国際結婚は、なぜ離婚率が高いのか?
不純愛トーク 第251夜
日本女性が「欧米夫」と結ばれるケース、日本男性が「アジア妻」を迎えるケースが、共に増えている。前回は、そんな話をしました。今回は、その続き。こうして増加を続けてきた国際結婚ですが、実は、その3分の2が「離婚」しています。それはなぜなのか? 原因を探ってみます――。
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AKI もう一度、復習しておくとですね、哲ジイ。2010年の厚生労働省「人口動態統計」によれば、全婚姻件数700,214件のうち、30,207件が国際結婚。つまり、結婚総数の約4.3%が「国際結婚」だったんですよね。しかし、そのうちの1万9400件が離婚してる。なんと、3分の2近くが、別れちゃってるんですよね。どうして……? という話を、今回は聞かせていただける――と。
哲雄 あ、そ、そうでした……かね?
AKI もう、忘れてるし……。
哲雄 どうして、国際結婚だと離婚率が高いのか――ですか。ウーム、むずかしい問題ではありますなぁ。
AKI もしかして、性の不一致とかじゃないですか?
哲雄 たとえば、某国の男たちは、後背位でズッコンバッコンやりたがるけど、なでしこ女たちは、正常位でやさしく愛撫されることを好むとか……ですか?
AKI ま、そういうことも含めてですけど……。
哲雄 ないとは言えないでしょうが、それは、日本人同士の場合でもあり得ることで、特に国際結婚での離婚率が高いことの理由としては、いかがなものか――と。現に、この私とかのロンドン娘(第247夜『恋の鳥。「ナイチンゲール」と「青い鳥」』、第248夜『「洋キス」と「和キス」』参照)とのベッド・マターは、きわめて良好でございましたよ。
AKI ハイ、ハイ。それはようございましたわねェ。では、哲ジイは、もっと大きな理由がある――とお考えなのですね?
哲雄 私が、最大の理由だろうと考えるのは、コミュニティの問題です。
AKI コミュニティ……?
哲雄 男女が結婚する――ということはですね、愛し合うふたりが「ふたりだけの世界」を作り上げるということではありません。日本の、特に若い世代には、そういう考え方をする人たちもいるようですが、残念ながら、それはちょっと違う。
AKI 「ふたりだけ」じゃなくて、「コミュニティ」ですか?
哲雄 だれかと生活を共にするということは、
相手のコミュニティに自分も参加する、
ということを意味します。相手の側から言うと、
自分のコミュニティに新しい仲間を加える
――ということですね。「コミュニティ」は、広く考えれば、「ソサエティ」と言ってもいい。つまり、「社会」ですね。国際結婚の場合は、特にそれが重要になると思うのですが、ところが……。
AKI そうか。その準備ができてないまま、国際結婚してしまう男女が多い、ということなんですね。
哲雄 国際結婚して、外国に住むという場合を考えてみましょうか? その場合、自分が生活を送ることになる土地では、その土地の言葉で日常のコミュニケーションがとれるぐらいの言語能力は、最低限、身に着けてないと、コミュニティに溶け込めませんよね。すると、どうなるか?
AKI 家の中に閉じこもって暮らすしかなくなりますよね?
哲雄 でなければ、日本人同士で固まって、閉鎖された社会を作るしかなくなります。伴侶も日本人で、その海外生活が「海外駐在」程度ですむのなら、いっときは保つかもしれませんけど、結婚相手が外国人となると、そうはいきませんよね。外国人と結婚した日本人妻が、現地の社会に溶け込めなくて引きこもってしまう――というケースは、けっこう多いらしく、それが離婚の原因になるケースが少なくない、と指摘されています。
AKI 逆の場合は……?
哲雄 外国人の妻をもらった日本人男性の場合ですか?
AKI 多いんですよね、日本人男性のアジア人妻?
哲雄 「アジア人妻」の場合、たいていは、日本よりも経済水準の低い地域から迎え入れることが多いと思うのですが、その場合は、2つの問題があります。ひとつは、やって来る妻たちの準備不足。特に、日本語能力や、日本の生活慣習などをどの程度、理解した上で来ているか――という問題ですね。
AKI 完璧に日本語をマスターして……という人は、少ないんでしょうね?
哲雄 完璧ではなくてもいいと思うんですが、少なくとも、日常の生活に支障がない程度の日本語力はないと、生活するのはムリだと思いますね。それに、日本独特の習慣や社会のルールをどの程度まで理解しているか?
AKI 特に、農家に嫁いできた外国人のお嫁さんなんて大変なんじゃないですか? 嫁と姑の問題なんかもあるでしょうし……。
哲雄 農家だと、ふつう、嫁も労働力として期待されますよね。そういうこともわかった上で結婚したのかどうか……。
AKI 日本だといい生活が送れるかもしれない……ぐらいの感覚でやって来た人たちは、「こんなはずじゃ……」と思うかもしれませんね。
哲雄 都会だって、いろいろありますよ。たとえば、ゴミひとつとっても、日本みたいに細かく分別して出さなきゃいけないゴミの出し方って、他の国ではないかもしれない。地域ごとに「分別法」を解説したマニュアルはあるけど、それらはたいてい、日本語でしか書かれてないから、読んで理解するのは、おそらくムリ。すると、どうなるか?
AKI 「まったく、あの人たちは、ゴミの出し方も守ろうとしない」と、周囲の奥さんたちから白い目で見られたりしますよね?
哲雄 だね。そういう問題がいたるところにあって、なかなか地域の社会に溶け込めない。これはね、受け入れる側の態勢にも問題あり――だと、私は思っているのです。それが、もうひとつの問題点。
AKI つまり、外国人の妻や夫を受け入れる態勢が整ってない。それも、国際結婚の離婚率を高める原因のひとつになっているのではないか、ってわけですか?
哲雄 そうですね。
AKI その態勢っていうのは、「インフラ」の問題ですか?
哲雄 インフラ? AKIクンも、近頃はしゃれた言葉を使うようになりましたねェ。
AKI 明らかにバカにしてる……。
哲雄 いやいや、バカになんかしてませんよ。確かにね、たとえば公共交通機関とか、大規模商業施設とか、役所とか病院とか、そういう公共性の高い施設では、日本語だけでなく、英語や中国語、ハングルの表示も掲示されるようになってるし、社会的基盤は整備されつつある、と言ってもいいでしょう。しかし、問題は、中身です。
AKI 中身……というと?
哲雄 社会的制度や意識のありようの問題です。私は、前から感じているのですがね、たとえば、日本人の外国語能力というのは、世界のほかの国と比べて、ちょっと恥ずかしくなるほど低い。
AKI あ、それは、私も思います。他のアジアの国々では、かなり教育程度の低い人でも、片言の英語ぐらいはしゃべれますよね。でも、日本だと、かなり高等教育を受けた人でも、しゃべれない。中には、話しかけられただけで逃げ出す人もいますしね。
哲雄 もしかして、島国だったせいかも……とも思うんだけど、ちょっとひどすぎます。そのくせ、歌の歌詞には幼稚な英語がバンバン出てくる。あ、これは関係ないですけどね。
AKI 制度的な問題っていうのは、主としては、語学の壁ってことですか?
哲雄 単に語学だけの問題なら、制度問題とまでは言えないんだけど、たとえば、各種の手続きに必要となる書類とかが、英語でもOKか――というような問題になると、明らかに制度問題だよね。しかし、私がそれよりも大きいと思うのは、就労の問題なんだよね。
AKI 外国人が日本で働けるか、という問題ですか?
哲雄 それって大きいでしょ? 日本の男と結婚した外国人妻だって、ただ、家の中に閉じこもって飾り物になるためにやって来るわけじゃない。やっぱり、仕事もしたいし、社会のいろんな活動にも参加したいわけでしょ? それが、ちゃんとできるような態勢が整えられているかどうか? 私は、そこが、ものすごく大きいような気がするのです。
AKI 確かに。でも、それ、外国人妻に限った問題ではありませんよね?
哲雄 おっしゃるとおり。一般に、外国人が日本で暮らしたい、仕事をしたい――と思った場合、それを受け入れる態勢がどの程度、整っているか? これは、結婚問題だけでなく、日本のこれから先の産業構造を考える上でも重要な問題だと思うのですが、これを語り出すと、長くなってしまいます。
AKI 哲ジイの愛したロンドン娘が、なぜ、日本に住みついて、哲ジイと生活を共にできなかったか――ということも含めて、次回、じっくりお聞きしたいと思います。おお、夢の青い鳥よ、うるわしのクレア嬢は、いま、どこで、どんな男と乳繰り合っていらっしゃるの? 教えておくれ~!
哲雄 ウルサーイ!

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