ボクがコンビニ弁当を食べない理由
不純愛トーク 第201夜
第198夜から連続3回にわたってお届けしてきた「スロー・ライフ」「スロー・フード」の問題ですが、今回は、その総まとめ。「スロー・フード」の対立概念というべき「ファースト・フード」の危険から身を守り、健康な食生活をキープするために何をすればいいかを、まとめてみます――。
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AKI ね、哲ジイ。わたくし、この間の数回にわたる「スロー・ライフ」の話を聞いていて、「ファースト・フード」に頼り切っていた自分の食生活を、見直すことにしたんですよ。
哲雄 おお、スペシャルすばらしいですね。AKIちゃんの決意に敬意を表して、ここでもう一度、「ファースト・フード」とは何か?――ということをおさらいしておきましょう。
AKI 単に「食べるのが早い」じゃないんですよね?
哲雄 「ファースト・フード」の「ファースト」は、「食べるのが早い」ということでは、まったくありません。フード評論家を名乗る人の中にも、そこらへんをまったくわかってない方たちがいらっしやるんですが、ま、それは置いといて、この「ファースト」は、「食べるまでが早い」という意味です。では、「食べるまで」とは何だと思う、AKIクン?
AKI 調理時間が早い――ですか?
哲雄 それもある。でも、もっと重要な「早い」は、「収穫するまでが早い」です。
AKI 収穫するまでが……? 前回、出てきた成長ホルモンで育てられた牛とかもそうなんですね?
哲雄 成長ホルモンもあるし、通常の半分ぐらいで収穫できるように遺伝子を書き換えたいわゆる「遺伝子組み換え作物」なんかもそうだし、化学肥料と農薬で収穫の効率をUPした食品もそう。これらはすべて、「ファースト・フード」と言っていいと思います。
AKI そういうのを全部ダメって言ってたら、食べるものがなくなっちゃうような気がしますけど……。
哲雄 そう思わせるのが、グローバリズムのネライなんだよね。でも、実際にはそんなことはまったくない。ちゃんと地場の農業や漁業、畜産業などを尊重して、自分たちで守り育てていくという思想さえ持っていれば、それで十分に、健康で豊かな食生活が維持できるはずなんだ。ところが、グローバリズム側は、それじゃダメだ――と言う。「貿易自由化」という錦の御旗を振りかざし、WTOまで動かして、そういう「フランケン・フード」を国内に流通させろ、と迫ってくる。
AKI フ、フランケン・フード? 何ですか、それ?
哲雄 主に遺伝子組み換え作物なんかのことを、ヨーロッパの人たちが皮肉混じりにそう呼んでるんです。「フランケン」は「フランケンシュタイン」の「フランケン」。つまりね、人間が人工的に作り出した「化け物」って意味です。もちろん、そういう化け物を作り出しちゃあ、おまえのとこの国民にも食わせろ――と迫ってくるのは、例の国。
AKI ア、アメリカ……ですか?
哲雄 もちろん、アメリカにもグローバリズムに異議を唱える人たちはいるんだよ。でもね、それはあくまで少数の良識派にすぎない。特に、レーガンからブッシュまで続いた共和党政権下では、市場原理主義者が幅を利かせてたからね。
AKI グローバリゼーションは、ほとんど「アメリカナイズ」と同義語だって、言ってましたよね、哲ジイ。
哲雄 ハイ、最初に申し上げました。そういうわけでね、「グローバリズム」をフード産業用語に置き換えると「ファースト・フード」ということになるわけですが、この「ファースト・フード」の元締めと言ってもいいのが、ひとつは、アメリカを中心とする大規模農業企業。もうひとつが食品加工産業と大型チェーンの外食産業です。
AKI その話、前にも出ましたよね?
哲雄 ハイ。第198夜『「早い」「安い」「便利」にひそむワナ~トマト缶の危険!』では、トマト缶を例にとって、巨大食品産業がどんなに危険な食品を私たちに押し付けようとしているかをお話しました。グローバリズムの宿命と言ってもいい「効率」に重きを置くと、どうしてもその原材料となる素材作物に関しては、「安定して大量に収穫できる」を求めざるを得なくなります。化学肥料と農薬まみれであろうが、遺伝子組み換え作物であろうが、コストが低く押さえられ、大量に安定的に収穫できるものであれば、そちらに走ります。さらに、加工段階そのものにも問題あり。
AKI エーッ、加工段階にまで?
哲雄 加工食品にとって、最大の問題は何だと思います?
AKI そりゃまぁ……日持ちとか……。
哲雄 だよね。キミは、3日間、4日間、置きっぱなしにしてもカビも生えない弁当とか、消費期限が1年以上もある加工食品とかを信用できますか?
AKI ウーン、消費期限が長いのは、実は、ありがたかったりするんだけど……。でも、考えてみれば、それって何だか不自然ですよね。
哲雄 そう。その「不自然」。キミが不自然と感じることの中には、必ずと言っていいほど、よからぬものが隠されている。「スロー・フード」の思想では、そう考えます。
AKI そのよからぬこととは?
哲雄 たとえば、多量の防腐剤が使われているとか――ね。つまりさ、腐らない弁当は、それ自体が危険な食品である、と言えるわけですよ。
AKI あ、それで哲ジイは、コンビニ弁当を買わないんですね?
哲雄 弁当屋さんが、その場で作って売ってる弁当なら買いますよ。でも、コンビニ弁当は買わない。つまり、こういうことです。弁当にしてもお惣菜にしても、工場で調理してあちこちに出荷したものには手を出さない。これはまぁ、「スロー・ライフ」を支持する市民としての、最低限のこだわりとでも言ったらいいでしょうか。
AKI 哲ジイがこだわっていること、他にもあるのでしょうか? あ、食べ物に関して――ってことですけど。
哲雄 ああ、ビックリした。女の好みでも訊かれたのかと思いましたよ。なるほど、食べ物ね。わかりました。いちいち説明してると長くなりますから、箇条書きにしましょう。

〈1〉輸入食材、輸入食材を使った加工食品は、買わない、使わない、食べない。
〈2〉工場で調理された惣菜、弁当などは買わない、食べない。
〈3〉生鮮食品は、できるだけ地場のものを購入する。
〈4〉野菜や魚は、できるだけ丸ごとを買ってきて、切り分けて調理する。
〈5〉ドレッシング、○○のつゆ…などの合成調味料は、極力、買わない、使わない。
〈6〉インスタントやレトルトの食材は、極力、買わない、使わない。
AKI ワァ、たいへん。これ、全部、実行してるんですか?
哲雄 ハイ、一応。スロー・フード信奉者としては、最低限の心得かなと思っておりますのでね。あ、それと、大事なことをもうひとつ。
AKI ナニ、ナニ?
哲雄 これらの食材は、調理するときにも、食べるときにも、感謝の気持ちを捧げること。
AKI 感謝? だれにですか?
哲雄 だれ……じゃなくて、食材そのものにです。たとえニンジン一本でも、イワシ一尾でも、それらは、私に食べられるために自分の命を捧げてくれたわけですから、そのことに感謝しつつ食します。「ありがとう。あなたの命を大事に食べさせていただきますよ」ってね。
AKI ヘーッ。そんな殊勝なこと考えるんだぁ……。意外!
哲雄 ついでに、それらの食材を生み育ててくれた風土にも感謝します。スロー・フードという思想はね、自然の一部として生かされている人間が、その自然に感謝しつつ、その恵みである食物と謙虚に向き合う思想――と言ってもいいと思うんだよね。
AKI そうやって食べられたら、殺された動物だって、救われますよね。
哲雄 ハイ。特に、私たち東洋人には、そういうメンタリティが、本来は、備わっているはずなんです。だから、クジラだっておいしく食べる代わりに、ていねいに供養して、その命に感謝を捧げたりするわけです。
AKI ただ、残酷だとか、野蛮だとか……で裁かれる問題じゃないわけですよね。それは、私にもわかります。
哲雄 実は、クジラ問題は、グローバリズムの問題でもあるわけですけどね。その問題については、次回、詳しく論じたいと思います。
AKI フワーイ。ところで、哲ジイ、その哲ジイが作ったスローなフードたち、だれかに食させたこと、あるんですか?
哲雄 エーッと、その点に関しては、コメントを控えさせていただきます。

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