「妻」は、おふたり様にひとりずつ…!?
不純愛トーク 第205夜
共同体をぶっ壊して、ピース化された労働力=核家族を大量に作り出した近代社会は、いま、《少子化》という問題に直面しています。もう一度、地縁社会に依拠する大家族を構築せよ――が持論の長住が、今回は、その方法のひとつとして「シェア・ハウス化」構想を披露。その中で、大胆にも、ビンボーな男たちが妻を分かち合う《妻共有システム》を提案したりなんかしちゃいます――。
【今回のキーワード】 シェアハウス 核家族 生涯未婚率
【SEOリンク・キーワード】 エッチ 官能小説 結婚 エロ 不倫
AKI あのォ、もしもし。シェアハウスをお探し中の哲ジイさま~。
哲雄 いや、別に、探してるわけではありませんよ。ただね、これからの少子高齢化社会を考えると、社会の構成単位というものを、少し考え直したほうがいいのではないか――と。そのひとつのアイデアとして、「シェアハウス」というものに注目してみたわけですよ。
AKI これまでの社会の構成単位というと……?
哲雄 「夫婦+子ども」という、核化された家族=《核家族》、でした。でもね、この構成単位を基本に考えると、もう、この社会はもたないんじゃないか……。
AKI エッ、そこまで来てますか?
哲雄 最近、ニュースでも取り上げられるようになったけど、この国ではいま、放置されたままの老朽化した住宅が増えています。つまりね、こういうことだと思うんです。1戸建て住宅に年老いた夫婦だけが住んでいたが、跡を継いでくれる者もなく、荒れ果てた住宅は、夫婦がこの世を去ると、そのまま、打ち捨てられてしまった。
AKI それ、集合住宅でもありますよね。多摩ニュータウンが、高齢者ばかりの住宅になって、ゴースト化してる……とか?
哲雄 ハイ。そういう現象が、日本中のあちこちで、これから増えていくだろうと思います。跡継ぎのない農地なんかも、そうなっていくでしょうね。
AKI 考えてみると、怖い話ですよね?
哲雄 《核家族》をベースとして物事を考えるから、そうなるわけです。その《核家族》さえ作ろうとしない、あるいは作ろうと思っても作れない、という人たちも増えている。
AKI あ、いつか話に出た《生涯未婚率》の上昇――という問題ですね。
哲雄 それが、日本ではすでに16%に達しています。この数字が、2030年代には、男性で3割、女性で2割に達するだろう――と予測する学者もいます。お隣の韓国では、女性の4割が「生涯未婚」を希望している、というレポートも、つい先日、報告されたばかりです。
AKI ま、その点に関しちゃ、哲ジイも大いに責任の一端を担っていただく必要があると思いますけどね。
哲雄 だから、それはね、別に……私が結婚を望まなかったわけではなくて、私が望むときに相手が望まなかった。ただ、それだけの問題だと申し上げたじゃありませんか。私が問題としているのは、もっと制度的な問題です。ひとつは、結婚を望んでもいる、子どもも育てたいと望んでいる、にもかかわらず、経済的にはそれがムリ。そういう層が、確実に増えている、という問題。
AKI それ、確か、前にも話しましたよね。第192夜の『「エリートしか結婚できない時代」がやって来る!?』でしたっけ?
哲雄 ハイ。貧富の差が拡大した結果、日本でも、結婚しようにもその金がない、という貧困層が増えている、という話をしました。もうひとつは、将来不安です。
AKI 老後の問題……とかですか?
哲雄 老後、育児、健康問題……いろいろあると思います。年金だけで夫婦ふたりが食っていけるような制度には、残念ながら、いまの日本はなってない。育児だって、夫婦ふたりで働かなきゃ食っていけないという低所得層にとっては、保育施設の整備とかが遅れている現状では、あまり希望が持てない。これで、幸せな結婚しろ、子どもをたくさん産め――たって、土台、ムリな話です。
AKI つまり、あれですね。もう、《核家族》という単位で社会を維持していこうとしてもムリなんじゃないか――と、哲ジイは、そう言いたいわけですね? でも、いまさら、大家族の時代には戻れないでしょ?
哲雄 ハイ、確かにムリがあります。ただし、それは、《大家族》を「血縁」という関係の中で考えようとするからです。
AKI エッ!? 「血縁」以外に何があるというんです?
哲雄 前回、「ゲマインシャフト(共同体)」の話をしましたね。「ゲマインシャフト」を成立させる重要な要素のひとつに「地縁」というのがあります。近代社会は、人を「地縁」から引き剥がすことによって、「核化された家族」を作り出してしまったのですが、失ったものなら、もう一度、作り直せばいい。
AKI エーッ、作り直す……って、そんな簡単におっしゃいますけど、それ、簡単なことじゃないでしょう?
哲雄 ええ、けっして簡単ではありません。でもね、かつての日本の村落共同体とか、あるいは江戸の下町の長屋なんてのは、立派に共同体してたと思うんですよね。近くに住む者同士が、分かち合い、手を差し伸べ合うシステムですよね。それができてた。先ごろの震災のあとでも、ああ、日本人にはまだ、その精神が残っているんだなぁ……と、感動したって話を、この前もしましたよね。
AKI で、その地縁共同体を作り直すひとつの方法が、「シェアハウス」構想?
哲雄 これ、一石二鳥の妙案だと思うんだよね。老夫婦だけになった家を「シェアハウス」にして、そこに、金のない若者やひとり身になった高齢者なんかを、安い家賃で住まわせる。そうすれば、放置住宅化する恐れもなくなるし、貧窮化した若者たちも、孤独な年よりも、家庭の温かみの一端に触れることができる。老夫婦のほうだって、少なくとも、知らないうちに死んでた……なんてことにはならずにすむ。
AKI 確かに、いいアイデアではありますわねェ。
哲雄 現にいま、不動産業者の中には、家族が少なくなって広くなりすぎた戸建て住宅を「シェアハウス」として利用しよう――という動きも出てきています。
AKI 哲ジイ、わるいことは言いません。すぐ、そういうところにお入りになるべきです。若い未亡人の家がいい――なんて、ぜいたくを言わないで。
哲雄 検討に値するご意見として、伺っておきます。もうひとつ、「シェアハウス」よりは、もう少し各戸の独立性が保たれたスタイルとして、「グループ・ホーム」という考え方もあると思います。
AKI 「グループ・ホーム」って、一種の老人ホームみたいなものでしょ?
哲雄 というより、いまの日本では、「認知症」の高齢者の施設みたいな意味で使われるようになりましたね。でも、本来は、そういう意味じゃなかった。私は、思うんだよね。これまでの集合住宅は、「核家族のプライバシー」を重視する――というコンセプトで作られてきたけれど、そうじゃない集合住宅もあり……なんじゃないかと思ってるんですよ。
AKI てことは、つまり、プライバシーを、ある程度は犠牲にした集合住宅ってことですか?
哲雄 最低限のプライバシーは確保するけれど、その必要がない部分については、オープンにする。たとえば、炊事とか食事の施設とかは、居住者全員が使える共有のスペースにして、おたがいのコミュニケーションがとれるような構造にする。そんな「グループ・ホーム」があってもいいんじゃないか、と思うわけです。
AKI なるほど。そういう住宅なら、「○号室の長住さん、きょうは顔を見ないわねェ」「もしかして死んでるんじゃないの?」「やだぁ、だれか、部屋を見てきてよ」――てなことにかりますものね。それなら、安心、安心。
哲雄 キミは、どうしても、私を孤独死させたいみたいだね。
AKI 滅相もない。ただ、ご心配申し上げてるだけですわ。でもさ、哲ジイ、「シェアハウス」にしても「グループ・ホーム」にしても、そうやってひとつ屋根の下で複数世帯が一緒に暮らせば、みんな家族……みたいな意識が生まれますよね?
哲雄 左様。それが、これから私が提唱しようとしている、
「核家族から地縁家族へ」
という、新しいライフ・スタイルの骨子なわけです。つまり、「地縁による大家族構想」というわけです。さらに、この考え方を推し進めるとですね、大変ですよ、AKIクン。結婚制度だって変わってくるかもしれない。
AKI エッ!? エーッ!? 結婚制度が……ですか?
哲雄 たとえばね、ビンボーで、自分ひとりじゃ妻と子どもを養えない――という男たちが、何人かで妻を共有する「シェアハウス」とか……。
AKI なんか……いま、ドキッとしちゃいました。そ、そんなのあり……ですか?
哲雄 もちろん、現行の民法じゃムリですよ。でも、考慮の余地あり……でしょ? 実はね、いま、「生涯未婚」を希望する女性が増えている一方で、「専業主婦」を希望する女性も、数としては、増えてるんだよね。ところが、そんじょそこらの男では、「専業主婦」を養うなんてことは、経済的にはかなりきつい。で、そういう女性たちはどうするかというと――。
AKI わかった。高収入の男をネラう?
哲雄 そのとおり。しかし、専業主婦を悠々と養って、子どももいい学校に行かせて――なんてことが可能になる収入のボーダーラインはというと、年収600万円あたりではないかと言われてる。こういう男は、そんなにいません。なので、そういう男のところには女たちが群がり、複数の女が「妻の座」を争うことになります。中には、妻を取っ替え引っ替え、一生に何度も結婚を繰り返す男もいる。
AKI 一方、哲ジイのようなビンボー人は、専業主婦希望の女性には見向きもされない。
哲雄 しかも、専業希望の女性というのは、子どもだって3人、4人と産んで、育てたいと願ってる。ますます、ビンボー人には手が出せない。でも……。
AKI そうか、わかった! みんなでひとりを養えばいいじゃないか……と。そういうことなんですね。
哲雄 そうすれば、子どもだって、小さい頃から、社会的訓練を受けることになります。わがまま放題に育つひとりっ子より、よっぽどいい。どうです、この案? いまならもれなく、長住哲雄がついてきますけど……。
AKI 確かに……博愛に富んだ私などには、魅力あるプランだとは思いますけど、しかし、私、長住哲雄はいらないです!
哲雄 なんで、そうなる?

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- 「貧乏人は子だくさん」の世界的理由 (2011/11/04)
- 「妻」は、おふたり様にひとりずつ…!? (2011/10/27)
- 住むなら、人口5万人以下の町がいい (2011/10/19)