「温厚」な県民性と「キレやすい」県民性
不純愛トーク 第236夜
日本人の気質を生み出す上で、大きな影響がある、と思われる「海」との関係。前回は、《太平洋気質》と《日本海気質》を比較しましたが、今回は、瀬戸内海が生み出す「温厚な性質」について研究。対照的な「キレやすい性質」を生み出す風土についても、解説してみます――。
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AKI 前回は、太平洋と日本海、東シナ海、そのどの海に面しているかで、恋愛体質も変わるんじゃないか、というお話でしたよね。でも、哲ジイ、海といえば、もうひとつ、大事なところをお忘れじゃございませんか?
哲雄 ハイ。瀬戸内海ですよね。
AKI どうなんです、瀬戸内海の場合は?
哲雄 昔から使われてきた言葉に、「瀬戸内躁鬱質」というのがあります。瀬戸内海に面した地域、県で言うと、四国の愛媛、香川、中国地方の山陽側、広島、岡山、それに兵庫と山口の一部、これらの地域の人間に共通する性格的特徴を言い表した言葉なんだけどね。
AKI 「躁鬱」ってことは、気分の変化が激しい……ということ?
哲雄 「躁鬱質」は別名「循環気質」とも言われます。簡単に言うと、「楽しくて明るい躁状態」と「憂うつで落ち込む鬱状態」が、繰り返し表れる性格なんですが、これ、ヨーロッパの地中海に面した地域の人たちの「ラテン気質」とも、似通った部分があると言われてます。
AKI どうして、そうなっちゃうんでしょうね?
哲雄 どうしてなんでしょうねェ。ひとつは、気候が穏やかだから……かな。
AKI 穏やかだと、どうして「躁鬱」になっちゃうんです?
哲雄 あくまで、私の推測なんですけど、気候があまり激しく変動せず、厳しい寒さに耐えることも、荒々しい大洋に立ち向かうこともない風土では、人々の精神は、外部に向かうのではなく、内部の充足に向かおうとするのではないかと思うのです。「内部」というのには、周囲とのルーティンな関係も含まれます。すると、どうなるか? 「躁鬱質」の根底には「同調気質」があると言われてるんだけど、「同調気質」とは何かと言うと、「人と気分をそろえよう」「人の気分に合わせよう」とする性質なんだよね。
AKI そうか。ある意味では、人の気分に左右される性質でもある、ってことなんですね。
哲雄 そうです。私も、中学3年から高校の3年間を、この地域で過ごしたことがあるんだけど、ひと言で言うと、この地域の人たちというのは、温厚で人なつっこい。それと表裏一体の関係にあるんだけど、人のことを気にしすぎる。
AKI かまいすぎるってこと?
哲雄 かまいすぎるし、合わせようとしすぎる。私も、かの地の女性とおつき合いしたことがあるのですがね。
AKI エッ!? 哲ジイ、確か、男子校でしたよね?
哲雄 いけませんか? 男子校の男子が女の子とつき合っちゃ?
AKI いえ、そんなことはありませんけど、それで? かまいすぎる彼女にヘキエキとしたとか……?
哲雄 ヘキエキなんかはしません。でもね、「きのう、何しよったん?」とか「何で、そんなこと言うん?」とか、いちいち訊かれたりするのが、ちょっとわずらわしくはありました。でもね、思うんですよ。この地域の男女の間では、何をするにも一緒の「おしどりカップル」は、他の地域よりも成立しやすいかもしれない。逆に、クールで自立した関係を成立させるのは、むずかしいかもしれない。
AKI なるほどね。それで、人間関係にクールな哲ジイは、伊予のかわい子ちゃんのハートをメロメロにはできなかった――と、そういうことなんですね? 南無ゥ~。
哲雄 なんで「南無」なのかよくわかりませんが、ま、そういうことでしょうね。とにかく、この瀬戸内方面の人たちは、とりあえず人当たりがいいので、顔見知りとなるのに時間はかからない。しかし、恋愛のように人間関係を深めていこうとすると、相手の気分を察して行動する能力が求められる。その「人の気分を気にする」が、場合によっては、「要領よくふるまう」として表れる場合もあり、香川県人の性質を表す言葉としてよく使われる「へらこい」も、そこらへんを表現した言葉かと思います。
AKI ね、哲ジイ。反対にキレやすい地域というのもあるんですか?
哲雄 キレやすい……というか、熱くなりやすいとか、怒りっぽい地域というのはありますよ。何と言っても有名なのは、茨城県。「水戸の三ぽい」なんて言葉がありますが、この「三ぽい」は、「骨っぽい」「理屈っぽい」「怒りっぽい」なんだよね。そう言えば、日本史上に有名なテロ事件「桜田門外の変」を起こしたのも、水戸の浪士たちでしたし、渋谷のチーマーを牛耳ったのも、茨城県の男でした。甲州人(山梨県人)も、短気でカッとなりやすいと言われてますね。
AKI そういうのも、気候風土と関係があるんでしょうかね?
哲雄 というより、むしろ、歴史的な問題じゃないですか。ご承知のとおり、茨城は水戸藩のお膝元ですからね。この水戸藩というのは、光圀(黄門さま)以来、徹底的にイデオロギー統制を図り、外国を「夷敵(いてき)」と表現して、尊皇攘夷運動の旗頭となりました。「水戸っぽ」のケンカっ早さは、そんな歴史の産物とも言えるんじゃないかと思います。甲州の場合は、中央に対する恨みつらみのようなものが、根っ子にあるのかもしれません。
AKI 恨みつらみですか?
哲雄 甲州は、江戸幕府の時代には、武田時代の遺風を払拭するために、かなりな圧政が布かれました。そしてその任にあたる「甲府勤番」は、当時の幕府内では「左遷」ポストでした。地勢的に見ても、山また山に囲まれて平野部が少なく、資源にも乏しい。そんな中で、「ナニクソ」とか「負けてたまるか」という敢闘精神が醸成された、と言われてますね。それが、カッとしやすいだの、人あたりがよくないだのという印象を、他の地域の人たちに与えたのかもしれません。
AKI 私の友だちに、高知出身の子がいるんだけど、この子も相当、ケンカっ早いというか、よく、周りの子とモメてますよ。
哲雄 ウン。「土佐っぽ」だね。確かに、高知県人もよくケンカをするようですが、ただ、ケンカの仕方が少し違うような気がします。茨城の「キレる」に対して、こっちは「折れない」。
AKI 折れない……?
哲雄 妥協をしないということです。たとえば、男がふたりで酒を飲みながら「ネコが好きか? 犬が好きか?」という話をしているとしましょうか? たかが「ネコか犬か?」ですよ。ところが、この論争が延々と続く。そして、どちらも、絶対に自分の説を曲げない。最後は、ケンカになる。高知県人にとっては、「灰色決着」というのはあり得ないらしいんです。「白か黒か?」をハッキリさせないと気がすまない。しかも、ハンパじゃなく飲む。
AKI よく飲む、というのは、私も聞いたことがあります。
哲雄 なにしろ、旅館の女子従業員の採用条件に、「日本酒5合以上飲めること」なんていう条件がつく土地ですからね。なので、私は、高知の人と酒を飲みながら議論するなんてことは、死んでもいいという覚悟がない限り、やりません。
AKI 哲ジイの地元・九州はどうなんです?
哲雄 ケンカっ早いと言えば、九州人は全体的に手が早いかもしれません。というか、ブレーキが効かない性質なんですね。なので、パーッと突っ走ってしまう。そのくせ、すぐ飽きる。
AKI 困ったもんですね。
哲雄 九州の男や女と恋に落ちた人は、ご用心! です。「惚れやすの飽きやす」というのが、九州人全体に共通する性質ですから。軍隊でもね、九州の部隊は、緒戦には圧倒的に強いけれど、持久戦にはからっきし弱い、と言われてたらしいですよ。
AKI 熱しやすく冷めやすい――ですか? まるで、哲ジイの恋愛体質みたい……。
哲雄 申し上げておきますが、私のは、「冷めやすい」ではなく、「あきらめやすい」です。
AKI いいとこ、ひとつもないじゃん(ブツブツ)。
哲雄 何か……?
AKI いえ、こっちの話です。私、県民性に関しては、もうひとつ、気になる性質があるんですけど……。
哲雄 何でしょう?
AKI ケチな県民性って、ありません?
哲雄 ああ、ありますねェ。でもね、ひと口に「ケチ」と言っても、「しぶチン」というのと「がめつい」というのじゃ、ずいぶんニュアンスが違うでしょ?
AKI ですね。私は、どっちもイヤだけど……。
哲雄 そこらへんは、話し出すと長くなるので、次回にしましょうか。ところで、浪費癖のある秋田県人のAKIクン、たまには、そこらでパッと……。
AKI エッ、そ、そうなの? 浪費癖……?
哲雄 じゃ、次回は、ケチと浪費の県民性について、じっくり掘り下げてみることにしましょうか?

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