「寿司一貫」は、ほんとのところ、何個なのよ?

「寿司一貫」の「一貫」
寿司好きの筆者、最近、頭にきていることがあります。
「とろ一貫」と注文すると、店によって
出てくる個数が1個だったり2個だったり…とマチマチ。
ほんとはどうなのよ? 調べてみました。

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「とろ一貫」と注文すると、
目の前の板さんが、
「エッ、一貫でいいんですか?」とヘン顔。
「ヘイ、とろお待ち!」と出されたのは、ほんとうにとろのにぎり1個でした。
ヘーッ、最近は、1個を「一貫」と呼ぶようになっんだぁ――と学習した筆者。
次に行った店では、最初から、
「シマアジ二貫!」(けっこういいネタ食ってます)
と注文したのですが、今度は、シマアジが4個、目の前にドン!
思わず、財布の中身が心配になったりしました。
そうなんです。
寿司のにぎりを数えるときの「一貫」という単位が、店によってまちまち。混乱しまくっているのです。
「一貫」は「1個」なのか「2個」なのか?
ここはハッキリさせておかないと、日本の寿司文化が滅びる。家庭経済が破綻をきたす(?)。
というわけで、今回は、この「一貫」の謎を追究してみました。
そもそも「カン」は「貫」でいいのか?
私は、日本語の常識として、「一カン」の「カン」は「貫」である――と、長年にわたって信じてきました。
ところが、最近は、この「カン」を「艦」と表す店が出てきたり、「巻」と表す店が出てきたりしています。
「艦」は、【軍艦巻き=シャリの周囲をノリで巻き、その上にネタを載せる巻き方】から来たものと思われますが、そもそも、「カン」は、江戸前にぎりを数える数え方として登場したわけですから、この字を当てるのは、どうも、最近になって使われるようになった「当て字」ではないかと、筆者は推測します。
「巻」は、おそらく【寿司を巻く】から来たものと思われます。こちらのほうが、まだ「あるいは……」という気もします。もともと、「にぎり」は巻いて作っていた――というのであれば、そのひと巻き分を「一巻」と数えたという説にも、説得力があるような気がするのですが、残念ながら、寿司の原型は「押し寿司」で、「巻き寿司」ではありませんでした。
なので、「巻」説も、とりがたい。
やっぱり、「貫」だな――と、個人的には思います。
ところで、この「貫」という単位は、重さの単位であると同時に貨幣の単位でもあります。
ここでまた、説は2つに分かれます。
ひとつは、「重量説」です。つまり、「一貫」に相当する寿司の分量を「一貫」と呼んだことから来ているのではないか――というわけです。
しかし、この説には、重大な欠陥があります。なにしろ「一貫」という重さは、現在の言い方に直すと、約3・75キログラムです。こんな巨大な寿司、見たこともなければ聞いたこともありません。ちなみに、現在のにぎり1個の重量は、店によっても違うと思いますが、平均すると、20~30グラムというところです。
もし、「重量説」をとるなら、「寿司一貫」は「にぎり120~180個分」、ということになります。これは、あり得ない。というわけで、「重量説」もボツとさせていただきます。
残るは、「貨幣説」――なのですが、こちらさらに、「形状説」と「価値説」に分かれます。詳しく解説してみます。
目の前の板さんが、
「エッ、一貫でいいんですか?」とヘン顔。
「ヘイ、とろお待ち!」と出されたのは、ほんとうにとろのにぎり1個でした。
ヘーッ、最近は、1個を「一貫」と呼ぶようになっんだぁ――と学習した筆者。
次に行った店では、最初から、
「シマアジ二貫!」(けっこういいネタ食ってます)
と注文したのですが、今度は、シマアジが4個、目の前にドン!
思わず、財布の中身が心配になったりしました。
そうなんです。
寿司のにぎりを数えるときの「一貫」という単位が、店によってまちまち。混乱しまくっているのです。
「一貫」は「1個」なのか「2個」なのか?
ここはハッキリさせておかないと、日本の寿司文化が滅びる。家庭経済が破綻をきたす(?)。
というわけで、今回は、この「一貫」の謎を追究してみました。

私は、日本語の常識として、「一カン」の「カン」は「貫」である――と、長年にわたって信じてきました。
ところが、最近は、この「カン」を「艦」と表す店が出てきたり、「巻」と表す店が出てきたりしています。
「艦」は、【軍艦巻き=シャリの周囲をノリで巻き、その上にネタを載せる巻き方】から来たものと思われますが、そもそも、「カン」は、江戸前にぎりを数える数え方として登場したわけですから、この字を当てるのは、どうも、最近になって使われるようになった「当て字」ではないかと、筆者は推測します。
「巻」は、おそらく【寿司を巻く】から来たものと思われます。こちらのほうが、まだ「あるいは……」という気もします。もともと、「にぎり」は巻いて作っていた――というのであれば、そのひと巻き分を「一巻」と数えたという説にも、説得力があるような気がするのですが、残念ながら、寿司の原型は「押し寿司」で、「巻き寿司」ではありませんでした。
なので、「巻」説も、とりがたい。
やっぱり、「貫」だな――と、個人的には思います。
ところで、この「貫」という単位は、重さの単位であると同時に貨幣の単位でもあります。
ここでまた、説は2つに分かれます。

しかし、この説には、重大な欠陥があります。なにしろ「一貫」という重さは、現在の言い方に直すと、約3・75キログラムです。こんな巨大な寿司、見たこともなければ聞いたこともありません。ちなみに、現在のにぎり1個の重量は、店によっても違うと思いますが、平均すると、20~30グラムというところです。
もし、「重量説」をとるなら、「寿司一貫」は「にぎり120~180個分」、ということになります。これは、あり得ない。というわけで、「重量説」もボツとさせていただきます。
残るは、「貨幣説」――なのですが、こちらさらに、「形状説」と「価値説」に分かれます。詳しく解説してみます。

「貫」を「貨幣としての貫」とする場合、この「貫」は「一貫の価値」からきているとするのが「価値説」。「銭一貫の形」から来ているとするのが「形状説」です。
この両説を検証するためには、「銭一貫」とは、どういうものであったかを、調べてみる必要があります。
で、調べてみました。ハイ、しつこいんです、私は。
「銭一貫」とは、「銭1000文」のことです。
当時の「銭一文」は、もっとも広く流通していた「寛永通宝」一枚分の価値でした。「寛永通宝」というのは、真ん中に穴の開いた銅銭のことで、当時の人たちは、この穴にヒモを通して、まとめていました。
96枚をひとまとめにしたものを「通し100文」として流通させていました。この「通し100文」10本を束ねたものを、「銭一貫」としていたんですね(実際には、「銭960文」分しかなかったわけですが)。
ま、こう言ってもピンとこないかと思いますので、画像にすると、こんな感じです。

ただ、当時の銭湯の入浴料が「6文」であったとか、落語に出てくるそば一杯の値段が「16文」であった――などというところから考えると、だいたい「1文=20~30円」ぐらいではなかったか、と推測できます。「一貫=1000文」で、だいたい「2~3万円」ぐらいになる計算です。
「価値説」をとると、ここらへんが辻褄が合わなくなります。
当初、「江戸前にぎり」は、屋台で売られていました。つまり、庶民の食べ物であった――と考えられるわけですが、もし、「寿司一貫」が「銭一貫」から来ているとするなら、その値段は、現代の貨幣価値で2~3万円。そんな高いものを江戸の庶民が食していたとは、到底、考えられないわけです。仮に、「通し100文」としても、2~3千円。それでも高すぎます。
なので、「価値説」もとりにくい、というのが、筆者の見解です。
残るは「形状説」。
かつて、もっとも説得力のある説として語られたのは、こういう説でした。

気の短い、江戸っ子の気質には合わなかったので、そのうち、これを2つに切り分けて、ひと口で食べられる大きさにして供するようになり、そのうち、最初から、そのひと口サイズに握るようになった。
なので、にぎりはこの2つ分を「一貫」と称するようになった。
筆者も、この説がもっとも有力であろう――と思っているのですが、これには、反論もありました。

という反論です。
しかし――と、筆者は思うのです。
もう一度、「銭一貫」の写真を見てください。
「銭一貫」を持ち運びするときに、一文銭1000枚をひとくくりにするなんてことはしませんでした。
100文ずつ(実際には96文)をひもで束ねて、「通し100文」とし、これを10本束ねて「一貫」としていました。
この「通し100文」の長さが、だいたい16~17センチ。これだと、特大のにぎりという感じになります。これを、ひと口で頬張れるように半分に切ったとすると、ひとつの長さは8センチぐらい。ちょうど、いまのにぎり1個分の長さになるではありませんか。
これだ! と筆者は思いました。

それを、食べやすいように2つに切り分けて供したので、にぎり寿司は「2個で一貫」。
これに違いない――と、私は、確信しています。
だれが何と言おうと、にぎりは、2個で「一貫」。
勝手ながら、本日より、この説を通させていただきます。

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