試算! 夫2人+妻1人の《家計簿》
不純愛トーク 第209夜
少子化に歯止めをかけ、格差の解消を図り、なおかつ「結婚難民」をなくす妙薬として、前々回、長住が提案した《複婚社会》。今回は、ビンボーな男2人で妻1人を共有した場合の《家計簿》を試算してみました――。
【今回のキーワード】 貧困率 共有の妻
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AKI もしも……ですよ。哲ジイが、だれかステキな女性に出会って、この人と生活を共にしたいと思った――としますよね。でも、歳も歳で、超ビンボーしてる哲ジイには、いまさらヨメさんひとりを養う余裕なんてない。ジャーン! そこに、救世主登場!
哲雄 な、なんですか!! いきなり?
AKI 哲ジイよりはウーンと若くて、しかもイケメンな若者ありて、かの女性に懸想いたしそうろう。しかるに、この若者、折からの就職氷河期にブチ当たりて、就職することあたわず。なんとかバイトにて糊口をしのぎおりそうろうところ、同じバイト先で働きおりし年上の女に心惹かれ、この女を娶らんと想いを募らせそうろうものなり。
哲雄 ちょっと、文法おかしいし。つまり、その若者が想いを寄せた年上の女と、私が出会ったステキな女性が、バッティングしちゃった――と。そういうシチュエーションを想定してるわけですね、AKIクンは?
AKI わかりやすく言うと、そういうことですわね。さぁ、どうする、哲ジイ?
哲雄 どうする……と言われましてもねェ。ま、ここは、将来ある若者に道をお譲りするのがよろしかろうか――と、思わなくもありませんが……。
AKI だからぁ、その若者もビンボーなんですって。とてもじゃないけど、彼女を食わせていける余裕などないわけですよ。
哲雄 つまり、あれですね? そういう状況であれば、私だったらその若者と彼女を共有するか?――と、お尋ねになりたいわけですね?
AKI だって、そういうことなんでしょ? 哲ジイの言っていた「ビンボー人の妻共有システム」って……。
哲雄 ま、そういうことなんだけど、この関係ってさ、ただ男が2人いて女が1人いれば成り立つ――ってもんじゃないんだよね。いくつか、条件があります。
AKI ぜひ、お聞きしたいもんです。
哲雄 まず、大事なことは、その男2人が、どちらも「独占欲」が強くないこと。しかし、おたがいにまったく無関心でもいけない。
AKI なんか、ビミョーですね。「おまえ、ゆうべ、彼女とやっただろ。このヤロ、てめェ」なんて言い出すような男同士だと、とても共同生活は送れない。でも、「やったの? あ、そう、オレには関係ないね」みたいなふたりでも、ダメってこと?
哲雄 「シェア・ハウス」スタイルの場合は、「無関心」ではダメでしょうね。ひとつ屋根の下で暮らすってことは、いろんなことを協力し合わなきゃいけないわけですよ。トイレに芳香剤を置くかどうか――なんていうつまらない問題でも、「オレは、こういう匂いを置きたいんだけど、おたくはどう?」というふうに、ライバルの意向をお尋ねしなくちゃならない。
AKI そうか。無関心で、おたがいがバラバラなことをやってちゃ、共同生活は破綻しますものね。エッ? てことは、エッチについても、ある程度は関心を持つ? 「おたく、ゆうべやったんでしょ? どうでした?」「いやぁ、彼女、意外とバックがいいみたいですよ」――なんてことを男同士で語り合ったりするんだ。キャッ……。
哲雄 何を勝手に妄想してるんです? そこまで関心を持つかどうかは別にして、「フーン、ゆうべは彼女、満足したんだな。よし、オレも負けずに、ガンバってみるか」ぐらいの関心は持ってたほうが、おたがいに刺激になっていいでしょ? ただし……。
AKI 何か、問題があるんですか?
哲雄 男ふたりの欲望のレベルがあまりに違いすぎると、この関係はうまくいかない。男Aは、毎晩でも妻の体を求めて、ひと晩に2度でも3度でもいたしたい。一方の男Bは、妻の体を揺するのは週に1、2度でいい、と考えている。これだと、妻を占有する程度にアンバランスが生じてしまうでしょ?
AKI ですよね。あいつばっか、おっぱいにしゃぶりつきやがって――とか思って、そのうち、男Bにはひそかに殺意が芽生えちゃったり……とか?
哲雄 そこまではいかないでしょうが、そんな感情的なしこりが生まれたんじゃ、共同生活はむずかしいでしょうねェ。
AKI つまり、妻を共有する男たちは、独占欲が強すぎてもダメ、といって、たがいに無関心でもダメ、欲望の程度にバラつきがあってもダメ。ウーン、むずかしいですね。
哲雄 もうひとつ、絶対になくてはならないものがあります。
AKI まだ、条件があるんですか?
哲雄 大事なことです。ふたりの間に……というより、共同生活を送る3人の間に、多少の差異などは乗り越えられるような、強い《共通の目的》が存在する――という条件です。それがないと、そもそも、妻を分かち合ってでも共同生活を送るというモチベーションが成立しませんから。
AKI その《共通の目的》とは?
哲雄 もちろん、エッチなんかじゃありませんよ。いちばん大きいのは、「子どもを作って育てる」でしょ。そもそも、私が「妻の共有」というやり方もある――と申し上げたのも、ひとりじゃ妻も養えないし、子どもも育てられない、そういう貧困層を救済する方法のひとつとして、というわけだったのですから。
AKI とすると、この妻は、「子どもを育てるのが好き」という母性愛に富んだ女性である必要がありますね?
哲雄 もちろんです。そして、「できることなら、子どもはたくさんいたほうがいい」と考え、その「お母さん」でいることを人生の生きがいとできる女性、ですね。
AKI てことは、もちろん、専業ですよね?
哲雄 ハイ。「私、仕事が生きがい」というタイプの女性は、この《共有の妻》には向かないでしょうね。《共有の妻》は、主婦としても母親としてもプロであることが求められますからね。
AKI でもね、哲ジイ。「子どもをたくさん育てたい」というんだったら、夫2人じゃ足りないんじゃありません?
哲雄 夫の経済力にもよるんでしょうが、「オレは子どもひとりで精一杯」という男が2人だと、せいぜい子どもの数も2人。これじゃ、人口減少の歯止め策としては弱いですよね。私は、この《共有妻》システムでは、夫は3人いても、4人いてもいいと思います。さすがに、6人も7人もとなると、肉体的にムリだろうと思いますが……。
AKI そうか。哲ジイの元々の目的は、「少子化を止める」でしたものね。
哲雄 ちょっと考えてみましょうか? 愛し合う男女2人が結婚して、子どもを1人しか作らないと、「2人で1人」ですから、人口減少率は50%になりますよね。でも、《妻1人+夫2人》で、それぞれの夫が1人ずつの子作りに寄与すれば、「3人で2人」ですから、減少率は33%になります。夫を3人にして「4人で3人」となると25%。もし、夫の1人がガンバって2人作れば、減少率0%になるわけですよ。
AKI そう、うまくいくかしら? ちなみにおうかがいしますけど、たとえば、ビンボーな男が2人集まって1人の妻を共有するとしましょうか? その場合、家計とかの問題はどうなるのでございましょうか?
哲雄 オッ、興味が湧いてきましたね。ヨーガス。試算してみましょう。その前に、《貧困》をどう定義するかですが、その社会での貧困層の割合を示す「相対的貧困率」を見てみると、日本は2009年に「貧困率」が16.0%に達し、世界で4番目に高い数値となりました。
AKI エッ!? そんなに高いの?
哲雄 ハイ。6人に1人が「貧困」というのが、現在の日本の社会の実態なんです。ひどいでしょ? ふつうなら、暴動が起こってますよ。
AKI どれくらいの収入だと、「貧困」と定義されるんですか?
哲雄 これ、前にも言ったけど、ひとりあたりの等価可処分所得(「等価可処分所得」とは世帯の年間可処分所得を世帯人数の平方根で割った値⇒詳しくは、第193夜『ケータイで操られる家畜!? スポット派遣の悲惨』参照)が、その中央値(日本だと254万円)の半分以下だと、「貧困」ということになります。ひとり世帯だと、127万円以下ということですね。
AKI エッ……と、「可処分所得」というのは、所得から税金とか健康保険料とか年金保険料とかを引いた数字ですよね。
哲雄 そうです。純粋な手取額ですね。この手取額が月に10万5800円を切ると、「貧困」ということになります。わかりやすくするために、月の手取額が11万円という男が2人いて、妻1人を共有する――という場合で考えてみましょうか?
AKI ドキドキ……。
哲雄 3人で暮らすとなると、住居はどうしても3LDKは必要、ということになります。「LDK」は共有で、あとの3部屋を、〈妻の個室&エッチ用〉〈男Aの個室〉〈男Bの個室〉と使い分けることにしましょうか。ざっと、家計はこうなります。

《収入》 男2人の手取額(可処分所得)……22万円
《支出》
家賃……………8万5000円
水道光熱費……1万6000円
通信費…………6000円
食費……………3万円
衛生費…………3000円
衣服費…………5000円
新聞・TV代…7000円
雑費……………3000円
夫の小遣い……3万円(1人・一日500円ずつ)
教育・育児費…2万円
貯蓄……………1万円
合計……………22万円
AKI ワッ、ギリギリ。でも、これなら何とかなりますねぇ。
哲雄 でも、子どもが大きくなっていくと、もう少しかかるかもしれません。もうちょっと余裕を持ちたければ、男をあと1人増やすか。
AKI エーイ、増やしちゃえ!
哲雄 この試算、もう少し続けてみましょうか。続きは、次回。

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