 そういうのもあるかもしれないけど、「子どもを立派に育てるゾ」かもしれない。でもね、その目的が何であれ、「目的」というものは、いつか必ず消滅します。挫折して消滅する場合もあるかもしれないし、達成されたらされたで、消滅してしまいます。そうなると、目的でつながっていた夫婦は、夫婦である理由まで失ってしまいますよね。典型的なのが、子どもが親元を巣立ってしまったあとに夫婦が直面する虚脱感。
AKI 「鳥の巣症候群」とか言うんでしょ?
哲雄 正確には、「空の巣」と言うらしいです。とにかく、
「目的」が結合の主たる因子となっている人間関係は、夫婦に限らず、
その目的の消滅とともに、結合の理由を失ってしまう。
これは、あらゆる人間関係に共通する原理ですから、覚えておくといいでしょう。
AKI それでは、「聖なる夫婦」にはなれないってことですね?
哲雄 なるのがむずかしいだろう……と思います。あのね、AKIクン。人間同士が何かの関係を築こうとするときには、その結びつき方には、2通りあるような気がするんですよ。ユニット家具ってあるでしょう?
AKI ハイ、私の部屋にも、いくつかありますが……。
哲雄 ユニット家具というのは、複数の部材をジョイント金具とかで繋ぎ合わせて作りますよね? このジョイント金具を、人間同士を結び付ける「結合因子」と考えてください。ある人間とある人間を結合させているものが、何かの「目的」であったり、「利益」であったりする関係は、このジョイント金具で組み立てられた人間関係だと思うんです。
AKI ジョイント金具が失われたら、その人間関係も崩壊するわけですね?
哲雄 ハイ。私は、こういう関係を「ユニット型」と呼んでいるのですが、人間の結びつき方の中には、そうではないものもあります。こちらは、言うなれば「化合(コンバイン)型」とでも言ったらいいでしょうか。
AKI いちばんの違いは何ですか?
哲雄 「化学変化」を伴うかどうか……じゃないですかね。「ユニット型」の人間関係では、元の部材であるひとりひとりの性質は、そのままま変化せずに残されてますから、ジョイントを外せば、元の個人に戻ります。しかし、「化合型」だと、元の材料は溶かされて化学変化を起こし、融合してしまってますから、元の材料に戻すのは無理なんですね。
AKI わかりやすく言うと、ローストチキンサンドとハンバーガーの違いですかね?

哲雄 そのたとえ、全然、わかりやすくないです。
AKI じゃ、フルーツ盛り合わせとフルーツ・ミックスジュースの違い。

哲雄 それなら、少し、わかるけど……。
AKI 要するに、「聖なる夫婦」になれるのは、「ユニット型」ではなくて「化合型」だ――と。そういうことがおっしゃりたいわけですね、哲ジイは?
哲雄 さすが、AKIクン。察しのいいことで。では、夫婦を「化合型」にする化学変化とは何か? その話も含めて、「ユニット型」人間関係と「化合型」人間関係の違いを、次回、じっくりお話してみたいと思います。
AKI では、みなさん、今年も、よろしくです。


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