「潮吹き」の「シオ」の正体、ほんとは何?

あれも、これも、「シオ」と呼ぶ人たちがいます。
あふれ出る「愛液」と飛ぶ「シオ」は、明らかに別物。
その成分の違い、探ってみました。
性とエッチの《雑学》file.54 R15
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。
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そもそも、この現象が注目されるようになったのは、1974年に、アメリカの性医学者、ラダス、ホイップル、ペリーによって『Gスポット』が発表されてからでした。
女性には、そこを刺激されると、男性のように射精を伴うオーガズムが得られる場所があり、それが「Gスポット」だと言うのです。
「Gスポット」の「G」は、最初にその部位の存在を指摘したグレーフェンベルクの頭文字です。
グレーフェンベルクが指摘した部位とは、「スキーン腺」の位置です。
「スキーン腺」とは、男性の前立腺に相当する分泌腺で、その位置は、膀胱が尿道に切り替わるあたり。その末端は、尿道の下流または尿道口に開口しています。
もし、「潮吹き」を「女性の射精現象」と考えるなら、
重要なのは、この「スキーン腺」の関与です。
「スキーン腺」からは、「スキーン腺液」が分泌されます。
色は乳白色または透明。成分的には、男性の前立腺液ととてもよく似ています。
ところが、この「スキーン腺」は、だれにでもあるというものではありませんし、大きさやその数も、人によってまちまちです。小さい腺が複数存在する人もいれば、かなり大きな腺が存在する人もいます。反対に、まったく消失してしまっている人もいます。
また、その出口が尿道内に開口している人もいれば、尿道口近くの外陰部に針の穴のような開口部を持っている人もいます。
射精現象が人によってあったりなかったり、その量が多かったり少なかったりするのは、この「スキーン腺」の存在の仕方が、人によってまちまちであることが原因ではないか――と言われているのです。

さて、ちょっと整理してみましょうか?
エッチがらみで女性の陰部から放出される液体は、主に次の5種類です。





これらの液体のうち、尿を除く4種は、性行為が始まると、膣の出口付近や、膣前庭あたりで、ブレンドされてしまいます。何がどれくらい混じっているかなんて、たぶん、科捜研の沢口さんでもわからないに違いありません。
しかし、「飛ばす装置」と関係しているものは、限られています。「尿」と「スキーン腺液」だけです。

さて、「潮吹き」を「女性版射精」と考えるなら、この「飛ぶ」は、絶対的な必要条件になります。
「飛ばす装置」とは筋肉ポンプです。男性の射精の場合には、尿道の根元付近にある「球尿道海綿体筋」が瞬間的に収縮して、尿道内の精液を一気に押し出すのですが、女性の場合も、これに似たメカニズムが働きます。
先のラダスたちの観察によると、「スキーン腺」は性的刺激を受けると膨張し、女性は腹部に力を入れて力むような動作をするのだそうです。男性の射精時の動きと似ています。
一方の「尿」は、ぼうこうの内圧によって飛びます。このときも、周囲の筋肉は、ぼうこうの内圧を高めるような動きをします。
こうしたメカニズムを使って「飛べる」のは、前出の5つの液の中では、「尿」と「スキーン腺液」だけなのです。
となると、「シオ」の正体は、そのどちらかということになります。
ここまでの説明を図にしてみましたので、以下の解説は、この図を見ながらお読みください。

これは「尿」なのか、「スキーン腺液」なのか?
ほんとにどちらなのかを確かめたければ、味やニオイで確かめるしかないと思うのですが、ややこしいことに、この2つは、同時に放出されることもあります。
つまり、オーガズムとともに失禁するクセを持っている女性で、スキーン腺の出口が尿道内にある人であれば、両者が同時に放出されるということもあり得るわけです。
ブログ内で、「私、噴きます」と告白している人の中には、毎度、マットレスまでがビショビショになるほど「噴いて」しまう――という人もいます。
これほど大量の「潮吹き」となると、どうも「スキーン腺液」だけではないのではないか、という気もします。
あとは、科捜研にまかせるしかありません。
「どうも、ガイシャは、シオだけじゃなくて、尿も噴いてたようですな」
「よし、じゃ、失禁の線も視野に入れて捜査をすすめよう」
というわけです。

「これは、もしかして、シオ?」
と告白するケースの中には、エッチが終わったあとに、膣からいつもより多い液が出てきた、というものもあります。人によっては、ももを伝うほどにあふれてきて、どうもいつもと違う――と不思議がっているのですが、筆者が想像するに、それはたぶん「おりもの」です。
「おりもの」というのは、前出の「膣液」と「子宮頸管粘液」の混ざり合ったもののことを言うのですが、どちらも、その日の体調、排卵日が近いかどうか、どういう食べ物を食べたか……などによって、その性質や量が、かなり変わります。
やたら粘っこいという日もあれば、きょうはサラサラという日もあり、水のように流れ出てくる日もあれば、なかなか外まであふれてこないという日もあります。
これは、口の中がやたら渇く日があったり、やたら唾液がいっぱい出てくる日があったりするのと同じ。単なる体調の変化ですから、「ちょっといつもと違う」という理由から「シオ」と断定するのは、いささか早計な気がします。
それに、筆者としては、こうして膣から流れ出てくるものを「シオ」と呼ぶのは、やはり抵抗があります。
最初にお話したように、「潮吹き」を「女性版射精」と考えるなら、膣からの分泌物を「シオ」とは呼べないだろうと思うのです。
「女の射精」の発見は、「クリトリスの解放」と並んで、20世紀後半の女性のSEX観を変えた2大トピックのひとつです。
それなりの敬意を払って取り扱いたい――と思うのですが、いかがでしょうか?

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