荒野のバラと谷間のユリ〈1〉 情熱の人と理知の人

バラの花束バラは感性で情熱を迸らせ、
ユリは、理性で劣情を鎮めた。


パンダが初めて日本にやってきた年、
入社したばかりのボクが配属された編集部には、
同じく新入社の2人の女子編集部員がいた。
まるでバラとユリのように輝く2人に、ボクの心は…。



 連載小説/荒野のバラと谷間のユリ ――― 第1章 
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                       プロローグ  
 バラとユリ。
 もし、目の前に両方の花があったら、あなたなら、どちらの花を選ぶだろうか?
 バラだ――と言う人は、その華麗さに心を奪われるのだろう。
 ユリだ――と言う人は、その清楚さに心を吸いこまれるのかもしれない。
 しかし、バラは、うかつに手を伸ばすと、鋭い棘で手を刺されてしまう。
 そして、ユリは、うかつに抱え込もうとすると、拭っても拭っても落ちない花粉で白いシャツを台無しにしてしまう。
 バラの花には心を掻き乱されるが、ユリの花には心を鎮められる。
 そして人は、バラには情熱を奉げ、ユリには祈りを込めたくなる。
 そんなバラとユリが、突然、ボクの目の前に現れた。
 1972年。
 パンダが初めて日本にやって来た年だった。

                          

 TVは、毎日のように、そのニュースを伝えていた。

 日中国交回復の贈り物として、中国から2頭のパンダが日本にやって来る。
 その2頭が飛行機に積み込まれた。
 カンカンとランランを乗せた日航特別機が、とうとう羽田に到着した。
 旅の疲れも見せないパンダは、その日のうちに上野動物園に運ばれた。
 その姿を「ひと目みたい」と、上野公園のパンダ舎には、5万2千人もの人たちが行列を作った。
 街は、パンダ歓迎に湧き、便乗してさまざまな関連グッズが作られている。
 パンダをモチーフにしたイラスト入りの文具類。
 パンダの顔がプリントされたトレーナーを着て、街を歩く若者たち。
 日本中が、パンダ一色に塗りつぶされている。

 バッカじゃねェの……。
 点けっぱなしにしたTVから流れてくるそんなニュースにチラと目をやりながら、口の端でつぶやいていると、サッと目の前に差し出されたものがあった。
 コーヒーが注がれたマグカップだった。
 「インスタントだけど、よかったら……。昨日から寝てないんでしょ?」
 「ありがとう」
 朦朧としかかった頭で取っ手をつかむと、カップの腹に何やら絵がプリントされていた。
 何だ、コレ――と眺めていると、「かわいいでしょ?」と声がした。
 「変わったブタだね」
 「ブタ? それ、ブタに見える?」
 「ちょっと変わったブタだなぁ、とは思ったけど……」
 「パンダだよ」
 「フーン。パンダ、こんなとこまで浸透してんのかぁ」
 「ね、かわいくない?」
 「わるいけど……」と、ボクは言った。
 「パンダをかわいいと思ったこと、一度もないんだ」
 「そう。残念ね」
 「エッ、何が……?」
 「かわいいと思って買ってきたの。よかったらプレゼントしようと思ったんだけど、止めた。飲んだら、給湯室の流しに出しといてね」
 あっ、じゃあ――と、発言を撤回しようと思ったときには、雨宮栞菜(かんな)は、スタスタと自分の席に戻ってしまった。

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テーマ : 官能小説
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用もないのに「立つ」男、用があるのに「立たない」男

手と手 

用もないのに立つ。用があるのに立たない。男とは、
そういう生きもの。なぜ? そのメカニズムを解説――。


 性とエッチの《雑学》file.11 《改訂版》   R15 
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。

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 用もないのに、立つ。
 用があるのに、立たない。
 だいたい、男とは、そういう生きものです。


 「じっと座っててよ」と言うのに、手持ちぶさたになる(用がない状態です)と、立ち上がって部屋の中をウロつき回る。
 かと思うと、「あなた、ちょっと新聞取ってきてよ」と頼んでるのに、「ああ」と生返事を返すだけで、一向に腰を上げようとしない。
 うちの亭主もそうなのよ――とおっしゃる方も多いかと思いますが、今回の話は、そっちのほうじゃなくて、あっちのほう。

 そうです。その亭主なり、恋人なりの、リッパな(?)持ち物の話――。
 実は、コレ、持ち主である男性自身にとっても、やっかいな問題なんですよね。
 半世紀以上つき合ってきた筆者も、こんなふうに感じることがあります。

  まったく、こいつほどつき合いにくいヤツはいない。
 肝心のときに役に立たずに、用もないときに起きてきやがるんだから――と。


 女性のヴァギナは、ほとんどが随意筋に囲まれていますから、自分の意思で締めたり緩めたりということができますが、ペニスの場合はそうはいきません。
 いくら「立て」と命令しても、ウンともスーとも言わないことがありますし、いくら「落ち着け、鎮まれ」と命令しても、勝手に怒り狂うこともあります。
 なぜなのか?
 それは、「ボッキ」のメカニズムと関係しているのです。

 ペニスはどういう仕組みで大きくなるのか? その生理的メカニズムについては、本シリーズの第3回 『男をカチンカチンにする驚きの仕組み』 で説明しましたが、今回は、神経的仕組みについてお話しましょう。つまり、ボッキのメカニズムは、どんなときにスイッチが入るのか――という話です。

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亭主の「使用価値」と「交換価値」



カラス 不純愛トーク  ――愛について、哲雄とAKIが語り合うトークスタイルの記事です。
Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。

 第346夜   【本日のテーマ】 亭主の「使用価値」と「交換価値」
この世で「実」と言えるものは「関係性」のみ。前回は、そんな話をしました。ところが、現代人は、その「関係性」よりも、そこから生み出される「価値」にばかり目を奪われる傾向が……。今回は、その「価値」を「使用可価値」「交換価値」という側面から眺めてみます――。

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AKI 人生で「」ではない「」として残るもの、それは、「関係性」だ――と。前回は、そういう話をうかがったんでしたわね。

哲雄 ハイ。そして、私は知りました。キミが私との間に「無関係」という「関係性」を残そうとしていることを。

AKI あ、それは、つい口が滑って……。

哲雄 人間は、そうやってつい、隠しておいた本心を明かしてしまうものであります。ところで、私は思うのですがね。

AKI ハイ、何をでしょう?

哲雄 どうも、人間は、

 特に現代の人間たちは、その「関係性」よりも、
 その「関係性」から生み出される「価値」にばかり目を向ける傾向がある。


 そう思うんですよ。

AKI 「価値」? それって、いくらで売れるか――とか、そういう「価値」のことをおっしゃってるんですか?

哲雄 それもあるし、「これって使える」とか「役に立つ」という「価値」もあります。ややこしいから、こっちはマルクス流に「使用価値」と言っておきましょうか。そして、「いくらで売れるか?」という「価値」のほうは、「交換価値」としておきましょうか。これもマルクス流ですけどね。

AKI あの……マルクスって……?

哲雄 20世紀の初めに 『資本論』 を書いて、資本主義の仕組みを解明し、「マルクス主義経済学」の礎を築いた人。『共産党宣言』 を書いて、共産主義を世に説いた思想家でもあるのですが、その前に、人間が自ら生み出した生産物によって本来の人間性を喪失する「疎外」の概念を説いた哲学者でもありました。

AKI なんか、むずかしそう……。

哲雄 わかりやすい例でお話しましょう。たとえば、AKIクンがどこかの物好きな男と愛し合って、愚かにも結婚に踏み切ったとしましょうか?

AKI いちいち、のどに小骨の引っかかるような言い方ですが、それで……?

哲雄 「結婚の使用価値」は、どこにあると思います?

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「離婚歴」「失恋歴」は、「ハンデ」になる?

不細工美人 不細工&不器用事典 〈26〉  「離婚歴」「失恋歴」は、「ハンデ」になる?

「実は、結婚していたことがある」「実は、失恋したばかり」
こういう事実を隠そうとする人たちがいます。
しかし、それは隠すべき「ハンデ」なのでしょうか?
実はそれが「魅力」になる場合もある、という話を――。


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 これを明かしたら、ハンデになる。
 そう思うと、人は、自分の「過去」を隠そうとする場合があります。
 犯罪を犯したことがある、借金で破産したあるいはしそうになったことがある――こういう過去は、たいていの場合、隠そうとします。
 大した学校を出てない――を気に病む人なら、人から「出身校」を尋ねられても、「いや、大した学校は出てないから」と、口を濁してしまうかもしれません。
 では、恋愛歴についてはどうでしょう?
 過去、どんな男または女とつき合ってきたか、その結果、どうなったか?
 こういう過去歴を隠そうとする傾向は、どちらかと言うと、女性のほうが強いのかもしれません。
 その最たるものが、これでしょう。

  実は、結婚してたことがあるの。

 こんな過去を打ち明けられたら、男はどう思うか?
 立場を逆にして、女だったらどう思うか?
 実は、この受け取り方が、人によってまったく違ってしまうのです。

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チュンリーの恋〈終章〉 永遠のロザリオ

smile.jpg 

「チュンリーが死んだ」――劉学慶から知らせを受けた彰男は、
学慶の店に行き、飾られた遺影に手を合わせた。「あなたに
渡してほしいと頼まれたものがある」と学慶。それは―― 


 マリアたちへ   第19話 
チュンリーの恋〈終章〉

 前回までのあらすじ  粟野隆一のオフィス開設祝いに出席した末吉彰男は、粟野から「末吉さんの後輩ですよ」と、ひとりの女性を紹介された。名前を劉春麗。彰男の母校・Y大を留学生として卒業し、いまは、マスコミで仕事する機会を探しているという。「いろいろ教えてやってください」と粟野に頼まれて、「私でよければ」と名刺を渡すと、すぐに電話がかかってきた。春麗は、日本の雑誌や新聞で、日中の架け橋になるような仕事がしたいと言う。そのためには、完全な日本語表記能力が求められる。その話をすると、「ラブレターでも書いてみましょうか?」と春麗は言った。そのラブレターは、すぐ届いた、完璧な日本語で。これならいける。彰男は春麗を、月刊経済誌の編集をしている原田に紹介することにした。原田は、春麗の顔を見ると、「恋人はいるんですか?」と、いきなりセクハラな質問を浴びせた。「日本では、仕事をするのに、ああいうことを訊くんですか?」と、怒っている様子の春麗だったが、「験しに記事を一本、書いてみて」という原田の要求に、応えるつもりらしかった。その原稿の出来栄えに、原田は「いいね、彼女」と相好を崩した。その「いいね」には、別の「いいね」も含まれていた。「彼女、男をそそるんだよね」と言うのだ。その夜、春麗に電話をかけた彰男は、春麗の様子がおかしいことに気づいた。彼女のそばには、男がいる。彰男は確信したが、その男がどんな男なのか、想像がつかない。翌日、春麗から電話が入った。「きのうはごめんなさい。きょうは私にごちそうさせてほしい」と言うのだった。春麗が案内したのは、遠い親類がやっているという北京ダックの店だった。春麗の遠縁にあたるという店のオーナー・劉学慶に、「チュンリーをよろしく」と頭を下げられて店を出た彰男に、春麗は腕を絡めてきた。その腕を引っ張って、通りを右へ左へと急ぐ春麗。その口から意外な言葉が飛び出した。「私、見張られている」。翌週、粟野がひとりの男を連れて編集部に売り込みに来た。カメラマンの荒川タケル。初めて春麗をモデルとしてデビューさせた男だと言う。その写真は、男性誌のグラビア用の水着写真だった。数日後、春麗の初記事が『東亜タイムス』に掲載された。原田と彰男は春麗を誘って祝宴を挙げた。その席で、ふたりに料理を取り分けてくれる春麗の姿が、彰男と原田には新鮮に感じられた。「とても、あんな水着写真を撮らせていた女の子には見えない」。原田のひと言に、春麗の顔が固まった。その水着写真をどこで見た? 彰男が詰め寄ると、原田は「何だ、知らなかったの?」という顔でノートPCを立ち上げた。開いたのは、カメラマン・荒川の個人サイト。その作品集の中に、スケスケの水着を着た春麗の写真があった。あわててPCのフタを閉じる春麗。「もし無断で載せてるのなら、削除を要求できるよ」と言う原田に、春麗は力なく首を振った。2週間後、突然、春麗から「時間ありますか?」と電話が入った。待ち合わせに指定してきた場所は、日暮里のスカイライナーの改札。まさか…と顔を曇らせる彰男に、春麗は「最後の晩餐でも」と言う。「あそこにしませんか?」と指差したのはホテルだった。春麗の希望で、晩餐はルームサービスになった。片手で食事しながら、もう一方の手でおたがいを求め合うふたり。その春麗の体に、彰男は幾筋も残る赤い内出血の跡を見つけた。それは、だれかに鞭打たれた跡のように見えた。「忘れさせて」と言う春麗の体をベッドに寝かせ、手をその下半身に伸ばすと、彼女の体はウサギのように震え出し、彰男のペニスを迎え入れると、今度は、ネコのようにツメを立て、体をしならせた。「自由になりたい」――歓喜に体を震わせた春麗が言う。その春麗が告白した。「部屋の鍵を持っている男がいる」と。その男は、まだ学生だった春麗に「モデルになってくれないか」と近づいてきたカメラマン・荒川だった。男性誌のグラビアで「キャンパスの美女」を紹介する写真を撮っていた荒川は、言葉巧みに春麗を誘い、無料で住んでいいからと部屋を与え、モデルの世界に誘い込んだ。それがワナとも知らず、春麗はその誘いに乗った。最初は、ブラウスのボタンを2つ、3つ外す程度の写真だったが、それが水着になり、下着になり、そして、ついには、裸になった。裸の春麗を撮りながら、荒川は春麗の体に手を伸ばし、最後には、SEXまで求めるようになった。「別れたい」と言うと、荒川は、「おまえの恥ずかしい写真をバラ撒くゾ」と、春麗を脅す。もう逃げるしかな。決意した春麗は弁護士に事情を話し、その指示に従って、脅す荒川の言葉をICレコーダーに録音した。後日、弁護士がその録音を突きつけると、荒川の顔が青ざめた。やっと荒川の手から自由になった春麗は、ほとぼりが冷めるまで、しばらく中国へ帰ると言う。彰男は、その春麗を成田まで送っていった。中国へ帰った春麗は、日本のメディアの中国駐在員のようになって、精力的に仕事をこなし、なかなか日本に戻る時間が取れそうにないという。1年が経つ頃、彰男は決意した。自分から中国へ行って、プロポーズしよう。その準備を始めたところに、一本の電話が入った。「チュンリーが死んだ」という劉学慶からの報せだった――

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このシリーズは、筆者がこれまでに出会ってきた思い出の女性たちに捧げる「ありがとう」の短編集です。いま思えば、それぞれにマリアであった彼女たちに、心からの感謝を込めて――。



この話は、連載20回目です。この小説を最初から読みたい方は、こちらから、
   前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 せめて、葬儀に行きたい――と言うと、「それはダメ」と劉学慶に止められた。
 「チュンリーは、ひどい姿になって戻ってきた。お父さん、お母さん、ショックを受けて、だれの弔問も受けようとしない。いまは、ムリだよ、末吉さん」
 よかったら、店に来ないか。店の奥に、春麗のための小さな祭壇を用意してある。そこで、春麗のために一献傾けてくれれば、春麗も天国で喜んでくれると思う――と言う。
 彰男は、原田を誘って、劉学慶の店を訪ねることにした。
 原田は、その席に、刷り上がったばかりの「東亜タイムス」最新号を持ってきた。
 そこには、春麗の絶筆となった最後の記事が掲載されていた。

 『神を持たない民族。日本人と中国人の経済観』

 それは、経済専門誌である『東亜タイムス』としては、珍しく硬質な内容の記事だった。
 日本人も、中国人も、西洋人のような「絶対的な神」という概念を持ってない。それゆえに、しばしば、「金」を物神化し、「利潤」こそすべて――という価値観で動いてしまうところがある。しかし、日本人と中国人には、少し違うところがある、それは……。

 大学でしっかりと経済学を身に着けた春麗ならではの切り口で、その論法も見事と言えた。
 原田は、掲載誌を持ってきただけでなく、その刷り出しをパネルにしたものを用意していて、それを祭壇の脇に並べた。
 劉学慶は「オーッ、これはすごい!」と感嘆して、そのパネルをずっと掲示しておきたいと言う。もちろん、彰男も、原田も、「喜んで」とそれを了解した。

 それから3人は、祭壇の春麗の遺影に深々と頭を下げ、劉学慶が注いでくれた紹興酒で献杯した。
 その祭壇には、小さな十字架が立てられていた。
 おや……と思って見ていると、劉学慶が「あ、それかい?」という顔をした。
 「チュンリーのお父さん、クリスチャン。お母さんもクリスチャン。だから、チュンリーもね。お父さんとお母さんは、文革の時代には、ちょっと苦労したね」
 それで合点がいった。春麗のリベラルな考え方の根底には、キリスト教があったのだ。

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「国会前」から「選挙」へ。今度は「ホーム戦」だ!

キング牧師の演説 若者たちへ。24の手紙    
「いま」を生きる若者たちへ、愛と連帯を込めて。

国会前で「戦争法案反対!」の声を挙げ続けたみなさん、
残念ながら、法案は国会を通過してしまいましたが、
闘いはこれからです。今度は「ホーム戦」。
その目玉は、次にやって来る「参院選」です!


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 「政治運動」は、ある時期、盛り上がればいい「イベント」なんかではありません。
 勝つか負けるか――の、一発勝負の戦(いくさ)でもありません。
 変革や改革を求める運動は、継続してこそ意味がある。
 私は、そう思っています。
 今回の安保関連法案反対運動は、残念ながら、「国会での法案成立を阻止する」という目的を達成することはできませんでした。
 しかし、闘いはここからだ――と、私は思うのです。

 国会前での抗議行動は、言ってみれば「アウェー戦」。
 「ホーム」があるじゃないか――と、私は思います。
 「ホーム」は、私たちがふだんの生活を送っているこの社会であり、学校であり、職場であり、さらには家庭であり、そこで繰り広げられる生活のひとつひとつです。
 その中には、もちろん、「選挙」もあります。地域での生活を改善していくための活動だってあるかもしれません。職場や学校で何か問題が発生したり、何か不正が行われたりしたら、そこで声を上げる活動だってあるかもしれません。
 それらのすべてを「社会運動」と言っていいかと思います。
 「ホーム戦」とは、そうした「社会運動」の総体です。

 わたし・長住は思うのです。
 この世の中を変革したい、改革したい、というみなさんの意思は、「政治運動」ばかりがその舞台ではない。「政治運動」も「社会運動」もひっくるめて、「平和を守ろうよ」「差別をなくそうよ」というみなさんの意思を貫き続けること。それが大事なのだ――と思うのです。
 安保法案が参院で強行採決されたその夜、国会前に詰めかけた「SEALDs」のみなさんは、こんなシュプレヒコールを挙げていました。

 選挙に行こうよ、
 選挙に行こうよ!


 私には、その声は、「今度はホーム戦だ」と言っているように聞こえました。
 その意気があれば、大丈夫。そう思える声でもありました。

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チュンリーの恋〈19〉 黒い知らせ

smile.jpg 

春麗は、中国で精力的に仕事をこなした。日本に行く時間が
なかなか取れそうにないという。こうなったら、自分が中国に
行くか。決意を固めた彰男の元に、一本の電話が入った――


 マリアたちへ   第19話 
チュンリーの恋〈19〉

 前回までのあらすじ  粟野隆一のオフィス開設祝いに出席した末吉彰男は、粟野から「末吉さんの後輩ですよ」と、ひとりの女性を紹介された。名前を劉春麗。彰男の母校・Y大を留学生として卒業し、いまは、マスコミで仕事する機会を探しているという。「いろいろ教えてやってください」と粟野に頼まれて、「私でよければ」と名刺を渡すと、すぐに電話がかかってきた。春麗は、日本の雑誌や新聞で、日中の架け橋になるような仕事がしたいと言う。そのためには、完全な日本語表記能力が求められる。その話をすると、「ラブレターでも書いてみましょうか?」と春麗は言った。そのラブレターは、すぐ届いた、完璧な日本語で。これならいける。彰男は春麗を、月刊経済誌の編集をしている原田に紹介することにした。原田は、春麗の顔を見ると、「恋人はいるんですか?」と、いきなりセクハラな質問を浴びせた。「日本では、仕事をするのに、ああいうことを訊くんですか?」と、怒っている様子の春麗だったが、「験しに記事を一本、書いてみて」という原田の要求に、応えるつもりらしかった。その原稿の出来栄えに、原田は「いいね、彼女」と相好を崩した。その「いいね」には、別の「いいね」も含まれていた。「彼女、男をそそるんだよね」と言うのだ。その夜、春麗に電話をかけた彰男は、春麗の様子がおかしいことに気づいた。彼女のそばには、男がいる。彰男は確信したが、その男がどんな男なのか、想像がつかない。翌日、春麗から電話が入った。「きのうはごめんなさい。きょうは私にごちそうさせてほしい」と言うのだった。春麗が案内したのは、遠い親類がやっているという北京ダックの店だった。春麗の遠縁にあたるという店のオーナー・劉学慶に、「チュンリーをよろしく」と頭を下げられて店を出た彰男に、春麗は腕を絡めてきた。その腕を引っ張って、通りを右へ左へと急ぐ春麗。その口から意外な言葉が飛び出した。「私、見張られている」。翌週、粟野がひとりの男を連れて編集部に売り込みに来た。カメラマンの荒川タケル。初めて春麗をモデルとしてデビューさせた男だと言う。その写真は、男性誌のグラビア用の水着写真だった。数日後、春麗の初記事が『東亜タイムス』に掲載された。原田と彰男は春麗を誘って祝宴を挙げた。その席で、ふたりに料理を取り分けてくれる春麗の姿が、彰男と原田には新鮮に感じられた。「とても、あんな水着写真を撮らせていた女の子には見えない」。原田のひと言に、春麗の顔が固まった。その水着写真をどこで見た? 彰男が詰め寄ると、原田は「何だ、知らなかったの?」という顔でノートPCを立ち上げた。開いたのは、カメラマン・荒川の個人サイト。その作品集の中に、スケスケの水着を着た春麗の写真があった。あわててPCのフタを閉じる春麗。「もし無断で載せてるのなら、削除を要求できるよ」と言う原田に、春麗は力なく首を振った。2週間後、突然、春麗から「時間ありますか?」と電話が入った。待ち合わせに指定してきた場所は、日暮里のスカイライナーの改札。まさか…と顔を曇らせる彰男に、春麗は「最後の晩餐でも」と言う。「あそこにしませんか?」と指差したのはホテルだった。春麗の希望で、晩餐はルームサービスになった。片手で食事しながら、もう一方の手でおたがいを求め合うふたり。その春麗の体に、彰男は幾筋も残る赤い内出血の跡を見つけた。それは、だれかに鞭打たれた跡のように見えた。「忘れさせて」と言う春麗の体をベッドに寝かせ、手をその下半身に伸ばすと、彼女の体はウサギのように震え出し、彰男のペニスを迎え入れると、今度は、ネコのようにツメを立て、体をしならせた。「自由になりたい」――歓喜に体を震わせた春麗が言う。その春麗が告白した。「部屋の鍵を持っている男がいる」と。その男は、まだ学生だった春麗に「モデルになってくれないか」と近づいてきたカメラマン・荒川だった。男性誌のグラビアで「キャンパスの美女」を紹介する写真を撮っていた荒川は、言葉巧みに春麗を誘い、無料で住んでいいからと部屋を与え、モデルの世界に誘い込んだ。それがワナとも知らず、春麗はその誘いに乗った。最初は、ブラウスのボタンを2つ、3つ外す程度の写真だったが、それが水着になり、下着になり、そして、ついには、裸になった。裸の春麗を撮りながら、荒川は春麗の体に手を伸ばし、最後には、SEXまで求めるようになった。「別れたい」と言うと、荒川は、「おまえの恥ずかしい写真をバラ撒くゾ」と、春麗を脅す。もう逃げるしかな。決意した春麗は弁護士に事情を話し、その指示に従って、脅す荒川の言葉をICレコーダーに録音した。後日、弁護士がその録音を突きつけると、荒川の顔が青ざめた。やっと荒川の手から自由になった春麗は、ほとぼりが冷めるまで、しばらく中国へ帰ると言う。彰男は、その春麗を成田まで送っていった――

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この話は、連載19回目です。この小説を最初から読みたい方は、こちらから、
   前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 中国に戻った春麗は、精力的に仕事をこなした。
 原田の『月刊東亜タイムス』には、毎月一本ペースで記事を送った。

 『中国進出の日本企業が、現地で直面する文化の違い』
 『上海で成功している日本企業・うまくいかない日本企業の現地スタッフマネジメント』

 どれも、鋭い視点で問題を捉え、的確な文章力で読ませる力のある記事だった。
 そういう記事を書いては、春麗はその下書きを、メールで彰男に送って来た。彰男は春麗の原稿がたまに見せる文法的な誤りや論理的矛盾点を指摘し、誤字などを訂正するだけで、それを送り返した。
 もはや、文の構成や表現力に関しては、手のつけどころがない。それくらい、春麗の筆力は完成されていると感じられた。
 その他に、春麗は、中国ツアーに力を入れる旅行社が日本人向けに出しているパンフレットに、現地探訪ルポなどを書く仕事も始めた。

《なんか、忙しくなってしまいました。
いまこなしている仕事は、中国にいないとできない仕事ばかり。
私は、まるで日本のメディアの駐在員になったみたいです。
もう少し、私に時間をくださいね。
何とか時間を作って、日本に行きます。
末吉さんに会いに行きたい……》

 メールには、切々と、春麗の心情が綴られていた。
 春麗が中国に帰って、2カ月が経ち、3カ月が過ぎ、半年が経過して、もうすぐ1年になろうとしていた。

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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

集団の感情には、鋭いカミソリより鈍感なナタであれ!

抱き枕 心の抱き枕 〈40〉 

「集団」にも「感情」があります。「集団の感情」には、
「いい感情」もあれば「わるい感情」もあります。
そんな「集団の感情」とどう向き合えばいいのか?
実は、ここでは、「鈍感力」がモノを言うのです。


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 集団にも「感情」がある!
 前回、そんな話をしました。

  【参考記事】 まだお読みでない方は、下記記事をどうぞ。
   『集団には、読んではいけない「空気」もある』

 「集団の感情」は、その集団の中にある種の「空気」を生み出します。その空気には「いい空気」もあれば、「わるい空気」もあります。

 空気は読んでも、読みすぎるな!

 前回は、そんな話をしました。
 原則を言うと、

 「いい空気」は読んでもいいけど、「わるい空気」まで読む必要はない。
 読みたくない「わるい空気」には、
 「良心的無関心」を装うのがいい。


 という話をしたのでした。
 もう一度、整理しておきましょう。
 集団が見せる「空気」は読んだほうがいいのか、読まないほうがいいのか?
 もし、読むとしたら、その「空気」には「同調・共感」したほうがいいのか、「懐疑・反発」したほうがいいのか?
 これは、「空気」を作っている感情別によっても違ってはます。
 基本的なスタンスをまとめておきましょう。

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テーマ : 愛し方・愛され方
ジャンル : アダルト

男は、なぜ、あなたに「イッた?」と尋ねるのか?

手と手 

「イッた?」と、訊いてくる男たちがいます。
彼らはなぜ、女にそれを尋ねるのでしょう?


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このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。

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  イッた?

 SEXの余韻の残るベッドの中で、カレに尋ねられたという経験、あなたにはありませんか?
 顔色からそれを探ろうとでもするように、あなたの顔をのぞき込んでいるカレの顔を見ながら、思ったことがある人もいるはずです。

  どうして男って、それを女に尋ねるのだろう?

 答えは簡単。「わからない」からです。
 「イッたか?」という質問は、「オーガズムに達したか?」という質問です。
 「オーガズム」は、日本語で言うと「絶頂」。ちなみに、ドイツ語では「オルガスムス」、イタリア語では「オルガズモ」、フランス語では「オルガスム」または「アクメ」と呼ばれます。

 男の場合、オーガズム=射精です。だれの目にも明らかな身体反応があるわけですから、イッたかどうかなんて、気にする必要はありません。しかし、女性の場合はそうはいきません。

  はたして、彼女は「イッた」のか?

 男は女性を悦ばせるために存在する生きもの――と思っている筆者なども、お相手をつとめさせていただくたびに、そこのところが大いに気になるのですが、お尋ねしても、「それが……よくわからないの」とお答えになる女性が、少なからずいらっしゃいました。
 そうなんです。
 「イッた」は、当の女性自身にも、「これがイッた……ってこと?」と、よくわからない場合があるらしいのです。

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チュンリーの恋〈18〉 搭乗ゲートへ消えたひと

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カメラマン・荒川から自由になるために、いったん中国へ帰る
という春麗を、彰男は成田まで送っていった。その姿が、
搭乗口から消えてしまうまで、愛の力を信じて―― 


 マリアたちへ   第19話 
チュンリーの恋〈18〉

 前回までのあらすじ  粟野隆一のオフィス開設祝いに出席した末吉彰男は、粟野から「末吉さんの後輩ですよ」と、ひとりの女性を紹介された。名前を劉春麗。彰男の母校・Y大を留学生として卒業し、いまは、マスコミで仕事する機会を探しているという。「いろいろ教えてやってください」と粟野に頼まれて、「私でよければ」と名刺を渡すと、すぐに電話がかかってきた。春麗は、日本の雑誌や新聞で、日中の架け橋になるような仕事がしたいと言う。そのためには、完全な日本語表記能力が求められる。その話をすると、「ラブレターでも書いてみましょうか?」と春麗は言った。そのラブレターは、すぐ届いた、完璧な日本語で。これならいける。彰男は春麗を、月刊経済誌の編集をしている原田に紹介することにした。原田は、春麗の顔を見ると、「恋人はいるんですか?」と、いきなりセクハラな質問を浴びせた。「日本では、仕事をするのに、ああいうことを訊くんですか?」と、怒っている様子の春麗だったが、「験しに記事を一本、書いてみて」という原田の要求に、応えるつもりらしかった。その原稿の出来栄えに、原田は「いいね、彼女」と相好を崩した。その「いいね」には、別の「いいね」も含まれていた。「彼女、男をそそるんだよね」と言うのだ。その夜、春麗に電話をかけた彰男は、春麗の様子がおかしいことに気づいた。彼女のそばには、男がいる。彰男は確信したが、その男がどんな男なのか、想像がつかない。翌日、春麗から電話が入った。「きのうはごめんなさい。きょうは私にごちそうさせてほしい」と言うのだった。春麗が案内したのは、遠い親類がやっているという北京ダックの店だった。春麗の遠縁にあたるという店のオーナー・劉学慶に、「チュンリーをよろしく」と頭を下げられて店を出た彰男に、春麗は腕を絡めてきた。その腕を引っ張って、通りを右へ左へと急ぐ春麗。その口から意外な言葉が飛び出した。「私、見張られている」。翌週、粟野がひとりの男を連れて編集部に売り込みに来た。カメラマンの荒川タケル。初めて春麗をモデルとしてデビューさせた男だと言う。その写真は、男性誌のグラビア用の水着写真だった。数日後、春麗の初記事が『東亜タイムス』に掲載された。原田と彰男は春麗を誘って祝宴を挙げた。その席で、ふたりに料理を取り分けてくれる春麗の姿が、彰男と原田には新鮮に感じられた。「とても、あんな水着写真を撮らせていた女の子には見えない」。原田のひと言に、春麗の顔が固まった。その水着写真をどこで見た? 彰男が詰め寄ると、原田は「何だ、知らなかったの?」という顔でノートPCを立ち上げた。開いたのは、カメラマン・荒川の個人サイト。その作品集の中に、スケスケの水着を着た春麗の写真があった。あわててPCのフタを閉じる春麗。「もし無断で載せてるのなら、削除を要求できるよ」と言う原田に、春麗は力なく首を振った。2週間後、突然、春麗から「時間ありますか?」と電話が入った。待ち合わせに指定してきた場所は、日暮里のスカイライナーの改札。まさか…と顔を曇らせる彰男に、春麗は「最後の晩餐でも」と言う。「あそこにしませんか?」と指差したのはホテルだった。春麗の希望で、晩餐はルームサービスになった。片手で食事しながら、もう一方の手でおたがいを求め合うふたり。その春麗の体に、彰男は幾筋も残る赤い内出血の跡を見つけた。それは、だれかに鞭打たれた跡のように見えた。「忘れさせて」と言う春麗の体をベッドに寝かせ、手をその下半身に伸ばすと、彼女の体はウサギのように震え出し、彰男のペニスを迎え入れると、今度は、ネコのようにツメを立て、体をしならせた。「自由になりたい」――歓喜に体を震わせた春麗が言う。その春麗が告白した。「部屋の鍵を持っている男がいる」と。その男は、まだ学生だった春麗に「モデルになってくれないか」と近づいてきたカメラマン・荒川だった。男性誌のグラビアで「キャンパスの美女」を紹介する写真を撮っていた荒川は、言葉巧みに春麗を誘い、無料で住んでいいからと部屋を与え、モデルの世界に誘い込んだ。それがワナとも知らず、春麗はその誘いに乗った。最初は、ブラウスのボタンを2つ、3つ外す程度の写真だったが、それが水着になり、下着になり、そして、ついには、裸になった。裸の春麗を撮りながら、荒川は春麗の体に手を伸ばし、最後には、SEXまで求めるようになった。「別れたい」と言うと、荒川は、「おまえの恥ずかしい写真をバラ撒くゾ」と、春麗を脅す。もう逃げるしかな。決意した春麗は弁護士に事情を話し、その指示に従って、脅す荒川の言葉をICレコーダーに録音した。後日、弁護士がその録音を突きつけると、荒川の顔が青ざめた。春麗は、やっと荒川の手から自由になった――

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このシリーズは、筆者がこれまでに出会ってきた思い出の女性たちに捧げる「ありがとう」の短編集です。いま思えば、それぞれにマリアであった彼女たちに、心からの感謝を込めて――。


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発行・こう書房 定価・1400円+税

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この話は、連載18回目です。この小説を最初から読みたい方は、こちらから、
   前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 首筋に、規則正しく当たる風を感じた。
 その規則正しいリズムは、風を送り出す臓器が、何の乱れもなく作動していることを示していた。
 口にかかった寝乱れた髪が、その息にフワリと吹き上がっては吸い寄せられ……を繰り返している。
 彰男は、その髪を指でつまんで、そっと耳の後ろに掻き上げると、ベッドから体を起こした。
 10時45分発、北京行き。
 その便に乗るためには、そろそろ起きて支度をしなくてはならないだろう。
 シャワーを浴び、歯を磨き、顔を洗って、ベッドルームに戻ると、春麗は枕を抱えてまだ寝息を立てていた。

 「10時45分発、北京行きにご搭乗のお客様、ご搭乗口へお急ぎください」
 耳元に口を寄せて空港アナウンスを真似た口調でささやきかけると、春麗は、いきなり、ガバッと体を起こした。
 状況が呑み込めないのか、「エッ、ここはどこ……?」というふうに、あたりをキョロキョロと見回している。
 「出発ロビーですよ、お客様」
 「エッ……?」
 振り向いた春麗は、彰男の顔を見ると、「なんだ……」という顔をして、シーツを体に巻きつけ、再び、ベッドに倒れ込む。
 プクリと盛り上がった尻をまる出しにしたまま突っ伏して、また眠りに入ろうとする。その姿は、どこかあばずれっぽくもあり、かわいくもあったが、そういうことをしている場合ではない。彰男は、その尻をピシャリと打って、今度は、「ヘイ! ゲラップ・ベイビー!」と、鬼軍曹のような声を挙げた。
 それで、春麗は渋々起き上がって、目をこすりながら、「アイアイサー」と敬礼のマネをした。
 裸のまま、尻を振り振り、シャワールームへと向かう春麗を見ながら、彰男は思った。
 この女と暮らすと、毎朝がこうなるのか?
 やれやれ……とため息をつきながら、それもわるくないな――と思った。

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テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

この世に残せる唯一の生きた証は、「関係性」



カラス 不純愛トーク  ――愛について、哲雄とAKIが語り合うトークスタイルの記事です。
Talk 哲雄 人間関係についての著作を手がける、エッセイスト。本ブログの管理人です。
with AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指す推定年齢アラサーの美女。

 第345夜   【本日のテーマ】 「実」としてこの世に残る唯一のものは、「関係性」
どんなにガンバって残そうとしても、「虚」なものは、いつか消え去ってしまいます。そんなことに心血を注いでも、人生は虚しいだけ。前回は、そんな話をしました。では、消えずに残る「実」なものとは何か? それは、「関係性」である。今回は、そんな話をしてみます――。

【今回のキーワード】 信用崩壊 投資ファンド
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AKI 「」から「」を生み出そうとする投資ファンドなんぞの暗躍を野放しにしておくと、この世界は、ハゲタカたちの餌食になってしまう。前回は、そんなお話をしたんでしたわね。

哲雄 そうでしたね。だから、「虚」なものに心を奪われてはいけない――と申し上げました。

AKI そもそも、この世の経済を動かしている「信用」というものが、「」なのだから、そんなものをアテにしていると、いつかは、紙屑になっちゃいますしね。

哲雄 ま、「虚」に踊らされた人たちが、いくら資産を減らそうが、そんなことは知ったこっちゃありません。しかしね、AKIクン。なぜかみなさん、一生懸命、そんな「消えもの」に心血を注ごうとするわけですよ。

AKI 「消えもの」ですか?

哲雄 ハイ。「」は「消えもの」と言ってもいいかと思います。

 「消えもの」というのは、消費すればなくなってしまうもの、
 価値が世間の情勢によっていちじるしく変化してしまうもの、
 時間とともに消滅してしまうもの。


 そんなものの総称と言っていいかと思います。


AKI 消えないもの? じゃあ、土地とか買えばいいのね?

哲雄 土地の価値も変動します。だいいち、荒れます。ヘタすると、ただ持っているだけの土地なんてものは、固定資産税を取られるだけで、人口が減り続けるこの国では、購入価格より販売価格が上がるということは、まず、考えられません。

AKI じゃ、宝石にしとこうかな。

哲雄 止めときなはれ! 宝石の輝きも経年劣化してしまいます。どんなに「一生もの」と言われている耐久財であっても、それには「減価償却」による「評価損」が加わる一方ですから、あなたの人生を豊かにするということにはならない。ただ、いっときの虚栄心を満たすだけ。そういうものもすべて「虚」である! 私は、そう思っています。

AKI では、「」ではないものとは?

哲雄 」なものですね。

AKI こちらは「消えもの」ではないんですか?

哲雄 ハイ、消えません。しかし、目にも見えません。

AKI エッ……!? 目に見えないのに「実」なんですか?

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ジャンル : アダルト

チュンリーの恋〈17〉 自由への逃走

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この男から自由になろう。決意した春麗は弁護士に事情を話し、
その指示に従って、荒川との会話を録音した。後日、弁護士が
その録音を突き付けると、荒川の顔が青ざめた――


 マリアたちへ   第19話 
チュンリーの恋〈17〉

 前回までのあらすじ  粟野隆一のオフィス開設祝いに出席した末吉彰男は、粟野から「末吉さんの後輩ですよ」と、ひとりの女性を紹介された。名前を劉春麗。彰男の母校・Y大を留学生として卒業し、いまは、マスコミで仕事する機会を探しているという。「いろいろ教えてやってください」と粟野に頼まれて、「私でよければ」と名刺を渡すと、すぐに電話がかかってきた。春麗は、日本の雑誌や新聞で、日中の架け橋になるような仕事がしたいと言う。そのためには、完全な日本語表記能力が求められる。その話をすると、「ラブレターでも書いてみましょうか?」と春麗は言った。そのラブレターは、すぐ届いた、完璧な日本語で。これならいける。彰男は春麗を、月刊経済誌の編集をしている原田に紹介することにした。原田は、春麗の顔を見ると、「恋人はいるんですか?」と、いきなりセクハラな質問を浴びせた。「日本では、仕事をするのに、ああいうことを訊くんですか?」と、怒っている様子の春麗だったが、「験しに記事を一本、書いてみて」という原田の要求に、応えるつもりらしかった。その原稿の出来栄えに、原田は「いいね、彼女」と相好を崩した。その「いいね」には、別の「いいね」も含まれていた。「彼女、男をそそるんだよね」と言うのだ。その夜、春麗に電話をかけた彰男は、春麗の様子がおかしいことに気づいた。彼女のそばには、男がいる。彰男は確信したが、その男がどんな男なのか、想像がつかない。翌日、春麗から電話が入った。「きのうはごめんなさい。きょうは私にごちそうさせてほしい」と言うのだった。春麗が案内したのは、遠い親類がやっているという北京ダックの店だった。春麗の遠縁にあたるという店のオーナー・劉学慶に、「チュンリーをよろしく」と頭を下げられて店を出た彰男に、春麗は腕を絡めてきた。その腕を引っ張って、通りを右へ左へと急ぐ春麗。その口から意外な言葉が飛び出した。「私、見張られている」。翌週、粟野がひとりの男を連れて編集部に売り込みに来た。カメラマンの荒川タケル。初めて春麗をモデルとしてデビューさせた男だと言う。その写真は、男性誌のグラビア用の水着写真だった。数日後、春麗の初記事が『東亜タイムス』に掲載された。原田と彰男は春麗を誘って祝宴を挙げた。その席で、ふたりに料理を取り分けてくれる春麗の姿が、彰男と原田には新鮮に感じられた。「とても、あんな水着写真を撮らせていた女の子には見えない」。原田のひと言に、春麗の顔が固まった。その水着写真をどこで見た? 彰男が詰め寄ると、原田は「何だ、知らなかったの?」という顔でノートPCを立ち上げた。開いたのは、カメラマン・荒川の個人サイト。その作品集の中に、スケスケの水着を着た春麗の写真があった。あわててPCのフタを閉じる春麗。「もし無断で載せてるのなら、削除を要求できるよ」と言う原田に、春麗は力なく首を振った。2週間後、突然、春麗から「時間ありますか?」と電話が入った。待ち合わせに指定してきた場所は、日暮里のスカイライナーの改札。まさか…と顔を曇らせる彰男に、春麗は「最後の晩餐でも」と言う。「あそこにしませんか?」と指差したのはホテルだった。春麗の希望で、晩餐はルームサービスになった。片手で食事しながら、もう一方の手でおたがいを求め合うふたり。その春麗の体に、彰男は幾筋も残る赤い内出血の跡を見つけた。それは、だれかに鞭打たれた跡のように見えた。「忘れさせて」と言う春麗の体をベッドに寝かせ、手をその下半身に伸ばすと、彼女の体はウサギのように震え出し、彰男のペニスを迎え入れると、今度は、ネコのようにツメを立て、体をしならせた。「自由になりたい」――歓喜に体を震わせた春麗が言う。その春麗が告白した。「部屋の鍵を持っている男がいる」と。その男は、まだ学生だった春麗に「モデルになってくれないか」と近づいてきたカメラマン・荒川だった。男性誌のグラビアで「キャンパスの美女」を紹介する写真を撮っていた荒川は、言葉巧みに春麗を誘い、無料で住んでいいからと部屋を与え、モデルの世界に誘い込んだ。それがワナとも知らず、春麗はその誘いに乗った。最初は、ブラウスのボタンを2つ、3つ外す程度の写真だったが、それが水着になり、下着になり、そして、ついには、裸になった。裸の春麗を撮りながら、荒川は春麗の体に手を伸ばし、最後には、SEXまで求めるようになった。逃げたい……。しかし、春麗にはひとつだけ、逃げられない理由があった――

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このシリーズは、筆者がこれまでに出会ってきた思い出の女性たちに捧げる「ありがとう」の短編集です。いま思えば、それぞれにマリアであった彼女たちに、心からの感謝を込めて――。



この話は、連載17回目です。この小説を最初から読みたい方は、こちらから、
   前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 春麗にモデルになることを拒まれた荒川は、ただの男として、春麗の心と体を支配しようとした。
 支配するために、春麗に手を挙げるようになった。
 最初は、平手で打つ程度だったが、そのうち、縛るが加わり、縛ってベルトで鞭打つが加わり……というふうに、その暴力はエスカレートしていった。
 もう、耐えらない……。
 春麗は荒川の暴力に抗議して、「私、この部屋を出て行く」と口にしたこともあった。
 しかし、その度に、荒川は切り札の脅し文句を春麗に口走った。
 「いいのか? おまえの恥ずかしい写真をバラ撒くぞ」
 それは、春麗にとって、死ぬほどイヤなことだった。日本でいくらバラ撒かれても、それは「恥ずかしい」ですむことだったが、中国にいる親や親類にまでそんな写真の存在を知られてしまったら、それは、「人格的な死」を招くことになってしまう。
 困り果てた春麗は、かつて原田が春麗に言った言葉を思い出した。
 「自分が承諾してない写真を勝手に使われているとしたら、それ、法的手段に訴えたら勝てるよ」
 原田は、損害賠償だって請求できるというニュアンスで言ったのだが、春麗にとって、損害賠償などということはどうでもいい問題だった。
 望むことは、ただ、あの男の干渉から逃れること。二度と自分の人生に「支配」という名の手を突っ込ませないこと。それだけだった。
 春麗は、ひとつのことを決断した。そのためには、少し費用もかかる。
 思い余った春麗は、その相談を劉学慶に持ちかけた。写真のことは伏せ、ただ、「しつこい男にストーキングされているから、弁護士に相談したい」とだけ伝えた。
 おじ代わりに春麗の将来を案ずる学慶は、事情は察したという顔でうなずき、そして言うのだった。
 「その男から、自由になりたいんだね。それは、おまえの新しい愛のためにかい?」
 春麗がコクリとうなずくと、学慶は「これを使いな」と封筒に入れた金を渡してくれた。
 その金を手に、春麗は、弁護士事務所を訪ねた。
 事情を話すと、三宅と名乗るその弁護士は、春麗に、ひとつだけやっておいてほしいことがある――と言った。
 荒川カメラマンに、「部屋を出て行く」という意思をハッキリ伝え、その会話をすべて録音してくれ――と言うのだった。
 「大事なことは、彼から『写真をばら撒く』というひと言を引き出すことです。それさえあれば、あなたは彼から自由になれます」
 引き出すまでもなかった。
 「おまえのだれにも見せられない秘密を、オレは握ってるんだ」
 「いいのか、そんな写真を世間にバラ撒かれても」
 カメラマン・荒川は、毎日のように、そんな言葉を春麗に浴びせては、その体を支配しようとしていた。
 「いいわ。それでも、私は、ここを出ていきます」
 毅然と言い放った春麗に、荒川はわめくように言ったのだった。
 「全部、バラすぞ。オレのチ××を咥え込んでるおまえの写真が、日本でも、中国でもバラ撒かれるんだゾ。おまえは、恥ずかしくて、街も歩けなくなるぞ」
 わめきながら、春麗の体を殴り、蹴る。
 その様子を、春麗はすべて、ICレコーダーに収めた。

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テーマ : 官能小説
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その「苦手」は、「魅力」と思われることもある!

不細工美人 不細工&不器用事典 〈25〉  その「苦手」は、「魅力」にもなる!

自分が「苦手」なことは、隠そうとする人が
多いかもしれません。しかし、その「苦手」は、ときに、
あなたの「魅力」としてカウントされることもあります。
そのメリットとデメリットを比較してみました。


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 人には、いろんな「苦手」があります。
 通常、人は、「○○が苦手」は、隠そうとします。「苦手」がある――が、自分のマイナスとしてカウントされることを避けようという心理が働くからでもあるし、「苦手」を知られると、後々、そこを「弱点」として攻められるかもしれない――と、「防御本能」が働くからかもしれません。
 しかし――です。
 「苦手」なんてまるでないという人間に、はたして人は、「魅力」を感じるか? 「好感」や「親近感」を抱くか?
 私は「NO」だろうと思います。

 その「苦手」は、もしかしたら、ことあるごとにいじられるかもしれません。
 しかし、いじられるのは、その「苦手」を「かわいい」と感じたり、「面白い」と感じるからでもあります。そういう「かわいさ」や「面白み」は、たいていの場合、その人の「人間的魅力」のひとつとしてカウントされます。
 なので、筆者の場合、「苦手なこと」は、「隠す」よりも、むしろ「公表する」ようにしています。
 もちろん、「苦手」を公表することには、メリットもあればデメリットもあるのですがね。
 以下、よくある「苦手」を取り上げて、そのメリットとデメリットを比較してみます。公表したほうがいいか、隠したほうがいいか、その判断の基準としてご参照ください。

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テーマ : 愛し方・愛され方
ジャンル : アダルト

集団には、読んではいけない「空気」もある!

抱き枕 心の抱き枕 〈39〉 

「集団」にも「感情」があります。
その「集団感情」が自分の「感情」と合わなかったら?
ムリに合わせようとすると、心を病んでしまいます。と言って、
「そうは思わない」とも言いにくい。そんなとき、あなたは……。 


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  以下は、上記・新刊本に収めた内容を、一部、抜粋してお届けします。

 「集団」にも「感情」が成立する場合があります。
 特に、職場や学校のように、毎日のようにみんなが顔を合わせるグループの中では、その成員たちの間に、共通の感情が形成されてしまう場合が少なくありません。
 たとえば、特定の個人を「嫌いだ」という感情。「あいつ、生意気だよな」とか「人の女(男)に手を出す」とか、そういうことをだれかが言い出し、それに2人、3人とうなずく人がいると、たちまち、「あいつ、嫌い」は、集団の感情として定着してしまいます。
 「あの人かわいそう」と同情する感情も、集団の中に広がりやすい感情です。
 「おめでとう」と特定の個人の幸せを祝福する感情、それを「なんであいつだけが……」とやっかむ感情。これも、集団が染まりやすい感情です。
 もっとハッキリしているのは、「やった~!」と、グループ全体で何かの成功を喜ぶ感情。大きくは、「愛校心」や「愛社精神」のように、特定の目的のために意図的に作り上げられる感情もあります。
 こういう集団の感情があなたの感情と一致していれば、わるい感情でなければ、その感情をみんなと「共有」すればいいだろう――と思います。
 しかし、もしこうした集団の感情が、あなたの感情と一致しなかったら――?

  みんなは、うれしいと喜んでいるけど、私はどうも、そんな気分になれない。

 とか、

  みんなはあの人が嫌いだと言うけど、私には、どうしてもそうは思えない。

 などという場合、あなたは、どうすればいいのでしょう?
 「いや、私はそうは感じない」と自分の感情を素直に表明すべきなのか、それとも、「そうだね」とムリにでも自分の感情を集団の感情に合わせるように努力すべきなのでしょうか?

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チュンリーの恋〈16〉 支配の暴力

smile.jpg 

荒川がハウス・スタジオとして借りた部屋に住む春麗は、
カメラの前で次々に服を脱がされ、肉体を支配されていく。
逃げ出したい。しかし、それができない理由があった――


 マリアたちへ   第19話 
チュンリーの恋〈16〉

 前回までのあらすじ  粟野隆一のオフィス開設祝いに出席した末吉彰男は、粟野から「末吉さんの後輩ですよ」と、ひとりの女性を紹介された。名前を劉春麗。彰男の母校・Y大を留学生として卒業し、いまは、マスコミで仕事する機会を探しているという。「いろいろ教えてやってください」と粟野に頼まれて、「私でよければ」と名刺を渡すと、すぐに電話がかかってきた。春麗は、日本の雑誌や新聞で、日中の架け橋になるような仕事がしたいと言う。そのためには、完全な日本語表記能力が求められる。その話をすると、「ラブレターでも書いてみましょうか?」と春麗は言った。そのラブレターは、すぐ届いた、完璧な日本語で。これならいける。彰男は春麗を、月刊経済誌の編集をしている原田に紹介することにした。原田は、春麗の顔を見ると、「恋人はいるんですか?」と、いきなりセクハラな質問を浴びせた。「日本では、仕事をするのに、ああいうことを訊くんですか?」と、怒っている様子の春麗だったが、「験しに記事を一本、書いてみて」という原田の要求に、応えるつもりらしかった。その原稿の出来栄えに、原田は「いいね、彼女」と相好を崩した。その「いいね」には、別の「いいね」も含まれていた。「彼女、男をそそるんだよね」と言うのだ。その夜、春麗に電話をかけた彰男は、春麗の様子がおかしいことに気づいた。彼女のそばには、男がいる。彰男は確信したが、その男がどんな男なのか、想像がつかない。翌日、春麗から電話が入った。「きのうはごめんなさい。きょうは私にごちそうさせてほしい」と言うのだった。春麗が案内したのは、遠い親類がやっているという北京ダックの店だった。春麗の遠縁にあたるという店のオーナー・劉学慶に、「チュンリーをよろしく」と頭を下げられて店を出た彰男に、春麗は腕を絡めてきた。その腕を引っ張って、通りを右へ左へと急ぐ春麗。その口から意外な言葉が飛び出した。「私、見張られている」。翌週、粟野がひとりの男を連れて編集部に売り込みに来た。カメラマンの荒川タケル。初めて春麗をモデルとしてデビューさせた男だと言う。その写真は、男性誌のグラビア用の水着写真だった。数日後、春麗の初記事が『東亜タイムス』に掲載された。原田と彰男は春麗を誘って祝宴を挙げた。その席で、ふたりに料理を取り分けてくれる春麗の姿が、彰男と原田には新鮮に感じられた。「とても、あんな水着写真を撮らせていた女の子には見えない」。原田のひと言に、春麗の顔が固まった。その水着写真をどこで見た? 彰男が詰め寄ると、原田は「何だ、知らなかったの?」という顔でノートPCを立ち上げた。開いたのは、カメラマン・荒川の個人サイト。その作品集の中に、スケスケの水着を着た春麗の写真があった。あわててPCのフタを閉じる春麗。「もし無断で載せてるのなら、削除を要求できるよ」と言う原田に、春麗は力なく首を振った。2週間後、突然、春麗から「時間ありますか?」と電話が入った。待ち合わせに指定してきた場所は、日暮里のスカイライナーの改札。まさか…と顔を曇らせる彰男に、春麗は「最後の晩餐でも」と言う。「あそこにしませんか?」と指差したのはホテルだった。春麗の希望で、晩餐はルームサービスになった。片手で食事しながら、もう一方の手でおたがいを求め合うふたり。その春麗の体に、彰男は幾筋も残る赤い内出血の跡を見つけた。それは、だれかに鞭打たれた跡のように見えた。「忘れさせて」と言う春麗の体をベッドに寝かせ、手をその下半身に伸ばすと、彼女の体はウサギのように震え出し、彰男のペニスを迎え入れると、今度は、ネコのようにツメを立て、体をしならせた。「自由になりたい」――歓喜に体を震わせた春麗が言う。その春麗が告白した。「部屋の鍵を持っている男がいる」と。その男は、まだ学生だった春麗に「モデルになってくれないか」と近づいてきたカメラマン・荒川だった。男性誌のグラビアで「キャンパスの美女」を紹介する写真を撮っていた荒川は、言葉巧みに春麗を誘い、無料で住んでいいからと部屋を与え、モデルの世界に誘い込んだ。それがワナとも知らず、春麗はその誘いに乗った。最初は、ブラウスのボタンを2つ、3つ外す程度の写真だったが、それが水着になり、下着になり、そして、キャミソールの肩ヒモがスルリ…と落とされた――

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このシリーズは、筆者がこれまでに出会ってきた思い出の女性たちに捧げる「ありがとう」の短編集です。いま思えば、それぞれにマリアであった彼女たちに、心からの感謝を込めて――。



この話は、連載16回目です。この小説を最初から読みたい方は、こちらから、
   前回分から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 下着姿をカメラに収めながら、モデルである劉春麗の体に手を伸ばしたカメラマン・荒川タケルは、彼女の体をベッドに押し倒した。
 助手やスタジオマンが待機するふつうのホリゾント・スタジオだったら、そんなことは起こらなかったはずだが、そこは、荒川がヌードなどを撮るために用意したハウス・スタジオだった。
 「家賃は要らないから、そこに住まないか」と提案したときから、荒川は、春麗を自分の女として囲いたい――という野心を抱いていたのかもしれない。
 もしそうだとしたら、春麗は、まんまとそのワナにはまってしまったことになる。
 荒川に押し倒された春麗は、最初は、のしかかる荒川の体を両手で押し返そうとした。しかし、その両手をもぎ取られ、ベッドの上に固定され、荒川のペニスが自分の入り口を探し当てて、その怒張の先端が閉ざしていた肉の門をこじ開けてきた瞬間、春麗はあきらめた。
 荒川の亀頭と自分のやや窮屈な膣口がこすれ合う摩擦。その摩擦が生み出すギュンという痛覚が、腰の裏側へと突き抜けていった瞬間に、女としての情動が人としての意思の力を上回った。
 情に流される娼婦のように――と、春麗は、そのときの気分を語った。
 「家賃無料」と「ほどほどのモデル料」というエサで飼われている娼婦みたいなものなんだわ、自分は――と観念しながら、春麗は、ペニスとヴァギナがこすれ合う快感に溺れていった。

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男同士が「連れション」する、ホントの理由

手と手 

男同士は、よく「連れション」をします。実は、これには
秘められた「政(性)治的目的」がありまして……。


 性とエッチの《雑学》file.9   R15 
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。15歳未満の方はご退出ください。

【今回のキーワード】 連れション ペニス長  345
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 連れ立ってトイレに行く。
 これは、友だち同士の間では、男女ともによく見られる行動だと思います。
 トイレの中には、神様がいて……なんて話をしようというわけではありません。

 人間関係は、トイレの中で作られる!
 しかし、男と女では、
 その作られようが、ちと違う。


 今回は、そんな話をしてみたい、と思うわけであります。
 「トイレ」とは、社会学的に見れば、どんな空間か?
 言うまでもなく、「秘密」を共有する空間であります。
 そして、その「秘密」を通して、人間同士が親しくなったり、疎ましく思うようになったりする空間です。
 トイレで交わされる会話を思い出してみましょう。
 女性同士だと、こんな会話ですかね。

  今度、入ってきた○○さんって、ちょっとイケてるよね。
  突然、生理が来ちゃってさぁ。生理痛がひどくて、朝から最悪なの。
  ね、ね。今度の○○のブラ、いいわよ。ホラ、私、ちょっと大きくなったように見えるでしょ。

 こんなところですかね。
 表では話せない秘密を開示し合ったり、ホンネを吐露し合ったりして、たいていの場合は、おたがいが親しくなるための「社交場」として使われます。
 男の場合も、似たようなものです。

  ま、課長はあんなこと言ってるけどさ、適当に聞き流しときゃいいよ。
  オイ、きのうの女、どうだった?
  よ、さっきの伝票さ、目つぶって通しといてよ。今月、ちょっとピンチなんだよ。

 などと、たいていは「わるい話」をして、男同士の「裏社会」を作り出す「社交場」として使われます。
 しかし、「男子トイレ」と「女子トイレ」には、ひとつだけ、構造上、大きな違いがあります。
 そうです。

 ブースを仕切る「間仕切り」が、男子トイレにはない!

 実は、これが大問題なのです。
 大問題――というか、それゆえに、「男子トイレ」は、「女子トイレ」にはない、ある重要な機能を持つことになります。
 ズバリ、言いましょう。それは、

 序列の形成、です。

 そうです。
 「男子トイレ」は「男の序列」を作り上げるのです。

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長住哲雄…独自の人間関係論を元に、数々の著書を刊行してきたエッセイスト&編集者。得意ジャンルは、恋愛論やコミュニケーション論。

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