シランケンの不純愛講座

哲雄　そのジェルをですな、その……どうやって、というか、何を使って……？

ＡＫＩ　何……って、手ですよ。私たちが「メンズ・エステ」とか単に「エステ」と呼んでる世界では、ハンド・サービスまで。それ以上のことをするのは、「エステ」じゃなくて「ヘルス」ですからね。間違えないでくださいね。

哲雄　なんか、こだわってるね。

ＡＫＩ　もっとこだわるなら、性感と回春も違うんですからね。

哲雄　だから、その違いを知りたいんですって。その文化的背景とかも含めてね。

ＡＫＩ　ブ、ブンカ的？　そんなもの……。あ、でもね、回春っていうのは、一応、医療としての歴史もあるみたい。うちの講師に言わせると、これは伝統的治療法に基づいた性機能回復プログラムであって、ただヌケばいいという「性感」とはワケが違う……ってことになるんですけどね。

哲雄　ホォ。具体的には？

ＡＫＩ　回春マッサージの場合は、回春のツボへのマッサージが主になるの。脚の付け根のリンパとか、会陰部やこう丸への軽い圧迫とか、前立腺の刺激……だとか。

哲雄　ゼ、ゼンリツ腺？　そんなとこ、どうやって刺激するの？

ＡＫＩ　病院とかで検査するときは、おシリから看護師さんが指を入れたりするでしょ？　でも、それだと痛がる人もいるから、私たちは綿棒を使うんだけど、それでもイヤっていうお客さんもいるから、これは希望を聞いてからやるようにしてるの。

哲雄　性感だとそういうことはしないんだ？

ＡＫＩ　ウン、しない。ひと言で言うと、「性感」は、早くイッちゃってよ、というサービスなのね。だから、刺激するポイントも、ペニス本体へのピストン運動と亀頭部への刺激が中心になるの。でも、これは店によっても違うと思うけど、うちの先生は「亀頭部へのタッチは邪道」なんて言ってる。

哲雄　こだわるねぇ。

ＡＫＩ　スタッフがどこまで厳密にそれを守ってるかはわかりませんけどね。なにしろ、最後は抜いてあげなくちゃいけないんだから。

哲雄　誇り高き「回春」かぁ。

ＡＫＩ　いろんな意味で、「回春」を売りにしてる店のほうが、縛りはきついと思う。

哲雄　ところでさ、実は、きょうはそこを尋ねようと思ってたんだけど、たとえば、ＡＫＩちゃんの店だと、100分で２万4000円というのが、マッサージの料金でしょ？　そのうち、いくらがＡＫＩちゃんの取り分になるの？

ＡＫＩ　ということは、店にいくらバックするのか、っていう話よね。私たちは「落とし」とか「バック」って呼んでるんだけど、これって、店によってシステムがいろいろなのよ。

哲雄　ひとつ、われわれ庶民にもわかるように解説していただけますか？

ＡＫＩ　まず、まるまる女の子の取り分になるもの。本指名料ね。だいたいどの店でも2000円ぐらいだと思うけど、これは、どこでも女の子の手取りになると思う。それから、交通費。これは、まるまるドライバーさんの手取りになる場合もあれば、ドライバーさんが給料制の場合は、まるまる店が取ることになる。問題は、オプション料金も含めたマッサージ料金よね。

哲雄　そこです、知りたいのは。

ＡＫＩ　大きく分けると、定率バック制と定額バック制の２種類があると思う。

哲雄　オッ、むずかしくなってきた。元金均等払いか、リボルビングか…みたいな違いかな。

ＡＫＩ　ちょっと違うかなぁ。でね、どちらかというと、「定率制」をとってる店のほうが多いと思うんだけど、この率がまた店によって違うの。店に50％バックというところもあれば、40％というところもある。大きいでしょ、10％の違い。

哲雄　で、ＡＫＩちゃんのところは？

ＡＫＩ　うちは50％。ちょっと高めよね。でも、そのほかの要素、たとえばお客さんの質とか、サービスの内容とか、店の男性スタッフの態度とか、いろんなこと考えたら、いまのサロンがいいかな、と思ったわけで……。

哲雄　定額バックだと、どれくらいが相場なの？

ＡＫＩ　一律7000円～8000円ってところもあれば、一律１万円ってところもあるみたい。

哲雄　一律7000円～8000円のバックでよければ、そっちのほうがトクってことにならない？

ＡＫＩ　ならないんですね。そりゃ、お客さんがみんな100分とか120分とかのコースの人ばかりならいいけど、特に若いお客さんだと、60分とか70分とかのコースを頼む場合が多いの。そうなると……。

哲雄　そうか。率にすると、7000円～8000円が50％どころか60％近くになる場合も出てくるよね。

ＡＫＩ　そういうことです。それにしても哲ジイ、やたら突っ込みますね、この問題に。もしかして……。

哲雄　フム……実は、私も働いてみようかと思っておりまして……。

ＡＫＩ　ハ？　パードン？

哲雄　だからね、女性向けの回春エステなんてのがあったら……。

ＡＫＩ　そりゃ、ありますよ。うちのサロンにも、男性のエステティシャンが何人か在籍してますけど、あのですね……。

哲雄　どうでしょ？　癒し系オヤジの出張サービスなんて？

ＡＫＩ　ムリムリ。絶対、ムリ!!　私、死んでも頼まないもの。

哲雄　氷のような女だね、キミは。ま、ジョーダンはともかくとして、本題に戻るけど、それだけ差があったら、女の子としては、少しでも条件のいい店に移ろうと思うよね。

ＡＫＩ　だからね、この世界は、女の子の引き抜き合戦が熾烈なの。お店にしてみれば、どういう女の子を揃えているかが、死活問題にもなるわけでしょ。できるだけいい子を自分の店に引き留めておきたいとなったら、条件だって考慮しなくちゃならないもの。

哲雄　なるほどねぇ。そうなると、極端な搾取もできなくなるというわけか。しかし、40～50％というバック率は、少し高すぎるような気もするなぁ。

ＡＫＩ　どうなんでしょうね。でも、一般のオフィスでも、１人の社員を抱えると、その給料の倍のコストがかかるって言われてるでしょ？

哲雄　そうなんだけど、そのコストの中には福利厚生の費用とかも含まれてるからねぇ。

ＡＫＩ　そこなのよね、問題は。

哲雄　次回、もうちょっとそのあたりの問題を追求してみることにしようか。

　目次ページに戻る　　　　　　　　　トップメニューに戻る
ブログランキングに参加しています。この話に興味を覚えた方は、下のバナーをポチッとお願いします。

関連記事

• 第32夜☆「全国フーゾク労働組合連合会」結成するゾ！ の巻 (2009/05/03)
• 第31夜☆デリバリー業界、女の子の手取りはハウマッチ？ (2009/04/29)
• 第30夜☆デリバリーの料金の構造を科学？する (2009/04/25)