「女性労働力」を「奴隷化」する「派遣労働」という仕組み

実際に起こった出来事を長住流に解説します。
「女性の社会進出」を説く安倍政権は、その一方で、
「労働者派遣法」を改悪しようとしています。
この「派遣労働」こそ、「ワーキングプア」を生み出す元凶。
「社会進出」した女性は、「奴隷化」される……?
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安倍政権が、重要政策のひとつとして打ち出している「女性の社会進出」。
女性の活躍を阻んでいる問題のひとつは、それなりに高等教育を受け、キャリアを身に着けた女性たちが、会社などで活躍する条件が整っていないことにある。
前回は、そんな話をしました。
しかし、筆者・長住に言わせていただくなら、こんな悩みに直面しているのは、社会全体から言うと、ほんのひと握りの上層階級だけ。深刻なのは、その下にいる大多数の「貧困層」です。
一生懸命働いても、年収が300万に届かない、いわゆる「ワーキング・プア」と呼ばれる層。その層を構成しているのは、現在38.2%に上る(総務省・就業構造調査)と言われている「非正規雇用」の労働者です。
その「非正規雇用」の比率が、女性だけに限ると、57.5%にも上ります。なんと、働く女性の6割近くが、パートやアルバイトといった「非正規雇用」。身分の保証もない、社会保険もない、失業保険もない、ボーナスもなければ、時給や日給は「時価」――という劣悪な条件の下で、働くことを余儀なくされている層です。
これで「輝け!」と言われても、「あんた、何ゆうてんの? 現実を見いや」と、怒られてしまいまっせ、安倍さん――てなものです。
女性の「非正規率」が高いのは、その職場が、飲食業などのサービス業、スーパーやコンビニの店員などの小売業、倉庫や運送などの流通業などに多いからですが、実は、これらの業界での「非正規社員」は、かなりの率が「派遣社員」で占められています。
これこそが大問題!
と長住は思っています。
女性の活躍を阻んでいる問題のひとつは、それなりに高等教育を受け、キャリアを身に着けた女性たちが、会社などで活躍する条件が整っていないことにある。
前回は、そんな話をしました。
しかし、筆者・長住に言わせていただくなら、こんな悩みに直面しているのは、社会全体から言うと、ほんのひと握りの上層階級だけ。深刻なのは、その下にいる大多数の「貧困層」です。
一生懸命働いても、年収が300万に届かない、いわゆる「ワーキング・プア」と呼ばれる層。その層を構成しているのは、現在38.2%に上る(総務省・就業構造調査)と言われている「非正規雇用」の労働者です。
その「非正規雇用」の比率が、女性だけに限ると、57.5%にも上ります。なんと、働く女性の6割近くが、パートやアルバイトといった「非正規雇用」。身分の保証もない、社会保険もない、失業保険もない、ボーナスもなければ、時給や日給は「時価」――という劣悪な条件の下で、働くことを余儀なくされている層です。
これで「輝け!」と言われても、「あんた、何ゆうてんの? 現実を見いや」と、怒られてしまいまっせ、安倍さん――てなものです。
女性の「非正規率」が高いのは、その職場が、飲食業などのサービス業、スーパーやコンビニの店員などの小売業、倉庫や運送などの流通業などに多いからですが、実は、これらの業界での「非正規社員」は、かなりの率が「派遣社員」で占められています。
これこそが大問題!
と長住は思っています。

実は、私にも、「派遣社員」として倉庫業界で働いた経験があります。
「派遣社員」というのは、「派遣会社」に登録されたスタッフのことを言います。しかし、「社員」と言っても、「派遣会社」と「派遣労働者」の間に、なんらかの双務契約が成立しているわけではありません。あるのは、就業上の規則などを一方的に承諾させるだけの誓約関係のみ。
「派遣会社」の側は、求職者に対して、身分や雇用の保証をするわけではなく、「仕事があればメールで連絡する」から「エントリーしてくれ」と求めるだけです。
私が登録した派遣会社は、最近、TVでもしきりにCMを流したりしている「ヒューマン・トラスト」という会社でした。SMAPの中居正広が出てくるあのCMの会社です。
この会社が扱っている求人の多くは、いわゆる「スポット」と呼ばれる派遣です。「○日から○日まで仕事があるから、○人、用意してくれ」という派遣先からの要請を受けて、必要な人数を送り込むという業務をこなしているのですが、実は、このシステムこそ、「ワーキング・プア」を生み出す最大の原因――と、長住は確信しています。
私が経験した「ヒューマン・トラスト」の場合を例にとって、派遣社員が仕事にありつくまでの仕組みを解説しておきましょう。

〈1〉就業を希望する人間は、まず、「派遣会社」のオフィスで面接を受け、エントリー・シートに必要事項を記入して、IDを取得します。――エントリーシートには、住所・電話番号などの個人情報のほか、希望する職種・勤務できる期間・曜日・時間帯なども記入しておきます。
〈2〉後日、希望する職種などに合致する「求人」があると、登録メンバー当てにメールが入ります。「これならできる」という仕事があれば、メールに添えられた「この仕事にエントリーする」という返信を自分の登録IDと共に送ります。――「確定」は早い者順で決められますから、就業希望者は、しょっちゅうメールをチェックしてないと、仕事にありつけなくなります。
〈3〉就業OKになると、集合時間・集合場所・持ち物などのメールが入るので、それを確認して「確認メール」を送る。
〈4〉当日は、「いま、家を出ます」という出発メール⇒集合場所に着いたという到着メール⇒これから仕事を始めるという始業メール⇒(就業)⇒いま、仕事を終えたという終業メールを送り、派遣先で「就業確認票」にサインをもらう。
〈5〉後日、「就業確認票」を持ってオフィスに行き、賃金を受け取る。
以上が、「1ジョブ」あたりの仕事の流れ。
一日あたり5000~7000円の日給を稼ぐために、一日中、メールをチェックし、5~6回のメールのやりとりをして仕事にありつき、後日、交通費をかけて賃金を受け取りに行くわけです。
ちなみに、前出「ヒューマン・トラスト」の場合、賃金の受け取りは、壁に開けられた「穴」のような窓を通して行われます。こちらからは、中の様子が窺えない構造になっていました。
これじゃ、まるで奴隷だな――と、筆者は感じました。
ケイタイ一本で、顔も見えない相手に管理される奴隷。
これが、「ワーキング・プア」を生み出す「スポット派遣」の実態です。

「スポット(日雇い)」で働く労働者をもっとも必要としているのは、どんな業種だと思います?
求人情報誌などを見る限り、「スポット求人」が目立って多いのは、以下の4業種です。
〈1〉警備業界……工事に伴う車両の誘導、イベント会場の警備など、不定期な仕事が発生するため。
〈2〉運送業界……会社、店舗、学校などの移転の際に、臨時の作業員が必要になるため。
〈3〉建設業界……施工期間だけの作業員が必要になるため。
〈4〉倉庫業界……特に商品の出荷などに伴う、仕分け・ピッキング・検品などの業務は、取り扱い量が日々、変動するため。
〈2〉運送業界……会社、店舗、学校などの移転の際に、臨時の作業員が必要になるため。
〈3〉建設業界……施工期間だけの作業員が必要になるため。
〈4〉倉庫業界……特に商品の出荷などに伴う、仕分け・ピッキング・検品などの業務は、取り扱い量が日々、変動するため。
筆者が経験したのは、〈4〉の倉庫業界。そこは、TVで一日中、「ショップ・チャンネル」という通販番組を流している「住商ロジスティクス」の倉庫でした。
「ロジスティクス」というのは、原材料の調達から商品の保管、消費者への宣伝・広報活動、商品の発送までを一貫して行う「流通業務」の新しい考え方。わかりやすく言うと、倉庫業者が生産者と消費者を、物流を通して結びつけるシステム――と言っていいかと思います。
そのシステムをもっとも効率的に運用しているのが、「通販業界」だろうと思われます。
「通販」という業務を効率よく運用しようとしたら、解決しなければならない問題があります。それは、日々、変動する出荷量に合わせて、作業員の数を調節しなければならないという問題です。
そこへ登場した願ったり叶ったりのシステムが、「スポット派遣」――というわけです。
「通販会社」には、日々、注文が舞い込みます。その注文数に合わせて、「明日は作業員が○名必要」という数字を出し、派遣会社に連絡すると、派遣会社はそれに合わせて翌日の派遣人数を揃えます。
「通販会社」にとって、こんなおいしいシステムはありません。作業員の「人件費」というロスを、最小限に抑えることができるからです。
しかし、働く側にとってはどうでしょう?
「きょうは仕事があったけれど、明日、どうなるかわからない」という状態が、半永久的に続くわけです。
倉庫内でのピッキング(商品の棚から注文の商品を探し出して揃える作業)、検品、梱包などの作業に従事するのは、大部分が女性です。
これで、「女性が輝く社会」が作れるのか?
どう考えても、答えは「NO」です。

長住は、こう考えます。
日本の産業界、特に流通業界を支える膨大な数の「非正規雇用」が減らない限り、日本社会の「格差」は埋まらない。
その「非正規雇用」の大半を占める「派遣」という形の就労スタイルを原則禁止にでもしない限り、「格差」はどんどん広がる一方だ。
日本に大量の「ワーキング・プア」を生み出している最大の原因は、女性に関して言えば、
求人情報誌 ⇔ 派遣会社 ⇔ 通販会社&倉庫業者
の連合軍が作り上げた「労働者使い捨てのシステム」としての「派遣労働」である。
にもかかわらず、「女性の社会進出」を謳う安倍政権は、その口の裏で「労働者派遣法」の改正を進めようとしています。
これまで「3年まで」と定められていた「派遣労働」の期間を「無期限」に変えようとしているのです。
これでは、「ワーキングプア」を増やすだけではないか……?
安倍政権が言う「女性活用」とは、家庭にくすぶっている女性労働力を市場にいぶり出して、「奴隷化」する施策に他ならないのではないか。
長住はそう感じるのですが、みなさんはいかがでしょう?
管理人の本、Kindle で販売を開始しました。よろしければ、ぜひ!

シリーズ「マリアたちへ」Vol.1
『チャボのラブレター』
2014年10月リリース
Kidle専用端末の他、アプリをダウンロードすれば、スマホでもPCでも、ご覧いただけます。
作品のダウンロードは、左の写真をクリックするか、下記から。
チャボのラブレター (マリアたちへ)
『チャボのラブレター』
2014年10月リリース
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チャボのラブレター (マリアたちへ)

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