彼女が、「背中へのタッチ」に寛容な理由

人間の体で、もっとも無防備な背中。そこに
やさしく触れる手は、ときに愛を生む――という話。
性とエッチの《雑学》file.89 R15
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。
【今回のキーワード】 チカン グルーミング

【リンク・キーワード】 エッチ 官能小説 オーガズム 不倫
かつて……といっても、ものすごく「かつて」。まだ、横須賀線や東海道線の車両に灰皿が付いていた時代の話です。
筆者の友人に、大船⇔御茶ノ水間を通勤で往復していた男がいました。
仮に名前を「Sクン」としておきましょうか。
その「Sクン」が、さも重大な発見をしたゾ――というような顔で言うのです。
「長住よ、女の最大の弱点はどこだと思う? 背中だよ、背中!」
いきなり、何だよ――と、驚くと同時に呆れる筆者に、Sクンが得意げに語って聞かせたのは、概略、以下のような話でありました。
離れられない指。降りられない電車
東京駅を夕方6時過ぎに出発する東海道線「平塚行」電車。Sクンは、いつも旧式な80系のその電車を利用していた。80系というのは、乗降口が前後に2箇所しかなく、客室とはドアで仕切られたデッキがついているタイプだ。
Sクンは、いつも、そのデッキに立って、ショルダーバッグから読みかけの文庫本を取り出す。ボックス型の客室の通路に立つよりは、そのほうがラクだというのだが、ほんとの理由はわからない。
デッキに立って文庫本を読みふける読書好きの青年。
おそらく、周囲にはそう映ったに違いないが、その本のタイトルが『痴漢電車~濡れるOL』だったりするなんてことは、だれもご存じなかっただろう。
通勤ラッシュの時間帯の80系のデッキは、かなり混む。体を動かすことさえ困難な状況になる。Sクンは、他の乗客のジャマにならないように、手にした文庫本をあごの下あたりまで持ち上げて、ページに目を通す。
その日は、運よく(とSクンは言うが、ほんとのところはわからない)、目の前に、Sクンよりはかなり小柄な女性が立っていた。身長155センチぐらいのショート・カット。文庫を持つSクンの手は、ちょうど、彼女の肩甲骨の間あたりにくる。電車が揺れるたびに、Sクンの手の甲が彼女の背中の肩甲骨と肩甲骨の間の窪みのあたりに触れる。
Sクンの指が触れるたびに、その小柄な美女(かどうかはわからないけど)は、背中をビクンとさせる。
おや……と、Sクンは思ったそうである。
もしかして、この人、背中が弱点……?
筆者の友人に、大船⇔御茶ノ水間を通勤で往復していた男がいました。
仮に名前を「Sクン」としておきましょうか。
その「Sクン」が、さも重大な発見をしたゾ――というような顔で言うのです。
「長住よ、女の最大の弱点はどこだと思う? 背中だよ、背中!」

いきなり、何だよ――と、驚くと同時に呆れる筆者に、Sクンが得意げに語って聞かせたのは、概略、以下のような話でありました。

東京駅を夕方6時過ぎに出発する東海道線「平塚行」電車。Sクンは、いつも旧式な80系のその電車を利用していた。80系というのは、乗降口が前後に2箇所しかなく、客室とはドアで仕切られたデッキがついているタイプだ。
Sクンは、いつも、そのデッキに立って、ショルダーバッグから読みかけの文庫本を取り出す。ボックス型の客室の通路に立つよりは、そのほうがラクだというのだが、ほんとの理由はわからない。
デッキに立って文庫本を読みふける読書好きの青年。
おそらく、周囲にはそう映ったに違いないが、その本のタイトルが『痴漢電車~濡れるOL』だったりするなんてことは、だれもご存じなかっただろう。
通勤ラッシュの時間帯の80系のデッキは、かなり混む。体を動かすことさえ困難な状況になる。Sクンは、他の乗客のジャマにならないように、手にした文庫本をあごの下あたりまで持ち上げて、ページに目を通す。
その日は、運よく(とSクンは言うが、ほんとのところはわからない)、目の前に、Sクンよりはかなり小柄な女性が立っていた。身長155センチぐらいのショート・カット。文庫を持つSクンの手は、ちょうど、彼女の肩甲骨の間あたりにくる。電車が揺れるたびに、Sクンの手の甲が彼女の背中の肩甲骨と肩甲骨の間の窪みのあたりに触れる。
Sクンの指が触れるたびに、その小柄な美女(かどうかはわからないけど)は、背中をビクンとさせる。
おや……と、Sクンは思ったそうである。
もしかして、この人、背中が弱点……?
Sクンは、触れそうな手の指を少し伸ばしてみた。指先が彼女の背中に触れるか触れないか……の微妙な位置。そして、その指先をスーッと上方へ滑らせてみた。
意外だった。わずかだが、彼女はその背中をSクンに預けるような動きを見せたのだ。
それは、初夏のやや蒸し暑い季節。彼女は、襟ぐりの大きなサマーニットを着用していた。上へ滑らせるSクンの指は、やがて、そのニットの縁をとらえた。
ご本人の表現を借りれば、Sクンは蛮勇(エーッ!?)を奮って、滑らせた指をその上へと進めた。つまり、ニットの縁を越えて、彼女の首筋の肌に、直接、指を這わせた。
なんと、大胆な……というか、それ、チカンだろ、Sクン!
しかし、その東海道線の美女は、Sクンが思いもしなかった反応を見せた。
彼女は、その無防備な首筋を、「もっとさわって」とでも言うように、Sクンの目の前にさらけ出した――というのである。
Sクンは、その反応を見て、さらに指を進ませた。彼女の髪の生え際まで到達すると、Sクンは、指先で彼女の生え際を触れるか触れないかのタッチでくすぐる。
見知らぬ彼女は、耳を真っ赤に染め、さらにSクンに体を預けるような動きを見せる。
いつの間にか、電車は大船に着いていた。
しかし、Sクンは、そんな彼女を置いて、電車を降りる気にはなれなかった。
とうとう、終点の平塚に着いた。仕方なく、Sクンは車両を後にし、反対のホームに停車中の上り電車に乗り換えた。
さて、あの彼女は――と見ると、なんと、彼女もまた、折り返しの電車に乗り込んでいくではないか。
よっぽど、「あの……」と声をかけようとしたSクンだったが、その勇気がなかった、という。

少し長くなってしまいましたが、これが、Sクンが語って聞かせてくれた話の一部始終。
こんな話をご紹介したのは、何も、チカンするなら背中から――なんて話をするためではなくて、背中は、人と人とが接触する場合の「重要なパーツ」である、ということを申し上げておこう、と思ったからです。
わが不純なる友人・Sクンは、混んだ電車という千載一遇の機会を得て、「女の最大の弱点は背中」を確信するにいたったわけですが、その動機・経過はともかくとして、Sクンが確信した「背中=弱点」説は、あながち的外れとも言えない――と、筆者は思います。
人の「パーソナル・スペース」は、前方に大きく、後方に小さい。
前にもそんな話をさせていただいたかと思います。
「パーソナル・スペース」というのは、その範囲に他人が侵入してくると「不快」を感じる「身体的ナワバリ」のこと。しかし、人間は、前方から接近してくる他人に対しては「警戒ゾーン」を大きく設定しますが、後方に対しては、あまり警戒心を抱きません。
つまり、こういうことです。
彼女のオッパイに向かって接近を試みる男は、
警戒され、拒絶されてしまう可能性が高いけれど、
背中からやさしく接近する男は、
受け入れられる可能性が高い。
Sクンがここまで考えて、ふらちな行為に及んだのかどうかは、いまとなっては知る由もありませんが、「接近法」としては間違ってはいなかった、とも言えるわけです。

ただ、接近しやすいだけでなく、「背中」への接触には、もうひとつの心理的効果があります。
それは、「グルーミング効果」とでも言うべきもの。
やさしく背中に触れる手を通して、人は、「守られている」「癒されている」というメッセージを受け取ります。背中とは、そういう場所だと思います。
男性のみなさん、たとえば、あなたの周りに、なんだか元気をなくしている彼女がいるとしましょう。
その彼女をなぐさめ、「オレはキミの味方だよ」というメッセージを伝えたい――と思ったとしましょう。
いきなり、正面から接近して、オッパイをナデナデしたりする男は、まずいません。やってもいいけど、「何するの!」と引っぱたかれるのがオチです。
横から、「元気出せよ」と、肩に手を回す――はどうでしょう? 「正面からオッパイ」よりは数段ましですが、これも、よほど相手が好意を持ってくれている場合でない限り、「止めてよ!」と警戒されてしまいます。
やっぱり、後ろからなんですね。
しかし、いくら「後ろ」でも、いきなりお尻を撫で回しながら「元気出せよ」は、あり得ません。ヘタしたら、訴えられます。「お尻」は、性的なパーツだからです。
やっぱり、「背中」なんですね。
「オイ、元気出せよ」と、背中をポンと叩いたり、そっと手を置いたり……。こういう行動は、男性同士の間でも、女性同士の間でも、しばしばとられる「グルーミング行動」です。
筆者の経験に照らしても、背中に置かれた手に「不快感」や「嫌悪感」を抱くことは、それが嫌悪する相手でない限り、ほとんどありません。
「背中にやさしく触れる手」は、恋愛の世界では、かなり重要なアイテム。
そこから、「好き」が芽生えることもある――と、覚えておいてくだされば、と思います。

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