シランケンの不純愛講座

「おまけ」と「言い訳」をセットでおつけします【付加価値作戦】

　【会話例３】のポイントは、彼女に「やりにいく」のじゃない、「夜景を見に行く」のだ――と思わせるところにあります。
　女性は、「言い訳」の動物です。
　たとえ、心の中では「やりたい、やりたい、ああ、やりたい」と思っていても、「おまえ、やりたいんだろう？」と突きつけられると、「とんでもない」と真っ赤になって首を振ります。
　そういう動物に、「そうじゃないんだよ、夜景を見に行くんだよ」と「言い訳」を用意してあげるのは、ジェントルマンのたしなみでもあろうかと、わたくし長住は考えます。

　同時にまた、女性は「おまけ」が好きな動物。なにしろ、付録目当てで雑誌を買ってしまうようなコンシューマーです。
　「夜景」というおまけがあれば、たとえお相手が１分30秒でチン没しても、「よし」とする生きものなのです。

　この会話例に出てくる「夜景」は、その「言い訳」と「おまけ」を兼務しているわけですから、高い「ＹＥＳ」率を獲得したのもうなずけます。
　ここでは、「夜景」を使いましたが、これは、

　「ものすごくいいカラオケ」

　でも、

　「すごいジェットバス」

　でも、全然ＯＫ。
　彼女が「ヘーッ」と目を輝かせるようなサムシングであれば、「夜景」同様の誘引効果が得られるだろうと思います。

あなたがしたいことを彼女の口から問わせる【愛のこだま作戦】

　【会話例４】のポイントは、どこにあると思います？
　「キミがブーツを脱ぐところ」という言い方？
　ま、それも、ポイントのひとつではあるのですが、いちばん肝心なのは、彼女に「あなたは？」と尋ねさせるところなのです。
　いきなり、「キミがブーツを……」と切り出したのでは、「突然、何言い出すんだ、このおっさん」とヘンタイ扱いされるのがオチですから、ここでは、まず、彼女に「いま、何が見たい？」と訊いて、「あなたは？」と訊き返させているわけです。
　これを私は「こだま話法」と命名したいと思います。
　ここでは、「何が見たい」と訊いていますが、「何が食べたい？」でも「どこへ行きたい？」でも「どんなストレッチがしたい？」でも、ＯＫ。
　要は、「ハイ」「イイエ」ですむ質問ではなく、「何」を問う質問、つまり５Ｗ１Ｈを問う質問を投げかけるということです。「何」を問われると、人間は必ず、相手の「何」も訊きたくなります。
　ここがミソ。もし、彼女が、「あなたは？」と訊き返してくれないような気のきかないやつだったら、訊かずにはいられなくなるようなひと言をプラスします。それは、

　「ヘーッ、変わってるね」

　このひと言です。
　ちょっとやってみましょうか？


　ハイ、訊いてくれました。

　もうひとつのポイントは、「あなたは？」と訊き返されたときの、返答です。
　ここで、「東京タワー」とか「雷門」なんて答えたんじゃ、ホテルに行くという展開にはなりませんから、当然、セクシーな答えを返します。それも、彼女が「ドキッ」として「キャッ」となるような、衝撃的な答えです。
　と言って、「キミのあそこ」なんて返したんじゃ、あなたの頬に手の形のもみじが残るだけ。「キミのヘアヌード」も、確かに衝撃的ですが、直接的すぎて美しくありません。
　そうです。ここで挙げて見せる「見たいもの」は、エロではあるけれど美しいもの。彼女がその姿を自らイメージできて、自己陶酔できるようなものである必要があります。
　会話例では、「キミがブーツを脱ぐところ」とやりましたが、「キミがブラのホックを外すところ」でも、「濡れた髪をアップにまとめるところ」でもいいわけです。

将来の「夢」を提示して「いま」をＧＥＴする【夢の冬ソナ時間差作戦】

　最後に【会話例５】ですが、これは、高度なテクです。
　「１年後も、こうして会っていられたら」は、女性に甘い夢を見させる言葉です。
　おそろしく気の短い、想像力の貧困な女性でない限り、彼女の頭の中には、１年後に結ばれるふたりのロマンチックな姿が浮かび上がるはずです。
　しかし、同時に、彼女の中には「不安」も芽生えます。

　 私たち、１年後もこうして会ってられるだろうか？
　 その間に、この人、他の女に心奪われたりするんじゃないだろうか？

　その不安が、「エーッ!?　１年なの？」と言わせてしまうのですが、そこですかさず「10分でもいいけど……」とやるわけです。
　「１年」という長さに不安を感じていた彼女は、この「10分後」に飛びつきます。
　バレーでおなじみの「時間差攻撃」。これに、冬ソナでおなじみの「１年後に○○しよう」という「ゴールチラ見せ」作戦をプラスするわけです。題して【夢の冬ソナ時間差作戦】。

　実はこれ、家電量販店などで、よく経験する作戦でもある――って気づきました？
　たとえば、あなたが、店頭でものすごく気に入ったノート・パソコンを見つけたとします。ところが、店員が申し訳なさそうに言うのです。


　ガッカリするあなたに、店員がささやきかけます。


　いったん、「コレ欲しい」を焼き付けられたあなたの脳は、その提案にたちまち飛びつくことになります。

　これと同じことを、彼女に対してもやろうというわけです。
　高度な作戦ですが、「ＹＥＳ」率は75％。
　ただし、成功のためには、ひとつだけ条件があります。あなたが、彼女の「すごく欲しいノートパソコン」であること。
　ご健闘を祈ります。

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