「説明のつく恋」なんて、つまらない
不純愛トーク 第258夜
「プチ恋」が「ほんものの恋」に発展するかどうかは、「この人をもっと知りたい」と思えるかどうかだ。前回は、そんな話をしました。その恋する状態が続くかどうかは、「もっと知りたい」と思い続けられるかどうかにかかっています。しかし、愚かな恋人たちの中には、それを説明しよう、説明させよう――とする人たちも。長住は、そんな「説明のついてしまう恋なんてつまらない」と思っています。今回は、その理由を――。
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AKI 前回のお話だと、哲ジイは、ずっと「この人をもっと知りたい」と思わせてくれる女性に恋をする――と、そのようなお話でしたわね?
哲雄 ハイ、そう申し上げたつもりですが……。
AKI それって、彼女にする女性には、「ミステリアスであれ」と言っているようにも聞こえますが……。
哲雄 謎多き女……ですか? ウンコしてる姿が想像できない……とか?
AKI そんなのは、だれだって想像できないでしょ! 想像していただきたくもありませんしッ! もっと、その……精神の深淵とか……。
哲雄 オーッ、深淵! AKIクンの口から「深淵」などという言葉が語られようとは、晴天の霹靂でありますなぁ。
AKI バカにしてるし……。
哲雄 いえいえ、バカになぞしておりませんよ。常々、私は、AKIクンの深淵をのぞいてみたいと思っているのですからね、これでも。
AKI いいです。私の深淵なんかのぞかなくても。で、どうなんです? 哲ジイが女性に関して、ミステリアスだなぁ――と感じるポイントは?
哲雄 ほんとは、あなたはいくつなの? とか……ですかね。
AKI まじめにッ!
哲雄 では、まじめに。私が、もっともミステリアスだと感じることは、これです。
なぜ、彼女は、私のような男を
好きになってくれたのか?
いったい、こんな私のどこに惹かれてくれたのか?
AKI わかるゥ。それ、すごく、わかるゥ。確かに、哲ジイにとっては、謎ですよねェ。
哲雄 なんか、素直に聞けない言葉だなぁ。
AKI だって、謎なんだもん。いったい、どこのもの好きな女が、どんな理由で、こんなくそジジィに懸想してしまったんだか――って。
哲雄 ま、あなたの目から見れば、謎多きことかもしれませんがね。私が申し上げているのは、あなたにとって「ミステリアス」なのではなくて、私にとって「ミステリアス」な何か……ってことなんですからね。私はね、何もかも説明のついてしまう関係って、つまらない関係だと思うんですよ。
AKI 私があなたに惹かれたのは、「金があるからよ」とか、「顔がタイプだったからよ」とか、そんなふうに説明のついてしまう関係は、つまらない――ってことですね?
哲雄 すごくリアルに言うと、そういうことですね。世の中には、その説明を求めるバカな人たちもいますけど。
AKI いる、いる。「ね、ね、私のどこを好きになったの?」なんて訊きたがる女の子とか、いますもの、私の周りにも。
哲雄 キミは訊かないの?
AKI 訊きません。訊いても、どうせ、ウソしか言わないだろうし……。
哲雄 そっちかい。ま、そういうウソも、愛情のうち――と、私だったらありがたくお聞きしますけどね。
AKI ヘェ、そうなんだ。ウソも愛情のうち……かぁ。
哲雄 問題は、そうやって聞かされる断片的な「好きの理由」をいくら重ね合わせてみても、彼女の愛がどこから来て、どこへ行こうとしているのか、とてもそのすべてを理解できたとは思えない。私が「ミステリアス」と感じるのは、そんな女性なんですねェ。
AKI で、いたんですか、そういう女性が?
哲雄 いましたねェ、少なからず。ああ、なぜ、彼女はワケも告げずに、私の元を去っていったのか?
AKI それ、単にフラれた――ってことじゃないですか?
哲雄 「きょうは、わたし、ひとりでいたいの」と言った彼女の「ひとり」は、どんな「ひとり」だったのか?
AKI 単に、一緒にいることに飽きただけだと思いますけど……。
哲雄 「わたし、所有されるの、あんまり好きじゃないんだ」なんて言ったのは、なぜだったのか……?
AKI ショ、ショユウ……? なんすか、それ?
哲雄 「自分の持ち物にする」ということです。
AKI あれじゃないすか。哲ジイがあんまりしつこいんで、「少し、ほっといてよ」と言いたかったんじゃないすか?
哲雄 そのくせ、「女は、首にナワつけてでも引っ張ってほしいって思うことがあるのよねェ」などと口走ったりする。それはなぜなのか? ウ――ム。謎は深まるばかりである。
AKI ゼンゼン、深まりません。簡単なことじゃないですか、哲ジイ。彼女は、哲ジイには「所有」されたくなかった。それは、もっと「所有」されたい、ほかのだれかがいたからである。ハイ、これですべての謎は解決。
哲雄 ウッ……。
AKI ど、どうしたんですか?
哲雄 そ、そうだったのか……。彼女には、もっと「所有」されたいだれかがいたのか。そ、そんな……。
AKI あら、効いちゃった。いやだぁ、哲ジイ。私は、ただ、ひとつの可能性を申し上げただけですよぉ。
哲雄 いや、その可能性も、確かにあるなぁ……と、思いいたったものだから。それにしてもAKIクン、キミはときどき残酷なことを言う。
AKI ハイ、プチSなもので。ま、でもそれが、哲ジイには「ミステリアス」と映ったわけですね。
哲雄 「ミステリアス」と感じさせたことのひとつではありますが、それがすべてではありませんよ。
AKI ずいぶん、謎多き女たちがいらっしゃったのですねェ、哲ジイの周りには。
哲雄 それは違います、AKIクン。私が特段、謎めいた女性を好きになるのではなく、もともと、人間という存在が、謎に満ちた存在なんです。なぜ、こんなことをするんだろう、なぜ、こんな風に感じるんだろう――なんてことの中には、どんなに説明しようとしても、説明しきれないものがたくさんある。人間とは、そういう不可解な生きものであり、だからこそ面白い、と私は思っているのですが、どうもね、そこを説明してしまおう、説明してもらおう、とする男や女が多い。
AKI どうして、あんな女のお尻を触ったの? 私にわかるように説明してよ――とかですね。
哲雄 なんか……とってもリアルですけど、ま、そういう言い方をする女性、多いようですね。私は、少なくとも、人間関係をすべて「説明のつくもの」として片づようとする女性には、恋をしないであろう――と思うだけの話です。だからね、AKIクン……。
AKI ハイ、何でしょ?
哲雄 たとえ、私が、「AKIクン、キミはきのうの夜は、何をしてた?」などとお尋ねしたとしても、「エーと、7時から8時までは、お風呂に入ってて、9時から10時までテレビを見て……」なんて説明はしないでいただきたい。
AKI ええ、しませんとも。「そんなこと訊くな」と、ムッとします。
哲雄 それはそれで、問題なんですけど……。

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