だれがクジラを絶滅の危機に追い詰めた!?
不純愛トーク 第202夜
「グローバリズム」がいかに世界の人々の健康で豊かなライフ・スタイルを破壊してきたか?――第196夜から連続してお届けしてきましたが、今回は、その文化篇。「グローバリズム」は、私たちの固有の文化までも破壊しようとしているという話を、クジラ問題を例に解説してみます――。
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AKI 前回のお話によると、クジラ問題も、「グローバリズム」の問題である――ということでしたよね。
哲雄 ハイ。見事に「グローバリズム」を象徴するような問題です。そもそも、牛をブッ殺して食う人間たちが、クジラやイルカを殺して食うことに異議を唱える、ましてやそれを「野蛮だ」「残酷だ」などと非難する正当性など、どこをどう引っくり返しても見当たらない。
AKI それは、私もかねがね思っておりました。元々、日本人は、牛や豚は食べなかったのですものね。
哲雄 ハイ。4本足の動物の肉は、食べませんでした。元々は、仏教の教えから来ているわけですが、実は、栄養学の観点からも、それは正しい考え方であった――と言われてます。
AKI エッ!? そうなんですか? 栄養学的にも?
哲雄 話すと長くなるので、ごくかいつまんで言うと、自分よりも体温の高い動物の肉を食べるのは、栄養学的には問題あり、ということです。そういう動物の肉から得られる脂肪酸は、人間の血液の中では凝固してしまう。つまり、血管を詰まらせてしまう原因になるわけですね。
AKI あ、そうか。人間の血液のほうが温度が低いから、ラードみたいに固まってしまうわけだ。フーン、昔の人の知恵って、すごいんですね。
哲雄 そういう理屈を知ってて、肉食を禁じてたのかどうかはわかりませんけどね。でも、そういう文化が存在したということは貴重で、「多文化主義」の立場から言えば、それは大いに尊重されるべき文化だということになるわけです。ところが、「グローバリズム」の連中は、そうは考えない。
AKI とうとう「連中」になってしまいましたね? で、その「グローバリズム」の連中は、「牛肉を食べる自分たちの文化こそ正しい。おまえたちもそれに倣え」と主張しているわけですね。「クジラを食うなどもってのほかだ」――と?
哲雄 あからさまにはそうは言ってません。表向きは、「クジラ資源の保護」を訴えているわけですが、どうも、その数字が怪しい。むしろ、クジラは増えてるじゃないか、という指摘もあります。そこらへんは、純粋に科学的に議論されるべきなんだけど、「反捕鯨」を訴える人たちの論調は、どう見ても「人種差別」としか思えないほどに、感情的です。
AKI クジラがいかに知的かとか、その親子の姿がどんなに美しいか――とか、そういうところばかりを強調してますよね?
哲雄 じゃ、キミらに尋ねるが、牛の親子は美しくないのか? クジラは利口で牛はバカなのか? 狭い水槽に入れて芸を仕込まれているイルカはかわいくて、殺されるために一生懸命草を食わされてる牛はかわいくないのか? 殺されるイルカのために祈りましょう――なんてやってたオッサン、あんたは殺される牛のために祈りを捧げたことが、一度でもあるのか!
AKI まぁ、まぁ……そうコーフンしないで。血圧上がりますよ。
哲雄 いささか取り乱してしまいましたが、私が言いたかったことは、「クジラ問題」は第一義的には、「文化グローバリズム」である――ということだったわけです。かの国々、善か悪か、の二項対立的な文化を擁する地域の人々は、自然と人間の関係について、われわれ東洋人とはまったく違う思考回路を持っています。彼らにとって、自然は、人間が都合よく利用すべきものであり、われわれ東洋的価値観の中では、むしろ人間が、その自然によって生かされている――と考えます。西洋的価値観の中では、利用可能な自然は、メチャクチャいじり回され、人間に都合のいいものに作り変えられて収奪されますが、利用する価値がないと考えている自然に関しては、とたんに彼らは、ネイチャリングの旗手に豹変してしまいます。
AKI つまり、自然を守れ、保護しろ――と言い出すわけですね。
哲雄 そうです。牛は、ものすごく利用価値の高い自然なので、成長ホルモンでどんどん成長させ、ブクブクに太らせて片っ端から殺して食っちゃいますが、クジラは利用価値がないので、「保護しろ~!」と叫び出すわけです。でもね、彼らにとっても、クジラは最初から利用価値がなかったわけじゃない。
AKI そ、そうなんですか?
哲雄 というより、
歴史上、もっとも大量に、無残に、クジラを殺したのは、当のアメリカ人
なんですから。
AKI エーッ!! それ、知らなかったですゥ。
哲雄 アメリカで石油の採掘が始まるまでの間、クジラは、アメリカ人にとって最大のといっていい、油資源でした。油を取るために、アメリカ人は大量にクジラを獲りまくり、油だけ搾って、あとの肉は捨てていました。江戸末期にアメリカが日本に開国を迫ったのも、その捕鯨船に水や薪を補給するのがネライだったわけですからね。で、この時期の乱獲が原因で、北太平洋のマッコウクジラなどはほぼ絶滅に近い状態となり、いまだにその数は回復していません。つまり、クジラの資源保護が叫ばれる原因を作ったのは、主には、この鯨油のための捕鯨だったわけです。
AKI でも、あれですわね。油を取ってあとは捨てる……なんて、ひどいことしますねェ。
哲雄 それが彼らの自然観。われわれ東洋人は、いったん捕獲したクジラは、肉はもちろんですが、その内臓も、尾も、そしてヒゲの一本までも、余すところなく利用しました。そうしてきれいに利用し尽くすことが、自分たちのために命を投げ出してくれたものへの供養だと考えるからなんですね。ところが、西洋的自然観は、そうではない。利用できるところだけ利用して、あとはポイ。そういう連中だから、ビン・ラディンだってサダム・フセインだって、利用するだけ利用して、あとはポイ……しちゃいました。あ、また、話が逸れちゃった。
AKI でも、そうやって利用しまくったクジラの油が、必要なくなったわけですね?
哲雄 必要なくしてしまったのは?
AKI 石油……?
哲雄 では、その石油を採掘する業者にとって、ジャマ者はだれだったでしょう?
AKI あ、もしかして……クジラから油を取る人たち?
哲雄 鯨油業者は、石油業者にとっては、いずれは消えていただかなくてはならない存在でした。ここから先は、私の推測なのですが、「クジラを保護しろ」という声は、石油業者にとっては、まことに都合のいい声だったに違いない。
AKI 私、週刊誌か何かで読んだような気がするんですけど、シー・シェパードのような反捕鯨団体に資金援助しているのは、アメリカのオイル・メジャーであるとか……。
哲雄 私はその記事は読んではいませんが、十分にあり得る話ですね。これだけは覚えておいていただきたいのですが、この地上では、「環境保護」を旗印にしたさまざまな団体が活動しています。もちろん、その多くは、善意の市民のボランティアによって維持されていると信じたいのですが、中には、何艘も船を保有して、テロまがいの破壊活動までしているところもあります。考えてみてください。そんな活動を継続するためには、膨大な資金が必要になります。
AKI そうですよね。どうしてるんだろ、その資金?
哲雄 善意の寄付……と言いたいところですが、多くは、企業からの資金提供だろうと思います。問題は、その資金の意味です。
AKI 企業にも何かメリットがある?
哲雄 と、私は思います。その中には、自分の企業活動を妨害されないように――という意図も含まれているだろうと思います。さらには、彼らの活動がその企業の利益につながる、という場合もあるかもしれませんね。もっとひどいケースもあるかもしれません。「金出さないと、あなたたちの企業活動を妨害しますよ」というメッセージを発して、まるで総会屋まがいの資金集めをしている……とかね。さらに……。
AKI 他にもあるんですね。
哲雄 「グローバリズム」は、しばしば「帝国主義的」なナショナリズムと結びつく傾向があるのですが、特にその傾向が強いのは、オイル資本だと思います。ある意味で侵略的、人種差別的な傾向さえ見受けられます。こういう思想にとっては、「反捕鯨」は、格好の口実になるんだと思います。
AKI 黒幕を暴け――ッ!
哲雄 オッ、いきなり、過激な発言。でもね、「反捕鯨」運動は、そう言いたくなるほどひどいです。そして、この「反捕鯨」の動きを見ていると、「グローバリズム」というものの本質が何であるかが、何となくわかってくると思います。本日の結論。
「グローバリズム」とは、文化における「帝国主義」である。
もし、「グローバリズム」が「文化帝国主義」であるとするなら、それに対抗する概念は、これしかありません。
AKI 何でしょう?
哲雄 多文化主義。次回は、その話をしたいと思います。
AKI ファーイ。では、みなさま、次回をお楽しみに。

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