少子化、結婚難につけるクスリ=「多民族化」を考える
不純愛トーク 第252夜
前回まで、国際結婚の問題点を探ってきましたが、今回は、この問題を「人口問題」にまで広げて考えてみます。実は、先進国中、もっとも「移民」受け入れに消極的だと言われている日本。しかし、その裏では、外国人就労者は増え続けています。そのカラクリを解き明かしながら、日本の人口問題を解決する特効薬として、「日本の多民族化」を考えてみます――。
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AKI ね、哲ジイ。いま、日本では、外国人労働者って、受け入れてるんですか?
哲雄 「受け入れてるか?」というのは、つまり、就労ビザを発行して、正式に就労できるようにしているか?――ということをお尋ねなのでしょうか?
AKI ま、まぁ……そういうことですけど。
哲雄 それなら、半分「YES」、半分「NO」です。
AKI 半分……って、それ、どういうことですか?
哲雄 いまの法律では、「専門的技術」を持った労働者の就労は認めているけど、「単純労働」に関しては認めていません。
AKI 飲食店の従業員とかは、単純労働ですよね?
哲雄 ウエーターとかウエートレスはそうですね。工事現場の作業員とか、工場の労働者とかも、すべて単純労働です。
AKI でも、そういうところで働いてる外国人、けっこういるんじゃありませんか?
哲雄 ハイ、いますよ。特に、日本人が「3K=キケン、汚い、きつい」などと言って敬遠するような職種では、むしろ、外国人のほうが多いんじゃないか――と思うような職場もあります。
AKI そういう労働者は、どうやって入ってくるんです? もしかして、密入国……とか?
哲雄 ま、それもなくはないけど、ものすごくレアでしょうね。
AKI わかった、「擬装結婚」とかだ!
哲雄 それもあったんだけど、最近は、取り締まりが厳しくなって、数的にはうんと少なくなっています。もっと、合法的なやり方があるんですよね。
AKI 禁止なのに合法的? それ、どういうこと?
哲雄 ひとつは、「研修目的」「留学目的」でビザを取得する、という方法です。「研修ビザ」は、企業や自治体などが実施する研修に参加する場合に発給されるのですが、そうして「研修」の名目で入国させた外国人を、ほとんど「研修」もさせずに工場などで働かせる――というケースが増えていて、問題になっているんですね。「留学」のほうも、抜け道的に使われる場合が少なくないですね。
AKI あ、それ、知ってる。留学先が、日本語学校などの「語学留学」っていうケースでしょ?
哲雄 ですね。飲食店などで働く外国人の多くが、形としては「語学留学」という名目でビザを取得しているケースが多いと思いますよ。もうひとつ、ホステスなどのフーゾク系で働く外国人女性に多いんだけど、「興行ビザ」という名目もある。
AKI フィリピン人ホステスとかに多いんでしょ?
哲雄 なにげに知ってますね、あなたも。これもまぁ、抜け道的に使われてることが多いよね。カラオケで歌える程度で「興行ビザ」? 笑わせんなよと思うんだけどさ。
AKI そういう抜け道でも使わない限り、単純労働で就労するってことが、日本ではむずかしいんですね?
哲雄 てか、現在のところは、認めてない。つまり、原則禁止なわけです。ところがね、これが日本の社会のおかしなところなんだけど、「表向き禁止」とはしてるけど、その抜け道については、半ば「黙認」してる。だったら、最初から、「単純労働もOK」にすればいいじゃないか――と思うわけです。その代わり……。
AKI わかった。税金とかもきっちり取れよ! でしょ?
哲雄 よく、おわかりで。そうなんだよね。「表向き禁止」にしてるから、みんな、もぐりで仕事する。「もぐり」だから、所得の実態も把握できない。つまり、税金の取りようもない。得するのは、間に立って仲介したりする《裏ルート》の人間たちばかり。結局さ、日本の社会って、こういう二重規範がいたるところにあって、そこにつけ込んでワル知恵を働かせる《裏社会》を太らせてしまうんだよね。
AKI これだけ実態があるんだったら、「原則禁止」とか言わないで、「単純労働もOK」ってしてしまったほうが、スッキリしますよね。
哲雄 そうしておいて、きちんと所得税も徴収しますよ、住民税も払ってね、健康保険にも加入させるから、保険料払ってよ――とやったほうがいいじゃないか、と思うわけですよ。いまのままだと、出稼ぎ感覚で稼ぎに来た外国人に、公共サービスをただ使いされた上で、稼いだ金を国外に持ち逃げされるだけじゃないですか。
AKI 哲ジイ、ちょっと怒ってますね。
哲雄 ちょっとどころか、怒ってます。お金だけじゃないですよ。日本で仕事してお金を稼ぐんだったら、ちゃんと社会的責任も果たしていただきたい。その代わり、あなたたちの権利も保証しますよ――と。そうしないと、日本社会は、闇の部分だけがふくらんでいく、ということになりかねませんからね。
AKI そう言えば、哲ジイ。介護とか看護とかの世界で、人材不足が深刻化してるんですよね。そこに外国人労働者を受け入れてはどうか――って話も、出てるんでしょ?
哲雄 ハイ。実際、外国人に資格試験の受験資格を与えたりしてるんだけど、でも、これが超難関になってる。というのもね、資格試験のためには、かなり高度な日本語能力が必要となるからで、たいていが、ここで引っかかってしまう。私は、思うんだよね。こういう専門性の試験に関しては、英語での受検を認めてもいいんじゃないか――ってね。前回も言ったと思うけど、日本の社会って、国際語が通用しなさすぎます。その語学力の低さたるや、途上国以下。恥ずかしいです。
AKI 話は元に戻りますけど、そういう閉鎖性も、国際結婚の離婚率を高める原因のひとつになっているのではないか――と、哲ジイは思っているわけですね?
哲雄 原因のひとつだろうと思っています。極論するとね、日本の社会は、もう少し「多民族化」すべきです。
AKI それって、もっと移民を受け入れろ、とかですか?
哲雄 こんな中途半端な受け入れ方じゃなくて、ちゃんと移民として受け入れて、その代わり、国民として、市民としての義務を果たさせなさい――と主張したいですね。少子化を解決して、社会の活力を取り戻すためには、それしかないんじゃないか――とさえ、私は思ってるんですよ。ちょっと、下のグラフを見てください。

AKI エッ!? 人口増減率と移民流入率……?
哲雄 ちょっと見にくいかもしれませんが、グレーで示されたのが【人口の増減】を示すグラフ。太い青線が【人口の自然増減】、細い青線が【移民流入率】を示しています。ここに出てくるカナダとかオーストラリアは「移民」を積極的に受け入れている国で、これらの国では、【自然増減】による人口減少を「移民」が食い止めてる形になっています。ここには出てきませんが、アメリカも、ほぼ同じ状況ですね。
AKI でも、日本は、【自然増減】と【人口の増減】がほぼ重なってますね。つまり、移民を受け入れてないから。
哲雄 ちなみに、日本と同じく、極端な人口減少に直面したドイツでは、移民を積極的に受け入れることにした結果、現在では、全人口の9%前後が、移民で占められています。対して日本の場合は、「在日」や「短期滞在者」も含めた外国人登録者数全体でも1%強しかいない(2000年末現在)。
AKI もっと増やせ、ということですね?
哲雄 移民の受け入れに関しては、いろいろと複雑な問題があるので、簡単には言えないんだけど、移民は拒否して、その一方で、不法就労や不法滞在が増えるという現状は、何とかしなくちゃいけない――と、私は強く思ってます。そうなったら……。
AKI 何です?
哲雄 また、新しい恋の花だって、咲くかもしれないし……。
AKI なんだ、そっちか?
哲雄 そっちか……とは、失礼な!
AKI ハイ、ハイ。ま、そうでもしなきゃ、哲ジイの場合はムリかもしれませんしね。で、どこらへんからお連れすればよろしいでしょうか?
哲雄 ですから、ベラルーシあたりがよろしいかと……。
AKI やっぱり、色白、金髪? 勝手に妄想してなさい。

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