輸入牛肉が「巨乳」を作る!?~「ファースト・フード」の恐怖
不純愛トーク 第200夜

これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

「グローバリズム」に対抗する考え方として、前回からお届けしている「スロー・ライフ」の話。その中核となる「スロー・フード」について、今回は「ファースト・フード」に潜む危険性を指摘しながら、ご紹介したいと思います――。
【今回のキーワード】 ファースト・フード 巨乳 成長ホルモン
【SEOリンク・キーワード】 エッチ 官能小説 結婚 エロ 不倫
AKI 哲ジイとのこのおしゃべり、とうとう200回になっちゃったんですね。
哲雄 思えば遠くまで来たもんです。キミとも長いつき合いになっちゃって……。そのわりに、何もさせてくれないし(ブツブツ……)。
AKI 何かおっしゃいました?
哲雄 いえ、先は長いゾ――と、気を引き締めておったわけです。
AKI そうか。目標「1001夜」ですものね。あの……。
哲雄 何でしょう?
AKI 死なないでくださいね、それまで。
哲雄 し、失敬な! 1000が2000になろうが、全然、問題なし! なにしろ、私は、スローに生きてますから。
AKI その「スロー」なんですけど、きょうは「スロー・フード」ということについて、話していただけるんですよね?
哲雄 ハイ。「スロー・フード運動」は、「スロー・ライフ」の根幹を成す思想運動なんだけど、そもそもこの運動が発生したのは、イタリアの「ブラ」という田舎町。いまでも「スロー・フード協会」の本部は、この小さな町に置かれてるんだよね。
AKI エッ!? スロー・フードって、運動だったんですか?
哲雄 運動ですね。ただ、運動と言っても、委員長がいて、議長がいて、支部はその指令に従う――というような運動じゃない。世界のいろんな地域に、その地域に根ざした形で「スロー・フード」を追求しようという自発的なグループができて、そういうグループが世界中でゆるやかなネットワークを形成している、そういう運動だと思ってくれればいい。
AKI 政治的な活動とかはしないの?
哲雄 やりますよ。フランスにいまでも英雄扱いされているジョゼ・ボヴェという「反グローバリズム」の旗手がいるんだけど、この人ね、1999年に、南仏のミヨーで、建設中のマクドナルドにトラクターで突っ込んでブッ壊すというド派手な抗議行動を行って、逮捕されちゃった。その年の終わりには、シアトルで開かれたWTOの会議を反グローバリズムのデモが包囲するという「シアトルの反乱」が起こった。そこにも、ボヴェを支持する人たちが、大挙押しかけた。
AKI ちょ、ちょっと待ってください。「反グローバリズム」と「スロー・フード」って、同じじゃないですよね?
哲雄 同じじゃないですよ。「反グローバリズム」は、思想としては、もっと大きな塊ですから。「反グローバリズム」だからと言って、必ずしも「スロー・フード」を信奉しているとは限らないけど、「スロー・フード」を唱える人たちは、100%、「反グローバリズム」です。
AKI でもさぁ、なんで、マクドナルドが狙われたわけ?
哲雄 「スロー・フード」がもっとも敵対する概念は「ファースト・フード」なんだけど、マクドナルドはそれを象徴する存在だからです。
AKI じゃ、WTOはなぜ?
哲雄 WTOというのは「世界貿易機関」の略なんだけど、何をするための機関かというと、世界中から貿易障壁を取り払って、自由貿易を推進しようとする機関。つまり、貿易という分野での「グローバリズム」を、先頭に立って推進している機関なんだよね。突然、話が変わりますけど、AKIクンは、あまり輸入牛肉を食べなかったでしょ?
AKI な、何ですか、突然? ハァ、ほとんど食べませんでしたが、それが何か……?
哲雄 だから、乳が小さい……。
AKI 何ですって! そりゃまあ、巨乳とは言えない体形ですけど、それがどうしたと言うんです!
哲雄 まぁ、まぁ、そう怒らないで。実はね、特にアメリカでは、ほとんどの牛が、成長ホルモンを投与して育てられています。この成長ホルモンを使って育てられた牛肉を食べ続けると、いろんな障害が発生することが報告されているのですが、特に大きいのが、初潮年齢の低下、乳房の過剰発育、成人後の乳がんの発生リスクの増大……などですね。
AKI エッ、エッ、エーッ!! それ、大変じゃないですか。
輸入牛肉を食べると巨乳になる?
乳がんになりやすくなる?
ダメですよォ、そんなもの輸入しちゃ!
哲雄 個人的には、巨乳はいいんですが……って、あ、ジョーダンですよ。なのでね、EUは、成長ホルモンを使って飼育した牛肉の販売を域内・域外を問わず、全面的に禁止した。ところが、これにWTOが噛みついたんだね。
AKI 何と噛みついたんです?
哲雄 これは、貿易障壁である。貿易自由化を阻害する不当な禁輸措置であると断じて、この措置の撤回を迫ったわけです。EUが拒否すると、WTOは、その対抗措置として、アメリカにEUからの輸入品に対する関税引き上げることを許可した。
AKI それじゃまるで、アメリカの番犬みたいなもんじゃないですか?
哲雄 そう思うでしょ? この一事をもってしても、「グローバリズム」というものが、だれの利益を代表しているかがわかると思います。そして、WTOが、世界の人々の健康や環境の破壊という犠牲を払ってでも、守ろうとしいるものが何であるかが、わかろうかと思います。
AKI で、怒っちゃったんだ、ボヴェさんたちは?
哲雄 ハイ、怒りました。ボヴェばかりでなくて、「反グローバリズム」を唱えるすべての人たちが怒りました。もう一度、整理してみましょうね。「食」という問題だけをとってみても、


両者はまったく相容れないわけです。
AKI てことは、食事は、地場の野菜や魚や卵や肉を使って、家庭で手作りしようよという奥さんと、いいよ、メシはそこらのマックやガストや宅配ピザですませようようというダンナでは、まるっきり価値観が合わないわけですね?
哲雄 その逆もね。最初に紹介したイタリアの田舎町「ブラ」で採択された《スローフード宣言》てのがあるんだけど、これ、現代人に対する強烈なメッセージにもなっていると思うので、その抜粋を紹介してみようと思います。

我々の世紀は……(中略)……スピードに束縛され、そして、我々の慣習を狂わせ、
家庭のプライバシーまで侵害し、「ファーストフード」を食することを強いる
「ファーストライフ」という共通のウイルスに感染しているのです。
(中略)
我々の穏やかな悦びを守るための唯一の道は、
このファーストライフという全世界的な狂喜に立ち向かうことです。
この狂乱を、効率と履き違えるやからに対し、
私たちは、感性の悦びと、ゆっくりといつまでもいつまでも持続する楽しみを保証する
適量のワクチンを推奨するものであります。
我々の反撃は、「スローフードな食卓」から始めるべきでありましょう。
ぜひ、郷土料理の風味と豊かさを再発見し、
かつファーストフードの没個性化を無効にしようではありませんか。
(後略)
AKI 耳に痛い部分もありましたが、わたくし、インスパイアされました。
哲雄 願わくば、このか弱きおとめ・AKI嬢の食生活が改善され、よりよきライフスタイルが獲得できますように――。
AKI それ、だれに祈ったんですか?
哲雄 もののけ姫――です。
AKI ハッ? よくわからないので、本日はこれで終わります。
哲雄 次回は、「スロー・フード」の具体的な中身について見てみたいと思います。
AKI では、これにて。さ、マーケットへ行って、地場野菜でも買って、晩ご飯つくろう……っと。
哲雄 その意気、その意気。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- ボクがコンビニ弁当を食べない理由 (2011/09/23)
- 輸入牛肉が「巨乳」を作る!?~「ファースト・フード」の恐怖 (2011/09/17)
- 「急ぐ」ために失う「いま」こそ貴重 (2011/09/09)