「領土」に「固有」などなし! 国境は「妥協」の産物です

実際に起こった出来事を「愛」の切り口で長住流に解説します。
にわかに緊張が高まっている「尖閣」。おたがいが「固有の」と
主張し合っている限り、この問題には解決策がありません。
戦争か、でなければ「妥協」。さてどうする、ニッポン?
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尖閣に、今度は台湾漁船と台湾の巡視船が大挙して押しかけ、この海域の緊張が高まっています。
これに対して、日本政府の公式見解は、「尖閣諸島は日本固有の領土である」⇒「尖閣に領土問題はない」です。
当然のことながら、中国や台湾は、「魚釣島はわが国の固有の領土である」と、反発してきます。
歴史を遡ると、この海域の領有権は、けっこう複雑です。
琉球⇒日本⇒アメリカ⇒日本、めまぐるしく変遷する主権
かつてこの島々を実質的に支配していたのは、「琉球王国」でした。
その「琉球王国」を「属国」として「冊封(さくほう)」していたのは、当時の中国=「明」のちに「清」でした。
これが、「尖閣はもともとは中国のもの」とする中国側の主張の論拠のひとつとなっています。これを根拠に、「沖縄」までも「自分たちの領土」とする主張さえ存在します。
しかし、「琉球王国」は、後に薩摩の「島津」に侵攻されて、「薩摩藩」に組み込まれます。薩摩の侵攻は1609年のこと。以降、「琉球」は、日本の統治下に置かれるのですが、第二次世界大戦終了後、統治権はアメリカ合衆国に移ります。
この段階で、「尖閣」の領有権もアメリカに移管された――と日本側は解釈しているのですが、アメリカはこのときも、「主権の対立の存在する地域については、わが国は何らの主張を行わない」という姿勢で、その姿勢は、現在も変わらず続いています。
この段階での「主権の対立」は、主に「台湾(当時は中華民国)vs琉球(米国の統治下にある琉球政府)」でした。というのも、この海域は、漁業活動にとってきわめて重要な地域であり、また、海鳥の卵や羽毛などの採取地でもあったため、台湾の漁民などがこの海域に入り込んで、沖縄の漁民との間で、武力を伴う衝突(死者も出ています)を繰り返していました。
琉球政府は米軍に対して、警備・警察行動をとるよう要請しますが、米軍は積極的な対応をとりませんでした。というのも、当時の中華民国もまた、アメリカにとっては日本と同様、アジアでの主導権を維持するために欠かせない同盟国だったからです。
1972年に、沖縄は日本に返還されます。その交換条件が、安保条約の維持・継続だったため、日本の左翼勢力はこぞって、この返還に反対し、新左翼は「返還ではなく奪還」を訴えて、激しい街頭闘争を繰り広げたりしました。
この「沖縄返還」とともに、「尖閣諸島」の主権も日本に移管されたはず、と日本側は考えます。しかし、台湾(中華民国)や中国(中華人民共和国)は、当然、これを認めはしません。
歴史的に見ると、かつて一度も、「尖閣」の領有問題について、「日中」「日台」の間で「合意」が成立したことがないわけです。
これが、「尖閣問題」の根の深さ。
これに対して、日本政府の公式見解は、「尖閣諸島は日本固有の領土である」⇒「尖閣に領土問題はない」です。
当然のことながら、中国や台湾は、「魚釣島はわが国の固有の領土である」と、反発してきます。
歴史を遡ると、この海域の領有権は、けっこう複雑です。


その「琉球王国」を「属国」として「冊封(さくほう)」していたのは、当時の中国=「明」のちに「清」でした。
これが、「尖閣はもともとは中国のもの」とする中国側の主張の論拠のひとつとなっています。これを根拠に、「沖縄」までも「自分たちの領土」とする主張さえ存在します。
しかし、「琉球王国」は、後に薩摩の「島津」に侵攻されて、「薩摩藩」に組み込まれます。薩摩の侵攻は1609年のこと。以降、「琉球」は、日本の統治下に置かれるのですが、第二次世界大戦終了後、統治権はアメリカ合衆国に移ります。
この段階で、「尖閣」の領有権もアメリカに移管された――と日本側は解釈しているのですが、アメリカはこのときも、「主権の対立の存在する地域については、わが国は何らの主張を行わない」という姿勢で、その姿勢は、現在も変わらず続いています。
この段階での「主権の対立」は、主に「台湾(当時は中華民国)vs琉球(米国の統治下にある琉球政府)」でした。というのも、この海域は、漁業活動にとってきわめて重要な地域であり、また、海鳥の卵や羽毛などの採取地でもあったため、台湾の漁民などがこの海域に入り込んで、沖縄の漁民との間で、武力を伴う衝突(死者も出ています)を繰り返していました。
琉球政府は米軍に対して、警備・警察行動をとるよう要請しますが、米軍は積極的な対応をとりませんでした。というのも、当時の中華民国もまた、アメリカにとっては日本と同様、アジアでの主導権を維持するために欠かせない同盟国だったからです。
1972年に、沖縄は日本に返還されます。その交換条件が、安保条約の維持・継続だったため、日本の左翼勢力はこぞって、この返還に反対し、新左翼は「返還ではなく奪還」を訴えて、激しい街頭闘争を繰り広げたりしました。
この「沖縄返還」とともに、「尖閣諸島」の主権も日本に移管されたはず、と日本側は考えます。しかし、台湾(中華民国)や中国(中華人民共和国)は、当然、これを認めはしません。
歴史的に見ると、かつて一度も、「尖閣」の領有問題について、「日中」「日台」の間で「合意」が成立したことがないわけです。
これが、「尖閣問題」の根の深さ。

筆者は、この問題を根本的に解決しようと思ったら、「戦争」しかないと思っています。
しかし、そんなことはできない。
できないとすれば、「根本的な解決」などしなければいい。つまり、「妥協」するしかない――ということです。
1972年に「日中平和友好条約」が締結され、日中国交正常化が実現したとき、中国側代表として来日した鄧小平国務院常務副総理(後に国家主席)と当時の総理大臣・福田赳夫(自民党ですよ)の間では、「この問題は後の世代に委ねて棚上げしよう」という「妥協」が成立します。
このとき、鄧小平は、日本の記者団を前に、こう語っています。

これこそ、「おとなの知恵」ではないか、と筆者は思います。
双方が抜き差しならない事態に陥らないように、問題を「あいまい」なままにしておこう、というわけです。
こうして、日中のおとなたちは、争いを避ける知恵を出し合って合意したわけです。
その「おとなの知恵」をないがしろにしたのが、わがまま放題の国家主義者・石原慎太郎東京都知事でした。
およそ、文学者とも思えない、知性も品格もない言葉を吐いた上で、「尖閣を都が買い上げて船溜まりを作る」などとぶち上げ、ぶち上げただけじゃなく、実際に購入手続きを始めてしまいました。
まるで、チンチンで障子戸をブチ破るような調子で(この方、こんなシーンが登場する小説『太陽の季節』で芥川賞を受賞しました)です。
これで、中国の「反日感情」に火が点きました。
よせばいいのに、「都に勝手なことをやられてはたまらない」とばかり、今度は野田総理が「だったら、国が買う」と国有化宣言をしてしまったわけです。
なんたる幼稚さ。
ふたりの「バカ」のおかげで、先人たちが出し合った「おとなの解決策」は、灰燼に帰してしまった――というのが、現況です。

「領土」に「固有」もくそもない。
管理人は、そう思っています。
そのとき、そこを実質的に支配しているものが、その土地の「主権者」。そう考えるしかない、と思っています。
「実質的支配」とは、単に「ここはオレん家」と叫ぶだけではダメで、そこで人が生活し、産業を営み、税金を支払い……などの生活の実態があることであろう――と、私は思っています。
その土地に、隣国などとの主権争いが存在する場合には、領有権は、めまぐるしく入れ替わります。
フランスとドイツの国境地帯に、「アルザス=ロレーヌ」と呼ばれる地域があります。石炭などの資源が豊富な地域で、この土地は、両国の間でたびたび紛争の対象となりました。
戦争が起こるたびに、国語がドイツ語からフランス語に変わり、フランス語からドイツ語に変わり……ということを、この土地に住む人たちは、何度も何度も経験してきました。
「領土」とは、それほど相対的なものである、と思うのです。したがって、そこに「固有の」などという言葉はふさわしくない。
「尖閣」の問題を複雑にしているのは、そこが「無人島」だからでもあります。
この場合、国際法上は、「定住に向かない無人の地では、他国が優越する主張をしない限り、微かな実行支配でも有効」とする判断が示されます。
こうした判例に倣えば、日本の立場はかなり、不利です。
少なくとも、国際社会へ向けての「権利の主張」という点では、日本は中国や台湾に数十年は後れを取っています。何もしてこなかったに等しい、と思います。
「領土問題は存在しない」などとピンボケなことを言ってるうちに、外堀は着々と埋められつつある。悲しいかな、それが現状です。

さて、ことここにいたっては、私たちも、覚悟を決めなくてはいけません。
ええ、日中開戦! です。
ただし、この戦争は100%負けます。日中の軍事力の差は、子どもとおとなほどありますから、闘えば負けます。多くの犠牲者が出ます。もちろん、島は取られます。
いや、そんなことにはならないよ。日米安保があるじゃないか――という人もいらっしゃるかと思いますが、この件に関しては、アメリカの介入は期待できないだろう、と筆者は思っています。介入すれば、「米中戦争」の引き金になってしまいます。それは、この世界の破滅を意味します。
1996年に、モンデール駐日大使(当時)は、「ニューヨーク・タイムズ」の取材に対して、こう語っています。

ここで言っている「条約」とは、「日米安保条約」のことです。
この発言を受けて、「タイムズ」紙は、「尖閣諸島の中国による奪取は、安保条約を発動させ、米軍の介入を強制するものではない」と報じています。
仮に、日中が武力衝突という事態になれば、これは「戦争」です。
「戦争」ということになれば、米軍は自動的に動き出すわけではありません。「安保条約5条」の適用には、「憲法に従って」という条件が付けられています。つまり、「議会の承認」を得なければ、米軍は動けないわけです。
日本と中国、アメリカにとってどちらがパートナーとして重要か――という判断を議会が下したあとでなければ、米軍は一歩も動けない。これでは、「いざとなったらアメリカが助けてくれる」とは言えなくなります。
というわけで、「日中武力衝突」なんていう事態は、何としても避けなくてはなりません。
とすれば、あとは、「妥協」の道を探るしかありません。
おたがいが「固有の」なんて言い合っていたのでは、「妥協」の道はありません。
どんな「妥協」があるか?
考えられる限りの方策を考えてみました。
〈1〉しばらく、事態が沈静化するのを待って、何もしないで「あいまい」なまま、この問題を放置する⇒「いままでどおり」ということですが、いったん火を点けた以上、この「沈静化」には時間がかかります。
〈2〉「尖閣」の領有権は保持する代わり、海域での中国・台湾漁民の操業は黙認する。⇒たぶん、中国や台湾は拒否します。
〈3〉「尖閣」は中国にあげちゃう。その代わり、海域での日本漁民の活動を保証し、なおかつ、この海域での油田開発などは、日中の共同事業とする。⇒たぶん、日本の「右」が納得しません。
〈4〉「尖閣」及び周辺海域を「日中台」の「共同経済特区」として、どの国も領有権を主張せず、おたがいの漁業の自由を保証した上で、油田開発などの事業は合弁とする。
〈5〉「尖閣」を国連管轄下に置き、この地域での各国の軍事・警察行動を禁止。ただし、漁業などの経済活動は自由に行えるようにして、油田開発などの事業は合弁化したもののみ、認可する。
〈2〉「尖閣」の領有権は保持する代わり、海域での中国・台湾漁民の操業は黙認する。⇒たぶん、中国や台湾は拒否します。
〈3〉「尖閣」は中国にあげちゃう。その代わり、海域での日本漁民の活動を保証し、なおかつ、この海域での油田開発などは、日中の共同事業とする。⇒たぶん、日本の「右」が納得しません。
〈4〉「尖閣」及び周辺海域を「日中台」の「共同経済特区」として、どの国も領有権を主張せず、おたがいの漁業の自由を保証した上で、油田開発などの事業は合弁とする。
〈5〉「尖閣」を国連管轄下に置き、この地域での各国の軍事・警察行動を禁止。ただし、漁業などの経済活動は自由に行えるようにして、油田開発などの事業は合弁化したもののみ、認可する。
筆者の愚かな頭で考えられるのは、これぐらいですかね。
もっとも理想的なのは〈4〉または〈5〉だと思うのですが、政治家のみなさん、もっといい知恵があったら、ぜひともお聞かせ願いたいものです。
期待してもムリ……かもしれませんけどね。

管理人は、常に、フルマークがつくようにと、工夫して記事を作っています。
みなさんのひと押しで、喜んだり、反省したり……の日々です。
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