「東京人」が「田舎者」をバカにするのはなぜ?
不純愛トーク 第240夜
今回の話は、前回に続いて、東京と大阪の比較。両者を分けているのは、「お上」に対するスタンスの取り方の違いである、という話を紹介します。「お上と近い」を「売り」にしたがる「東京人」は、上にはへつらい、下の者はバカにするという傾向大! 「田舎者をバカにする」も、そこから生まれた性質だというのですが――。
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AKI 前回に引き続いて、今回は、東京と大阪の違いについて、お話するんですよね。
哲雄 最初に、ちょっとだけ断っておきたいことがあります。何かにつけて言われる東京と大阪の比較だけど、このときにサンプルとして語られる「東京」は、たいてい、「山の手の東京」であって、けっして下町じゃない。それじゃ、正確な比較にはならない。
AKI そうですね。私たちがふだん、「東京」って言ってる「東京」は、全国から選ばれて集まって来た人たちが作ってる「東京」なんですよね。
哲雄 中には、「選ばれてない人」もいたりしますけどね。
AKI なこと言いながら、人の顔を見るかなぁ……。
哲雄 別に、見ちゃあいませんけど。要は、「東京」には、「東京」なんていう地域性はない、と申し上げたかったわけです。古くからの下町をのぞいてはね。あとは、「中央」としての「東京」があるだけ。とすると、大阪vs東京というのは、ある意味では、地方vs中央の対立である、とも言えるわけです。地方としての「大阪」は、江戸の昔から、中央としての「江戸」に対して、根強く抵抗を続けてきました。
AKI 反乱を起こしたり……とか?
哲雄 いや、あからさまな反乱は起こしません。その代わり、のらりくらりとお上の追及をかわす術を身につけてきました。何か言われても、「さよか」みたいなもんです。「さよか」だけでは、「YES」なのか「NO」なのか、ハッキリしませんよね。そうやって、権力とつかず離れずの関係を保つ。それが、大阪の商人たちの知恵でもあったわけですね。
AKI 東京の町人たちは、反抗しなかったんですか?
哲雄 東京の「町人」というのは、主に武家層を顧客として商いをする商人と職人たち、それに武家屋敷に奉公する「中間」と呼ばれるから層から成り立っていたのですが、彼らの中にも、刀を持って威張っている支配層=武士に対する反発心はあったようです。でもね、その武家階級はまた、彼らの顧客でもあった。なので、バカにしながらも、その権威を利用しようとする傾向がありました。
AKI 権威を利用する? つまり、取り入ろうとする……ってことですか?
哲雄 リベートや饗応によって、取引を有利に進めようとするなんていうのは、江戸の商人たちが得意としたワザ。そうして江戸・東京の商人たちは、権力と結びついた「政商」と化していくんですね。
AKI 大阪の商人は、そうじゃなかったんですか?
哲雄 大阪の商人は、どっちかと言うと、裸一貫からのし上がってきた、というタイプが多かった。つまり、成り上がりタイプが多かったんですね。「お上と癒着」というのが、東京の商人たちの得意ワザとするなら、大阪の商人たちは「面従腹背」。表面上は、「さよか」と従うフリをしながら、腹の中では、舌を出してる。橋下知事がいくら声を荒げても、「ハハーッ」とはならないわけです。あ、話がそれちゃいましたね。
AKI でも、東京の町人だって、腹の中ではお上をバカにしてたんでしょ?
哲雄 バカにはしてたけど、その権威をちゃっかり利用しました。AKIクン、「町奴(まちやっこ)」っていう言葉、聞いたことありますか?
AKI 冷ややっこなら知ってますけどね……。何ですか、それ?
哲雄 よく、凧の絵柄になったりして、「奴凧」と呼ばれたりするんだけど、あの絵のモデルになってるのは、武家屋敷に奉公する「中間(ちゅうげん)」と呼ばれる町人なんだよね。町人のくせに、武家屋敷に奉公してるものだから、自分も武士の仲間のような気になって、ほかの町人たちを見下すような態度をとる。この「町奴気質」こそ、「江戸っ子気質」の典型だと言われてるんですよね。
AKI つまり、「虎の威を借る狐」ってことですか?
哲雄 そういう言い方もできますね。お上をバカにしているくせに、その権威には擦り寄り、下に向かっては、その権威を見せびらかして威張る。江戸の昔から、東京人には「田舎者」をバカにする気風がありますが、それも、こういう所から出てるんじゃないかと言われてます。
AKI 困ったものですねェ。東京人が見栄を張るっていうのも、「虎の威」をふりかざしたいからなんでしょうかね?
哲雄 そうかもしれませんねェ。よく、江戸っ子は、「宵越しの金は持たねェんだ」と粋がって見せたりしますが、実は、これも、金銭を蔑む武家社会の感覚を、町人がマネたためだ――と言われてますねェ。それに、江戸の商人たちは、リベート、饗応のために、金を湯水のように使いましたから、そこからも、旺盛な消費欲が生まれたのではないかとも言われてます。
AKI てことは、東京人にとって「金をしぶる」というのは、見苦しい行動なわけですね。
哲雄 ええ、東京では「ケチ」は嫌われますね。「あいつ、シケてやがんなぁ」は、ほとんど侮辱的な意味で使われます。
AKI 大阪人は見栄なんか張らないわけですね。「宵越しの金を残さない」なんて言うと、「アホか」と言われてしまいそうですね。
哲雄 その感覚の違いが、消費行動にも現れるんだと思いますよ。東京人は、見かけがよければ、「ワァ、オシャレ!」と、パッと財布のヒモを解いてしまいますが、大阪人は、「これ、ほんまもんの絹かいな?」などと、その「値打ち」を確かめてから買おうとします。
AKI もしかして、男や女を選ぶときも、そうなんでしょうかね?
哲雄 それは、どうなんでしょう。少なくとも、初対面の女性に平気で声をかけたりするのは、どっちかと言うと、大阪人のほうが得意みたいだし……。でも、クラブの女にパッとマンションを買い与えたり……なんてことは、たぶん、大阪のオヤジはしないでしょうね。もし、私が大阪人だったら、「マンション? よっしゃ、買うたる。そんで、月何回や?」と訊くだろうと思います。
AKI やっぱり、合理的なんだ。ね、哲ジイ、大阪以外にも、「合理的」とおっしゃった土地がいくつかありましたよね?
哲雄 エーと、岡山、香川、徳島ですけど、実はね、これらの土地に共通していることがあります。何だと思います?
AKI 瀬戸内海に面してる……とか?
哲雄 それもあるけど、もっと意外なことです。
AKI エー? わかんない……。
哲雄 実はね、女子の進学率が高いんです。この3県とも、「男子に比べて女子の進学率が高い都道府県ベスト10」の中にランクインしてるんですよね。その数字がこちら。

男子の進学率-女子の進学率のマイナス値の大きい順(昭和50年度調べ)
1位・沖縄県……-12.5
2位・高知県……-5.4
3位・青森県……-5.0
4位・長崎県……-4.9
5位・静岡県……-4.7
6位・岩手県……-4.5
7位・秋田県……-4.3
8位・岡山県……-3.6
9位・香川県……-3.3
10位・徳島県……-3.2
10位・茨城県……-3.2
哲雄 念のために言っておくと、女子の進学率のほうが男子よりも高いのは、全国的な傾向で、男子のほうが高いというのは、47都道府県のうち、1県だけでした。ま、これは、昭和50年度の数字ですから、現在、どうなっているかはわかりませんけどね。
AKI でも、どうして!?
哲雄 どうして、女子のほうが高いか、ですか? これは、私の推測ですが、おそらく、男子のほうが早くに就業してしまわざるを得ない場合が多いからではないか……。
AKI で、女子の進学率とその地域の合理性が高いこととの関係は?
哲雄 ハイ。そこです、問題は。その答えは、次回、ゆっくり検討してみることにしましょう。

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