妻の留守に、デリバリーの女を呼ぶ男

看護師4  AKIの宅配日誌

 カルテ5  妻の留守にデリバリーの女を呼ぶ男
            顧客データ――52歳、既婚  

「きょうは、ヨメさん、出かけてるんだ」
そう言って女の子を自宅に呼ぶ男たちがいる。
しかし、その人の奥さん、ほんとうは……。


 R18  性的表現が中心の官能読み物です。
     18歳未満の方は、ご退出ください。

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 世の中の男たちが、どれくらい信用ならないか?
 それを物語る事例のひとつに、「妻がいるのに宅配の女」を呼ぶ男――というのがいるのね。
 ホテルに――というのなら、まだわかる。
 でも、自宅に呼んじゃうんですよね、図々しい男たちは。

 たとえば、
 「きょうはヨメがクラス会で出かけているから」とか、
 「カミさんたちが温泉旅行に行ってるから」とか、
 「正月の間、実家に帰ってるから」とか、
 そんな理由で――です。

 でもね、わたしたち、施術する女の子の立場から言わせてもらうと、これって、気持ちわるいっていうか、落ち着かないことおびただしい。
 呼ぶ男のほうは、「鬼のいぬ間になんとやら……」なんでしょうけど、もし、予定が変わって奥さんが帰って来ちゃったら――とか思うわけですよ。
 「温泉旅行」とか「実家に帰省中」っていうのなら、いきなり「ただいま」ってことはないだろうな――って思うけど、「クラス会」なんて言われると、もう気が気じゃないわけ。
 「ダイジョーブ。帰りは11時ごろになるって言ってたから」と言われてもですよ、わたしたちにだって経験があることだけど、クラス会なんて、たとえばその日のメンバーと気まずい雰囲気になったとか、ちょっと飲みすぎたとか、そんな理由で早々に席を立つことだってあるでしょ?
 帰って来たら、見知らぬ女が亭主を裸にして、その体によからぬ行為を働いていた。
 「あんた、何よ、この女!」
 キレた妻が、包丁振りかざして、わたしたちに襲いかかる――そういうことだって、ないとは言えないじゃありませんか?

 それに――と、わたしは思うの。
 たとえ鉢合わせしなくても、わたしたちがマッサージするのは、その男と奥さんが一緒に寝たり、エッチしたりするベッドとかお布団の上。そこに、「わたし」という「訪問者」の気配を残すことに、抵抗がある。
 まして、わたしたちは、アロマ・オイルを使って施術するでしょ。その匂いは、絶対に残るはずだもん。
 女って、そういうのに、けっこう敏感なのに――ってことに、男の人たちは、思いがいたらないんだよね。

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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

荒野のバラと谷間のユリ〈終章〉 そして、だれもいなくなった

バラの花束


相川が紹介したのは、ボクが想像したとおりの
人物だった。栞菜の「それから」については、
詳しくは知らない。ただ、ボクの胸には、荒野に咲いた
そのバラのトゲが、いまも刺さっている……。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 終章 
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この話は連載37回目です。最初から読みたい方は⇒こちらから、
   前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。

ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。そのまま、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子によれば、栞菜は「体を壊している」という。久しぶりに出社してきた栞菜の顔は、ゲッソリとやせていた。その翌週、「横領」を疑われた高島が、辞表を提出した。連座を疑われた栞菜にも、ゲスなウワサがささやかれた。栞菜のページからは精彩が失われていった。「励ましてあげなさいよ」と由美が言う。ある日、ボクは、栞菜を近くのカフェに誘った。栞菜の口から絞り出されたのは、「もう、前のようには会えない」だった。しかし、その理由には、高島は関係がない。ボクが幼少期から形成してきた「ある性質」。決別の理由は、いまさらどうしようもない、ボクの性質にあるように思われた。そんな中、異動が発表された。ボクと由美は、栞菜のいたグラフ班へ。栞菜は、ボクたちの企画班へ。慣れない部署と格闘した栞菜だったが、3か月後、「追わないで」の言葉を残して編集部を去った。季節は移った。ある日、懐かしい男から電話が入った。3年前に会社を去った小野田宏。ドキュメント・フィルムを撮ったから、試写を見に来いと言うのだった。そのフィルムのエネルギーに、ボクも相川も圧倒された。そして、相川は「結婚する」と決意を固めた――




 何の意外性もない結末だった。
 暖簾をくぐって店に入って来たのは、戸村由美だった。
 由美は、ボクの顔を見ると、バツが悪そうに顔を崩した。
 そりゃ、バツもわるかろう――と、ボクは思った。
 相川が由美と結婚を決めたというのなら、「決めたゾ」と報告すればすむことで、こんな芝居じみたステージを用意して「紹介する」なんていう話じゃない。
 まったく、この男は――と思っていると、相川はボクの肩に腕を回し、回した手の先で肩をトントン……と叩いて言うのだった。
 「ま、こういうことになっちゃったんで、ひとつよろしく」
 あのときも確か――。
 入社間もないボクを居酒屋に誘った相川が、「どうせ、やってたんだろう?」と肩に手を回しながら、組合結成の発起人のひとりとして名を連ねるように勧誘してきた。あのときも、そうやって肩に手を回してきたよなぁ――と思い出して、ボクはブルッ……と頭を振った。
 そうやって、人を手なずけようとするのは、もしかしたら、この男が長い時間かけて身に着けた処世術なのかもしれない。しかし、それをこんな場面で使うことはあるまい。

 「おまえ、どっちが好きだ?」
 入社間もない頃、この男とサウナで汗を流しながら、そんな話をしたんだった。
 そのとき、ボクは、「そりゃ、やっぱり……カンナのほうかな」と答え、それ以来、まるでそれがふたりの間で交わされた盟約のように、ボクの心を縛り続けてきた。
 途中、何度も迷ったことがあった。しかし、「いや、やっぱり由美にする」と態度を翻すことは、ボクにはできなかった。小野田には、「ユミッペとやっちまえばいいのに」とけしかけられたりもしたが、それでもボクには、できなかった。
 その雨宮栞菜は、ボクの前から姿を消した。
 今度は、由美が、消えていく――。
 肩に回した相川の手は、まるで、敗者を労わる勝者の手のようだ。
 「おまえにもいろいろあったようだけど……」
 言いかけた相川の手を、ボクはゆっくり、払いのけた。
 なおも、何かを言いかけようとする相川に、由美は人差し指を口に当てるしぐさを示して、静かに首を振って見せた。

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「近すぎる」と感じる距離でわかる、カレ・彼女の本心

女の子ヘッドホン  男の本心・女の本心~39 《改訂版》 

あなたがある人間に接近しようとしたとき、その人間は、
あなたがどこまで近づくと、「近すぎる!」という声を発するか?
実はその距離、その人のあなたに対する本心を表しているのです。


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 この人は、自分を受け入れる心の状態にあるかどうか、それを判断するもっともわかりやすい手がかりが、《距離》 です。
 男性が、何かを話そうとして女性に接近したとします。
 そこで彼女の口から、

  あ、ちょっと……近すぎます。

 という言葉が発せられたとしたら、その男性は、彼女が「ここまでの接近は許してもいい」と考えている距離を突破したことになるわけです。
 その距離は、何によって決められるかと言うと、《親密感》 《好意の程度》 です。

 人は、《敵意》を感じている人間や《警戒》している人間が、自分の周囲半径1メートル以内に近づいてこようとすると、本能的に身を遠ざけようとしたり、固く身構えたり、場合によっては、接近してくる相手の体を手で押しのけようとする防御行動をとります。
 逆に、もっと親しくなりたいと考える相手に対しては、おたがいの距離を縮めようとする行動をとります。
 アメリカの文化人類学者、エドワード・ホールは、こうして人間が使い分ける「個体間の距離」を「パーソナル・スペース」と呼び、人は、だいたい8種類の 《パーソナル・スペース》 を使い分けることで、社会生活を円滑に営んでいる――と主張しています。
 この距離の問題については、当ブログのメイン・シリーズ『不純愛トーク』でも、取り上げたことがあります( 第44夜『ふたりの間を隔てる「4種類の距離」の意味』 参照)が、もう一度、復習しておきましょう。

【図・8種類のパーソナル・スペース】

距離の図

人が人に対してとる「距離」の意味

【密接距離】 親しい人間同士がとる、スキンシップが可能な距離。
《近接相》 10~15cm……恋人や夫婦、親子など、ごく親しい人間同士が、相手を抱きしめたりするときにとる距離。もちろん、SEXするときの距離も、これ。
《遠方相》 15~45cm……手で相手の体に触れることのできる距離。もっぱら親しい人間同士の間で使われ、親しくない人間がこの距離に侵入してくると、かなり緊張する。満員電車を不快と感じるのも、それが理由。

【個体距離】 友人同士のような私的なコミュニケーションに使われる距離。
《近接相》 45~75cm……どちらかが手を伸ばせば、相手に触れることのできる距離。異性同士がこの距離まで接近すると、性的な意味を持つ場合もある。
《遠方相》 75~120cm……両方が手を伸ばせば、相手の指先に触れることのできる距離。身体的に相手を支配する距離の限界とされ、まだ、この距離までは、相手の表情の微妙な変化なども読み取ることができるので、親密な会話などではしばしば使われる。

【社会距離】 仕事や社交などの公的な関係で使われる距離。
《近接相》 120~210cm……相手に触れることも、細かな表情も読み取ることのできない距離。友人ではないが、仕事上の仲間であるという関係や、初対面同士のあいさつなどに使われることが多い。
《遠方相》 210~360cm……おたがいに干渉せず、きわめて形式的、事務的にコミュニケーションを交わすときの距離。平社員が社長と話をするときの距離は、だいたいこれ。

【公衆距離】 個人的なコミュニケーションがとれない距離。
《近接相》 210~360cm……相手の様子がわからなくなり、個人的なコミュニケーションがほとんど成立しない距離。相手から逃げたい場合は、常にこの距離を保とうとする。
《遠方相》 360cm以上……演説会や講演などで使われる「一対多」の距離。政治家と支持者、スターとファンとの間では、この距離がキープされることが多い。

 フム……と、長住は考えました。
 この8種類の《パーソナル・スペース》の意味を理解しておけば、男の心も、女の心も、容易に操作できるのではないか?
 意図的に彼女に接近することによって《親近感》を彼女のハートに植え付けること(←言われなくても、やってますけどね、私の場合は)もできるし、イヤな上司にはできるだけ遠くから声をかけるようにして、「ちょっと帰りに一杯やろうか?」と誘われる危険を事前に回避することだってできる。
 こういうことは、すでにみなさんも、無意識のうちにやっているかもしれませんね。
 ということは……です。
 相手があなたに対して何かの行動をとるときの《距離》を観察すれば、その相手があなたに対して、ほんとは、どんな 《心理的距離》 を保とうとしているかも、わかってしまうんではないか?
 これが、本日のテーマです。
 以下、男女の間でよくありがちなシーンを例に、相手があなたに対して示している「距離の意味」を探ってみることにしましょう。
 通常、ターゲットへの距離的接近を試みるのは男性のほうが多いので、以下の例では、「近づこう」とする男性に対して、女性がどういう反応を示すか――を取り上げて解説しますが、近づく女性に男性が示す反応も、ほぼ同様と考えていいと思います。

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「上付き」と「下付き」。それぞれの取扱説明書

手と手 

彼女は「上付き」か「下付き」か? それによって、
男の進入角度は変わってきます。その取説――。


 性とエッチの《雑学》file.21改訂版   R15 
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。

【今回のキーワード】 上付き 下付き 性交痛  345
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 筆者が、ことエッチに関して、まだ《若葉マーク》だった頃の話をしましょう。
 その頃、大学の同じサークルに、ホレていた彼女がいました。
 何度かデートを重ね、何通ものラブレターを書き、やっと彼女を下宿の四畳半に連れ込んだときのことであります。
 キスするのに4時間、オッパイにさわるのに4時間、彼女のパンツを脱がせるのに5時間と30分。やっと……彼女の体に重なることをお許し願った私は、喜び勇んで、そそり立ったナニ(その頃は、まだそそり立っておりました  )を彼女の《未開の処女地》へと、進軍させました。
 恥ずかしながら、そのとき、筆者はまだ童貞クンでありました。

  これがウワサの「膣」、俗に「お○○こ」と称されるものか。

 筆者は感涙にむせびながら、奮い立つそれを、彼女が固く閉ざしてきたそこ(ハイ、彼女も初心者でした)へ、雄々しくも猛々しく、突き立て――ようとしたのです。
 しかし、勉強不足の筆者は、彼女のそこの「取扱説明書」を読んでおりませんでした。
 それ行け、やれ行け!
 懸命に腰を動かすのですが、それは一向に彼女の中に入っていかないのです。
 ムリに送り込もうとすると、彼女は「痛い!」と悲鳴を挙げます。
 結局、その夜、私と彼女の「合体」は、不成功のままに終わってしまいました。

彼女の膣の位置が、挿入角度を決定する

  あのな、おまえ……。

 そのことを友人に話すと、その方面に関してだけは「一日の長」をもって認じるわが友が、鼻の穴をヒクヒクさせながら、のたまったのです。

  彼女、下付きだったんじゃないの? いいか? 女のそこってのはさ……。

 ていねいにも、わが友人は、ノートの切れ端に図まで描いて説明してくれたのですが、その解説するところを簡単にまとめると、女の膣には、「上付き」と「下付き」がある。したがって、そのどちらであるかによって、男はアングルを変えなければならない――という話でありました。

 目から目ヤニが落ちる(?)とは、このことです。
 アングルを学習した筆者は、後日、無事、彼女を歓喜の渕へといざなうことができたのでありました。

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荒野のバラと谷間のユリ〈36〉 キミは翼を得たか?

バラの花束


会社を辞めて3年。珍しい人間から電話が入った。
「おまえ、まだそんとこでくすぶってんのか?」
フィルムの試写やるから見に来いと小野田宏が言う。
そのフィルムのエネルギーは、ボクたちを変えた――。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第36章 
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この話は連載36回目です。最初から読みたい方は⇒こちらから、
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ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。そのまま、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子によれば、栞菜は「体を壊している」という。久しぶりに出社してきた栞菜の顔は、ゲッソリとやせていた。その翌週、「横領」を疑われた高島が、辞表を提出した。連座を疑われた栞菜にも、ゲスなウワサがささやかれた。栞菜のページからは精彩が失われていった。「励ましてあげなさいよ」と由美が言う。ある日、ボクは、栞菜を近くのカフェに誘った。栞菜の口から絞り出されたのは、「もう、前のようには会えない」だった。しかし、その理由には、高島は関係がない。ボクが幼少期から形成してきた「ある性質」。決別の理由は、いまさらどうしようもない、ボクの性質にあるように思われた。そんな中、異動が発表された。ボクと由美は、栞菜のいたグラフ班へ。栞菜は、ボクたちの企画班へ。慣れない部署と格闘した栞菜だったが、かのじょは3か月後、編集部を去った。「追わないで」の言葉を残して――




 雨宮栞菜がボクの前から姿を消して、秋が深まり、やがて冬が来て、それから春が来た。
 空虚に過ぎていく季節を横目に、ただ、あわただしく過ぎていく日々。
 そんなある日、思いもしない人物から電話を受けた。
 「オウ、松か? まだ、そんなとこにいるのか?」
 久しぶりに聞く野太い声。小野田宏だった。
 「そんなとこ」と言われると、少しムッ……とする。「おまえも進歩がないなぁ」と言われているような気がしたからだ。
 「エッ、いま、日本ですか?」
 「オゥよ、戻って来たゾ。おまえ、今週、時間が取れる日、あるか? 2時間くらいだけどよ」
 「それくらいだったら、何とかなりますよ。いつでも……」
 「じゃよ、銀座まで出て来いや。1丁目の『テアトルG』でよ、いま、オレたちのフィルムの上映会やってるから」
 小野田の言う「フィルム」というのは、ドキュメント・フィルムで、世界の辺境を回って撮ってきたものだと言う。自ら「バガボンド」であると言う小野田が、本来のフィールドで、本来の仕事をしてきた――ということだ。
 どこか、悔しくもある。自分にそれができるか――と言われると、たぶんムリだ。素直に見て、素直に「よかったですよ」と言えるかどうか、自信はなかったが、出かけてみることにした。
 『反乱~辺境から』とタイトルのつけられたそのフィルムは、小野田が企画し、取材し、それを、反体制派の映像作家として注目されていた安孫子靖が撮影したものだった。
 2時間弱に及ぶフィルムに収められていたのは、パレスチナでの軍事訓練に参加している日本の過激派組織の若者たち、かつて日本の統治下にあった南太平洋の島で日本軍による虐待の補償を求めて声を挙げている島民たち、ベトナム戦争で薬物中毒に陥り治療施設に収監されているアメリカのベトナム帰還兵、そして、南米の未開地で生存権を奪われようとしているインディオの部落……。
 そういう映像を、余計な解説を加えず、淡々と映し出していくだけのフィルム。見終わると、どっと肩に重みが加わっているのがわかった。
 上映会が終わって会場の出口へ向かうと、小野田が腕組みをして待ち構えていた。
 「ま、一応さ、感想ぐらいは聞かせてくれや」
 そういうの、苦手なんだよなぁ――と思いながら、「よかったですよ」と言うと、「おまえよ……」と、小野田は呆れたような声を出した。
 「女子高生にライブの感想、訊いてんじゃねェんだからよ」
 「あれ、よく撮れましたよね。薬物中毒米兵の治療室。迫力ありましたよ。ただ、もうちょっと……」
 言い淀んでいると、「もうちょっと……何だよ?」と突っ込まれた。
 「あえて言うと、もう少し、矛盾を構造的に見る視点が欲しかったかなぁ……とは思いましたけど……」
 「そういう辛辣なこと言われるとよ、凹むんだよな、ちょっと……」
 「だから、よかったです――つったじゃないですか」
 「ま、いいや。おまえらしい感想だわ」
 「時間あるんならつき合え」と言われて、近くの喫茶店でコーヒーを飲むことにした。

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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

「愛国心」と「愛郷心」は、まったく別物である



カラス 不純愛トーク  ――愛について、哲雄とAKIが語り合うトークスタイルの記事です。
Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。

 第355夜   【本日のテーマ】 「愛国心」と「愛郷心」は、まったくの別物
前回、「人はなぜ、旗のもとに集まりたがるのか?」という話をして、人が「社会」というまとまりを作るときには、何かしらの「共同の幻想」を必要とする――と申し上げました。その「幻想」の最たるものが「国家」。今回の話は、その続き。実は、結びつきの弱い社会ほど、強力な「幻想」を必要とし、「国家」を前面に押し立てて、「愛国心」を鼓舞しようとします。しかし、それは、人が自然に、自分が生まれ育った郷土を愛しいつくしもうとする「愛郷心」とは、まったくの別物なのです――。

【今回のキーワード】 愛国心 愛郷心
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哲雄 AKIクン、突然ですが、キミは、自分が「日本人」であることを「誇らしい」と思っていますか? それとも、「恥ずかしい」と思っていますか?

AKI いきなりですねェ。ショージキ言うと、両方あります。たとえば、一時期、日本の男たちが、札束抱えて、東南アジアなんかに盛んに「女を買い」に出かけてたことがありましたよね。「セックス・アニマル」なんて呼ばれて、私、チョー恥ずかしかった。バブル期には、日本のオバちゃんたちがパリやミラノに出かけちゃ、ブランド品を爆買いしてました。いまの中国人たちみたいに……。あれも、ずいぶん叩かれてましたよね。ああいうのを見ると、ナイーブな私なんかは、日本人でいることが恥ずかしくなってしまうんですよ。子ども心にも、「日本のおとなたちは、ロクなもんじゃないわ」って感じて……。

哲雄 なるほど。清く、正しい「日本人」を自認するAKIクンとしては、そういうのが恥ずかしかった――と。よくわかります。

AKI 哲ジイは? そいう恥ずかしさ、感じたことってあります?

哲雄 もちろん、ありますよ。キミが「恥ずかしい」と感じたような姿を見ても感じますけど、それとは逆の姿を見てもね。

AKI 逆の姿? 何ですか、それ?

哲雄 オレたちはリッパだゾ――と、誇示するような姿です。たとえば、ウイニング・ラン

AKI ああ、あれですね? レースに勝った後で、国旗を掲げたり、頭から国旗を被って場内一周したりする――っていうやつですね? あれが恥ずかしいんですか、哲ジイは?

哲雄 顔から火が出るほど恥ずかしいです。ああいうことをするのは、私が見る限り、二流の国が多い。「どうだい、オレたちの国、すごいだろう」と、顕示しているように見えるからです。たとえば、何年か前に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、韓国チームが日本を破ったとき、韓国の選手たちが、ピッチャーズ・マウンドに国旗を突き立てて、ヒンシュクを買ったことがありました。

AKI あ、それ、覚えてる! なんか、あのとき、いろいろ批判されたんですよね? 哲ジイは、ああいうことをするのは「二流国」だと思うんですか?

哲雄 そうです。私が「二流」と言うのは、「民度」が低い――ってことなんですがね。

AKI 「民度」? それって、具体的には?

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テーマ : 愛し方・愛され方
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荒野のバラと谷間のユリ〈35〉 何も告げず、去ってゆく人

バラの花束


異動を命じられて3カ月後、慣れない仕事と
悪戦苦闘した末に、栞菜は編集部を去った。
飼い主になれなくてごめん――と謝るボクに、
「さよなら」とだけ言い残して……。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第35章 
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この話は連載35回目です。最初から読みたい方は⇒こちらから、
   前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。

ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。そのまま、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子によれば、栞菜は「体を壊している」という。久しぶりに出社してきた栞菜の顔は、ゲッソリとやせていた。その翌週、「横領」を疑われた高島が、辞表を提出した。連座を疑われた栞菜にも、ゲスなウワサがささやかれた。栞菜のページからは精彩が失われていった。「励ましてあげなさいよ」と由美が言う。ある日、ボクは、栞菜を近くのカフェに誘った。栞菜の口から絞り出されたのは、「もう、前のようには会えない」だった。しかし、その理由には、高島は関係がない。ボクが幼少期から形成してきた「ある性質」。決別の理由は、いまさらどうしようもない、ボクの性質にあるように思われた。そんな中、ボクと由美の異動が決まった――




 ボクと戸村由美は、転属の辞令を受けて、グラフ班に異動した。
 ファッションや美容や料理の担当は、ボクにとって、仕事としてあまり面白いとは言えなかった。
 おそらく、小野田宏であれば、「やってらんねェよ」と席を蹴ったに違いない。
 しかし、4色製版のノウハウを覚え込むことは、将来にわたって有益とも思われた。
 モデルにどんな服を着せるか、どんなメイクアップをほどこすか、どんな料理をどんな食器に盛るか……などは、それぞれのプロにまかせるしかなかったが、カメラマンにどんなレンズを選ばせ、どんなアングルで撮らせ、どういう照明を当てれば、どんな写真が仕上がるか、上がった写真の色調をどう補整するか、ページにどんな色をつければその記事が目立つか……など、もっぱら入稿に関する専門的な知識は、編集者として自ら修得するしかない。
 専門書を読み漁り、印刷会社の営業に頼んで製版の工程を見学させてもらい、4色製版のノウハウをものすごい勢いで身に着けていった。

 雨宮栞菜は、苦戦していた。
 グラフ班の場合と違って、活版の企画ものの記事を創る場合には、企画性が問われる。その「企画性」の中には、人が「常識的」としている考えを覆して見せたり、その盲点をついてみたりする複雑な知的作業が含まれる。その「複雑な」ということの中には、「世の中をうがって見る」ということも含まれる。
 栞菜にそれをやらせるのは、少し、酷ではないか――とも思われた。
 困った栞菜は、その都度、ボクに救いを求めてきた。
 「この《妻の浮気》っていうテーマなんだけど、『レディ友』としては、浮気をすすめるっていう姿勢でいいの?」
 「もちろん。でもさ、ただ、《すすめる》だけじゃあ、当たり前すぎるでしょ。たとえば、そこにいろんなバリエーションを工夫して、《月1浮気》とか《ごほうび浮気》とか《お泊り浮気》とか……いろんなパターンを提案するとかさ。でなきゃ、徹底的に実用的な記事にしてしまうって方法もあるよね」
 「実用? 浮気を実用にしちゃうの?」
 「ここまで実用にしてくれるのか――って、読者に思わせることができたら、記事としては成功だと思うよ。たとえば、100%バレないアリバイの作り方とか、うっかり残してしまう浮気の証拠とかさ、そういうのをこれでもか……って思うくらい、見せてあげる。でもさ……」
 「でも、何?」
 「そういう下世話な記事の作り方、キミには合わないよね。合うようになってほしいとも思わないし……」
 「でも、しょうがないわ。辞令だから……」
 頭を抱える栞菜につき添って、徹夜で入稿作業につき合ったこともあった。
 しかし、そうしてつき合えばつき合うほど、ボクは、それまで栞菜が持っていた「感性の輝き」を曇らせていくように思えて、気が滅入った。

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嫌われる失敗談、愛される失敗談

手と手

「自分はこんなにバカ」と思わせるために、人はよく、
自分の「失敗談」を披露します。しかし、その失敗談には、
愛されるものもあれば、嫌われるものも。その分かれ目は……。


 愛の会話力レッスン   レッスン63(改訂版) 
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 「自分はエラい」を見せようとする人間よりも、「自分はこんなにバカ」と思わせる人間のほうが、一般的には、人に好かれます。
 自分を「バカだねェ」と思わせるのに効果あり――なのが、「失敗談」の披露です。
 この失敗談には、いくつか条件があります。

 ①軽く笑える程度の「明るい失敗談」であること。
 ②その「失敗」の中に、本人の「憎めない人柄」がにじみ出ていること。
 ③他人に迷惑をかけたり、害を及ぼした「失敗」ではないこと。
 ④眉をしかめたくなるような、リアルで汚い失敗談や下ネタではないこと。

 などです。
 たとえば、こんな「失敗談」は、いずれもこの条件を踏み外し、熱っぽく語れば語るほど、引かれてしまいます。

 NG1  司法試験をもう15回も失敗してさぁ、気がついたらもうすぐ40だよ。
⇒深刻すぎて笑えません。

 NG2  私、落っことすの、得意なんだよね。こないだも、ベランダから植木鉢落としちゃってさぁ。下を歩いてたおばあちゃん、病院送りにしちゃった。
⇒人を傷つけたら、シャレになりません。

 NG3  こないだ、大便した後でトイレにペーパーがないことに気づいてさぁ。探したんだけど、持ってた紙っちゃ、1万円札しかなかったの。しょうがないから、それを4つに折って拭いて、また折って拭いて……ってやって、でもさ、金、それしかないじゃん。しょうがないから、水洗の水で洗って、支払いに充てたんだけど、レジのおねェさんが、変な顔すんのよ。「ニセ札じゃないか」って、電灯に透かしたり、ニオイ嗅いだりしてさぁ。オレ、ヒヤヒヤだったよ。
⇒汚すぎて、聞いてられなくなります。

 人が笑って聞いてくれて、その結果、聞いている人が「この人、いい人」と思ってくれそうな失敗談。そういう失敗談は、その場で作ろうと思ってもムリなので、私は、頭の中に「失敗談ネタ帳」のような引き出しを作っておいて、折にふれ、機に応じて、その中から手ごろなものを引っ張り出すようにしています。
 ちょっとだけ、ご紹介しておきましょうか?

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荒野のバラと谷間のユリ〈34〉 もう、前のようには会えない…

バラの花束


「もう、前のようには会えないわ」
栞菜の口から絞り出された言葉に、ボクの想いは、
シャットダウンされた。理由は、語られなかった。
しかし、想像はできた。それは……。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第34章 
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ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。そのまま、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子によれば、栞菜は「体を壊している」という。久しぶりに出社してきた栞菜の顔は、ゲッソリとやせていた。その翌週、「横領」を疑われた高島が、辞表を提出した。連座を疑われた栞菜にも、ゲスなウワサがささやかれた。そんな中、栞菜のページからは精彩が失われていった。「励ましてあげなさいよ」と由美が言う。ある日、ボクは、栞菜を近くのカフェに誘った――




 「わたし……」と、雨宮栞菜は顔を上げると、ボクの目をまっすぐに見て言った。
 「松原さんと、前みたいに会うことは、もうできないんだ……」
 想像もしていない言葉が、その口から絞り出された。
 「エッ、ど、どうして……?」
 それだけ言うのがやっと……だった。
 しかし、ボクの「どうして?」に、答えは返ってこなかった。
 「もしかして……高島さんとのことを……」
 「それは関係ないわ」
 言いかけたボクの言葉を、栞菜は即座に否定した。
 強制シャットダウンされたように、ボクの言葉は、行き場を失った。
 「いろいろ訊かれたわ、有村部長たちには。根掘り葉掘り……」
 栞菜はイヤなことを思い出した――というふうに、首を振った。
 「でも、これだけは言っておくわ。あなたと前のようには会えないっていうことと、有村部長たちが私に問い質したこととは、まったく関係がないことなの。これは、私の心の中の問題……」
 「それは、ボクに対する気持ちが変わった――っていうこと?」
 「そう思ってもらってもいい……」
 「でも、その理由は、教えてくれないんだ?」
 栞菜は、黙ってうなずいた。
 沈黙が、ボクたちの席を支配した。
 ボクが、ひと口、コーヒーをすすると、栞菜もやや遅れて、ミルクティーをひと口すする。
 そうしてたがい違いにコーヒーとティーをすすっては、カップをソーサーに戻すカチャッ……という音だけが、窓際の沈黙の世界に響いた。
 その窓の外を、ひと組の親子が通り過ぎていった。
 まだ若い母親と、その後をよちよちと歩いて行く小さな女の子。
 その女の子が窓の中のボクたちを見て、目と目があった。
 バイバイと手を振ると、女の子は、もみじのような手でバイバイを返して、それが急に恥ずかしくなったのか、「ママ―」というふうに母親の後を追っていった。
 つい、頬が緩む。
 それを見ていた栞菜が、つぶやくように言った。
 「子ども、嫌いなんじゃなかったっけ」
 その言葉には、非難の調子が含まれているように感じられた。

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簡単に「神」を創り出す危険な性質=「偶像化」を戒めよう

キング牧師の演説 若者たちへ。24の手紙   11 
「いま」を生きる若者たちへ、愛と連帯を込めて。

簡単にモノや人を「神扱い」して、「偶像化」してしまう。
日本人に多く見られるこの精神的傾向は、とても危険だ、
と私は思います。かつて日本を「軍国一色」に導いたのも、
この「偶像化」の結果。必要なのは、冷静に批判する力です。


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 かつて、軍国・日本の支配者たちは、「戦死したら神として靖国神社に祀られる」と国民を教導して、戦地に赴かせました。
 その神が「英霊」と呼ばれたこと。その「英霊」という言葉が創られたのは、20世紀になってからであること。日露戦争で大量の戦死者を出し、国民の間に「厭戦気分」が広がることを防ぐためだった――という話を、前回の手紙ではお話したんでしたよね。
 そんな「神」まででっち上げて、国民の命を戦地に駆り立てようとした戦争指導者の罪は、とても許せるものではない――と、筆者は思いますし、その「神」を参拝することを「日本の伝統」と偽ってはばからない現政権の右派政治家たちも、同罪だと思っています。
 しかし――と、長住は思うのです。
 それは、政治家たちだけの責任だっただろうか――と。
 日本の神をインスタント化した「英霊」というトリックを思いついた、当時のこの国の指導者たちのワル知恵は、確かに巧妙で、国民がそのトリックにかかってしまうのもムリないこととは思うのですが、しかし、簡単にトリックにかかってしまった国民のほうには、瑕疵はなかったのでしょうか?
 残念ながら、あった――と言わざるを得ない。私は、そう思っています。

 日露戦争の勝利を提灯行列で祝う。
 特攻攻撃で散った若者たちを「神鷲」などと持ち上げる。←飛び立つ隊員たちは、自分たちを「拝み」に来る年配の婦人たちなどを見て、「オレたちは、神になるために飛び立つんじゃない。神様なんぞはまっぴらごめんだ」と、胸の内でつぶやいたそうです。
 大本営が発表するウソっぱちの戦果を信じて、「勝った、勝った!」と浮かれる。
 「国防婦人会」などの婦人団体が結成されて、出征兵士を励ますなどの活動を熱心に展開し、地域では、反戦的思想の持ち主を摘発するなどの自警活動を行った。

 などなどの現象を見ると、軍部が始動する戦意高揚の尻馬に乗って騒ぎ立て、それを煽り立てたのは、民衆自身ではなかったか――とも見えるのです。
 大衆というものは、いつでも、そういうふうに、支配者の誘導に操られてしまう性質を、多かれ少なかれ持っている。よい誘導にも乗っかってしまうけれど、わるい誘導にも乗ってしまう。
 このことをしっかり自覚しておかないと、私たちは簡単に権力者の意図に操られ、彼らが望むとおりの「バカな国民」を演じることになってしまいます。

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「女子高教師」のジレンマ

看護師4  AKIの宅配日誌

 カルテ4  女子高教師のジレンマ
            顧客データ――35歳・女子高校教師 未既婚は不明  

こんばんは。出張エステティシャンのAKIです。
今回からは、私が出張で出会った
変わったお客さんの話。1番バッターは――。


 R18  性的表現が中心の官能読み物です。
     18歳未満の方は、ご退出ください。

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 「わるいけど、これ、着てくれないか?」
 その人が取り出してきた衣装を見て、わたし、思わず、ギョッ……てなっちゃった。
 それ、某有名女子高校の制服(セーラー服)だったんです。
 「すみません。うちのお店、そういうサービスはしてないんですけど……」って、わたし、断ったの。
 うちのサロンでは、わたしたちエステティシャンは、病院のナースのような施術服を着て仕事することになってて、それを脱ぐことは、禁止行為なのね。もちろん、お客さんが提供する服を着るコスプレみたいなことも、禁止事項のひとつ。
 だから「できません」って断ったんだけど、わたしが「ダメです」って言うと、そのお客さん、悲しそうな顔をして、「お願いだから」って言うの。
 「別にエッチなこととかしなくていいから。それを着て、私と話をしてくれるだけでいいから」って、土下座までするのね。
 お客さん、その制服の学校で「先生」をしてるんだって。
 お嬢さんが通うことで知られてる、けっこう有名な高校。そこで、国語を教えてる先生らしいんだけど、「辛い」って言うのね。
 毎日、毎日、制服を着た女の子たちに囲まれて仕事してるでしょ?
 中には、抱きしめたいって思うようなかわいい子もいる。
 そういう子を見ると、つい、ムラムラ……ってなって、スカートをめくり上げたくなったりする――っていうの。

女の子アイコン1
忘れられないその人は「教え子」

 ひとりだけ、そんな先生と「男と女」の関係になった教え子がいたんだって。
 5、6年も前の話で、その子はもう、結婚して一児の母になってるんだけど、どうやら先生、その子のことがまだ忘れられないらしいのね。
 で、制服は、そのときの彼女が残していったものらしいの。
 先生は、彼女の匂いとかが染みついたままのセーラー服を、クリーニングにも出さずに、大事にクローゼットにしまってるんだよね。つか、出せないでしょ、クリーニングになんて。どう見ても、ヘンだもん。中年のオヤジがセーラー服をクリーニングに持っていったりしたら、ヘタしたら「変態か」と思われてしまうでしょ?
 ま、こういう話を聞かされてしまうとねェ――。
 人情派エステティシャンのAKIとしては、ムゲに「ダメ」と突っぱねるわけにもいかないわけですよ。
 着てあげました。
 ちょっと、あこがれの制服でもあったしね。

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荒野のバラと谷間のユリ〈33〉 傷だらけのネコ

バラの花束


栞菜の作るページから精彩が失われつつあった。
「励ましてあげなさいよ」と由美が言う。たぶん、
それは高島のせい。「あの男、私にも……」と、
由美が打ち明けた話に、ボクのハラワタは……。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第33章 
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この話は連載33回目です。最初から読みたい方は⇒こちらから、
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ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。そのまま、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子によれば、栞菜は「体を壊している」という。久しぶりに出社してきた栞菜の顔は、ゲッソリとやせていた。その翌週、「横領」を疑われた高島が、辞表を提出した。連座を疑われた栞菜にも、ゲスなウワサがささやかれた――




 雨宮栞菜が担当するページから、精彩が失われつつあった。
 選ぶモデルにも、以前のような個性が見られない。コーディネートにも斬新性が感じられない。ロケが少なくなり、スタジオ撮影が増えた。
 料理ページにも、ありふれた料理が並び、写真のアングルも平板なものが目立つようになった。
 「最近のグラフ・ページ、なんだか、おとなしいわね」
 刷り上がったばかりの見本誌を見て、戸村由美が感想をもらした。
 その指摘は、おそらく当たっている。栞菜の作る誌面からは、「やってやるゾ」という気迫のようなものが伝わってこない。
 「モチベーションを失ったのかな」
 「かわいそう……」
 ポツリ……ともらした由美が、ボクの顔を見て言った。
 「松原さん、元気づけてあげないの?」
 由美がボクと栞菜の関係をどこまで知っているのかはわからなかった。そして、栞菜と高島の間で起こったことを、どこまで知っているのかもわからなかった。しかし、その口調には、「冷たすぎはしないか?」と、ボクを責める響きが含まれているようにも感じられた。
 確かに、このまま放っておくのは、冷たいのかもしれない。何とか、元気づけたいとも思う。ただ、ボクには、その方法がわからないだけだった。
 「ちょっと……ごはん食べながら、話さない?」
 何か、あらたまって話がある――という風情なので、「じゃ、きょうはボクがおごる」と、近くのホテルのスカイラウンジに誘った。
 由美は、「エッ、こんなところ!?」と、驚いた顔をしたが、おそらく由美の話は、あまり人に聞かれたくない話だろうと思ったので、少し、ムリをした。

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テーマ : 官能小説
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男は、いかにして、マスターベーションを「発明」するのか?

手と手 

ペニスを触ると気持ちがよくなる。男はそれを、いつ、
どうやって発見するのか?――について。


 性とエッチの《雑学》file.20   R15 
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。

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 前回、女の子はどうやって、ヴァギナやクリトリスの快感に目覚めるか――という話をしました。
  参照 『女はいつ、どうやって、その快感に目覚めるのか?』

 では、男の子の場合はどうか?
 ペニスというものは、さわれば気持ちのいいものである――ということに、男はいつ頃、どうやって気づくのでしょうか?
 本日は、その話をさせていただきたいと思います。

 人の「無意識」に光を当てた精神分析学の開祖・フロイトは、人の意識の発達段階を、全部で5段階に分けて解説しています。
 簡単にまとめておきましょう。

《口唇期》 =0~2歳……母親の乳首を吸うことを快感と感じる段階。
《肛門期》 =3~4歳……排便することを快感と感じる段階。
《男根期》 =5~6歳……性器に触れることを快感と感じる段階。
《潜伏期》 =6~13歳……興味の対象が同性に注がれる段階。
《性器期》 =思春期以降……特定の異性を欲望の対象として見るようになる段階。

 この発達の仕方には個人差があり、たとえば、いつまでも《口唇期》への固着が強いと、飲酒・喫煙癖が克服できなかったり、女性に対しても、その衣服(特に下着)などへの執着が強くなったりしますし、《肛門期》への固着が強いと、SやMに走る性的傾向が生まれる場合がある――などと言われているのですが、ま、この話は、いずれ機会をあらためてすることにしましょう。

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ビンボー人よ、団結して妻を娶れ!~おげさまでベスト20

メール読む「Kindle」から出版した管理人の小説、
おかげさまで「無料キャンペーン」の期間中、
「Kindle本」の「アマゾンランキング(無料)」で、
最高14位を記録しました。いまは、有料販売。
これからもガンバるゾ――な決意表明です。


 From「虹BOOKS」~file.5 
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 「結婚なんかしたくない」と考える男女が増える一方で、「したいけど、できない」という男女も、確実に、増えている――と言われています。
 「できない」という最大の理由は、「金がない」です。
 男も女も働かなくては生きていけない――という社会にしておきながら、保育園が足りない、保育士が足りない、あまりの低賃金ゆえに、そのなり手もいない。
 そんな「格差社会」の中で、家族の形を創り、子どもを育てていくには、どうすればいいのか?

 ビンボー人よ、団結して妻を持て!
 力を合わせて、子どもを育てよ!


 そんな主張を込めて、私は、それを一冊の本にまとめました。
 「格差社会」の底辺と言ってもいい、時給740円の倉庫作業の現場で出会った男女3人が、明るく前向きな女性の言葉に導かれて、シェアハウスでの共同生活を始め、「新しい家族」を築き上げていく――という物語。
 この物語の中には、日本の社会が抱えるいろんな問題が登場します。

[1] 携帯電話一本で、労働者を好きなときに好きなだけ集め、最低賃金でこき使う「派遣労働」というシステム。

[2] 「分譲」という形で一度に大量に住宅を供給するため、同一地域が、ほぼ均質な世代で構成されるいびつなコミュニティを形成してしまい、それが何十年後かには、一斉に高齢化して、一地域がまるごとゴーストタウン化してしまうという問題が生じること。

[3] 作っては使い捨てるという住宅政策の結果、都市部には後継者のいない「放置家屋」が出現して、有効な解決策が見いだせないでいること。

[4] 人口の一極集中が進み、地方では保育園が廃園に追い込まれ、都市部では、深刻な保育所不足、保育士不足が生じていること。

[5] 働く人間の「貧困化」が進み、それゆえに「結婚」も「出産」もできない現実が深刻化していること。

 これで、「1億総活躍せよ!」とは、何事か!
 そんな怒りを込めて書いた作品ですが、物語に登場する主人公たちは、「地縁社会」の再生という意思を込め、知恵を働かせて、「新しい家族の形」を創り上げていきます。

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テーマ : 官能小説
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荒野のバラと谷間のユリ〈32〉 告発の行方

バラの花束


久しぶりに編集部に顔を出した栞菜は、ゲッソリと
頬がこけて見えた。翌週、高島が辞表を提出した。
「横領」の疑惑。連座が疑われた栞菜には、
心ないウワサが飛び交った――。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第32章 
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この話は連載32回目です。最初から読みたい方は⇒こちらから、
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ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、帰ってこなかった。それからしばらく、栞菜の姿が編集部から消えた。稲田敦子は、「あの子、体を壊しているのよ」という。そのトラブルは、「婦人科系」だった――




 4日ぶりに編集部に顔を見せた雨宮栞菜は、少し顔色がわるかった。
 頬も、ちょっと、ゲッソリしたように見えた。
 「もう大丈夫なの?」
 「エッ……!?」
 ボクがかけた声に、栞菜は、意外だ――という顔をした。
 「病気だったんでしょう?」
 「私が……? だれがそんなことを?」
 稲田敦子の情報だ――とは言えなかった。
 「違うの?」
 「ちょっと……体調を崩しただけ。でも、もう大丈夫」
 強がってそう言っているのか、それとも、何かシリアスな状態を隠そうとしているのか、言葉の調子からだけでは判断できなかった。
 「だったらいいけど、でも、雨宮さんって、いま、ちょっと仕事多持たされすぎだよね。グラフ班の欠員も埋められてないし……少し、会社を突いてみるよ」
 「ありがとう。でも、わたしの体調とそれは……あんまり、関係ないんだ」
 「そうかぁ。でも、体調わるいんでしょ? いっぺん、医者に診てもらったほうが……」
 「いいの」
 「しかし、あんまりムリすると、また……」
 「好きじゃないんだよね」
 「エッ……!?」
 「そんなふうに心配されるの、あんまり好きじゃないの」
 どこか、言い方が投げやりに聞こえる。
 まるでだれかに毒でも飲まされたかのように、その口調には、トゲが含まれていた。
 自信のある人ほど、あの人の毒にやられる――。
 由美の言った言葉が頭の片隅から立ち上って、ボクの脳を支配した。

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人なぜ、「旗」のもとに集まろうとするのか?



カラス 不純愛トーク  ――愛について、哲雄とAKIが語り合うトークスタイルの記事です。
Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。

 第354夜   【本日のテーマ】 人はなぜ、「旗」のもとに集まろうとするのか?
成員に「ハラスメント」を働くような組織では、それが家庭であれ、会社であれ、国家であれ、「自分が正しい」という「錦の御旗」を押し立てようとします。実は、自然発生的でないあらゆるグループは、この「錦の御旗」を、何らかの形で必要としています。それは、バラバラの成員をひとつにまとめるための「共同の幻想」でもあるのです――。

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AKI かつては「家」という錦の御旗が、戦後は「豊かなマイホーム」という「錦の御旗」が、「家族へのハラスメント」の盾として使われてきた。前回は、そんな話をしたんですよね。

哲雄 つまり、こうも言えます。人にハラスメントを加えようとする人間は、相手が逆らうことのできない「権威」を持ち出すことによって、自分の言うことを聞かせようとする。そんな「錦の御旗」を振りかざす組織の中では、家庭であろうと、学校であろうと、会社であろうと、さらには国家であろうと、「ハラスメント」が堂々と行われる。

AKI 錦の御旗」ってそんなに強いんですか? てか、「錦の御旗」ってそもそも何?

哲雄 「錦」というのは、いろんな色の糸を使って、美しい柄を織り出した絹織物のことを言います。織物にしたものを染めるのではなくて、違う色の糸を織り合わせることによって柄を織り出す、とても高価な織物なんですよ。「錦の御旗」というのは、その「錦」を使って作った旗のことを言います。

AKI その旗はだれが作るんです?

哲雄 天皇です。というか、天皇の意を得た側近が作るわけですが、この旗は何のために使われるかと言うと、「われわれは天皇の軍隊である」ということを示す「軍旗」として使われるわけです。

AKI そう言えば、「あれは、朝的征伐せよとの錦の御旗じゃないかいな~」って、歌の文句にもありましたねェ。

哲雄 元々は、「承久の乱」で後鳥羽上皇が部下の将に与えたのが最初とされていますが、この旗を掲げることによって、「自分たちは官軍である」ということを示すとともに、相手に対しては、「おまえたちは賊軍であるゾ」と示すことになるわけです。幕末には、薩摩と長州が、この「錦の御旗」を掲げていい――という上意を得るために、必死に工作したと言われています。

AKI その結果、薩長は「錦の御旗」を得て「官軍」となり、幕府軍は「賊軍」ということになったんですね?

哲雄 そうです。その旗が薩長軍の先頭に翻るのを見て、幕軍の将兵たちは、戦意を喪失したとも言われています。ま、歴史の話はさておいてです――。

AKI ハラスメントを加える側の人間たちは、何かと言うと、そういう「錦の御旗」を押し立てようとしたがる――と、そういう話をしたいわけですね、哲ジイは?

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テーマ : 愛し方・愛され方
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「いい人」にされてしまうと、エッチできなくなる?

女の子ヘッドホン  男の本心・女の本心~38 《改訂版》 

あなたは女性から「いい人ね」と言われたことがありますか?
「いい人」と言われて、男は喜ぶべきなのか、それとも落胆すべき?
実は、この言葉の意味は、状況でガラリと変わってしまうのです。


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 私たちは、しばしば、「いい人」という言葉を使います。いや、使われます。
 「ステキな人」とか「いい女」「いい男」とかじゃなくて、「いい人」。
 あなたは、これを言われてうれしくなりますか?
 それとも、ムッとしますか?
 ちなみに筆者も、過去、たびたび、この言葉を女性から言われたことがあるのですが、そのときは、ガッカリした――ような気憶があります。
 実は、この言葉、使われたシチュエーションによって、その意味するところが大きく変わります。
 昔、こんな歌が流行ったことがありました。

 ほんとにあなたっていい人ね~♪
 でも、ただ、それだけよ~♪


 歌に歌われた「いい人」は、「それだけ」の存在。つまり、人間としては「いい人」だけど、けっして「性的な存在」にはなれないよ――と言っているわけです。
 当時の筆者の先輩などは、したり顔でこんな忠告をしてくれたりもしたのでした。

  いいか、長住。女に「いい人」なんて言われるようじゃ、ダメだぞ。
   「わるい人」とか「怖い人」と言わせるようでなくちゃ。
   オイ、聞いてんのか。


 全然、聞いてませんでした、長住は。
 というのも、「いい人」は、けっして「それだけ」ではない――と確信していたからです。
 では、男が女に、女が男に向かって口にする「いい人」には、どんな「隠された意味」が含まれているのか?
 本日は、そんな話をしてみたいと思います。

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荒野のバラと谷間のユリ〈31〉 野良ネコ、婦人科の病…?

バラの花束「あんなことするから…」。
栞菜が残した言葉の意味は…?


栞菜がしばらく編集部に顔を見せない。
心配するボクに、稲田敦子が言った。
「まったく、あの野良ネコは、困ったもんだわ」
栞菜は、婦人科系のトラブルに見舞われていた…。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第31章 
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ここまでのあらすじ 大学を卒業して、できたばかりの出版社「済美社」に入社したボク(松原英雄)は、配属された女性雑誌『レディ友』の編集部で、同じく新卒の2人の女子編集部員、雨宮栞菜、戸村由美と出会う。感性の勝った栞菜と、理性の勝った由美は、何事につけ比較される2人だった。机を並べて仕事する由美は、気軽に昼メシを食べに行ける女だったが、栞菜は声をかけにくい相手だった。その栞菜を連れ回していたのは、年上のデスク・小野田宏だった。栞菜には、いつも行動を共にしている女がいた。右も左もわからずこの世界に飛びこんだ栞菜に、一から仕事を教え込んだ稲田敦子。そのふたりに、あるとき、「ヒマ?」と声をかけられた。ついていくと、そこは新宿の「鈴屋」。「これ、私たちから引っ越し祝い」と渡されたのは、黄色いホーローのケトルとマグカップだった。その黄色は、ボクの部屋に夢の形を作り出す。そんなある夜、小野田に飲みに誘われた栞菜が、「松原クンも行かない?」と声をかけてきた。元ヒッピーだと言うママが経営するスナックで、ボクは小野田が、かつては辺境を漂白するバガボンドだったことを知らされる。その帰り、バガボンド小野田は、「一杯飲ませろ」と、ボクの部屋にやって来た。小野田は、黄色いマグカップでバーボンを飲みながら、自分の過去を語った。漂流時代にアマゾンを探検中、後輩を水難事故で死なせてしまったというのだった。やがて、年末闘争の季節がやって来た。組合の委員長・小野田は、「スト」を主張。書記のボクと副委員長の相川は、それをセーブにかかった。しかし、会社の回答は、ボクたちの予想をはるかに下回った。その回答を拒否することが決まった翌日、栞菜は部長たちと夜の銀座へ出かけ、由美はボクを夜食に誘って、「ストはやらないんでしょ?」とささやいた。女たちは、ほんとは、「スト」なんか望んではいないのだ。そんな中で開かれた第二次団交は、何とか妥結にいたり、栞菜の発案で、彼女と由美、ボクと河合の若者4人組で、祝杯を挙げることになった。その夜、珍しく酔った栞菜の体がボクの肩の上に落ちた。飲み会がお開きになると、稲田敦子と栞菜がボクの部屋を「見たい」とやって来た。「眠くなった」と稲田が奥の部屋に消えたあと、「飼いネコになりなよ」と発したボクの言葉に、栞菜は頭をすりつけ、唇と唇が、磁石のように吸い寄せられた。その翌々週、ボクたちは忘年会シーズンに突入した。珍しく酔った由美を送っていくことになったボクに、由美は、「介抱してくれないの?」とからんできた。一瞬、心が揺らいだが、酔った由美を籠絡する気にはなれなかった。その翌日、編集部に顔を出すと、小野田がひとりで荷物をまとめていた。「もう、この会社は辞める」と言うのだった。「荷物運ぶの手伝ってくれ」と言われて、蘭子ママの店に寄ると、小野田が言い出した。「おまえ、何で由美をやっちまわなかった?」。ママによれば、小野田にもホレた女がいたらしい。しかし、小野田は女から「タイプじゃない」と言われてしまったと言う。その女とは? 小野田が消えた編集部で、栞菜がボクに声をかけてきた。「ワインとパンがあるの。ふたりでクリスマスしない?」。ボクは栞菜を部屋に誘った。自分からセーターを脱ぎ、パンツを下ろした栞菜の肌は、磁気のように白かった。その体に重なって、初めて結ばれた栞菜とボク。週末になると、栞菜は、パンとワインを持ってボクの部屋を訪ねてくるようになった。彼女が持ち込む食器やテーブルウエアで、ボクの部屋は、栞菜の夢の色に染められていく。しかし、その夢の色は、ボクの胸を息苦しくもした。そんなとき、栞菜を慕う河合金治が、編集部で他の編集部員を殴った。1週間後、河合は会社に辞表を出した。もしかしてその責任の一端はボクにもあるのか? 胸を痛めるボクに河合が声をかけてきた。「ボクが辞めるの、キミが想像しているような理由じゃないからね」。小野田も河合もいなくなった編集部に、4月になって新人が2人、配属されてきた。うち1人が、高級婦人誌出身の高島。相川は、その高島を「エゴイスト」と断じ、「あれは危険な男だ」と言う。その高島を「トノ」と呼ぶ栞菜は、「あの人は、そんな人じゃないよ」と擁護した。そんな中、編集部は1週間の休暇に入った。「どこか行こうか?」と言い出したのは、栞菜だった。「予定を組まない旅がしたい」という栞菜とボクは、ブラリと電車に飛び乗り、山梨県の塩山で降りた。大菩薩峠の登山口にある山間の温泉宿。浴衣姿になった栞菜の白い肌に征服欲をたぎらせたボクは、彼女の浴衣の裾を開き、その股間に顔を潜らせた。情事を重ねた一夜が明けると、いつもの日常が足早に近づいてくる。「寄って行く?」と誘うボクに、栞菜は静かに首を振った。ある夏の日、新野がボクにささやきかけてきた。「知ってる? 雨宮ってさ、相当、インランらしいよ」。彼のスタッフが目撃したのは、資料室で高島のペニスをしゃぶる栞菜の姿だった。その高島に、「横領疑惑」が浮上した。ボクは相川に、高島と栞菜のダイビング旅行のことを確かめてほしいと頼まれた。しかし、彼女はボクの質問に「詮索されるのは好きじゃない」と顔を曇らせた。やがて、彼女の誕生日。その日、彼女は、デザイナー亀山のオフィスに出かけたまま、「不帰社」だと言う。その亀山からオフィスに電話が入った。「高島さん、もう出られましたか?」。頭の中に疑惑の黒い雲が湧いて出た――




 雨宮栞菜の姿が、編集部に見えない。
 最初は、「きょうはロケにでも行っているのだろう」と思った。
 それが翌日も、翌々日も……となったとき、ボクの中にムクムクと頭をもたげた不安があった。
 2日前。誕生日に「亀山オフィス」に出かけた栞菜が、そのまま帰って来なかった日の翌日だった。
 編集部に一本の電話がかかってきた。
 「雨宮さん、電話! 亀山オフィス」
 電話をとった部員が栞菜を呼ぶと、栞菜は気だるい調子で電話を手にした。
 「ハイ……」
 「知らないですよ、そんなこと……」
 話の内容はわからなかったが、栞菜の返事の仕方が、どこかおざなりに感じられた。
 断片的に聞こえてくる言葉の中に、気になるフレーズがあった。
 「おなか、痛くなっちゃったじゃない……」
 「ふたりで……あんなこと……するから……」
 あれは、どういう意味だったのか?
 あのフレーズと栞菜がオフィスに姿を見せないことの間に、何か関係があるのか?
 その疑問は、本人に訊くわけにもいかないし、だれかに相談するというわけにもいかなかった。
 4日目。稲田敦子が編集部にやって来て、栞菜のデスクで、何やら書類を引っ掻き回し始めた。
 「もう少し片づけておいてよ。これじゃ、何がどこにあるのかわからないじゃない……」
 ぶつぶつ言いながら、何か探している。
 「何か……?」と声をかけると、「写真が上がってきてるはずなんだけど」と言う。
 「写真だったら、下のキャビネットの中だと思う。いつも、そこに入れてるから」
 キャビネットを開けた敦子は、「あ、これか……」と、ポジの入った「東洋現像所」の袋を取り出して中身を確かめると、「間違いない、これだわ」とうなずいて、それをトートバッグにしまい込んだ。そのまま、編集部を出て行こうとする彼女に、「ね、稲田さん」と声をかけた。
 「雨宮さん、何かあったの?」
 稲田敦子は、ちょっと困ったような顔をして、「お茶しながらでもいい?」と外を指差した。

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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

私が「ブラック」にしたお客さまリスト

看護師4  AKIの宅配日誌

 カルテ3  私のブラックなお客さまたち
            顧客データ――今回はいろんなお客さまの話です  

わたしたちのお店には、守らないと、以後、
「サービスをお断りします」という規約があります。
わたしが「ブラック」にしたお客さまは――。


 R18  性的表現が中心の官能読み物です。
     18歳未満の方は、ご退出ください。

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 わたしは、どちらかと言うと、人には「寛容」な性質なんですよ、こう見えても。
 でもね、そんなわたしでも、「この人、ダメ! もう、呼ばれても行かない」と思うお客さまがいるんです。
 もちろん、お店のルールを破る人、破ろうとする人も、その程度がひどければ、「ブラック」にしちゃうんですが、でも、それだけじゃないんですね。
 あ、ルールにどんなことが書いてあるか――ですか?
 一応、ご紹介しておきましょうか?

サービスをお断りする場合がある行為~「誓約書」に書いてあること
[1] 施術者に暴力的に「性行為」を迫る行為。
[2] 施術者の体に執拗に触れようとする行為。
[3] 施術者に金品などを渡して性交渉を求める行為。
[4] 施術者の連絡先や住所などを不法な手段で手に入れようとする行為。
[5] 施術者の写真や動画を無断で撮る行為。
[6] 施術者を他店舗などに勧誘する行為。

 こういう行為があった場合には、サービスを停止し、以後の訪問をお断りする場合があります――って、「誓約書」には書いてあるんですけどね、でもね、こういう決まりって、女の子の判断次第ってところもあるでしょ?
 たとえば、[2]の「施術者の体に執拗に触れようとする」にしても、何を「執拗」と感じるかっていうのは、女の子の感性の問題だと思うんです。
 女の子によっては、ちょっと手がももに触れてきただけで、それを「執拗なタッチ」と感じて、「止めてください」と声を荒げたり、そのお客さんを「ブラック」にしてしまったりする子もいる。
 逆に、股間に手を伸ばされても、「それくらいはいいか」と、受け入れてしまう子もいる。
 わたしの場合……?
 ハッキリ言うと、相手によりけりなんですよね。

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テーマ : 愛し方・愛され方
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