憎しみ合う「別れ」からは、何も得るものがない
不純愛トーク 第315夜
好きな相手であれば、たとえ別れることになっても、「幸せになれよ」と送り出すことができます。仮にそれが「フラれた」であってもです。それができずに、憎しみ合って別れてしまうと、その関係からは何も生まれません。自分の中に「スーパーエゴ=超自我」が育っていれば、別れた相手のために「幸せ」を願うこともできる。そのほうが、結果的に豊かな人生を送ることができる。今回は、そんな話をご紹介します――。
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AKI ホレた女に「自分のものになれ」と求め続けるのではなく、その女に「幸せであってくれ」と願う気持ち。そういう気持ちを持てるようになるためには、「自我の成長」が必要だ――と。前回は、確か、そんな話をしたんですよね?
哲雄 そのように「自我」を成長させるのは、「超自我=スーパーエゴ」だ――と申し上げました。
AKI で、哲ジイはその「超自我」の働きによって、ホレた女の「幸せ」を願ってあげられる男になった――と。そういうわけなんですね。
哲雄 クーッ! それには、長い長い時間が必要ではありましたが……。
AKI そんな辛い歴史があったのですね?
哲雄 つか……だれでもそうではありませんか? この世に、フラれてうれしい、チョー感激! なんて思う人はいないと思いますよ。
AKI そうですよね。私なんか、自分を袖にした男なんて、クルマに轢かれて死んじまえ……とまでは思わないにしても、他の女にフラれたなんて話を聞くと、ザマァ見ろぐらいのことは、思うかもしれませんわ。
哲雄 フム……情が深いAKIクンなら、そういう感じ方をするかもしれませんねェ。
AKI でも、哲ジイは、そうじゃないんでしょ? フラれた相手にも「幸せになれよ」と願ってあげるんだもんね。
哲雄 顔で笑って、心で泣いて……ではありますがね。
AKI 心では泣いてるんだ?
哲雄 そ、そりゃ……人間ですもの。「好き」になって愛し合った相手と別れることが、悲しくないわけはない。しかし、そこで悲しい顔を見せちゃあ、重大な決意を込めて、やっとの思いで「別れ」を切り出した彼女の新しい旅立ちを、妨げてしまうことになるかもしれない。
AKI だから、顔では笑う? そこで「ダメだ、行かないで」とすがりついたりしないのが、哲ジイの「スーパーエゴ」?
哲雄 そうかもしれませんねェ。
AKI ちなみに、その「スーパーエゴ」は、どんな「エゴ」?
哲雄 自分を愛するように、人を愛しなさい。
AKI どこかで聞いたような……。
哲雄 『聖書』に記されたイエスの言葉です。イエスはこうも言っています。

しかし、オレに言わせりゃ、そんなもんは愛じゃねェ。
愛と言うなら、お前の敵も愛してみろや!
AKI そんな言い方、してないと思いますけど……。
哲雄 ちょっとヤンキー風にアレンジしてみましたが、要は、「自分と親しい人間たちを愛したところで、そういう愛は、ただのエゴでしかない」と言ってるわけですね。仏教の世界でも、親鸞が、同じようなことを言ってます。

念仏とは、「南無阿弥陀仏」と、阿弥陀さまによる救済を願って唱える祈りのことですが、親鸞は、それを「自分の親たちのために」などという利己的な気持ちから唱えたことは、一度もない――と言っているわけですね。
AKI エーと、親鸞っていうのは……。
哲雄 「善人なおもて往生す。いわんや悪人においてをや」と説いた「浄土真宗」の開祖です。
AKI つまり、自分の「利益」を願うような「愛」は、「愛」とは言えない――と? イエスも、親鸞も、同じようなことを説いているんですね?
哲雄 そうです。私の「超自我=スーパーエゴ」は、こういう先人たちの言葉を学ぶことによって育ちました。
AKI その結果、哲ジイは、別れた彼女といえども、憎悪や怨嗟の対象とはせず、静かに、その幸せを願うことができるようになったわけですね。で、どうなんです? 実際、そうやって別れていった女性たちは、幸せになってるんですか?
哲雄 みたいですよ。毎年、送られてくる年賀状などに、その幸せな様子が綴られていたりしますから。
AKI エッ、別れた彼女から年賀状が届いたりするんですか?
哲雄 届くでしょう、ふつう。
AKI 届きませんよ! てか、私だったら出さないし……。
哲雄 おお、なんと心の狭い……。たぶん、キミは、年賀状で近況を知らせあうような、そういう別れ方をしてないんですね?
AKI エッ、別れ方の問題ですか?
哲雄 憎しみ合って――とか、「二度と顔も見たくない」と思うほど嫌いになって――とか、そういう別れ方をしているのではありませんか?
AKI そこまではいかないけど、でも……相手にどこか「イヤだな」と思うようなところが見え始めて別れる……とか。私の場合は、そういうケースが多いかな。
哲雄 そうですか。「イヤだな」が増幅して……ですか? キミも、不幸な別れ方をしてるんですねェ。
AKI 哲ジイの場合は、そうじゃないんですか?
哲雄 相手を「イヤになって」という別れ方は、私の側からも、彼女の側からも、ありませんでしたねェ。
AKI エッ、じゃ……別れた理由は?
哲雄 もっと好きな人が現れた――とかじゃないですか? あなたのことは好きだし、尊敬もしてる。でも、ごめんなさい。私、好きな人ができてしまったの――ってね。
AKI まぁ、正直な女。哲ジイは、「あ、そう」って、それを受け入れてしまうんですか?
哲雄 しょうがないじゃありませんか。「あなたのトイレの使い方が気に食わないから」とかいうんだったら、「ごめん。これから気をつけるからさぁ」と、ひたすら反省と改善の意思を見せて、思い直してくれるようにお願いすることもできるけれど、「好きな人ができた」は、自分ではどうしようもない問題ですから。
AKI オレを裏切るのか――とかは思わないわけ?
哲雄 「裏切る」なんていう言葉は、私の辞書の中には存在しませんので。
AKI ヘェ、存在しないんだ……?
哲雄 「裏切る」という言葉は、人間関係を「契約関係」とか「使役の関係」とか「主従の関係」としてとらえる価値観の中で生まれる言葉ですから、私は個人的には嫌いです。少なくとも、愛情で結ばれるような人間関係の中では、私は使いませんねェ。
AKI じゃ、「ガンバれょォ~」と送り出してあげる?
哲雄 それほどノーテンキでもありません。ただ、ひとつだけ、尋ねますね。
AKI 何を尋ねるんですか?
哲雄 おまえさん、その男とつき合って、幸せになれるのか?――ってね。
AKI 答えが「イエス」だったら……?
哲雄 ポン……と背中を押してやります。奥歯を噛みしめながらではありますが。
AKI そうして送り出した女たちからは、年賀状が届くんですね? 幸せな色を溢れさせて……。
哲雄 ま、そういうことですね。「ほんとにこれでいいのか、迷いましたが、いまは幸せに過ごしています」なんて便りが届くと、ちょっと心がホッコリしたりして。そのうち、「結婚が決まりました」になり、翌年には、「子どもが生まれました」という知らせが届いたりします。
AKI そのたびに、哲ジイの人生から何かが消えていくんですね?
哲雄 いや、逆です。豊かになっていくような気がします。
AKI それはよかった。では、どうぞ、豊かな人生をお大事に。
哲雄 エッ、エッ!? 何、それ……?


2012年11月リリース
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