愛があれば、ほんとに、「国境」は乗り越えられる?
不純愛トーク 第246夜
同じ日本人同士でも、育った土地が違えば、いろんなところで「おや?」というスレ違いが生じる、という話をしてきました。では、国が違うと、どうなるのか? 今回から何回かに分けて、「国境」はいかに恋愛の障害になるか、という話をしてみようかと思います――。
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AKI ところで、哲ジイ。私、哲ジイに前から一度、訊いてみようと思っていたことがあるんですけど……。
哲雄 な、何でしょう?
AKI 哲ジイは、外国籍の女性と恋したことはないんですか?
哲雄 何をいきなり。AKIクンもご承知のとおり、私はきわめてドメスティックな人間ですから……。
AKI なんだ、ないのか……。
哲雄 ハイ、ほんの5、6回しか……。
AKI エーッ!? 5、6回? そんなにあるの?
哲雄 エーッ……と、イギリス人と1回、ドイツ系スイス人と1回、フランス系カナダ人と1回、中国人と1回。それから、エー……と、彼女はどこだっけ……?
AKI もう、いいです。
哲雄 何で、そんなことをお訊きになるんですか?
AKI いや、ここまでいろいろ県民性のこととか話してきたので、人種性とかはどうなのかな? そういうのも、恋愛の障壁になるのかなぁ……なんて思ったものですから。
哲雄 なるっちゃなる。ならないっちゃ……ならない。
AKI 何ですか、どこかの大臣みたいなその答弁は?
哲雄 私は、愛さえあれば、たいていのことはどうにかなると思っています。なので、国籍の違いなんてことは、そんな大した問題ではない――と思っているのですが、しかし、愛があってもどうにもならないことも、なくはない……。
AKI だからぁ、その「愛があってもどうにもならないこと」って何なんです? そこを知りたいんですけど……。
哲雄 たとえば、宗教とか……。
AKI 宗教って大きいんですか?
哲雄 大きいでしょう。日本人は、宗教に関してはものすごくアバウトで、お盆には仏さまを拝み、クリスマスにはジーザスを讃え、正月には神社で柏手を打ったりしますよね。でも、アジア人以外の人には、それが信じられないことに見える。ま、最近は、欧米人でも、宗教に無関心という人が増えてはいるようですが、それでも、よく訊かれましたよ。「あなたの宗教は?」って。
AKI これから恋をしようか……って相手にですか?
哲雄 その人は、フランス系カナダ人で、カトリック教徒だったんだけど、私が「プロテスタントである」とお答えすると、「ムリね」とにべもなかったです。
AKI フラれたんだぁ。「改宗」させちゃえばよかったのに。
哲雄 そんなムチャを言うてはいけません。宗教ってのはさ、その人の民族性、拠ってきたルーツにもつながる大事な記号なんだから、簡単に「変えなさい」なんてことは言えないんです。
AKI 宗教以外に何かあります?
哲雄 食べ物。
AKI エーッ、食べ物?
哲雄 食べ物も、つまるところは宗教の問題であることが多いんだけど、たとえば豚肉。そうそう、その彼女はイスラエル人だったんだけど、豚肉は、彼女にとっては「宗教的タブー」だったんだよね。デートで、豚肉の入ったメニューを注文した私を見て、その方はおっしゃいました。「私、豚肉を食べる人とは、おつきあいできないわ」ってね。
AKI お刺身とかも、問題になるんじゃないですか?
哲雄 生の魚は食べない、という人もいましたけど、それは、個人の味覚の問題。そういうちょっとした文化の違いだったら、むしろ、「ヘェ、キミの国ではそうなんだぁ」と、むしろ、おたがいが学習しながら、理解を深めていけばいいと思います。楽しいですよ、そういうのも。
AKI ずいぶん、楽しい思いをなさったんですね、哲ジイも?
哲雄 ま、それなりに。でもね、気をつけなくちゃいけないこともあります。
AKI ハイ、何でしょう?
哲雄 軽い気持ちで手を出したりすると、あとで、大変なことになる国や地域もあります。
AKI 大変なこと……って、もしかしたら、火あぶりになっちゃうとか……?
哲雄 火あぶりにはならないでしょうけど、私の友人の中には、刀を持って追い回された男もいました。
AKI エッ!? 刀で……? 何かわるいことしたんですか?
哲雄 結婚の約束をホゴにしてしまった。怒った彼女の一族が、あのジャパンのチャラ男は生かしてはおけない――って、ほんとに刀を手に男を追い回したんだよね。
AKI それで? 殺されちゃったの?
哲雄 なんとか、逃げおおせたみたいですよ。でも、二度と、その地域の女には手を出さない――と、深く反省しておりました。南アジアから中東にかけての一帯には、「一族の名誉」をものすごく大事にする地域がある。どことは言いませんが、そういう地域の女性と恋愛するときには、十分に気をつけていただきたいものです。
AKI それ、男だけ?
哲雄 いいえ、女性も同様です。てか、女性のほうがひどいところもある。昔は、めとった女が「処女」ではなかった、というだけで、ブッ殺したところもあるくらいですから。特に、AKIクンなんかは、気をつけないとね。
AKI フアーイ、ご心配なく。そういうときは、再生しちゃいますから。ところで、哲ジイ、そういう外国の女性たちとの恋は、実ったのでございましょうか?
哲雄 実ったの、実りかけたけど嵐で落っこちたの、実るどころか花咲く前に散ってしまったの、いろいろでしたよ。
AKI その「実った」のは、どちらのお国の方でございましたの?
哲雄 イングランドでございます。
AKI まぁ、なんてステキな! その方とは、どこでお知り合いになりましたの?
哲雄 東京のジャズクラブでございます。彼女は旅行者でしたが、次の旅行先までの旅費を稼ぐために、そのジャズクラブでアルバイトをなさっておりました。
AKI ヘーッ!! 勇気があるんですねェ。
哲雄 というか、あちらの若者たちは、男も、女も、おとなになるためのトレーニングのひとつとして、よく、漫遊旅行をなさるんですよ。バックパックひとつで、道々、アルバイトしてお金を稼ぎながらね。
AKI そうして、日本までやって来たブリティッシュ・ガールは、あわれ、哲ジイの毒牙にかかって……。
哲雄 だれが「毒牙」じゃ! 言っておきますが、それはそれは、美しい恋でありました。人に聞かせるのがもったいないくらいの……。
AKI じゃ、聞かない。
哲雄 エッ、聞かないの?
AKI ほんとは聞かせたいんでしょ? 聞いてあげるから、とっとと話しなさい。
哲雄 ハイ。では、ひと節。頃は4月、桜のお江戸。ふたりの恋が目を吹いたのは、そんな満開の桜の下のことでありました。
AKI ハイハイ、長くなりそうなので、続きは次回にしましょうね。帰ろ、帰ろ……。

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